彼女が好きなものはのレビュー・感想・評価
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【摩擦】
「ひらいて」のような作者の個性のような物は感じられなくて、ちょっと、状況設定重視のステレオタイプを積み重ねたようなストーリーだなと思う。
俳優人はかわいそうかな。
ごめんなさいね。
BL、腐女子、ゆり、LGBT。
摩擦を考慮しないんだったら、こうしたカテゴライズは本当は要らないはずだ。
摩擦がないということは、本来そうではないのか。
多様性を求めるあまり、逆に、窮屈になっていないかと思う。
僕は、だから、最近は、ノン・バイナリーとしか表現しないことにしている。
庵野秀明さんとウェブで対談した際のインスタライブで、宇多田ヒカルさんが、男女(つまり、バイナリー)に対して、ノン・バイナリーで良いんじゃないかと言っていたが、その通りだと思う。
L、G、B、T、Q。
多様性は分かるけど、そこまでの詳細は余計なお世話な気がする。
よくクィアを使う人を見かけるが、クィアには元々侮蔑的な意味があったことから、これもどうかと思うという意見があることは知ってほしい気がする。
(以下ネタバレ)
さて、映画は、
ノン・バイナリーだが、バイナリーでありたいと願う気持ちのはざまで苦しむ安藤と、ノン・バイナリーに興味津々だがバイナリーの三浦を中心にした物語で、性自認と性的志向が交錯し、絡み合うのだが、盗み聞きとか、ついしゃべっちゃうとか、中傷とか、自殺行為とか、やっぱり、ステレオタイプだなと思う。あと、転校するのも。
こんな状況設定にしないとダメだったのだろうか。
これ、ノン・バイナリーの人が観たらどう思うのだろうか。
山田杏奈さんも、神尾さんも、前田さんも良い感じなんだけどね。
でも、山田杏奈さんは、「ひらいて」のドロドロした感じの演技の方が、表現力も難しかっただろうし、もっと良かった気がする。
テーマはいいけど演技がいまいち
感動しました。
自分に気付いた時その先どう生きたいか
2021年劇場鑑賞37本目 秀作 67点
若い子の恋愛映画は苦手ですが、今作はみたかった。
当方ベタベタの恋愛映画は体が受け付けないタチで、昨今の邦画だと盲目の君の瞳が問いかけている、長い月日をかけて描かれる糸や弥生三月やアイネクライネナハムトジーク、どこかほろ苦い窮鼠や愛がなんだ、サスペンス感がある先生私の隣に座っていただけませんか?やイニシエーションラブなど全体としてどこか少し捻ったものを好いていますが、今作も例に漏れず劇場予告で拝見してから楽しみにしていました。
主演の男の子すごく綺麗な顔していたし、役にのめり込んでいて良かった。
女の子はなんかここ1年でよく拝見していたので顔と名前は存じていましたが作品を拝見したのは今作が初めてで、なんか演技が下手なのかあえてのぎこちなさなのか分かりませんが、ちょっといまいちに感じた。けどどちらにしてもまだ荒削りという印象で、若いのでこれからも頑張ってほしいです。
内容は昨今やっと躊躇せずに取り扱えるようになったという印象の同性愛についてで、かくいうわたくしはこのテーマの作品はそれなりに見てきましたが、今作はどちらかというとより若年層向けで、タッチも柔らかい印象を受けました。
高評価なのも頷ける出来になっていると思います。
是非。
理解できなくても想像できる
人との距離が近く、大枠の「同じ」が求められる学校という世界が舞台です。その「同じ」を持てずに生まれ、必死に皆と「同じ」幸せを求めて生きようとする当事者の苦しさはすごくリアルなものではないかと思いました。
ホモと言う侮蔑的な呼称を使う生徒たち。「ゲイなんて自分の身近にいない」と信じた世界を、大半の人が生きてることを表現してるように思いました。そこに原作者のこだわりを感じました。こうしないと残酷さはきっと表現できなかったと思いますし、その残酷な世界でどれだけの人が傷ついているのかと考えさせられました。
ドラマの金子大地さんも素晴らしかったですが、映画での神尾楓珠さんが期待以上に素晴らしかったです。偽る時のぎこちなさ、自然でいられる時の笑顔、本当に繊細な演技でした。脇を固める役者さんもすごく良かったです。
ゲイの彼女役を演じた山田杏奈さんは難しい役柄だったと思いますが、圧倒される素晴らしい演技でした。彼女の「理解できないかもしれないけど、想像してみたい」という言葉にすごく胸を打たれました。大事なことを教えてくれる作品でした。
とくに息子がいるお母さんに観てほしい。
何処向けのLGBTなんたろう?
