先生、私の隣に座っていただけませんか?のレビュー・感想・評価
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書き物が現実に起きる系で1番揺さぶれ面白い
2021年劇場鑑賞20本目 優秀作 71点
劇場の上映前の予告で見かけたことがなく(月に4,5本観ていますが)、こちらのサイトの公開予定作品で拝見して、気になり鑑賞した作品。
とても当たりでした。今年はこういった何かで予告しそれ通りになるという作品が多いなか、1番色々な面で良いと思った作品でした。
まずは配役が素晴らしい。原作は未読ですが柄本佑と黒木華が実にちょうどいい。
演者の人数や規模、名前で配役していない様が良く、同じ系統のキャラクターや鳩の撃退法のような豪華なキャストで話題を産もうみたいな、日本の映画業界の悪いところというか、本当に作品に向き合っている観客への冒涜というか、そういったのは他2作品より感じないだけで個人的にはポイントが高い。
今年の個人的邦画ランキングを更新し7位にランクインしました。
是非。
隣に座るのは遠慮しておきます
机の上にあった佐和子先生の新しいネームを見て背筋が寒くなる夫である「俊夫さん」。そりゃそうだよね。自分の不倫現場がそのまま漫画にされているんだもんね。
奥さんの漫画で生活しているのに、よりによって妻の編集者と不倫なんて完全にアウト。
佐和子先生が現実をマンガにしているのか、マンガを描いてから実行に移しているのか、それとも夫を惑わすための妄想なのかが、見ている自分もだんだんとわからなくなる。黒木華の真骨頂だよね。最後の最後までわからなかった。
奈緒の小悪魔ぶりもいいよね。自分の不倫のことなんか全然気にしていない。いい作品ができれば、俊夫のことなんかいつでも切り捨てるつもりでいる。
終着点は、そっちの方なんだと思っていたら、見事に裏切られた。心の整理をしていたら竹内まりやのプラスティック・ラブが流れてきた。なんかピッタリ。
現実と妄想(ネーム)の境界線を曖昧にする脚本の妙
マンガを描く最初の段階でコマ割り、ページ構成、キャラの動きやセリフといったものを大まかに書いた下書きをネームという。なんでネームというのか気になったから調べてみたらnameの指定するという意味からとった言葉で、セリフの級数とかフォントを指定するところから始まったんだとか。なるほど。
本作で出てくるネームは一般的な大ざっぱでラフなものではなく、結構描き込まれているもの。もはや下書き。これで編集さんと話して修正することになったら大変だななんてことを考えてしまった。映画として観やすくするためのフィクションだから仕方ないんだけど。ま、それに編集さんに見せるつもりなのかも曖昧。
さて、マンガ家夫婦の不倫を描いた本作。妻が描き始めたネームを夫が見てしまったところから盛り上がってくる。妻が体験していること(事実)と、マンガのネーム(妄想)との境界線がうまくごまかされた面白い脚本だった。柄本佑の抑えた感じでいながら笑いの起こせる演技と、黒木華が徐々にキレイになっていく変化・何を考えているのかわからないミステリアスな演技はやはりすごかった。
終わり方もなかなかいい。タイトルはどの先生に向けたものなのかって考えていたが、それもいい落とし方だった。
パートナーの浮気はどこまでを許せて、どこから許せないのか。人によって異なるのだが、その繊細なラインをうまく描いていた脚本だったと思う。そして、普通の形とは違うが妻の愛も描かれていたように感じる。こんな感想は男だからなのかな。目立つ作品ではないが面白かった。
やっぱり 女はミステリー。
邦画の当たり年も当たり年の2021年。これも来ましたもん。面白かったですもん。変わり種、っちゃー変わり種ですが、近年公開作の何物にも似てないところとか最高です。
主役の2人には拍手もんです。特に黒木華さんなんて、久しぶりに黒木華らしさ全開の抑制の効いた演じっぷりに脱帽。と言うか「シテヤラレタ!」
「テンポ悪いよなぁ」と焦ったさを感じる幕開けは狙い通りでしょうか。真綿でジワジワ締め付けられる様な緊張感by黒木華、と同時に、ジワジワ湧いてくる滑稽ぶりby柄本佑、の並行進行が楽しいから。
最近連投の金子大地も、「らしい役」の奈緒も、ちょい老けの母親役が板に付いた風吹ジュンも、全員が持ち味発揮しまくりで芝居が締まります。
なんと言っても、オチが堪らんですもん。ホッコリのダブルミーニングオチから、捻りが入って「えっ。やっぱり、そう来るんかい?」
笑えるコミカル・ミステリー。
これはスマッシュ・ヒットです。甘っちょろく無くて、洒落が効いてて、毒もあるのに脱力して笑えるお話なんて、初めてかも知れない。
まだジワってますw
良かった。面白かった。とっても。
柄本佑の表情が匠
ちょっと最後は怖っ。
夫(柄本)妻(黒木華)二人は漫画家で妻が夫の浮気を目撃。そこから妻が漫画のネームを使い夫を徐々に追い込んでいく…… 柄本佑の顔の表情、声の出し方など見ていてオモシロイ 黒木華は余計なことは一切言わないので顔の表情や話し方でどうでるのか本当のことを言っているのかが分からない。漫画家らしい復讐
黒木華の少し微笑む顔が怖い
でも。騙されすぎてる?
