アメリカン・ユートピア

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劇場公開日:

アメリカン・ユートピア

解説

元「トーキング・ヘッズ」のフロントマンでグラミー賞受賞アーティストのデビッド・バーンが2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を原案に作られたブロードウェイのショーを、「ブラック・クランズマン」のスパイク・リー監督が映画として再構築。同アルバムから5曲、トーキング・ヘッズ時代の9曲など、全21曲を披露。バーンは様々な国籍を持つ11人のミュージシャンやダンサーとともに舞台の上を縦横無尽に動き回り、ショーを通じて現代の様々な問題について問いかける。クライマックスでは、ブラック・ライブズ・マターを訴えるジャネール・モネイのプロテストソング「Hell You Talmbout」を熱唱する。パントマイムや前衛パフォーマンスの要素も取り入れた斬新な振り付けを手がけたのは、過去にもバーンの舞台を手がけたアニー・B・パーソン。ブロードキャスターのピーター・バラカンが日本語字幕監修を担当。

2020年製作/107分/G/アメリカ
原題:David Byrne's American Utopia
配給:パルコ
劇場公開日:2021年5月28日

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映画レビュー

4.0震えよ

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画館で観れてよかった!!!

最初のHereで既に鳥肌たってしまった…

デヴィッド・バーンと11人の仲間たちが、奏でる音楽が自分の身体に響き渡って震えた。
またショーの芸術性も然り、政治的なメッセージがパターナリズムに押し付けられることなく、芸術を通して観客を巻き込むかたちで提示されておりとてもとてもよかった。芸術家も政治的にこうでなくてはと思った。

メンバー紹介がされるBorn Under Punchesが感動した。
〈顔〉が現れていく瞬間を目撃したし、生き生きと演奏する姿に感動。

あとHell You Talmboutもよかった。
唯一無二の他者の名を呼ぶことで、一般的に解釈される黒人差別や暴力が、具体的な〈顔〉のある他者への差別と暴力であることを暴く。
移民で、多国籍で構成されるメンバーだからできる強いメッセージだと思う。

あとI Zimbraも好き。聴きながらレビューを書いた。

圧倒的な演奏と力強いパフォーマンスで観客をユートピアへ連れていってくれたデヴィッド・バーンらのショー。
このショーにどのように応答するか。まずは選挙に行こう。

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まぬままおま

4.5まるで音楽の講義を受けたような気分でした。

2021年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まず脳味噌の部位を唄い、人の思考を俯瞰し、感性をむき出して語る――出だしの解釈はこれで逢っているのでしょうか。余計な物は一切無く、音楽は何か、歌とは、演奏とは何か、まるで数式で示すかのようなステージでした。私は詳しいことは一切知らず、監督がスパイク・リーであることに、ただそれだけで心引かれ、あれ? 普通の映画とは違うのかと、始まってから気付いたのですが、十分に最後まで彼らのステージを堪能できました。

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猿田猿太郎

4.0デヴィッド・バーン(69歳)の活力と自由さに惚れる。

2021年5月31日
PCから投稿

デヴィッド・バーンのアルバム『アメリカン・ユートピア』をベースにした舞台パフォーマンスをスパイク・リーが映像化。とはいえ、コンセプト・アルバムに沿ったコンセプチュアルな映画かというと、そこまでではない。むしろ、トーキング・ヘッズ時代の楽曲も織り交ぜつつ、マーチング・バンドの要素を取り入れたバンド編成で、あの手この手で聴かせ、そして視覚的にも魅せる。70代も間近なデヴィッド・バーンの、なんと自由なことか。そしてなんと旺盛なサービス精神か。

バーンに漂っている知性の香りが、今の時代にどこまで世の中を動かす力があるのか、正直一緒になって信じられるほどナイーブにはなれない。しかし、エンタメであることを前提に、言いたいこと、言うべきことを伝えたいというバーンの姿勢には感心するし、やはり魅了される。とかなんとかややこしいことをつい書いてしまっているが、まず第一に超楽しいライブなので、最高の公演を見に行くつもりで映画館に行くのがいいと思いますよ。

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村山章

4.5シンプルな舞台をあれほど魅力的に際立たせる魔法のような時間

2021年5月29日
PCから投稿

ブロードウェイ公演と聞くと瞬発的にミュージカルを想像してしまう人もいるだろうが、これはいわば、デヴィッド・バーンとその一味が織りなすコンサート・フィルム。だがそこはやっぱりバーンが手掛けているだけあり、初めて楽曲に触れる若者から昔からの熱心なファンまで、あらゆる観客層の脳を活性化させる精神がいっぱいだ。壇上に立つ11人は誰もが仲間であり同志であり表現者。ブラスバンドのように陣形を組みつつ、一度観たら病みつきになるあのダンスと、バーンのねっとりとどこまでも伸びゆく声の響きが相まって、不思議なまでの陶酔感を巻き起こしていく。鑑賞後、トーキング・ヘッズの伝説的ライブ・フィルム「ストップ・メイキング・センス」を見直した。同じ曲順もあるが、やはり時代の流れとともに曲調や歌い方が大きく変化していることが伺えて、非常に興味深かった。人間は進化する。私たちは繋がりあえる。託されたメッセージが胸に熱く残る。

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牛津厚信

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