クーリエ 最高機密の運び屋のレビュー・感想・評価
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運び屋
最初から最後までドキドキ
キューバ危機の裏側。
事実は小説を凌駕する
単なる商談と思ったら、違った。
スパイになって欲しい。
もし、そう言われたら…?
映画のような話だが、これもまた“事実は小説より奇なり”。
CIAとMI6から依頼を受け、スパイ任務を行い、キューバ危機回避に貢献したイギリス人セールスマンの実話。
スパイ経験が一切無いどころか、スパイでも何でもない一般人がスパイに…!
驚きもさることながら、リアル“ミッション:インポッシブル”!?
さすがに実話だけあって、面白味や緊迫感あり。
派手なアクションは無いが、じっくりシリアスに魅せていく。何度も言うが、これが本当のスパイの世界。世界を股に駆け、アクションを展開するのはあくまで映画の中のスパイだけ。
一般人にスパイが務まるのか…?
そこは、セールスマンとしての手腕。話術や商戦法などで相手の懐に入っていく。
セールスマンはスパイに向いていた…?
実話とは言え、この手のスパイ物あるある。
ターゲットにシンパシーを感じていく。やがてそれは国やお互いの立場を超えた友情を育んでいく。
接触したのは、GRU=ソ連参謀本部情報総局の高官。
国家に背いた裏切り者。
彼の信念。
共に家族ある身。守らなければならないもの。必ずその元へ帰る。
二人で観劇したバレエのシーンが印象的。同じ感動を分かち合い、美しさを感じた。
信じた者に何を託せるか。
信じた者の為に何が出来るか。
二人の男のドラマが非常に胸を打つ。
スパイ役は『裏切りのサーカス』以来。
その時はエリート・スパイだったが、今回はスパイはスパイでもまた別。一般人スパイ。
スマートで“エリート・セールスマン”としての顔は十八番の天才雰囲気を感じさせ、その一方人間味も滲ませる。
絶対的名演のベネディクト・カンバーバッチ。
圧巻なのは終盤。スパイ容疑を掛けられ、冷戦下のソ連の収容所に監禁。
劣悪な環境。食事は反吐が出そうなもの。みるみる痩せこけ、肉体的にも精神的にも追い詰められていく。
それを表す為に、丸刈り&大幅減量。
序盤とは見た目も雰囲気も別人のよう。
丸刈り&減量は終盤のこのシーンのみだが、その為に文字通り身体を張って体現し、カンバーバッチの熱演が本作の価値をさらに高めたと言って過言ではない。
本作では叶わなかったが、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でいよいよオスカー王手。
受賞しても何ら違和感ない、当然の名優。本作を見て、改めてそう思った。
あまりにも数奇で、あまりにもドラマチックな話に、一瞬これが実話である事を忘れてしまったほど。
だって、一般人がスパイとなり、キューバ危機…つまりは第三次世界大戦を回避。友情や信念、家族への愛のドラマもある。
本当に映画そのものではないか!
EDで、本人の実録映像。
事実(ノンフィクション)は小説(フィクション)を大きく凌駕する。
彼は何故スパイでもなかったのに、この任務に命を懸けたのか。
いちいち言う必要も無い。
たった一人の行動が、世界を救う。
それを地で行き、決して不可能ではない。
6ヶ月後
スパイ映画の真骨頂
勇気ある行動
GRU(ロシア軍参謀本部情報総局)のオレグ•ペンコフスキー大佐を演じたメラーブ•ニニッゼ、彼と親交を深め、命の危険を顧みず救おうとした英国人セールスマンのグレヴィル•ウィンを演じたベネディクト•カンバーバッチ、二人の熱演に引き込まれた。
CIAの才媛エミリー•ドノヴァンを演じたレイチェル•ブロズナハンが美しい。
オレグ•ペンコフスキー大佐の正義を貫く姿に圧倒され、同じ志を持つ互いへの思い、彼らの支えであった家族に対する思いに泣けた。
ーM16(英国秘密情報部)
映画館での鑑賞
Ironbark
クーリエ(英語: courier)は、本来は外交官業務の一環で、外交文書を本国と各国の大使館・公使館等の間、あるいは大使館・公使館相互間などで運搬する業務のこと。(Wikipedia)
普通の人を演じるカンバーバッチ!
スパイでも何でも無い一般人のセールスマンが
旧ソ連の政府高官から旧ソ連の軍事機密を託されて
ロンドンとモスクワを行き来きするうちに
旧ソ連の高官と人間としての友情が芽生え
やがて立場の危うくなった高官を救うために
脱出計画を携えてモスクワに向かうが~~
実話をもとにしたお話だからやっぱドキドキしますね。
緊張感が半端ないです。
旧ソ連の高官は家族のために世界を戦争から守りたかった!
スパイでも何でも無い一般人のセールスマンも
大事な家族を核の脅威から守りたかった。
世界を巻き込む一大事を防いだ英雄的な二人を動かしたのは
大事な人を守りたいという普通の人の普通の感情。
世の為政者が同じように物事を考えてくれたなら
この世界はもっと住みやすくなるのに~~
この事実だけでも知っておいて欲しいですね。
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
全編緊張感あふれる映画ですが
中盤あたり、旧ソ連の高官と役人たちが
イギリスに最新の工作機械を観に来るシーンがあります。
旧ソ連の重苦しい空気から解放されたせいか
役人達はいい気分で酔っぱらってはしゃぐはしゃぐ(笑)
このシーン、私の好きなフレッド・アステアの
「絹の靴下」(原題:Silk Stockings)の中で
やはり旧ソ連の役人があこがれの都パリにやって来て
その自由で誘惑的な街に溺れ
毎晩宴会を繰り返すシーンがあるのですが
まるでそこを彷彿をさせる様な演出。
みんなそんな風に西側は思ってたのでしょうね(笑)
更に物語の後半、あの、常に上から目線の
ドクター・ストレンジを演じてた人と
同じ人とは思えないくらいに、
ガンジーみたいになってしまうカンバーバッチの凄さ!
名優評価の高い人なのでこれまで癖の強い役が多かったせいか
今作の様な普通の人、それも腰の低いセールスマン役って
なんかとっても新鮮でした。
おぼんこぼん
キューバ危機の裏側
007のような派手さはないけど硬派のスパイ映画!
実話ベースとのこと。
1962年のキューバ危機って、生まれる前の出来事ですが、学校では現代史は時間切れで十分に学べてなかった記憶があります。
キューバ危機って、人類滅亡か第三次世界大戦勃発の危機だったんですよね。
その危機を回避できた背景には、両国のスパイによる諜報活動があったんですね。
にしても、ごく普通のエリートサラリーマン(一般人)をスパイ工作に巻き込むMI6もひどいな…💦
いくら高給とはいえ、その後の人生めちゃくちゃになるんだから。
今の私たちの平和があるのは、多くの先人たちの犠牲のうえにある、と再認識。
この作品は英米視点で作られてるけども、ソ連からしたら裏切り者なんだろうなぁ。
男同士の友情にもホロリ。
やっぱり家族愛は国境を越えるよね。
派手なアクションシーンはありませんが別の意味でハラハラドキドキ。
見応えのある作品でした。
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