劇場公開日 2021年6月25日

王の願い ハングルの始まり : 特集

2021年6月14日更新

ソン・ガンホ、半地下のオヤジの次は破天荒な王に!
全ては国民のため──“超極秘”で文字を創造せよ!
知的好奇心を満たしたい映画ファンへ勧めたい1本

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ソン・ガンホ、“半地下”から王宮へ――。第92回アカデミー賞で作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を受賞し、センセーションを巻き起こした「パラサイト 半地下の家族」。同作を見て、改めて韓国が誇る名優ソン・ガンホの魅力に目覚めたという人も多いのでは?

そのソン・ガンホが「パラサイト」のちょっとサエない(でも憎めない!)オヤジ役に続いて演じるのが、韓国で名君として歴史に名を残す世宗王である。「王の願い ハングルの始まり」は、慣習を破り、民のために新たに独自の文字を創造するという歴史的な偉業を成し遂げた王の“戦い”を描いた物語。

韓国映画好き、ソン・ガンホの出演作なら見るという人たちはもちろん、知的好奇心を満たしたいという映画ファン、困難なミッションやプロジェクトに挑む者たちのドラマが好きという人たちを十二分に満足させてくれる骨太な作品に仕上がっている。


【予告編】 国のために、民衆のために――

主演ソン・ガンホ、その時点で「見る」フラグ──
民のためなら何でもやる! 魅力あふれる型破りな王

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「ソン・ガンホ主演? じゃあ、見に行こうかな?」――そのフラグ、圧倒的に正しい! 「パラサイト」に「グエムル 漢江の怪物」、「スノーピアサー」のポン・ジュノ監督、「反則王」、「グッド・バッド・ウィアード」のキム・ジウン監督、そして「復讐者に憐れみを」、「渇き」のパク・チャヌク監督など、韓国を代表する監督たちに愛され「ソン・ガンホ先輩の出演作ならハズレなし!」と映画ファンに確固たる安心と信頼を与えてくれる名優ソン・ガンホ。

そんな彼が「パラサイト」の次の作品として選んだのが、この「王の願い ハングルの始まり」である。世宗王はこれまでも何度も映画やドラマでその生涯が描かれ、名だたる俳優たちが演じており、1万ウォンの紙幣の肖像にも採用されている偉人である。その世宗王をソン・ガンホは本作で、威厳にあふれつつも、「これぞソン・ガンホ!」とも言うべきユーモア、茶目っ気を交えながら、魅力的な存在として演じている。

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まず、本作を通じて世宗王が貫くのは“民の暮らしファースト”という姿勢。民のためなら慣例も身分の違いも気にしないという破天荒な王様であり、映画の冒頭でも、日照りが続き苦しむ民のために雨乞いをし、衣服を脱いで天に向かい土下座する姿を見せている。そもそも文字を創造するというのも、一部のエリート層だけでなく全国民が読み書きできる文字を作り「あらゆる知識を民に分け与えたい」という思いから。

とはいえ、そんなゴーイング・マイウェイな王様が国家プロジェクトを進めるとなったら、周囲の苦労もなかなかのものである。「退く」ということを知らないから、ついつい熱中しすぎてしまい、文字づくりの過程で発音の仕組みを調べるために、そばにいる女官に自分(=王様)の口に指を突っ込むように命令するなど、いまの時代だったらパワハラで訴えられそうな行動も…。良くも悪くも「民のため」という思いで突き進んでいく。

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かといって、決して清廉潔白、完全無欠の王ではないところが本作の世宗王の見どころ。部下の突き上げに腹を立ててすねたような態度をとったり、糖尿を患い、ポッコリとしたお腹を出して寝そべったりと、どこか憎めないチャーミングな姿を随所に見せてくれるのも、ソン・ガンホが演じているがゆえの魅力である。あなたの「主演ソン・ガンホ=見るべし」フラグをさらに強固なものにしてくれる作品となっている。初期からのソン・ガンホのファンにとっては「殺人の追憶」に続いてパク・ヘイルと共演しているという点も胸アツの展開!


【極秘ミッション】民が使いやすい文字を創り広めよ!
だが…部下はみんな反対&困難続出! さあどうする?

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映画のメインテーマとも言える「新たな文字の創製」だが、こちらはなかなかの高難度のプロジェクト! ここでは映画の中で世宗王と、王に命じられて文字づくりを進める和尚シンミらが直面する、乗り越えるべきミッションを紹介する。


■ミッション1:臣下は全員反対!頼れるのはかつて自分が弾圧してきた者たちだけ?

