「何故人間の為に」鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
何故人間の為に
水木しげる(1922-2015)
戦後を代表する漫画家
主に妖怪漫画の大家で
そのルーツは幼少期に家政婦から
よく聞いた妖怪話
そして自身の戦時中兵士として
死線を彷徨った経験が下敷きと
なっている
点描を中心にした絵画的な背景
(仕事場を見学に来た
美大生に描かせたものを
ストックしていたらしい)
に漫画的なキャラクターを置く
という独特の画風は氏ならでは
また話好きで戦時戦後の語り部
としての側面も晩年は
発揮していた
そんな氏を代表する作品が
「ゲゲゲの鬼太郎」
登場する様々な妖怪は
伝承的や資料の少ない
妖怪を調べ上げては
ビジュアルに起こし
文化として定着させた功績は
今では世界的に評価されつつある
(どうも世界に妖怪は
不思議と共通性があるらしい)
という鬼太郎に出てくる
「鬼太郎」と「目玉のおやじ」
誕生に触れる今作
これまでひょっとすると
あまりに気にしてこなかった
目玉のおやじのルーツ
なぜ鬼太郎は
人間の味方をするのか
そのあたりが存分に描写
されていました
その前にまず「血液銀行」
というものを知っておかねば
なりません
戦後の日本は輸血において
「売血制度」というものがあり
民間企業「血液銀行」が血液を
有償で買い取る制度があったそうです
400ccで現在の価値で10000円ほど
貰えたそうですが仕事もせず血を売って
生活する人が増えるなど社会問題化
また重篤な血液感染症を拡大
させるなどし1960年代には廃止
されました
舞台は昭和30年代の
戦後の日本
主人公水木は戦場で
上官から無責任に死ぬことだけを
強要されつつも生き残ったことから
強く生き抜く力を欲することだけを
考えている野心的な男
そんな男が勤める血液銀行の
大取引先である克典が
現当主時貞の逝去に伴い
跡目を狙う龍賀一族のいる
哭倉村に潜入
狙いは秘密の血液製剤
「M」の真相
途中妙な白髪の男に出会いながら
村人にはよそ者扱いされつつ
克典の娘の沙代に取り入りますが
遺言状には跡目は時磨と書かれて
おり狙いは失敗
しかし時磨は翌日死体で
発見されどんどん龍賀一族が
殺されていきます
てな展開
まぁよくある八つ墓村
ですが戦闘シーン等の作画は
なかなかのもので楽しめました
自分は鬼太郎っていうと
吉幾三がOPED歌ってた第三期が
一番観てました
その辺の世代の人も
楽しめる内容だったと思います
しいて言えば
結局どう目玉の形状になったのかは
あんまり触れなかったとこは
モヤモヤしたのは確かです(笑)