クーリエ 最高機密の運び屋のレビュー・感想・評価
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欲深いのは資本主義者か
キューバ危機に際し素人ながらスパイ活動に手を貸したイギリス人セールスマンの話。
1962年10月、ソ連にいる内通者との連絡係として、仕事で海外出張をすることの多い一般人の主人公に白羽の矢が立てられ、CIAとMI6の協力者としてスパイ活動に参加して行くストーリー。
上手いこと口車に乗せられた感のある最初の渡航から、脅しに近い文句で落とされたりと、いやあ、政府機関て汚いよね…なんて思いもありながら、自分から必死に動いたのはアレックスとの親交による情なのか、スジを通したいという信念なのか。
キューバ危機の裏で実際にあったこの作品で描かれている出来事も、主人公についても存じ上げなかったけれど、こんな人間ドラマ的な展開になるとは予想していなかったし、なかなか熱くて面白かった。
MI6のジェームズ!ボンドじゃないのか?!
007のことばっかり考えていたら、CIAの女性エミリー(=ヘレン)の名前がレイチェル・ブロスナンに見えてしまった。あれ?ピアース・ブロスナンの娘なのか?と、気が気でなくなったのですが、“ハ”の字がついてました・・・(汗) それにしてもCIAはちょっとお粗末。ピッグス湾の失敗(『グッド・シェパード』参照)のあとは亡命幇助も失敗か?などと、やっぱりスパイはMI6だよな~などと、ますます007が楽しみに。
ラブ&ピースのマークも見えたりして、反戦・反核のテーマもある骨太のスパイ実話。キューバ危機なんてのは東西冷戦の象徴のような事件でもあり、アメリカ大統領ケネディとソ連フルシチョフとの対立だけかと思っていたら、もう水面下ではスパイの攻防戦、それにソ連国内では粛清、処刑が頻繁に・・・。この作品を鑑賞するために『13デイズ』を復習してみたのですが、比較するだけで面白い。
どちらもいきなりの核ミサイル配置から始まってますが、立場は違えど、核戦争、第三次世界大戦を阻止するために動いていたというもの。この作品ではフルシチョフの気が触れたような映像もありましたが、アメリカ空軍だって戦争をやりたくてしょうがない幹部がいたことで話をこじらせている。そして、カンパーバッチ演ずるウィンがペンコフスキーから核弾頭ミサイル配備の資料を受け取ったことで、ソ連の意図が明確になる様子が描かれている。アドレーとゾリンの対決もアーカイブ映像だったのでびっくりです。
そして、俳優魂を感じるほどのカンパーバッチの激やせぶりやペンコフスキーが裏切らないことを信じる男心に心打たれます。彼らの行為がなければ核戦争が起こっていたかもしれないのだ。互いの家族を思いやり、仕事が終われば生涯の親友として生きていたかもしれないのに・・・ということで感涙。演技力はさすが。去年の『ワイルド・ローズ』でも感動させてくれた嫁さんも良かった。また見よっと。
すごく良かったものの減点材料はあった。アメリカの非が「トルコに核配備」してるひと言のみだったこと。核施設が見つかっただけで先制攻撃しろ!というタカ派の言葉なんかもあればよかったな。被爆国である日本にも核配備せよというバカな意見もあることだし・・・もっと反核テーマが欲しいところ。
餓死寸前の役作りに脱帽
カンバーバッチ、杉田玄白かよ!と思った。
ジェシー・バックリーも前作、前前作に比べると、他人と見違えるほど絞ってきた。時代と年齢に合わせた枯れメイクも見事だった。
アレックス役もやつれかたが凄かった。
凄い、役者魂。
満足しましたが、キューバ危機の勉強のためと思い、パンフ買いました。これから読みます。
全然知らんかった
キューバ危機の映画では「JFK」が有名だけど、キューバ危機の裏でこんな物語があるとは知らなかった。ソ連の情報提供者との友情、クライマックスのハラハラ感。カンバーバッチさんのラストは役作りで痩せたのかな?それともCG?
