秘密の森の、その向こうのレビュー・感想・評価
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微動だにせず
73分とはこれいかに!と「ザ・シスト」との共通点を見つけたので鑑賞。そこそこの賑わいでした。
でも…自分が普段このポスターの様な作品を観てないのもあって、物語が動かない展開があまり楽しめませんでした。
しっかりと本編を観たはずなんですが、面白いくらい記憶がないんです。咀嚼音だったり食器のカチャカチャ音が耳障りだったな〜というくらいです。
やはり自分が好みなのはモンスターパニックとかなんだなーと思わされる一本でした。
鑑賞日 9/27
鑑賞時間 13:35〜14:55
座席 E-1
Petite maman
原題はPetite maman=小さなお母さん。
80分もない作品だけど、上質で静謐。ファンタジーの世界観に包まれる不思議な作品。
双子ちゃんが出演しているが、瓜二つで見分けがつかないほど。これまた演技が上手いのよ。
ストーリーのアイディア、演出がいいよね!
ラストのシーンは胸がじんわりと温かくなる。
本作をみて、私も自分の母や祖母、そして娘たちのことを想った。
こうも美しく引き込まれる世界観とは
ストーリーに関することは、2度目を観たい、そう想った。
ただ、この作品の映像はとても美しい。
どのシーンをとっても切り取っても、見惚れてしまう。田舎の森は深い緑ではなく、ちょっと秋めいたオレンジや黄色味の暖かい世界。青いネリーと赤いマリオン。この世界をつくる色と少し淡い彩度が澄み渡ったフランスの田舎を表現してる。
作中に音楽はワンシーンを除いてほとんどない。会話には無駄がなく、その間を埋めるのは余白。沈黙ではない。虫の音、風の音、車の音。その世界の音だ。
そんな美しい映像に見惚れてしまう。
最初にお母さんとドライブしてるシーン、後ろから娘が、お菓子、お菓子、次に飲み物、最後にギューってて腕を伸ばすとこや、子供2人でめたゃくちゃにクレープを作るシーンはなんとも心くすぐられる。
やびひもう一度体験したい。
#73 原題が思いっきりネタバレ
邦題だと秘密たっぷりな感じがするのに冒頭に出てくる原題のせいですっかり秘密がわかっちゃったじゃ〜ん。
時空を越えるわけでもなにかカラクリがあるわけでもないのに、死んだおばあちゃん家と森を挟んだ反対側に小さいママと若いおばあちゃんが住んでるお話。
8歳なのにこの衝撃的な出来事を受け入れてママと仲良くなっていく主人公ネリー。
今まで話してくれなかったママの歴史(ストーリー)を色々知っていくネリー。
何故過去のママやおばあちゃんに会えたかと言うと、きっとおばあちゃんと過ごした時間が足りなかったのね。
フランスが時空もの映画を作るとこうなることがわかった。
母親は何故、突然いなくなったのか
利発で心根の優しさを一見して感じさせるネリー(徐々にお転婆な面もふんだんに)は、大好きだった祖母の遺品整理のため両親とともに母の実家へ。ある日、森の奥へ導かれるようにたどり着いた目線の先には、自分と同じくらいの少女。そして、二人はすぐに意気投合します。
どうも悪い癖になっているようで、この手の展開をついつい「マルチバース」と頭によぎるのをなんとか振り切り、出来る限り「少女の想い」を想像し寄り添おうとするのですが、さすがに50オーバーのおじさんに全ては理解しきれていないと自覚しています。
それでも、女系3世代の人となりや、お互いに対する思いやり、そして当然のことながら「似た者親子」感は傍から見てても幸せを感じる絆があります。
ネリーのわだかまりが解消される終盤の展開、「悔いの残っていた祖母との別れの挨拶」、そして「途中退場する母と再会」が、観ている(50オーバーの)おじさんだってグッときて涙腺を刺激されるのです。胸キュンですw
スタイリッシュさとメッセージは分かるものの…退屈を塗り替えない映画