ドライブ・ユア・カー
もしくは she drives me crazy
絵コンテ(漫画原稿)と実写が奏でる虚々実々の不倫狂騒曲
嫌な汗をかき続ける柄本佑、イノセント且つミ
ステリアス黒木華 両者の名演が光る
ラストまで持続するサスペンスとコンゲームの爽快感
匂いまでしそうな嫁の実家描写も生々しくてゾワゾワする
役者さんがだれもうまいから面白い。
漫画と現実の話がうまく交差するから二転三転する気持ちの揺らぎが面白い。浮気夫婦のシリアス話だけど主役ふたりがさすがな演技に加え吹雪ジュンも毎度ながら良い感じ。今時な担当編集者も楽しい。心理合戦を明るく楽しめます。
リアルと妄想を漫画で描くドラマ
これは実話か?妄想なのか?
純愛か?復讐なのか?
答えは最後まで分からない。
シリアスっぽくも、どこかのどかな感じで、
少しせつないような、でも共感出来る恋愛シーン。
キャスティングかなり良かった。
人気をとるキャスト陣ではないかもしれないが、皆んな素晴らしかった。
非常に良く出来た映画なので、是非観て欲しい作品。
本当面白い。
怖さとユーモアが両立したシュール過ぎる復讐劇
これは可笑しい。後からジワジワ来る作品。序盤の微妙な夫婦の空気感が既に面白い。柄本佑の気まずくてやましい表情の演技がめちゃくちゃ良い。ストーリー、脚本、配役も非常に良い。観ている間、思わずずっとニヤけてしまいました。
黒木華の怖さと柄本佑のマヌケ感が絶妙!
まず夫婦間の不倫問題を、直接問うことをせず漫画の中で対峙させる手法が目新しい。
この夫婦はもともと口数が少ない。だが妻が無言で仕掛けた戦いは、夫にとって身震いがする恐怖の心理作戦!
黒木華が繰り出す小出しのパンチに、柄本佑がアタフタする姿にクスリとしながらも、彼の心情を慮ると胃がキリキリと痛くなりそな展開。
黒木華の笑っていても笑ってない眼で、虎視眈々と計画を実行する肝の座り方が怖いのなんのって…。
奈緒のキャラクターがちょっと突き抜けすぎてる気もするけれど、これでシリアスな感じだったら逆に一人浮いてしまうからご愛嬌。
倫理観やら設定やら細かいことに拘らず、単純に楽しめる映画でした。ご馳走さまです!
今見ている映像は漫画の一コマなのか?
「面白い映画は冒頭10分で決まる」なんて乱暴な意見もありますが。
気持ちの良いカットでしっかり心理劇の面白さに引き込まれました!
二転三転するストーリーが面白いのはもちろんなのですが、黒木華さん演じる佐和子の心理を読むのが非常に楽しく
「本当はこう思っているのよね。」
「たぶん、こう思っているに違いない…」
「え〜っ!いったいどう思っているの〜〜??」と、
夫の俊夫と一緒に、彼女に翻弄されていきました。
黒木華さんって、“純朴”や“清楚”といったイメージをまといながら、匂い立つエロスや底知れない情念を秘めている素晴らしい女優さんですよね〜。
最小限に抑えた演技から目が離せません!
ヒントになるのは、ちょっとした目線だったり、仕草だったり…。
それに、構図やカットのタイミングも彼女の心理を読み解くヒントになるので気が抜けません!
ワンシーン、ワンカットの隅々にまで、ちゃんと意図が張り巡らされていて、行き届いた演出。監督のこだわりがすごそうで
「全てのカットが絵になる構図だなぁ。」
「一瞬挿入されるだけの短すぎるアップは、面白いリズムだなぁ。」
なんて見ていたのですが…ある瞬間ハッと気づきました。
これって、この映像自体が漫画のコマを表しているのでは?!
これに気づいた瞬間の私の興奮たるや!
堀江監督すげ〜
いや、そもそもリアルと虚構(漫画)を行き来する映画なので、漫画を再現しているシーンがあるのは当たり前だと言われれば、当たり前なのかもしれませんが(^◇^;)
絵になる構図は、そのまま漫画のコマの構図だから。
焦る心理を表す“短すぎるアップのカット”は、面白いリズムではなくて、
漫画のコマでいうところの「ハッ」とか「ギクッ」で挿入される顔の小さめの一コマなんだわ。
そうなってくると…いったい何重構造??