当時、朝鮮で使用されていたのは、官僚やごく一部の上流階級層のみが学ぶことができた漢字のみであり、漢字は権力を維持するための道具となっていた。それゆえに当然、既得権益者である儒者や官僚たちは新しい文字を創ることなど「とんでもない!」と大反対。王宮内において世宗王の味方は王妃のみ。そこで世宗王が頼ったのは、仏教徒の存在。身分は低いながらも、チベット文字など複数の言語に精通している和尚シンミ(パク・ヘイル)に白羽の矢を立てるが、仏教徒は国家から弾圧されてきた歴史があり、シンミも“逆賊の息子“であり王に対し複雑な思いが…。立場や身分の違いを乗り越えて、彼らが“戦友”のような関係を築いていくところも本作の見どころ。

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■ミッション2:中国に知られたら国家滅亡の危機?

当時の朝鮮は独立国とはいえ、宗主国・明(中国)に従属している立場。同じような周辺の国家の中には、独自の文字を創造するということを中国から反逆の意図と捉えられて、皇帝の怒りを買ってしまうケースも。反逆の意図などないということを中国に示しつつ、文字づくりを進めるという国家の“経営者”としてなかなかストレスフルな状況に世宗王はどう対応するのか…?

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■ミッション3:計画は極秘に進めるべし!

早い段階で文字づくりのプロジェクトが王宮内に知れ渡ってしまうと、反対派に計画そのものを潰されてしまう可能性もあり、ミッションはあくまで極秘裏に進めなくてはならない。そのため、シンミ和尚ら“プロジェクトチーム”のメンバーたちは、王妃の館で宦官の格好をして生活することに。さらに、王宮内での活動が怪しくなってくると、王は「目の治療」と称して、王宮の外に別の場所を用意するなど、一大国家プロジェクトの陰には数々の涙ぐましい努力が…。

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■ミッション4:文字は読みやすく、書きやすく!

あくまでも、この新しい文字は、国じゅうの民に広く使ってもらうためのもの。そのため、文字数はなるべく少なく、読みやすく、書きやすいという“わかりやすさ”が肝心! 多様多彩な発音をいかにシンプルな文字に変換していくか?世宗王、シンミらは試行錯誤を繰り返す。さらに、映画の中で王が「創ることよりも広めて守ることのほうがはるかに難しい」と語るように、いくら文字を作ったとしても、それを国じゅうに広めなければ意味がない…。この最重要にして最難関のミッションをクリアすべく王たちが考えた作戦は――!?


本作は、“この作品”が好きな映画ファンにきっとハマる
困難なミッションに挑む者たちのドラマ──

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最後に、こんな映画が好きな人、この作品に胸を熱くしたひとならば、絶対に「王の願い ハングルの始まり」が気に入るはず! という作品リストをご紹介。ひとつでもリストにチェックが入った人は要チェック!


■「アルゴ」「イミテーション・ゲーム」──国家的なミッションに挑む物語!

「アルゴ」

イラン革命による動乱の中、テヘランで身を潜めるアメリカ人をCIAの秘密工作員たちが「アルゴ」という架空の映画の撮影隊を装って救出したという実話を描いたアカデミー賞作品賞受賞作。国家的極秘ミッションに挑む者たちのドラマは本作の世宗王、シンミ和尚らの姿に通じる。

「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」

第2次世界大戦時、ドイツ軍の暗号機エニグマによる暗号の解読に成功し、連合国軍に勝機をもたらしたイギリスの数学者アラン・チューリングを描いたベネディクト・カンバーバッチ主演の作品。協調性に欠ける天才数学者が、国家の密命を受け、周囲と衝突しながらもミッションを進めていくさまに胸を熱くした人は「王の願い」も必見!

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■「舟を編む」「Fukushima 50」「はやぶさ 遥かなる帰還」──困難に立ち向かい、緻密に計画を進めていく物語

「舟を編む」

辞書の編纂という途方もない作業に挑む者たちを描いた作品。編集者たちが、人々に広く、長く使ってもらう辞書を作るために一語一語に丁寧に向き合っていく姿は、「王の願い」で人々のために文字づくりに全身全霊をかける者たちの姿とリンクする。

「Fukushima 50」

東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故で、現場にとどまり、奮闘し続けた人々の姿を描いたヒューマンドラマ。未曾有の事態を前に、人知れず最前線で戦う者たちの姿に涙した人たちは、本作の世宗王、シンミたちの“戦い”にも胸を熱くするはず。

「はやぶさ 遥かなる帰還」

小惑星探査機「はやぶさ」が、小惑星イトカワの岩石サンプルを採取し、地球に持ち帰るまでの世界初の偉業を支えた人々のドラマを描く。次々と襲いかかる想像を超える困難を前に、冷静に執念深く目的のためにミッションをクリアしていく物語は、本作との共通点多数!

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