オンライン試写にて。うーん、コンパクトで観やすいとはいえ、そのスタイリッシュさが刺さらなかった。感動作と言うほど引き込まれず、ファンタジーの一編に感じた。
引っ越す家。亡くなった祖母。消えた母。心の隙間を表すように閑散とした部屋が彼女の心を表すよう。そこで出会った同い年の女の子は母と同じ名前。凄くファンタジックであるものの、普遍性を色濃く感じさせるセンス・オブ・ワンダーが特長。少女たちの冒険のようにも感じるし、人生の短さを隠喩しているよう。よく言えば優しい映画だし、悪く言えば退屈を塗り替えない映画だ。
このコンパクトさには緻密な計算と余韻を生むマジックがかかっているのだろうが、『燃ゆる女の肖像』と同様、さり気ないアクセントに気づけなければハマれない。拍車をかける様な展開が少なく、段々と咀嚼していくことで景色が広がっていくため、やはり人を選ぶ印象を受ける。分かりやすいことが正解とは思わないが、回収できなかった部分のわだかまりが残ったまま進んでいくのは何とも歯がゆくなる。
優しい物語ではあると思う。ただ、奥底に眠る部分に触れられるかは分からない。自分のセンスが起因する気がして、ちょっとモヤモヤ。
周りの大人たちが、かつて“誰かの子ども”だと知って、不思議な気がしたことがあるすべての人へ
ネリーは8才の女の子。
彼女が病院を後にするシーンから本作は始まる。
病院で彼女の祖母(母の母)が亡くなったのだ。
ネリーは個室を回って、入院患者たち(祖母のお見舞いで病院に通ううちに親しくなったのだろう)に「adieu」とさよならの挨拶を交わす。
その後ネリーは両親と一緒に祖母の家(つまり母の実家)に行く。
亡くなった祖母の家を片付けるためである。
だが、母親のマリアンは姿を消してしまう。
祖母の家は森の中にあった。
父親が家を片付けているあいだ、ネリーは近くの森に出かけ、そこで自分と同い年の少女と出会う。
その少女はネリーとそっくりで、しかも、彼女の母と同じ名前「マリアン」と名乗った。
2人はすぐに打ち解けるが、少女の家に招かれたネリーは驚く。
その家は、いま自分が過ごしている祖母の家と同じだったからだ。
そこで出会ったマリアンの母は、足が悪く杖をついていた。その杖は、ネリーが祖母の形見にもらったものと同じだった。
マリアンはネリーの母親、そしてマリアンの母親は、ついこないだ亡くなったネリーの祖母だったのだ。
本作の原題はPetite Maman、つまり「小さなママ」。
誰もが、自分が子どもの頃、親も含めた大人たちが、みな、かつては「誰かの子ども」だったということに、不思議な感覚を覚えたのではないか。
本作の主人公ネリーは、「子どもの頃のママ」と出会い、まさに、そういう事態に“リアルに”向き合うことになる。
ネリーはだから、とても奇妙な感覚を覚えただろう。
でも、いくら未来の自分の母親だとしても、目の前のマリアンは同い年の少女だ。2人は仲良くなり、いっしょに遊んだりクレープを作ったりして楽しく過ごす。
子ども特有の、気が合えばすぐに親しくなって心が通じる。そういう関係が描かれている映画は、これまでもたくさんあったが、この2人が、未来においては母と娘である、というところが本作のミソである。
母親と「友達になって」、少女のときを楽しく過ごす。それは、映画の中でしか有り得ない、おとぎ話だ。
“おとぎ話”の時間で母との距離が縮まったネリーは、ラスト、母親を「ママ」ではなく「マリアン」と呼ぶ。
ネリーたちが行ったときから祖母の家は片付いていて、入院生活が長かったことが窺えた。長い入院生活の世話からだろう、ふさぎがちになっていたママに、ネリーはさらにうまく寄り添うことが出来るようになったみたいだ。
少女のマリアンは手術のため、もうすぐ入院することになっている。ネリーは、その手術を乗り越えた母を知っているし、話も聞いている。
だから、ネリーは少女のマリアンを励ますことが出来る。
