「んん…惜しい…!」明け方の若者たち 7092さんの映画レビュー(感想・評価)
んん…惜しい…!
映画視聴前に原作があることを知ったので、原作を読了してから観ました。
※かなり個人的な感想です。
また以後若干のネタバレあり
結論から言うと、タイトルの通り。
惜しい…!ただめちゃくちゃいい映画でした。
まずは良かった点。原作と比較してここカットしないのにここはカットするのか…みたいなギャップは多少ありましたが、内容自体は展開もとてもスムーズで、退屈する時間がほぼありませんでした。
途中途中流れる名曲たちも流れるタイミングが絶妙で、特にラストのマカロニえんぴつが流れてタイトルが出る演出も素晴らしかった。
就職前の若者特有の胡散臭さや世の中を知らない故の前のめりな感じも、どん底の主人公と対比的に騒いでいた街中の人達も、世界観を壊すことなく丁寧に描かれていて良かったと思いました。
特に印象に残った役者さんは黒島結菜さん。色っぽくでもどこかあどけない少女のような雰囲気が魔性的で、1番のハマり役だったんじゃないでしょうか。とても魅力的でした。
次に悪かった点。これは仕方ないかもですが…
北村匠海さんが綺麗すぎます。これはイケメンとかそういう意味じゃなくて、どことなく心理描写が足りないというか…
初登場時のちょっと地味な感じは良かったと思います。けどもっと汚れていてよかったんじゃないでしょうか。
物語が進むにつれて舞い上がってるんだけど次第に心病んで壊れていく描写やもっと彼女に執着している感じ、俗に言うヘラッた描写が足りない…のに台詞は綺麗だし、前述の通りカットするべきではなかった、レストランで好きだったと伝えられた後の涙や血、尚人が部屋に入ってきた時の靴下の穴に心の中で突っ込むシーンや名言っぽく説得されるシーンがないせいで、全体的にやりとりが安っぽく感じてしまいました。
会社の人達だって終盤復帰した時心配してくれてる描写がありましたが、こんなんいらないんです。もっと冷たくていい。のに逆に指チョンパのシーンはあるんかい!と思わず突っ込みたくなってしまいました。
濡れ場のシーンも変に中途半端で、もっと野生的で小汚い風に演出した方が良かったのでは?北村匠海ファンがただ嬉しいシーンとして消化されてる感があって、勿体なかったです。
以上のことからまとめると物語全体はとても美しいラブストーリーでしたが、逆に言えばただ既婚者と付き合って別れて悲しかった、という一言でまとめられてしまう映画かな、と感じました。ただ世界観はとても良かった!
邦楽好きな方は一度は観た方がいい!と勧めたくなる作品でした。
以上です!評論家ぶって失礼致しました。