秘密の森の、その向こうのレビュー・感想・評価
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74分という上映時間が良い
セリフではおばあちゃん好きということになっているがオープニングでの表現が足りてない感じ。
役者が似てないから長尺で出したくなかったのかもしれないが
シリアルとトーストという貧相な朝食、文化がよくわからないので何とも言えないが・・・
お父さんは特に変な人ではないが、最初妙によそよそしい
車のなかで主人公がとてもいい子なのは伝わってくるが、お父さんとは別の車(逆に夫婦仲が悪いと想像できるのはここぐらい)
おばあちゃんの家に着いた直後のお母さんの闇を感じるホラーのような演出が謎
若いお母さんの父を見る目が燃ゆる女の肖像を彷彿させるものの、燃ゆる女の肖像のような耽美的な映像はなく意味が分かると怖い話的なやつなのかな?
考察系の作品なので短い上映時間はありがたい。
日曜の午前中に観たい一本
『燃ゆる女の肖像』を初めて見た時、派手なシーンはないし、台詞もそんなにない。なのに強烈な印象を持ってしまい、セリーヌ・シアマの新作だと知って観に行きました。
前作は海や浜辺とゴシックな城を行ったり来たりで、今回は森と家を行ったり来たりでこれまたシンプルかと思いきや、母と娘の絆を丁寧に美しく描いた映画でした。
祖母が亡くなった病院から始まり、祖母が住んでいた家の整理に来ていたネリーは近くの森で同じ8歳の実母マリオンと出会う。子供時代の母親と数日間遊ぶうちに母の秘密を知ることになる。
ネリーとマリアンを演じた双子が素晴らしかった。赤と青を中心とした衣装でしぐさも男女の特徴を表していた。ネリーは歩き方やポケットに手を突っ込むしぐさは男性的で無骨な印象を持ちました。一方マリアンは年相応の女の子ですが、森に落ちてある木の幹で小屋を作るタフな女の子。
この監督の特長がカットが切り替わる瞬間の1秒に演技力を爆発させていて、だんだんキャラクターがカットが切り替わるまで目が離せない時間でした。
確約された未来
おばあちゃんの遺品を整理しにおばあちゃんの家に滞在中のネリーが、森の中で幼い時の母親と出会い、仲を深める話。
完全にこれはフランス版『思い出のマーニー』。話の内容だけでなく、なんとなくマーニーを連想させるなぁってシーンがあって、2人でボート的なものに乗るシーンやくるっくるの髪をクシで雑にとかす(マーニーがお手伝いさんに無理やり髪とかされてたシーンあった気がする)シーンなど。
でも今作はより明確にネリーが母親の支えになっていて良かった。一人っ子で近々手術を控えた幼い頃の母親にとって、自分と似ていて同じ感覚を持ってる女の子の存在ってめっちゃ嬉しいだろうなぁ。自分も一人っ子なのでどれほど兄妹いる友達が羨ましかったことか(いや、今もまだ羨ましい)。
ネリーの存在だけじゃなくて、ネリーから教えてもらう確約された未来羨ましすぎる。母親は早くに亡くなるけど、ネリーという存在に必ず会える人生勝ち確じゃねえか。。
『燃える肖像』ではオルフェウス伝説になぞらえて、相手を思って振り返ってしまったが故に2人は引き裂かれるけど、今作は全く娘の方を振り返らない母親の後ろ姿でタイトルバックが表示されるので2人はもう1度巡り会える。ほっこりする。
とはいえやっぱりこの監督の作品眠い(笑)73分でも眠い(笑)
不思議な物語でかつ静かに淡々と展開する作品なのに飽きさせない芸術性
原作はPetite mamanで「小さなママ」といったところか。監督はセリーヌ・シアマ。
本作は「8歳の少女が自分と同じ歳のころのママと出会い一緒に遊ぶ」という非常に不思議な設定だし、全体を通じてそのトーンは非常に控えめで大きな起承転結や音楽による演出もほとんどなく、一歩間違えればただ淡々とよくわからない物語が展開されていく退屈な作品となるところを、不思議と最後まで飽きさせず調和の取れた作品となっており、73分という少し短めの時間でちょうどよく「これがセンスか」と思わせるものがあった。
この監督の他の作品も観てみたいと思う作品だった。
宮崎アニメの実写版という感じでした
8歳の少女が、亡くなった祖母の家の片付けを手伝う傍ら、家の周辺に広がる森に入り込んで行くと、自分とほぼ同じ年恰好の少女に出会うというお話でした。実はその少女、その日の朝から姿を消してしまった自分の母親の子供時代という設定。紅葉が映えるフランスの田舎の風景と可愛い少女が登場し、非常にふんわりした雰囲気の映画でしたが、実はSFなんですね。