古臭さを感じる
ゲイを終始「ホモ」と呼んでいるところや主人公がQUEENを好んで聞いているというベタな設定など2021年の作品とは思えないくらい昭和の匂いを感じる。
ただ、劇中で紗枝(山田杏奈)が「女のコは皆BL好き」と発しておきながら、それをひた隠しにして生活していることなど現実的要素もしっかり踏まえている点はプラスポイント。
と思ったら卒業式のシーンで突然マイクを握って演説をぶる。
リアリティーのある部分とドラマ的要素の乖離が大き過ぎてそれもどこか古臭さを感じさせる一因かも?
それにしても、山田杏奈はエキセントリックな役柄が続く。所属のアミューズはここのところ大黒柱の福山雅治やサザンも含め、良く言えば攻めてる、悪く言えば仕事を選ばず何でもかんでもさせてる印象。タレントを大事にする事務所、というイメージが少し変わりつつあるのだが・・・
私にとっては今年1番の映画
山田杏奈が好きなので楽しみにしていました。
結果、とても良い映画でした。
誤解を恐れずにいえば、ストーリーも演出も演者も完璧に好きな映画で、多分今年1番だろうかと。
伏線回収というか、「そういう事か」とか「ここに繋がるのか」とか、予想外の展開も好きな映画。
最近、ゲイの映画が多いですね。
もともとは苦手だったけどだいぶ慣れてきた。
この映画ではとてもリアルに描かれている。単に「理解しましょう」という綺麗事でもなく、「同性愛者は可哀想」という偏見と事実を真正面から受け止めています。
もちろん、高校生の爽やかな青い恋愛という1面もあるのだけど、この映画はそんなに単純ではない。
また、神尾楓珠と前田旺志郎もとても良かった。
神尾楓珠は中性的で、苦悩のある役柄でとてと切なく、初めは殻に閉じこもったような無感情な感じだったが、後半の感情が滲み出てきてとても切ない。涙が止まらん。
前田旺志郎はとてもハマり役で、子ども漫才の時のひょうきんな所と、とても優しい親友と。役柄でもあるのだろうけど、本当に良い奴で、やっぱり涙が止まらん。
山田杏奈は言うまでもなく可愛らしく、最近は際どい役が多かったので、とてもまともな役ですが、やっぱり優しさに涙が止まらん。
妹や姪っ子のようなキャラで、そんなに早足で大人にならないで、、と勝手に思う。
山田杏奈はとても良い役に恵まれている、同時に彼女が演じるととても良い映画になる。唯一無二の若手女優かと。
とてもリアルだと思うのは、生徒が話し合うシーン。あれは脚本なのかリアルなのか。
そして、体育館のシーンは涙が止まらない。
演出も好きで、所々、映画っぽい演出があったり、スマホの映像があったり、とても良かった。
唯一、残念といえば、「音楽」かと。
映画だけを考えれば、あれくらい薄味な音楽で良いと思いますが、私は好きな映画はサウンドトラックを買って、たまに聴きながら思い出す事があるので、あれくらいシンプルだと、そのような楽しみ方は出来ないのかも。
色々な人に見て欲しいと思うので星7つになるのかな。
リアル寄りの同性愛映画
何の前情報もなく観ていたので、途中で「あれ、なんか前NHKで「腐女子、うっかりゲイに告る」っていうタイトルのドラマやってたけど内容がそのタイトルと一緒だな?と思って後で調べたら原作同じでした。NHKの方がタイトル攻めてるなぁ。
同性愛映画ってこの映画でも触れられてるファンタジー的な登場人物がほとんどゲイで、誰も差別しないラブ&ピースな世界で、というタイプと、同性愛差別に晒されて思い悩むタイプに分けられると思うのですが、この映画は後者です。
そこはリアルに描いてあるのですが、冒頭でソーシャルディスタンスをテーマにした絵が学校に貼ってあるところが出てくるのに、誰もマスクしていないという、そこはファンタジーなのかよ、とずっと気になってしまいました。
自分は異性愛者でできれば若い女の子がいいな、というところが正直なところなのですが、子供を作らないならニューハーフの人とでも一緒だよな、と思います。この映画で主人公が同性愛者は家族を作れず孤独死する、みたいな事を言うのですが、年齢=彼女なしな自分にとっては状況は全く同じで、それでそんなこと言われるとキツいなと・・・。
気になったのはその2点で、同性愛というものを考えるきっかけとしては良かったのではないかと思います。
【”いつか日本がジェンダーレス社会に、なりますように。”腐女子とゲイの恋愛を軸に彼らを優しく、時に厳しく応援する友人達の姿が心に沁みる作品。】
ー 2017年に荻上直子監督の「彼らが本気で編む時は」が劇場公開される”前”、ある映画サイトで、採点1が、立て続けに付けられた事があった。
そして、当時、アメリカで暮らしていた荻上直子監督のインタビュー
”アメリカでは、沢山の同性愛カップルが街中で、普通に暮らしている。それが、日本に帰国すると、同性愛カップルを見ることが無い・・”
