5月の花嫁学校のレビュー・感想・評価
全28件中、1~20件目を表示
革命の季節はここにも
フランス映画で「5月」といえば、それは花嫁の季節ならぬ革命の季節だ。なるほど、68年、パリの大学生たちが「平等と自由とセクシュアリティ」を求めて立ち上がったのと同様の革命の波が、おそらくはこの、パリから遠く離れた時代遅れの花嫁学校にも押し寄せようとしているのかーーーーその予測は半分正しくて、半分は不正解だった。すなわち、よく見かけるジャンルの型通りにはいかないのが本作の持ち味。何しろ主体となるのはうら若き学生たちではなく、ジュリエット・ビノシュ演じる校長自身なのだから。夫に先立たれ、引き出しの奥に隠された秘密を知り、それから昔の恋人と出会い、感情を抑えきれなくなり・・・。自らが生徒に教えてきた道徳的価値観とはまるっきり真逆へ羽ばたくビノシュの大立ち回りぶりは、過去の出演作と比較してもなかなか意外。ただ、ドタバタ続きで落ち着きに欠ける側面も。もうちょい語り口にまとまりがあると良かったのだが。
良妻にならなくていいよね
途中ちょっと飽きてしまいましたが、ラストのミュージカルとメッセージに前向きな気持ちをもらえました。そう、良妻になんかならなくていいんです。後半になるとファッションがカラフルになるのも束縛から解放された感がありました。
【”良き妻とは自立した女性である事。”アルザスのイロイロと風紀の乱れた花嫁学校を舞台に巴里の5月革命と併せて、女性の革命を描くコメディ。最後はミュージカルになってます。吃驚したなあ。】
■1967年、フランスのアルザス地方にある家政学校が舞台。
男女平等が提唱され始めたこの時代に、夫が急死した女校長・ポーレット(ジュリエット・ビノシュ)らによる良妻賢母の教育は少女たちにとって納得できないことばかり。
そんなある日、ポーレットは夫の遺品整理をしている時に、学校が破産寸前だと知る。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・ポーレットは皆の前では校長先生だが、元カレであるアンドレと学校救済の相談に行った時に出会って・・。
ー 他のシーンもそうだが、イロイロと学校内の風紀が乱れてますな。ジュテーム。序でに急死した夫もエロ写真などを収集している。-
■良妻賢母が当たり前とされた1960年代のフランスで完璧な主婦を育成する学校を舞台に、時代と価値観の変化、新しい女性の生き方がユーモアたっぷりに描かれている。
オッカナイ修道女(ノエミ・ルヴォウスキー:知らなかったが、フライヤーにはリュミエール賞受賞と記載されている。)やポーレットの夫の妹(ヨランダ・モロー:コレマタ知らなかったが、セザール賞受賞と記載されている。)なのに遺産なし。
<可なりハチャメチャな部分もあるが、作品のメッセージは巴里の5月革命と併せた形で分かったね。
それにしても、巴里に向かうポーレットや女学校生徒達がイキナリ、ミュージカルの様に歌って踊り始めたのには、吃驚したなあ。>
ジュリエット・ビノシュの魅力をもってしても
染み付いた社会や自分の価値観に対して、たまには懐疑的な視線を投げかけてみないと、少し時代が移り変わっただけでこんなに醜悪にみえるんだってことに気付かされた作品。
1967年のアルザス地方の花嫁学校。田舎とはいえ少し舞台が古いと随分価値観が違うことに改めて驚かされる。家政学校で生徒の女子に教えることはいかに夫を喜ばせるかという内容ばかり。いかに自分の人生を充実させるかではなく、夫を喜ばせることが自分の歓びなのだと教え続けている。
ジュリエット・ビノシュの最初の衣装はもっさりさえないマダム風。何が似合うかでも何を着たいかでもなく、何を着ていれば良妻賢母風なのかと言わんばかり。あのジュリエット・ビノシュがとにかく野暮ったい。ところが、ポーレットは生まれ変わっていく中で、パンツスタイルを選ぶ。トップスにもはっきりした鮮やかなカーマインを。それで明らかに彼女は前の彼女と違ってみえる。何を選びどう着るかは生き方を示しているのだなと痛感する。