あり得ないような実話
東西冷戦下の実話を基にして描かれたスパイ映画。核戦争を回避するために平凡なセールスマンが突然スパイ任務を依頼されるという有り得ないような実話。ストーリーは平凡な内容ですが主人公を演じたベネディクト・カンバーバッチの役者魂が素晴らしく終盤の減量した姿には別人かと思うような変化に驚きました。
2021-140
犠牲の上にある平和
カンバーバッチはどこを取り上げても素晴らしい。アレックスとの最後の握手にも心打たれた。肉体を持って過酷さを表現するのは、映像ならではである。
スパイ映画は状況把握が難しくなりがちだが、必要最低限のセリフしかないのに理解に窮することがなかった。
ドラマチックだから映画になるわけだが、同じような境遇に置かれて命を落とした語られない人間は幾多といることも忘れてはならない。
米ソ対立の映画はいつも何故こんなに面白いのか
まず、カンバーバッチ伯父貴の身体を張った演技に喝采。
ソ連スパイを演じた俳優さん、英語もロシア語も上手くて、調べて見たらジョージア国籍だった。良い俳優。
KGBの俳優はジェレミー・レナーに見えた。
内容は事実をベースにしたもののようで、ハイテク機器満載のスパイ映画ではなく、リアルな造り。こういう構図の映画はほんと緊迫感あって面白い。ちょっと違うけどレッドスパローやアナなど。
二時間の価値あり!
ペルソナ・ノン・グラータ‼️
CIAのエミリーがロシアの官憲に言われてました。
あなたは、ペルソナ・ノン・グラータである。
すぐに帰国するように❗️
学生の頃、ピンと来ないまま、テスト前に覚えたことば。
スープの中の球体は、他の囚人の眼玉⁉️
出所前の最後のシャワーでの痩せ細った身体は、『オデッセイ』の時の木星生活で痩せ細ったマット・デイモン(他のシーンではそれほど痩せてなかったので、あの背中姿は吹替ではないか、と私の中ではマット・デイモンは痩せなかった疑惑がずーっとあります😁)と重なりました。
色々と断片的にしか浮かんでこないのは、直前に見た『MINAMATA』の余韻が抜け切らないからだと思います。
主人公より相棒の方が胸を打つ
雰囲気だけで鑑賞を決めたので、直前でベネディクト・カンバーバッチ主演と知った程度。
内容は冷戦時代、キューバ危機の頃のイギリスとソビエト連邦の間でのスパイ活動をした人の実話でした。
多分主人公の人が書いた自伝を元に作られたのでしょうから、主人公をよく描こうとしているんだろうな、と思いますが、やはりそれよりソビエト連邦所属でありながら世界平和を願ってスパイになることを自ら選んだペンコフスキーの方がすごいなと思いました。確かにカンバーバッチも「それクリスチャン・ベールの仕事だよ・・・」というくらい体張っていましたが。まぁソ連側の人間という事で資料も用意しづらく、あくまでカンバーバッチ演じるウィンから見たペンコフスキーという描き方をせざるを得なかったのは分かりますが、そこが少し地味に感じてしまったのかもしれません。
【スパイ合戦】
このキューバ危機を巡る、イギリス人クーリエ(情報の伝達者)グレビル・ウインと、ロシア人オレグ・ペンコフスキーのスパイ活動は、よく知られた話だ。
その前から、米ソ間のスパイ活動は活発で、イギリスのMI6なども巻き込んで、行われていたのだ。
そもそも、ソ連の核兵器製造は、スパイ活動によって、アメリカからもたらされたものだ。
ソ連は核の基礎研究など行っておらず、第二次世界大戦で日本に投下された原爆の威力を知って、政治体制維持の危機感を抱き、原爆製造は急務として諜報活動を活発化させたのだ。
結局、ユダヤ人のローゼンバーグ夫妻が、妻エセルの弟で、第二次世界大戦中にロスアラモスの原爆工場で働いていたデイビッド・グリーングラスから製造・機密情報を入手し、それがソ連側に渡ることになった。
この映画なかで、このウインとペンコフスキーのスパイ活動についてソ連に伝えたのは、ジャック・ダンロップというソ連のアメリカ人スパイだ。
とにかく、現代のサイバー攻撃もそうだが、スパイ活動は国家から企業を巻き込んで非常に活発なのは間違いない。
個人的には、ケネディの強い対応は周知だが、フルシチョフって、あんなに強硬なデブだったのとか考えてしまった。
ごめんなさい、デブは余計でした(笑)。
まあ、ここまで書いた段階では、エンタメ感満載だなと自分でも思ったりするが、あの、拷問や詰問などの場面が嫌でたまらなかった。
排尿、排泄はバケツ……。
まあ、当たり前だが、スパイ行為が明らかになった場合の苦しみは尋常ではないのだ。
日本では、こうしたスパイ行為による拷問は考えられないことだと思うが、実は、名古屋入管のスリランカ人女性が亡くなったケースで、その対応が拷問的だったのではないかと遺族から訴えられていることや、近畿財務局の赤木さんのケースで、民事裁判で係争中の事例も類似したようなものだと考えて、僕は、スパイ活動云々より、拷問の方が、きっついなー思って、そっちの方が気になってしまった。
因みに、ローゼンバーグ夫妻は、裁判の後、求刑通り、死刑になっています。
スパイへの対応も万国共通なのだ。
映画を通して知る史実
映画観賞の楽しみの一つとして、これまで知らなかった史実や物の見方に触れることがあります。
本作はキューバ危機を回避し戦争を免れた大きな歴史の分岐点の裏側にあった二人の男の勇気ある行動を描く物語。
終始緊迫感が続き、終盤は見るに耐えない辛い描写…。自分がやらないと世界が滅ぶかもしれないと追い詰められる極限状態を一人で耐え抜き、文字通り命をかけた男たちの姿が映し出されていました。
緊張状態にある国の人間同士でも友情は築ける。そしてこんな関係から世界は変わるかもしれない。笑顔でお酒を飲む二人の姿のフラッシュバックとベネディクト・カンバーバッチの凄まじい演技と肉体も相まって、ラストは涙。
良い映画でした。
世界の危機を救った二人
キューバ危機回避の裏にはこんな事があったんだ!!