そもそも現代のマリアンも、母を亡くし悲しみの中にいた。
身近な人が元気を失っていたら、相手が年上だろうが、自分が子どもだろうが関係なく心配になるもの。
相手は母親で、自分はまだ子どもなんだけれども、身近な人をいたわるネリーの純粋さがいい。
ネリーは、祖母の臨終には立ち会えなかった。そのため、亡くなった祖母に、「adieu(さよなら)」と言えなかったことを悔やんでいた。
「おとぎ話の時間」の中で、彼女は心残りを解消する。入院するマリアンを乗せて車を出そうとする祖母に、ネリーは「さよなら」と言った。
今度は大切な人に別れの挨拶が出来たネリーは満足そうだった。
青い服のネリーと赤い服のマリアンのコントラストが美しい。
何より、2人の子役が可愛い。ちょっとしたいたずら、いっしょに冒険を楽しむ表情が印象に残る。
現代の、祖母が亡くなった家は寒々しいが、少女マリアンの住む家は、同じ家だが暖色系で彩られ、温かく描かれている。
こうした対比も見事だ。
子どもは若いのだから、当然、周りの大人の死を経験しながら成長する。
生きるということは、すなわち、死者を見送る、ということでもあるのだ。
本作は、そういう、生きていれば誰にでも起こり得る人生の1コマを取り出し、ネリーにとっての特別な時間を描き出した。
上映時間73分の小品ながら、大切な人との喪われた時間への想いに満ちた素敵な“おとぎ話”である。
相似的な
2021年。セリーヌ・シアマ監督。祖母の死で実家を片付けることになり、久しぶりに田舎に帰る家族。しかし、鬱気味の母は片づけを終えずにどこかへ行ってしまった。残された小学生の娘は、隣の森で同年代らしき少女と出会い、彼女の家についていくとそれは実家で、、、という話。森のなかで自分と同年代の母が現れて交流する幻想譚。
日ごろからふさぎがちな母は祖母の死で益々殻に閉じこもってしまう。そんな母が自分と同じ年齢の少女となって表れ、楽しく遊ぶ。本当の母が帰ってきたときには、閉じこもりがちな母の性格は簡単には理解できないまでも、その事実を受け入れ、母との距離は小さくなっている。
少女と母、母と祖母の相似的関係が、二人の少女の相似的外見として表現されている。相似的だがどちらに重点があるかは明らかで、少女としての母ではなく、娘を中心としていた主観ショットがいくつもある。家や森を見る娘の主観ショットには10代の少女の不安や喜びが丁寧に描かれている。
子どもの目から見た世界
人生半世紀以上生きてしまうと、子どもの目に社会が、それも大人の社会がどう映っていたか、すっかり忘れてしまっている。
もちろん、この映画の主人公が若きママに会ったのは確かだろうし、父親もその若きママに会っているから間違いはないだろう。でも、その自分がかつて持っていた、少年の目の感性を少し、掘り下げてくれたそんな印象。
そして実際問題として、ほかのレビューで書かれてたが、自分だってひょっとしたら若き自分もしくは、さらに年老いた自分と何処かで出会っている可能性もあるわけだ。リアルなストーリーとして考えた場合。
もっとも、そんなことは見た後で思いを馳せただけで、終わり方といい、すごく心に染み込む映画だった。
森の中で出会ったのは…
けっこう、まあまあ、良かったです。
僕はネタバレがイヤなので、あらすじを調べずに観る事が多いのですが、
大好きだった祖母が死んで…
森の中で同じ名前の女の子と出会い…
と、おぼろげ、ぼんやり、した情報で観ましたが、
おかげで、どっちだ?何だ?と、混乱しながら観ました。
終わってからポスターを見たら、モヤモヤしてた事が思いっきり書いてあった(笑)
公式のポスターに書いてあるぐらいだから、たぶん知ってから観た方がいいんでしょうね。
個人的には、知らない状態で混乱しながら観て正解だったと思いますが…
ネタバレがイヤな方は、ポスターは見ず、あらすじを調べずに観た方が、いいと思います。
想像力を掻きたてられ、より楽しめるかも?