ますますどこまでが現実で、どこからがフィクションなのかが謎になってきて、あまりの興奮に鼻血が出そうですww
全部全部漫画だったりして。
映画なんだから全部全部フィクションなんですけどね(^^;)
それにしても、楽しい妄想が頭の中をぐるぐる回り出して止まらない。完全にハマりました。
俊夫を演じた柄本佑さんの、ちょっとバタバタしたコミカルな演技が、全体のトーンを重くしすぎない良いバランスを保っています。
内面に燻っている焦りや、情けない感じが憎めなくて可愛かったり。
そして、場面転換に刺激を与える奈緒さん、良いです!!
面白い漫画を読む為には何だってやる感じが、たまらなく好き。
風吹ジュンさんの女親の鋭さも良いです。
登場シーンで絵を描いているのも印象的で、「わからない娘なのよ」と言いつつ、実は思考パターンや行動パターンが一番近いんだろうなと思える演技。さすがです。
劇中に出てくる漫画の原稿が綺麗でうっとりします。
手書きの工程が良くて、一コマの絵にどれだけの情熱を注いでいるかが感じられて好き。
ファーストシーンも紙に線を引く音から入ってましたね。
無から生み出す“ものづくり”への熱量を感じられる映画であると同時に、じつは表現者の映画でもあると思います。
全てを貪欲に取り込んで表現する者
表現でしか自分の思いを吐き出せない者
表現が出来なくなってしまった者
お気に入りは、車が出発するシーンで、二重アーチに見えるショット。
教習所のシーンの音楽も面白くて好きです。
この映画も、無から生み出されている。
オリジナルなこだわりが詰まっている。
今後もTSUTAYA CREATORS’ PROGRAMには注目ですね!
作り手へのリスペクトを込めて丁寧に見たいです。
このタイトルは奥深い
漫画家の奥さんが描く新作が、リアルな旦那の浮気の話。
ネームが進んで行くうちに、今度は奥さんが浮気を始める話になっていく。
果たしてフィクションなのか…真実なのか…。
どんどん窮地に立たされていく旦那。まさに蛇の生殺し、地獄絵図です。
浮気していただけで、そんなに酷い目に合わす!?と思ったけれど…
それだけが事情の全てでは無い事が、タイトルに表れている。
表情で感情を伝える映画
少女コミックのようなダサいタイトルにちょっとひきましたが内容は全く別物でした。
まずキャスティングが素晴らしい。
少ないセリフ、表情で演技する柄本佑さん、黒木華さんが見事。特に柄本さんの温もりのある演技が、何か実際の柄本家(奥様は安藤サクラさん)を彷彿させるような気も…さらに風吹ジュンさんも良い味を出していました。
脚本(TSUTAYA準グランプリ)も自分好みであっという間の119分でした。
地味目で少し風変わりな作品ですが、かなり面白いのでお勧めです。
タイトルの意味、納得です
この作品、もっと不倫のドロドロとしたものを描いているのかと思ったら、意外にとてもさわやかで、したたかで、最後の最後まで楽しめました。
柄本佑さん演じる夫、俊夫が翻弄される姿は実に楽しかったし、黒木華さん演じる漫画家佐和子は、本当に表情が読み取りづらく、なんでも思ってることを話すタイプではないため、なおさら、怖いなぁ、この人、頭の中では何を考えてるんだろって、必死に言葉から、表情から真意を読み取ろうとしましたが、できませんでした。
最近、よく見かける金子大地さん、彼も爽やかないい感じの若者なんですけど、教習中になかなかのやり手ですね。
その先生に出会って、恋に落ち、佐和子がどんどん綺麗になってくので、その変化も楽しいですね。
俊夫の不倫相手・奈緒さんも相変わらず、二面性を持ったイヤな女、上手いです。
そして、もう1人の先生、俊夫にちゃんと仕事を与えて、最後の最後までこれは漫画の中のフィクションなんだと思わせての…さよなら。
そして、そうなることをちゃんとわかっていた母。
復讐を果たした、とても清々しいお2人の後ろ姿でした。
真綿でやさしく包んだ騙し合い物語
演者の雰囲気もあってやさしくほのぼのとした雰囲気が包む。
しかしどこか居心地の悪さが漂う。
不倫する夫。
知らない振りをする妻。
自分たちを投影したように見える漫画は果たしてフィクションなのか…?
どこまでが妄想なのか?
愛はまだ生きているのか?
新しい騙し合いの物語で面白かったです。
妄想と現実のラインが曖昧
不倫ものなんだけど、物語の進行が漫画に描かれたものと現実が同時進行で進んでいくので
妄想なのか現実なのかのラインが曖昧になっていくのが面白い
色んな意味でだらしない夫役の柄本佑をなんとかしようとする黒木華のラストの切れ味も良かった。
全207件中、181~200件目を表示