ジュリエット・ビノシュはかなり好きな女優だけどそれでも展開が物足りない。当時のアルザスの価値観や家政学校で教える内容など新鮮な部分はあるが、映画として魅力的に仕上がっているかと言われれば、ちょっと惜しいかな。ジュリエット・ビノシュの魅力をもってしても、クリアにならない問題はあるらしい。
赤毛は不吉
1960年代後半フランスの田舎にある花嫁学校。女性が男性に奉仕する事のみを教えるあの時代でも既に時代遅れになりつつある学校。本当にそうだったの?というくらい抑圧されている。夜に歯磨きするな、トイレに行くなって病気になるよ。調理実習は何だか楽しそうだったけど。
一転夫が亡くなってからの展開は早いのか早くないのか。最後はラ・ラ・ランドになってちょっとびっくり!それで終わりかーい、といった尻切れトンボだったんですけど。前半面白かっただったに残念。
薄味なフレンチ・コメディ
盛り上がりやはっちゃけ感はさほど無くシレッと観られるライトなフレンチ・コメディ
ただ、アルザスの田舎の風景や60年代のファッションや音楽にはちょいと心、揺れましたね🎵
その場その場の状況で態度も言動もコロコロ変わり
終いには生徒達を巻き込んで田舎道を歌い踊るジュリエット・ピノッシュが実にお茶目で可愛らしかった⭐️
フランスは家庭科の授業が無いと聞きましたが
不器用ながら自分でやりこなす国民気質だと尊敬してましたけど
以前はこんな学校も引くて数多だったのですね
そういえば我が国、日本も編み物教室や洋裁学校みたいな類いもすっかり見かけなくなりましたね…
私的には劇場よりお家シアター向きかな?
フランスの難しさ
タイトルに使われている5月がフランスではどういう位置付けなのか知ってたほうがよかったのか、無知な私はとにかく展開に置いていかれた。
コメディとしての笑いも捻りが入っててよくわからないし難しい。
今現在がパンツを履ける時代でよかった。
「良き妻」女性解放コメディ
1968年5月のフランスの五月革命の前はフランスもまだまだ保守的で男尊女卑だった。主人公が夫婦で経営する花嫁修業をする2年制の家政学校は経営難の中、田舎の貧しい家庭から18人の新入生を迎えた。家政学校の校長はもちろん生徒を良き妻になるべく考えているが、自分自身は年の離れた夫に使えながらも辟易していた。その夫が借金を残して急死し、学校存続のために銀行へ行くと戦死したはずの元カレが。
良き花嫁を目指すことに反発している少女達、一緒に学校経営をする修道女や料理長など個性豊かな登場人物が、ドタバタとコメディを展開する。
ラスト、アルザス地方からパリに最後は徒歩で向かう彼女たち、完全にミュージカルに転換していて置いて行かれた感じがした。しかし1968年までは日本と同じように男尊女卑だったフランス、半世紀後も大して変わっていない日本。置いて行かれた。
半世紀ほど前のフランスの田舎といまの日本
まず、1967年のフランスでこんなに古臭い考えが学校(女学校?)で教えられていたのかとフィクションと分かりつつも時代感はそうだったのだろうとビックリ。
生徒のそれぞれの話しはどちらかと言うと今の感覚と同じなので解決に向かわないのはイイとして、多分主人公のビノシュ演じる校長に革命が起こる。
ある種、洗脳の中で生きていた(それでも鉄の掟?は守って無かったように思ったが、、)彼女が、夫の死と裏切り、昔の男との再会と、生徒の決死の行動により、今まで蓋をしていたものから目を逸らすのをやめ、引き篭もるというか、籠城して腹にためていたことをシスターと義妹に吐き出す事によって洗脳からの目覚め、本当になりたかった自分を隠さなくなった事が、この映画のクライマックスだったように思う。
最後のくだりは、あれで良かったと思う。明るく終わったし。
評価の分かれ目は、表現と言葉の性的描写が結構キツい人にはキツいのと、伏線だと思ったことが伏線では無く回収されない事への理解があるかどうかかなと感じる。
タイトル回収忘れてたけど、今の日本は、洗脳中の校長と大差ないなと。
Citroen DS19 か ID19か、それが問題だ。
フランスの5月危機もアメリカのシカゴセブンも1968年。良妻賢母を育てる家政学校と当時の大学の環境ギャップは、地球と金星くらい?