今作も、前半は非ジェンダーレス社会の中で、自らの性的嗜好をカミングアウト出来ない笑顔無き男子高校生安藤君(神尾楓珠)と、腐女子(嫌な言葉だ・・)である事がバレ、悲惨な中学生活を送った三浦紗枝(山田杏奈)が、書店で”ぶつかって”しまうシーンから始まる。ー
<Caution ! 少しネタバレです>
・今作を観て、今更ながらに思うのは、自らの”日本の社会に受け入れられ難い”性的嗜好に悩んでいる人に年齢は関係ない、という事である。
先日、鑑賞した「リトル・ガール」の”少女”の強き両親が居る訳ではなく、毎日悶々と苦しき日々を幼い頃から一人抱えて暮らしている、という事が象徴的に描かれた、安藤君のゲイのライン友だちの真の姿が明らかになる再後半のシーンは哀しい。
・今作の見所は多数あるが、
抑制した演技で安藤君が抱える哀しみ、不安を体現した神尾楓珠と、近作「ひらいて」の姿も記憶に新しい、”好きになった男の子が、ゲイだった・・”というショックを乗り越え、全校生徒の前で腐女子である事を、カミングアウトするシーンを演じきった山田杏奈の姿であろう。
この若き女優さんの芸歴は長いが、「ひらいて」と今作で、更に素晴らしき女優さんになられたと思う。
・又、二人を様々な表現方法で支える、安藤君の5歳からの幼馴染で剽軽な亮平(前田旺志郎)や、ぶっきらぼうながらも、周囲に媚びずに、正論を言う小野(三浦りょう太:観た事ないなあ、と思っていたら何と映画初出演だそうである!)の描き方も素晴らしい。
<今作は、鑑賞側に、”人間として自分の性癖と対峙しながら生きるとはどういう事か”と言う、とても大切なことを考えさせてくれる作品である。>
■それにしても、日曜日の午後という、映画館のゴールデンタイムに、鑑賞者が私一人というのは、何とも寂しかった。
多くの方に鑑賞して頂きたい作品である。
やさしそうで実は一番むずかしいこと。
"山田杏奈が良い!"な映画
たまたまの先行上映にて鑑賞…(本日、舞台挨拶とかあったそうです…知らなかった…笑)。
LGBTQムービー…。
原作小説のタイトルは『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』。
ジェンダーレスと呼ばれる社会へと、恐る恐る一歩一歩近づこうとする自分や時代の流れに戸惑っています…それが正直な感想…。
自分の頭の中の想像が追いついて行かない。
友達から始めてもらっても良いでしょうか?
…まだまだそれが今の精一杯…。
精一杯と言っているうちは、まだまだなんでしょうけどね(笑)
映画は、主演の山田杏奈が青春爆発していて良かったです(笑)…広瀬すずとはまた違った爆発具合をこれからもスクリーンで見せてほしいです!
愛は愛であり、好きは好きなんだ‼️❓
BLだけど楽しめた
山田杏奈のまつ毛の演技を見よ!
紛うことなき大傑作!!!
ゲイであることを隠している男子高校生とBL好きを隠している女子高生のラブストーリー。これを原作からタイトルを変えたところから偉い。最後のシーンのカタルシスが増しますね。
予告編で何となく話の流れが分かってしまうのですが、そこに決着させるか…という。余韻バッチリのラストカット&エンドロール明け。本当に素晴らしかった。
何より山田杏奈でしょう。「ひらいて」に続いてとんでもない演技。特にまつ毛の動かし方で感情を伝えてくるシーン。素晴らしい女優さんです。前田旺志郎さんも「うみべの女の子」に続いて当て馬適性を遺憾なく発揮していました。
ただのBLものとかラブストーリーではないなと思ったのが、ゲイでありながら結婚や育児に憧れているという点。高校生だから、ゲイ同士で養子等を使って子育てする発想には至ってないけれど、彼自身の苦しみがよく伝わってくる。
そして、当事者性にフォーカスが当てられていた点。とある展開のあとのホームルームのシーンは意図的に観客に課題を突きつけてくる作りになっている。この人たちが幸せなら良いじゃんではなく、社会構造や通年を重すぎずぶつけてくるのが素晴らしかった。
だからといって、マイノリティだからと甘やかさないキャラクターも見事に配置されている。また、同じシーンを別の登場人物がどう捉えていたかを見せるシーンもある。一つひとつの描写がとにかく丁寧だった。
強いて言うなら、今井翼の役柄は普通に不純行為にあたるよなーせめて大学生とかにしておけなかったかなと。家庭持ちということがポイントということも分かるので好みの問題でしょう。
未成年の主張シーンは、「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」や「サマーフィルムにのって」に匹敵するカタルシスでしたね。それで最後の駅のシーンですよ。素晴らしいです。
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