サマーゴースト

劇場公開日:

解説

3人の高校生と幽霊が織りなす、ひと夏の出会いを描いた短編アニメーション。小説「君の膵臓をたべたい」の装画や劇場版「名探偵コナン」シリーズを始めとするアニメ作品への参加など幅広く活躍するイラストレーターのloundrawが監督を務め、作家・乙一としても知られる安達寛高が脚本を手がけた。都市伝説として噂される若い女性の幽霊「サマーゴースト」は、夏の間、花火をするとその姿を現すという。受験を控える高校3年生の杉崎友也は、スクールカーストに悩む春川あおいや病を抱える小林涼とネットを通じて知り合う。自分が望む人生へ踏み出せずにいる友也と、居場所を見つけられないあおい、そして輝く未来が突然閉ざされた涼には、それぞれサマーゴーストに会わなくてはならない理由があった。川栄李奈が、「サマーゴースト」と呼ばれる女性の幽霊・佐藤絢音の声を担当。

2021年製作/40分/G/日本
配給:エイベックス・ピクチャーズ

スタッフ・キャスト

監督
原案
loundraw
脚本
安達寛高
企画
FLAGSHIP LINE
プロデュース
FLAGSHIP LINE
キャラクター原案
loundraw
音楽
小瀬村晶
アニメーション制作
FLAT STUDIO
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(C)サマーゴースト

映画レビュー

4.5これからの作品が楽しみになるような、初監督作品としては非常にクオリティーが高い中編アニメーション映画。

2021年11月12日
PCから投稿

本作は約40分間の中編アニメーション映画ですが、むしろ無駄がない分、満足度は高いです。
通常であれば、余白を作ったりして、1時間超えの映画にすることも可能な作品ですが、あえてクオリティーを下げないように無駄を削ぎ落して中編映画で勝負しているのは好感が持てます。
イラストレーターのloundrawによる「初監督作品」としては、上々の完成度だと思います。
こういうキャラクターデザインもアリでしょう。
印象的なシーンや言葉を残しつつ物語は進むので、何度でも繰り返して見たいと思える作品になっていました。
構成も良く出来ていて、最初のシーンもよく考えられています。
このように、「初監督作品」としては、ほぼ満点と言えます。

ただ、以下の2点だけは、少し詰めが甘いかな、とも思います。
1.あおいのキャラクターデザインが可愛いので、なぜスクールカーストで下位にいるのかが考えづらい点。これは、共学ではなく、女子高という設定にしていれば、切り抜けられたと思われます。
2.友也による勝手な想像のイラストの後ろ姿を見て「こんな綺麗な人がねぇ」というセリフは無理があります。このセリフが自然と出てくるような情報を入れたりしておく必要がありました。

この程度のマイナス点しかないくらいに良く出来ていると思います。
これからの活躍が期待できる「期待の26歳の新鋭監督誕生」という、大きな希望を感じられる作品です。

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細野真宏

4.0切ない冒険奇譚

2022年4月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ネット上で知り合った3人の高校生は花火をすることで現れる幽霊の絢音と出会い…。
乙一脚本の短編アニメ映画。少年少女の一夏の冒険奇譚として乙一っぽさもありながらよく纏まっている。命の終わり方は選べないがそこまでの道は選べると言うメッセージ性を感じる作品でした。

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shotgun

2.0絵がきれい

2022年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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中を言う策

4.040分という上映時間を活かしきった一作。

2022年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

約40分という短い上映時間のため、話しは絞り込んでいる感があるけど、映像は豊穣そのもの。「時間を長く感じた」という感覚が良い意味で作用している珍しい作品でした!

loundraw監督の名前は初めて耳にしたけど、それもそのはず、劇場アニメ作品の監督は初めてとのこと。しかしこれまでもアニメ作品の原案や美術に携わっており、なんといっても書籍装画で非常に多くの業績がある方とのこと(『君の膵臓を食べたい』をはじめとした住野よる作品など)。となると今までも監督のイラスト作品はたくさん観てきたはずで、本作の、「どこかで見たことのあるような」、ある種の懐かしさを憶える感覚はここから来ているのかも。

映像としては決して派手だったり、高度な作画技術を誇示する、といった印象は薄いんだけど、特に光の表現の繊細かつ緻密さが印象的です。

幽霊となった女性を巡る物語が縦線なら、主人公達がどのように幽霊が見える「条件」を備えているのか、という謎が言わば横線となっており、全てが明らかになった後で冒頭の場面を思い起こすと、腑に落ちるようなちょっと悲しくなるような、不思議な思い出として蘇ります。

脚本を担当している乙一(安達寛高)のデビュー作は『夏と花火と私の死体』(1996)で、どう考えても本作と繋がっているようにしか思えないんだけど、監督の弁によると、自身のイラストが本作の着想に繋がっているとのことで、二つの作品には直接の結び付きはなさそう。だからこそこのシンクロには驚いてしまうわけだけど。

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yui
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