キューバ危機回避といえば映画「13デイズ」を思い出しますが
「13デイズ」のように直接的、政治的な駆け引きも緊張感ありますが
今作品のようなスパイ行動の緊張感はホント半端ないです。
それもセールスマンにスパイ活動をさせていたとは・・・
ウィンとペンコフスキーの功績は大きくて、
アメリカとソ連の危機を回避したのではなく
世界の危機を救ったことになります。
それにしてもカンバーバッチの演技力、そしてこの役にかける意気込みは凄くって
感服いたしました。
クーリエ、国際宅配便!
クーリエとは外交官業務の一環で、本国と各国の大使館公使館相互間などで運搬する業務のことなんですね。なるほど、まさに今回の任務なんだ。それにしても一般人にこんなことをさせるとはちょっとどうだろう😮💨
でも、もしこのことがなかったら、歴史は違ってたのか?勉強不足でキューバ危機のことも大雑把にしかしらないので、もっと知ってから観た方が楽しめたかな。少し寝不足気味だったこともあって途中で睡魔に襲われてしまった。反省。wowow放送になったらもう一度しっかり観たいです❗️
Cumberbatch の表情が素晴らしい!
「白鳥の湖」を観ているときのカンバーバッチの表情がたまらなく良かった。食い入るように舞台を見る美しい眼、これで最後、これで「仲間」と共に解放されると願い祈っての涙だったに違いない。(ロシアによるウクライナ侵攻で知ったこと:ロシアでバレエ「白鳥の湖」の放映は歴史的に特定の意味があり、この映像が流れると「何か良くないことが起きた」というメッセージだと。ロシアでも今、自由なテレビ放映や配信ができなくなり「白鳥の湖」が流れたというニュースを読んだ。真偽のほどはわからない。でもそれを踏まえると、この映画で二人が共に見た最後の舞台が「白鳥の湖」であることは、その後の二人に降りかかる災難を示唆しているのかも知れない。2022.03.05.)
1回きりの浮気もすぐにバレてしまうような、たるんだ体ねと妻に言われても何もしないようなごく普通の人。接待ゴルフでヨイショしてお酒に強いセールスマンの彼が、世界の為に動くことに!説得する方もすごいが納得した彼もすごい。その後のカンバーバッチの静かな緊張がピリピリと伝わってくる演技と表情に魅入られました。
当時の冷戦状態、ベルリンの壁がいきなりできる、キューバ危機、核戦争寸前と本当に恐ろしい時代だったことを繋がりとして全くわかっていなかったことがよくわかった。日本は戦後右肩上がりの経済成長、東京オリンピック準備中であちこち工事中の東京で安保闘争。シビアなのに日本はいつも呑気な気がする。では現在の世界情勢は?気候変動、環境問題、難民、アフガニスタン、シリア、南北絡めて問題山積。どれにも日本政府は本気で取り組んでるように見えない。
スパイってこういうのか!KGB、Stasi、CIA、MI6…。007は目立ちすぎ!フィクションとして楽しみます。ダニエル・クレイグ最後のボンド鑑賞前にこの映画を見ることができて良かったです。そして現実の世界を映す鏡でもあり夢も見せてくれるような音楽が美しい映画でした🎶
おまけ
カンバーバッチのスペル、一度書いてみたかった。Ca…❌… Cumber…!「きゅうり」🥒の一部が入ってる!かっぱ巻き大好き。
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