JUNK HEADのレビュー・感想・評価
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「デルトロ激賞」に納得の気持ち悪さ(褒めてます)
劇場公開後から気になっていた作品でしたが、レンタルも忘れてアマプラ追加で思い出し鑑賞。
7年の歳月、1人から始まった作品という色眼鏡抜きにしても映画の内容自体非常に面白かった。ストップモーションってあんなにカメラワークぐるんぐるんできるんだ!とか地下のダンジョン奥行きすご…とかピングーとニャッキくらいしかストップモーションアニメ見たことない自分は一つ一つ新鮮に驚けました。
予告でデルトロ激賞と謳っていましたが、納得の気持ち悪いクリーチャー、食べ物?が出てきます。特にムカデのようなクリーチャーは個人的に大好きです。グロがお好きでない方は苦手かも。尻尾を他の物に間違えてるシーンも好き。
次回作も絵コンテが出来てるそうなので2こそは映画館で鑑賞します。良い映画でした。
変態キャラ満載でクセになる感じ
SFストップモーションアニメ(コマ撮りアニメ)となると個人的には普段あまり食指が伸びないジャンルだが、映画制作などズブの素人の男が7年もの歳月をかけてすべて手作業で創り上げたと聞くとさすがに見てみたくなった。
CGを駆使した超大作が全盛の時代だからこそ、そのアンチテーゼとしてこの謳い文句、バックボーンは間違いなく本作の付加価値になっている。
元内装業の男・堀貴秀がほぼ一人で自主制作した短編(30分版)が、アップリンク渋谷で一日限り実験上映されたのは2013年。
この作品はYouTubeに無料公開した翌年、瞬く間に国内外の映画祭で短編アニメ部門を席巻。
著名な製作会社からの出資を得て2015年に長編の制作が開始され、総コマ数14万、登場するフィギィアも全てハンドメイド、古い自宅兼工場をスタジオに改装して、ごく僅かなスタッフのみで休み無く撮影して約2年半。
ついに完成した本作は再び海外で高い評価を受け、昨年ようやく日本で劇場公開された。
遥か未来、環境破壊によって地上を追われ地下世界で生き延びた人類が労働力として創造した人工生命体マリガン。
やがて自我を持ち人類に反逆したマリガンと、永き戦いの末に地上へ戻った人類は、お互いの領域を侵さないことで協定を結び、そこから1600年の時が流れた。
その後遺伝子操作によって永遠ともいえる寿命を手にした代償に生殖能力を失い、未知のウィルスの猛威を受けて絶滅の危機に瀕した人類は、独自の進化を遂げているマリガンを調査するため地下世界へと潜入するのだが…。
一コマ一コマをアナログで紡いでいく途方もない作業は膨大な時間と労力を要するが、一方でCGには生み出せない独特の質感とリアルなエンジング効果や温度感を伴って実に立体的で深みがある。
グロさと気味悪さと愛らしさが同居したようなキャラクターたちも魅力的で、いきなり口からブリブリとウンチを出すという目を背けたくなるような変態キャラなどもいてインパクトは特大だ。気持ち悪〜と身をよじらせながらもついつい凝視してしまう不思議な感覚。
次々と困難に見舞われ、そのたびにガラクタで全身を改造されて復活する頭部(ジャンクヘッド)のスペクタクルな冒険は、ストーリー展開もよどみなくブラックな笑いにも満ちていて飽きさせない。
とにかくここまでディテールにこだわり抜き、頭の中のクレイジーな妄想を本当に映像化してしまった堀貴秀氏の執念と情熱に驚愕し感服する。
聞くところによるとこれは3部作なのだそう。
このクセになる感じ、一体ここからまた何年かかるか分からないが今から続編が楽しみだ。
きのこやらシッポやら
後半の追い上げ感最高!
批判しにくい映画でもあります
あとからじわじわくる作品
7年かぁ。
映画に予習が必要ですか?
キモカワでエモくて!
迷路のような地下に住まう、人工生命体。
その生態が少しづつ解き明かされつつ、
調査のために侵入した主人公が幾度の危機を乗り越え、人類存続の可能性を探る物語。
おどろおどろしいようで、コメディー要素が満載。
結構、笑えた。
よく見ると可愛らしいんだけれど、なんだか不気味。
どこか生々しいんだよね。
しゃべる言葉もナニ語か不明の音声だし、ちょいちょい下ネタが出てくる。
「独自の文化」感が半端ない。
一筋縄ではゆかないキャラデザと、舞台美術の圧がとにかく強烈だった。
冒頭、慣れるのか、この世界観に、と不安にさえ思ったのだが、
中盤を過ぎる頃には気にならず、物語にどっぷりはまるありさまに。
随所、オマージュとも取れる造形やらモチーフを見つけたような気になるのは、気のせいか。
それもこれも真似しました、と言わんばかりには見えず、
本作の世界観にすっかりはまり込んでいたのだから、意図してではなく無意識のうちに、なのかもしれない。
そんな物語は冒険、アクションものかと思うが、
赤い頭巾の少女が登場する辺りからけっこう切なくなってくる。
終盤、あの彼らの活躍にはカッコエエ、と見ほれつつ、涙。
ものすごく気持ちをもって行かれた。
もう会えないのが、寂しすぎる。
そして何より感動させられるのは、何から何まで一人で作り上げているという事実。
絵コンテを切っている地点で完成図はもう、脳内に鮮明と出来上がっていたんだろうな。
始めることにしたきっかけ、動機がとにかく知りたい。
そして完成まで何年もかかったというのだから、必ずその対価を手にして欲しいし、
ちゃんとお金払います。
元手に是非とも、是非とも、続きを見たいと思う1作だった。
ストップモーションアニメ
地底世界へ落ちるもミイラ風ハンターのロケットでジャンクヘッドに、地底で拾われて子どもタイプになりクロ3匹と仕事中に迷子になって虫に飲み込まれて記憶を取り戻しカミサマに、地上ミッションのエイリアン風バケモノのチンコを求めるも更に地下へ落ち口のきけないポンコツのポン太に、主人の命令でへんなの買い物に行かされるも邪魔されるは落とされるは帰り道で赤ずきん風おんなの子にへんなのあげて仲良しに、ヤバいバケモノが村に現れ助けに来たクロ3匹のおかげで子ども型に戻され記憶も戻り、生殖器ミッションは叶わずと分かり命の樹を赤鉄にのって探しに行くことに、ドーピングしたクロ3匹と力をあわせてヤバいバケモノと戦うもクロ2匹が死んじゃった。といった話で3部作あるそう。
ちょっとグロいけれど面白かった!
