レンタル×ファミリー

劇場公開日:2023年6月10日

レンタル×ファミリー

解説・あらすじ

人間をレンタルする実在のサービスを題材に描いた人間ドラマ。家族レンタルサービスなどを展開する石井裕一の著書「人間レンタル屋」を原作に、「エターナル・マリア」の阪本武仁監督がメガホンをとった。

幼い娘のために父親をレンタルするシングルマザー、金で買える幸せにいつしか依存していく親子、ずっと父親だと信じてきた男性が実は雇われていた他人だったことを知る娘。時代のニーズに応え、仕事に真摯に向きあおうとする人間レンタル屋の主人公・三上と、サービスにまつわる3つの家族の物語を赤裸々に描き出す。

「パッチギ!」の塩谷瞬が三上を演じ、Netflixドラマ「全裸監督」の川上なな実、「たまえのスーパーはらわた」の白石優愛が共演。

2023年製作/107分/G/日本
配給:Atemo
劇場公開日:2023年6月10日

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(C)映画「レンタル×ファミリー」製作委員会

映画レビュー

4.5考えさせられるサービス

2025年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

実在するサービス その経営者が書いたドキュメンタリー小説を映画化した作品
なるほど~ と唸ってしまう。
小説に書かれた言葉のニュアンスとの違いがどこにあるのか知りたいと思った。
ひとまず映画に主軸を置き、この作品を考えてみた。
107分の中に3つのエピソードが描かれている。
ネット社会になった昨今、アプリによって様々なサービスが登場した。
そして発展したのがネットの中ですべてが完結できる世界 メタバース
逆に、リア充を求める人々も多く存在する。
実際に、ソープランドがあり、パチンコがあり、ホストクラブがある。
この延長線上にあるのが、この「家族レンタル」というサービス。
率直な感想は、
「人を喜ばせておいて、後でがっかりさせるもの」だと思った。
ただし、それがいいか悪いかはサービスを受ける側が決める。
ここが盲点だろうか。
ナナコ
彼女は母が死んだことでこのサービスを知り、パパだと思っていた人が赤の他人だったことを知る。
生きるためにペンションで働き、やがてオーナーから大学受験とサービスのパパに会うべきだと助言される。
オーナーの言葉の真意がどこにあったのかは不明だが、その事で悶々となってしまうのは良くないと思ったのだろうか?
ナナコはサービスのパパに会いに行く。
頭ではわかっていることなのだが、心は納得できないというのが正直なところだろう。
そして、この会社は妙に善意的だ。
だからドキュメンタリー小説が書けるのだろう。
仕事に対し完全に割り切っている三上
同時に顧客への配慮は欠かさない。
個人的には、ここが非常に小悪魔的に感じてしまう。
ナナコは三上と話し、母と三上との依頼内容を知り、母に「ありがとう」を呟いた。
翌日ナナコは、別の家族の父親役をしている三上を目撃する。
この現実
ナナコは母の死に乗せて、いろんな想い出をあの瞬間に捨てたように感じた。
想い出が想い出ではなかったこと。
この空虚感は「切なさ」という言葉では表現しきれないほどの虚構だろう。
ナナコにとっては、逆に踏ん切りがつけられたのかもしれない。
確かにソープもホストも「いまだけ」楽しいものだ。
あのマナミという客のように、ホストクラブに通うためにキャッシングするようになってしまえば、サービスの根源を忘れ、お金で幸せが買えると錯覚してしまうのだろう。
このサービス、顧客に善悪の判断を委ねてしまう是非
エピソード1の母子はサービスを止めた。
その母子とすれ違うナナコ
彼らは本当に虚構とさようならができたのだろうか?
人の心 寂しさはお金で埋められるのだろうか?
あの誕生日は、あの孫とのひと時は、本当に「想い出」となるのだろうか?
そしてこの作品はあくまで「ドキュメンタリー小説」が基本だ。
リア充と言いながらも、嘘と本当が入り混じる世界(サービス)
お金で買えないものを、あたかも買えるように見せかける世界(サービス)
買えたような気になるサービス
そこに残った割り切れない人の想いがあるはずだ。
バーチャルティアリティならぬルタナティブリアリティ(代替現実)
現実世界にフィクションを重ねて体験させる。
なかなか恐ろしいサービス
そして現実にあるサービス
満たされない現代人の心が求めたもの。
なかなかシリアスに考えさせてくれる映画だった。

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R41

3.0この薄っぺらさ!あえての演出? だとしたら、すごい!!!

2025年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

家族はレンタルできるのか?という話。

”人材レンタル”は『リップヴァンウィンクルの花嫁』で知った。
エキストラみたいで、やってみたいなんて思っていたけれど…。

レンタルって、必要な時だけ借りて、いらなくなったら返却。気に入らなかったら返却。
しがらみが無い分、楽だけれど、家族って、そんなものなのだろうか?
物でさえ、長年使っていれば愛着がわく。
人は?