彼女たちに、学生運動のごとき政治的思想は無いわけで。自らの意思で人生を選択する権利を、少しだけ求めてるだけの小さな革命軍は、5月の陽光の中を、パリに向かって行進していくのであった。
さすがに、1968年とは言えども、あんな花嫁学校は時代に取り残されつつあるモノだったんでしょうが。イスラム圏の女性も、いつか解放されますかねぇ。
Musical調で終わるところは、悪くはないと思うけど。歌と踊りで誤魔化した感がアリアリでですね。軽くてコミカルで、良いっちゃ良いんですが。チクリとも刺さらないw
物語そのもの+セリフ+映像表現を使って、正攻法で勝負して欲しかったです。
コメディ色強め
だんだん盛り上がってきた所で急に3倍速で話が進んで、おいてきぼりをくらっている所に急に踊り出して???となります。
今まで年の離れた人と結婚する生徒はたくさんいただろうに今さらそんなにショック受ける?
でも頑張って新しい学校を作ってほしいです。
かわいらしいドタバタコメディ 先生の変わり身が早すぎ
ノエミ・ルボフスキーのシスター・マリア=テレ―ズが面白かったです。
とくに、お着替え中のシルエット。
ヨランド・モロー(ジルベルト)も膝が悪くなるぐらい太っていた。
ジュリエット・ビノシュも今まで見たなかでは一番太っていました。役作りですね。でも、二人にくらべると、超スリムで、ボッキュンボン。
亡くなった旦那のロベールがギャンブルでこさえた借金が判明。世の中も変化してきて、花嫁学校の需要が減っての先行き不安から、旦那の義理の妹のジルベルトに学校は譲って(押し付けて)、辞めちゃおうかな?
二人には内緒の新しい年下の恋人もできたことだしと、ゆれ揺れの校長先生。
結局、最後はパリに行く途中、5月革命で道路が渋滞して、バスを降りて生徒たちと開放的に踊る予告編につながります。
校長先生!変わり身が早すぎやしませんか?
急なミュージカル展開に戸惑う
良妻賢母という言葉に馴染みがない。いや、そんな実態を持った女性もいることはいる。でもそんな彼女たちを、まさに良妻賢母ですねなんて褒めることはないし、そんな褒め言葉を聞いたこともない。それがもはや褒め言葉になるのかも怪しいところだ。
でも、本作の舞台60年代後半のフランスでは、そんな良妻賢母を育成する家政学校があったっていうんだから驚いてしまう。夫のために尽くし我慢する女性を育成するその学習内容は、現代から見るとコメディでしかない。でも、時代の節目となるこの時期、学生である若い女性たちはすでに意識の変革がなされつつあった。変わらなければならないのは経営者、教員の方というお話。
なかなかおもしろい題材で、展開も悪くない。女性の自立ってのは、男の隷属からの解放であり、家事やセックス、金銭的な支配から自由になるってことなんだという主張がいい感じで伝わってきた。女性の未来は女性自らが掴み切り拓くんだ!そんな時代の転換期だったってことだ。
でも、そんな意気込みでさぁ盛り上がってきたぞというところで急なミュージカルテイストをぶっこまれて、めちゃめちゃ戸惑ってしまった。そしてそのままエンドロールへ。いやいや!ミュージカルテイストで歌って踊れば大団円になるとでも思ったか!
そもそもこんな中途半端な終わり方にしたかったのか、それとも途中でこうせざるを得なかったのか、プロデューサーか監督に聞いてみたい気持ちになった。本当にもったいない。
後半が好き
花嫁修業の為の学校て、
教えてる事ただの男尊女卑よね。
自由な恋愛を夢見る
フランス娘たちがめちゃくちゃ可愛かった❤
ジメジメした前半があるから
ハッピーな後半が沁みました
いざ、パリへ!
ストに脅えてなんかいられない٩(。•ω•。)و
歌い踊る彼女たちは未来を明るく変えてくれる!
辛く苦しいコロナ禍にこそ観て元気を貰いたい
素敵な映画でした。
闘いを経て今のフランス
主張を持った自立した女性の代名詞のようなフランス女性でさえ、こんな時代があったわけで。
望まない結婚、親の押し付け、女性の歴史は性の問題と隣り合わせ。
そんな歴史をコミカルに、ジュリエット・ビノシュが演じている。
かる~く、楽しくフランスを満喫できかな。
全28件中、1~20件目を表示