感動の一言
ストップモーションは素晴らしいですが、年月や技術が映画の素晴らしさではないので割愛。
永遠を生きる人間と地下にいる生物の対比が素晴らしかった。
全ての創造主の人間が感情を失い、生殖を忘れて滅びかけている。
決まった時間に起き、表情も髪型も自由に変えられる。
管理された食べ物、何不自由ない暮らしを見ても羨望の気持ちなど起こりえない。
それに比べ、地下にいる生物の何と荒々しい感情か。
襲う。食う。逃げる。恐れる。怒る。
グロテスクかもしれないが本来の生き物とはこうだったのではないか?
外見は怖いが悪戯をして追いかけっこする場面は感情一杯に描かれている。
無条件で命を助け、敵が現れても勇敢に立ち向かう。
彼らのように生きてみたいと思ってしまう私がおかしいのだろうか?
種族が人であれば本当に人なのだろうか?
映画の序盤では抵抗のあったキャラクターも、映画の終わりでは愛おしく可愛く観えてくる。
彼らの方がよっぽど人ではないだろうか?
人間など滅んだ方がいいと思えるほど、地下の生物は美しく輝いて見えた。
摩訶不思議ワールド
もはや1つの芸術作品
シャイ過ぎてひとりぼっちで作り上げた30分の短編「JUNK HEA...
クレイジーでアイロニーとユーモアの詰まった芸術作品
もはやただのストップモーションアニメーションでもない。
これだけCGでリアルな質感の映像ができる時代に、敢えて精巧で緻密なクレイとセット、VFXでこの映像を創り上げたこだわりにただただ脱帽する。7年間という壮大な時間をかけた覚悟にも頭が下がる。
一見独特な世界観で難解かと思いきや、独りよがりな表現に偏らず分かりやすいストーリーになっている。
ただそのなかに、人種差別や格差社会など現代社会に蔓延る様々な問題に対するアンチテーゼを忍ばせている。
またシンギュラリティやウイルスの蔓延といったタイムリーな話題も風刺している。
そしてさらに、弱肉強食や人間とは、生きるとはという普遍的な重いテーマも含ませている。
そんなエッセンシャルなテーマを隠しながら、ユーモアで包んで笑わせてくれる粋な作品。
純粋に笑って楽しむもよし、深くメッセージを考えるもよし、何度でも楽しめる映画だ。
エンディングのメイキングを観るとさらに凄さを痛感するので最後まで見逃せない。
続編もあるようなので楽しみだ。
パンフレットは購入必至!な素晴らしく狂気に満ちた一作。
堀貴秀監督が7年を掛けて、ほとんど独力・独学で作り上げた(制作過程で資金調達ができ、スタッフをある程度拡充することはできたものの)というのに、そんなごく小規模の制作体制であったことを全く感じさせない物語世界の奥深さ、アニメーションの緻密さ、そして造形の見事さに触れて、まず感じたのは一種の「狂気」でした。しかしその「狂い」に駆動された熱意が、作品の昇華に向けてまっすぐ進んでいることも同時並行で体感するため、映像のおどろおどろしさとは反対に、爽快感すら味わうことがあります。様々な形で織り込まれた、「ポップさ」も映像の軽やかさに影響を与えているんでしょう。
本作の印象から、堀監督は自分の世界を強烈に打ち出す人性格の人なんだろうな、と思っていたら、インタビューに答える彼は非常に穏やかな雰囲気を漂わせていて、失礼ながら本作を完成させたクリエイターと同一人物であるとは当初思えませんでした。しかし監督の口から語られる制作過程を聞くにつれ、「やっぱりどこか狂気じみてる…」と感じてしまうのでした。もちろん良い意味で。
制作内容や撮影機材まで詳細に解説したパンフレットは、本作に感銘を受けた観客であれば必携、必読の素晴らしく濃い内容。独特のデザインで編まれたこのパンフレットも、もちろん堀監督 自身が手がけており、その売り上げは続編の制作費用に充てられるそう。その意味でも購入は必須ですね。
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