鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
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鬼太郎の存在こそ希望
メチャクチャ面白い。日本の近現代の暗部をくりぬいて濃縮して見せるようなすごい内容だった。閉鎖的な村の相続争いに、会社員として立身出世の野望を持つ水木が巻き込まれていく中で、鬼太郎の父と出会い、村の恐ろしい秘密に直面する。太平洋戦争の南方で生き残った水木は、せっかく生き残ったのだからとサラリーマンとしての野心を持つ。戦争は経済競争に形を変えて続いている。そして、戦後におざなりにされていた戦争の絶望と怨念が水木たちに襲い掛かる。異様な怨念や絶望の上に日本社会の反映があり、そこに蓋をしながら発展してきたという歴史の裏側面を暴きだすような内容で、妖怪を描く本作ならではのやり方で現代日本を照射してみせている。
しかし、人間性への絶望に支配されていないのが本作の美点。鬼太郎の存在こそが怨念の中の希望だったのだと締める結末は涙なしには見られなかった。100%の祝福ではない、汚泥の中のかすかな希望として鬼太郎はあったのだ。
やっぱり予習が必要だったか
横溝とルパン三世マモーを足した感じ
奥深い、子供向けの妖怪アニメじゃない
前半は横溝正史を思い起こさせる、田舎の因習的な流れでちょっと退屈だったけど、後半になるや怒涛のような面白さに惹き込まれる。
鬼太郎のお父さんの、妻への愛情、生まれくる我が子への思い、水木に対する友情、胸が熱くなる。
鬼太郎のアニメで、最後泣くとは思わなかった。正直、時間潰しのつもりだった。
幽霊族と比べると卑劣な人間に嫌気がさすが、そんな人間を守ってくれる鬼太郎達に感謝したくなってくる。
子供たちに見せたいけど、子供にはちょっと難しいかなぁ。
親父かっこいい…
ドハマリした。
結論:本当に面白かった。ネット上で高評価だったがそのとおりであった。
鬼太郎のお父さん(目玉のおやじ)が活躍する話。
目玉になる前の話で何故そうなったかと言うのが墓場鬼太郎の1話目だがそこでは目玉で動き出すくらいしか描かれておらず、何故そんな状態で動き出したのか、またどうして目玉しか動けないのかと言う所を深掘りした内容である。
墓場鬼太郎もゲゲゲの鬼太郎もそこまで見たいなかったがそれでも面白かった。
至極一般的な目玉のおやじ、鬼太郎がわかっていれば楽しめた。
声優が沢城みゆきに変わっていることさえ知らなかったが本編と関係がほとんどないので知識ゼロで楽しめる。
◯良かった点
・げげろうがかっこよすぎた。腐女子狙いか?
・犬神家の一族の様な日本の古典的推理小説の様な世界観が見事にマッチした。
・ラストシーンの盛り上げ方が素晴らしく、鬼太郎がスター・ウォーズのルーススカイウォーカーの様なまさに希望の象徴である表現で涙が出るほど興奮した。
◯不満点
・鬼太郎は古来から子供向けの印象で映倫の年齢制限も低かったが何故、その評価なのか疑問に思うほど死に方などがバイオレンスだった印象。
子どもが親と見に来たら、凍りつきそうな感じがした。
オヤジの純愛
6期アニメのエピソード0
私は鬼太郎の大ファンながら、基準は貸本版を編纂された「墓場の鬼太郎」で育っているので、本作はあくまでも6期アニメの前日譚というように位置付けた。
鬼太郎のバックボーンが描かれることは実は非常に稀有で、「何故人間に味方するのか」という点においても語られることがないので、そこを描いたのは非常に興味深い。
横溝正史のような世界観と展開に妖怪がエッセンスとして足されたことで、展開は残念ながら先が読めるようになっている。
途中挟まれるアクションシーンも、キャラクターの活躍という目的のためにあり、そのために用意された登場人物と雰囲気とはうらはらに非常にシンプルな構造。
ただ、めちゃくちゃよく出来たアクションシーンになっている。
そのためミステリー感を期待しやすいのだが、肩透かしに遭いやすくもある。
登場人物の思想や、水木の戦争経験から国家主義や覇権主義に対する思想が表現されるが、その恩恵に預かっている水木(我々)という皮肉めいた関係性の描かれ方はもう少し強く描かれていても良かったと思う。
本作が高評価を得ている大きな要因はゲゲ郎(目玉の親父)と水木のブロマンス要素だと感じた。
鬼太郎の実父と養父という未来の関係性を含めてとてもエモーショナルではある。
大人向けの作品。
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