あと、エンドロールに流れる歌の歌詞に色々と答えがあります。
時間は73分、コンパクトで素晴らしい♪
「原題」の意味を調べてはいけない、という特異な映画…。
今年283本目(合計558本目/今月(2022年9月度)26本目)。
どうしても70分クラスの映画なので、ひねる範囲にも限界があり、かなりわかりにくい展開になること自体は事実です。ただし、登場人物は子供2人(と、取り巻く大人)というわかりやすいもので、余計な人は一切出てこないので「この人誰?」というようなことは起きにくいです。
日本での公開タイトルはこの通り、「秘密の森の、その向こう」ですが、原題は全然違います。そして「原題(フランス語)を機械翻訳などかけるとネタバレになる」というあまり見たことがない類型(換言すれば、日本ではフランス語は義務教育でも高校でも習わない、ということからできること)になります。
原題を翻訳してしまうと「行くまでもなく最初から落ちがわかる」映画になるし、調べないと(元が短いという事情もあって)「そんなのわからないよ…」という「だまし討ち」みたいな論点があって、どうにも評価が難しいです。しかも70分と短いので語るところもないですし…。この「ネタバレ」になる「真の事実」は最後の10分くらいまでしか明かされず(原題を翻訳した人は別)、もとが短いのに「残りの10分でいきなり変なことを言い始める」という、理解を混乱させてくるパターンではあります。「虚言癖」とまでは言わないにせよ「そりゃないだろう」というパターンです。
ただ、フランスの森の中のシーンがきれいだった点、自然に関する描写やフランス文化(フランスでも、すごろく(人生ゲームっぽい)が遊ばれている点など)に触れられている点は評価しました。
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(減点0.3) 結局上記につきる点があり、「70分の準短編ものでは最後までトリックを見抜くのが難しい」「一方で原題を翻訳ないし、仏検なり一定の級(実は準2級の私でもわかるんですよね…。2単語に過ぎないので)を知っていると「あぁなるほどね」になるので、評価が両極端になりやすいのでは…というところです。
ただ結局これは最終最後は「フランス語自体が日本では(学習環境という観点で)メジャーではないのでできるトリック」だともいえるし、他に不愉快にさせる表現(性質上、森にいる動物を虐待するなどetc)は一切存在しないので、引いてもこの程度でしょう。
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森の中で自分の母親と出会う物語。
ある日、ネリーのおばあちゃんが亡くなる。話の流れから母方のおばあちゃんなのだと思う。
父と母と娘ネリーの親子三人は森の中にあるおばあちゃんの家を訪れる。
おばあちゃんとの思い出の詰まった家で、おばあちゃんの荷物を片付けながら寝泊まりするが、母親は心が辛くなり、父親とネリーをおばあちゃんの家に残し、先に帰ってしまう。
ある日、ネリーは庭でゴムひもの付いた球をラケットで打って遊ぶが、ゴムひもが切れ、球を森の中に打ち込んでしまう。
ネリーは森の中に球を探しに行くが、そこにいたひとりの少女と出会い友達になる。
そして、ネリーは少女に誘われて、その少女の家を訪れるが、そこはおばあちゃんの家で、その少女の名前は母親と同じマリオンだった。
…という話なのだが、ファンタジー感はなく、淡々とストーリーは進む。
何か、もうひとつ感情的に訴える部分があればよかったのではないだろうか。
なかなか入り込みにくい抽象芸術作品と言えるかもしれない。
#158
ファンタジーな母娘の愛の物語
不思議な感じのあるファンタージで母娘の愛の物語でした。
おばあちゃんの死をきっかけに、祖母が住んでいた森の中の一軒家に荷物整理に訪れる一家。
そこで突然母親がいなくなってしまう。主人公の8歳の女の子のネリーは森を散策していき、母が昔作っていたという小さな小屋を見つけ、さらにはそこで自分と同じ年齢の頃の母マリオンと出会う。
そこで二人は一緒に仲良く遊び、さらには元気だった頃の若い祖母も出てきて。
森の中の自然豊かな美しい父兄だったり、子供たちの遊びや衣装などとても風景画美しい映画でした。見事に家族3代に渡る愛が描かられていました。
MARION CREPE
スクリーンで少し早めの紅葉が見れてよかったです!🍁
子どもたちが森で遊んでいるシーンが、自然の中に実際にいるような雰囲気で良かったです。
(小鳥のさえずりや風の音)
秘密の森で更に不思議な事があった方が、展開があっておもしろいかな?とも思いましたが、これはこれでシンプルな作品で良かったです。
個人的には2人の子どもがクレープを作ってるシーンが1番好きでした!
映画鑑賞後の余韻が、儚いけど幸せな気分になれました☺️✨
Au revouir
大好きだった祖母を亡くした少女の心残りと不思議体験のお話。
大好きだった祖母が亡くなり、両親と共に祖母の住んでいた森の中の一軒家を片付けに行った8歳のネリーが、森の中で母と同じマリオンという名前の8歳の少女と出会い巻き起こるストーリー。
雨が降り出しマリオンの家に行くとホラーかとも思わせる何と祖母の家と同じ家。
更にはマリオンの祖母はネリーという名前!?
不思議な状況下でネリーとマリオン、そしてマリオンの母との交流をみせていく流れから、どんな展開やオチが待っているのかと期待値は高まったけれど、特に大きな変化はなくそのまま終了…。
えっ?確かにママは帰って来たけど、まさかのチョイ役的に登場した人物との挨拶がメインなのか?
ホラーではなくてどこかジブリっぽさを感じるファンタジーだったけど、これで何を感じれば良いのか、自分には難しかった。
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