「花恋に足りないところがあり、劣る映画」明け方の若者たち サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
花恋に足りないところがあり、劣る映画
予告を見た感じ、好きそうな恋愛映画だったので結構期待していた作品。本当は2021年内に見たかったが、2022年の映画館での映画初めにこの作品を選ぶことに。結論言えば、期待以上とはいかなかったもののなかなか面白い作品でした。
あまり他の作品の比較するのはよくないと思うが、ベースも年齢も話の作りも「花束みたいな恋をした」に酷似しているので、わかりやすさという意味でも比べながらレビューしていきたいと思います。
前半は愛おしく微笑ましいシーンが続く。
別に退屈という訳でもないし、なんならこの2人の恋愛模様をずっと見ていたいと思うくらいなのだが、まぁ平凡っちゃ平凡。花束みたいな恋をしたでは、ここが非常に上手かった。恋に落ち、距離を縮め、告白をし、付き合う。恋と愛の始まりを描くのが坂元裕二の得意分野。この作品は、2人の出来事をしっかりと描いているものの、なんかインパクトが薄く見応えが無かった。
よく描いている。だが、描き方に問題があるように思える。第三者目線でしか2人の恋愛が映し出されていないのだ。だから、どうも共感できないし感情移入できない。他人事としか思えず、引っかかる部分も多々。やっぱり名前はあった方がいいよ。
それでも、キャスティングは素晴らしいと思う。
北村匠海って基本的に同じ表情をするのだけど、自分自身に何かが起こった時に大胆に表さず、なんとも言えない絶妙な表情の変化をする。これが、リアルでグッとくるのだ。終電を逃してしまうかもシーンでの北村匠海はとても良かった。セリフといい、言い方といい、表情といい。歌手としても役者としても満点ですね。
黒島結菜はこれまでで1番ハマっている気がする。魅力的で距離は近いけど届くことがない存在。こりゃ彼女を抜擢して大正解。ヴィレバンのシーン良かったなぁ。これでより注目を浴びて、もっともっと映画に出演して欲しいものです。上手い!!
濱田マリも相変わらず最高です笑笑
後半からの伸びには驚いた。
前半の平凡なストーリー展開から一転、痛いところを突いてくるようなセリフや描写、恋愛の終結は綺麗事ではないよと残酷に伝える数々のシーン。花束みたいな恋をしたにはない良さだった。なかなか恋愛の終わりを描くのって難しいのだけど、本作はよく出来ていた。本作と花束みたいな恋をしたが合わせれば完璧な恋愛映画になると思うんだけどなぁ〜笑 ツッコミどころがあったり、2時間に満たないのに結構長く感じたけれども、もう一度見たいと思える作品でした。多分この映画は、映画館で見るというよりも家でお酒飲みながら見た方が面白い作品だと思うな。
最近、大人な恋愛映画を作るのにハマっている日本映画界。非常にいい事だと思います。
次は2月に公開される「ちょっと思い出しただけ」に注目です。だって、クリープハイプですからね!?