家族…。
「僕は、血の繋がった本当のお父さんじゃない」
この映画の中で何度も繰り返される言葉。
本当のお父さんて、なんだろう。
 ステップファミリーは血がつながっていない。
 養子縁組家族だって血は繋がっていない。
 他にも、他にも。
でも、しっかりと”家族”になっている家族はたくさんいらっしゃる。
疑似家族だって、もっと心の繋がりはあるだろうに。

三上は、クライアントが望む”理想の父”を演じると言っていたけれど…。
”理想”って、何?
 クライアントの望む形を演じられれば理想の家族なのか?
 特に、エピソード3では、福祉の職員の方が、もっと親身に、菜々子の身の振り方を手配するぞ!
   (映画では、一人になった菜々子に対して、学校側も、福祉も、親戚も出てこない。私の周りでこんなことがあったら、菜々子の母の店の社員が学校か子ども家庭支援センター/児相に連絡、児相が動いて親戚に連絡とってとなると思うけれどな。で、引き取り手がいなければ、保護となる。三上が菜々子の福祉に関わる機関に連絡するわけでもなく、ただ、自分の立場を釈明するだけで放置。レンタル業を際立たせるために、あえて、そういう部分は削ったのだろう)
 短時間の付き合いならば、化けの皮は被り続けられ、”理想”を演じられる。結婚詐欺師等の常とう手段。ホストと変わりないと思うのは私だけ?
 でも、日常を共に過ごせば、期待に反する部分も出てくる。反対に期待される部分も。そのすれ違いから、喧嘩とか、諦めとか、”理想”だけではなくなるのだと思うのだけれど。
 三上だって、菜々子がオフィスを訪ねた時の対応…。アポなしの時にはあるあるだけれど、一言「後で時間作るから待ってて」が欲しかったのに。
 結局、三上にとって、クライエントの要望を完璧に演じられるかが大切なのであって、クライエントそのものを大切にしているわけではないんだよな。

その後の、菜々子の表情が痛々しい。
それでも、帰る場所が見つかったから、あれで済んだのだろうと思いたい。

父を求める子。それに応えたい母。
 『Dearフランキー』でも、偽父を探した。
 そのために婚活する方も実際にいらっしゃる。良いご縁に巡り合える時と、悪いご縁に捕まってしまう時と…。
 子の願いを叶えたい気持ちは、母ならではのことなのだろう。
 でも。
 何回にもわたって利用するのなら、せめて、子にインフォームドコンセントするべきなのではないだろうか。

ドラマはあえて深堀しない。
 エピソード2は、三上に密着したドキュメンタリー風になっている。
 それなりに、自分の仕事に悩むシーンも出てくるのだが、ほとんど、自己啓発セミナーか、新興宗教がらみのスタッフのように見えてくる。
 受験のための代理父って。入学してから、詐称がばれて、退学にならないのか?
 結婚するということは、親族の冠婚葬祭だってあるだろうに。
 それでも、了解してレンタルするのなら。大人なら自己責任。
 孫レンタル。ふうふうされた食べ物を子どもに食べさせるって、ぞわぞわした。コロナ等の感染や、虫歯菌だって感染するのに。子役なら、じじ役と食事共にするから、了承済のことなのか。子役が大成しづらいというのが納得。
 エピソード1では、ツッコミどころだらけ(さくらと朋子が似ていないのは、予算不足だったのだろうと目を瞑るとして)。チェーン掛けずに、子どもに玄関を開けさせる?スマホのパスワードは?秘密を扱っている仕事なのに、安易な受け答え。

すごく薄っぺらな、表面だけを扱ったものに見える。
元々、監督の作風がこんな感じなのか。
あえて、狙っての演出なのか。
ポスターのビジュアルを見ると、一見きれいにまとまって見えるけれど、その裏読みをさせるべく、作ったようにも見える。
胡散臭さが際立つ。
だとしたら、ものすごい問題提起。
へたにドラマ仕立てにするよりも、心に楔が打たれたような気持になる。

原作未読。
原作者のオフィスを三上のオフィスにしたり、舞台挨拶にもいらっしゃるほどの協力。
となると、私の裏読みは深読みか?
気になる。

★ ★ ★

役者では、菜々子を演じられた白石さんがすごい。
 菜々子の戸惑い、絶望、諦め、それでも状況を(無理くり)飲み込んで前を向いて生きていく、その静かな芝居が秀逸。

ペンションの先輩従業員を演じられた方は、劇団の役者さんだろうか。
 でんでんさん演じるペンションオーナーとの掛け合いが、この映画の中で唯一自然。
 他はエピソード1と2の出演者にしろ、菜々子の母にしろ、お芝居のためのお芝居をしている演技ばっかり。だから胡散臭くもあり、演出?

三上を演じられた塩谷さんはホストそのまま。この映画の胡散臭さを振りまく。

でんでんさん。好々爺なんだけれど、ひょっとして、裏があるのかと一瞬構えてしまった(笑)。

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とみいじょん

4.5レンタルファミリー

2023年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

難しい

こういう職種があるのは知ってましたが、結婚式の参列者のような単発のイメージでした。
長期で使用されてる方の心情、依存等・・・考えさせられることの多い内容でジーンとくるシーンもあり、とても楽しめました。

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tomomo

4.0塩谷瞬がハマリ役!!

2023年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

最初は低予算クオリティの映画かと思ったが、塩谷瞬がなんとも言えない絶妙な気味悪さとおもしろさ、他役者のリアルさでカバーしていた。
塩谷瞬で随所で笑ってしまう。一人だけ気味悪さで浮いている。
スタッフは確信犯だと思う。
これはある意味コメディだ。

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とちぎシネマ

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