端的に言えば、少女が主人公、森を通ると母親の少女時代にタイムスリップする、少女時代の母親と交流する、そして直前に亡くなった祖母の若い頃にも出会う、という構図なんですが、「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」と言った宮崎アニメを実写にしたような印象でした。
そして驚いたのは、主役であるネリー、そして母親のマリオンの子供時代を演じたジョゼフィーヌ・サンスとガブリエル・サンスが双子らしく、見分けが付かないくらい似ていたこと。そして二人とも実に演技が上手い!(フランス語がサッパリなので、実際せりふ回しがどうなのかは分かりませんが。)ただあまりに似ており、最初は髪形が違っていたのでそれで判別出来るかと思っていたものの、シーンが替わる毎に髪形も変わるので、かなり注意深く真剣に観ていないと判別するのに迷ってしまいました(笑)
本作が素晴らしいのは、単に可愛い子役を使った映画というのに留まらず、登場人物たちの心の機微を役者たちが見事に描いていたことでした。そして物語的にも、現在の出来事とタイムスリップした過去の出来事が見事にリンクして、それらが終盤に向けてアウフヘーベンされていく創りは非常に印象深いものでした。
先月観た「デリシュ!」に引き続いてのフランス映画でしたが、いずれも景色が綺麗な上、物語もしっかりと創られていて、今後も要注目したいと思わせられました。
クレープのひっくり返し方
ドラえもんで見たようなシチュエーションではあるが、「ええっ!」とか「うそっ」と言ったリアクションを知らぬ幼い8歳児の会話が淡々と時空の歪みをフラットに行き来する。にゃははと普通にふざけあうキッチンのシーンが眩い。歩き方や佇まいが実に8歳。子供の扱いがうまい。
母の最後の微笑みに秘された23年間が、身に覚えのある観ている自身の過去と重なり、吸い込まれるように感じるのはSF設定ならではの後味である。
静謐な映像世界の中へ……
鋭敏な感覚で描き出された、謎めいた物語。
小品ながら、輝きを放っていました。上質な絵本のような作品だとも感じました。
登場人物は数人だけ。音楽もほとんどなく、静謐な映像世界が展開されます。
その世界はいつの間にか私たちの中に入りこみ、私たちもその世界の中に静かに足を踏み入れていきます。秘密の森の、その向こうに……。
「母と娘の絆」と、言葉で表わせば、いささか陳腐に感じられるかもしれないものを、いや、そんな言葉では簡単に言い表わせない強く深いなにかを、セリーヌ・シアマ監督は、この映画で見事に表現しているように思います。
前作『燃ゆる女の肖像』もそうだったけれど、すべてのシーンが美しいと言ってもいいほど本作の映像も素晴らしい。気品あふれる画面に魅了されました。
『燃ゆる~』と本作を観て、僕はすっかりシアマ監督のファンになってしまいました。次の作品も楽しみです(また「女性」を描くのでしょうか?)。
それはそうと、あの女の子たち、やっぱり双子の姉妹だったんですね。可愛すぎます~。
もう1回観たい。
秘密の森の秘密基地
8才って、意外に大人びたところあるかもしれない。大人になったって、こどもっぽい部分があるし、何歳になれば大人だなんて、法律以外に分ける尺度はない。非日常の経験の最中では、感性が鋭くなり、こどもも大人もなくなるのではないだろうか。
予想はしてたけど、見事に音楽が付かない。なので、本当に静か。季節は秋のようで、落ち葉が降り積もる道を、音を立てて歩くネリー。青いセーターに黄色い葉の色、森で出会ったマリオンは赤いセーター。色彩が美しい。
さよならを言えなかった…その哀しみが引き寄せた小さなお母さん。短いながらキュッと締まった物語。絵本みたい。
神秘の森。あの日の祈り。
時をかける少女。主人公とちっちゃいお母さんがとにかく可愛らしい(スープの件はあれどけど)。何故?なんて事は考えずただただ二人の邂逅を楽しむが吉。
日常の哀しさと幸せが交錯する素敵な作品でございました。
いいですねこれ
上映時間の短さといい、クレジットといい、フロントのみのステレオ音声といい
これはアチラのTVムービーなのでしょうか?
それはともかく
冒頭の数分でハートをわしづかみにされました。
あー・・・いい演出する監督だなあ・・・これはきっと当たりだなあ・・・
この気持ちよさが最後まで持続しました。
嬉しい。
8歳の女の子が、お母さんの実家近くの森で、同じ8歳の頃のお母さんに出会うという不思議なお話がデリケートなタッチで淡々と語られます。
謎やその答えの提示の仕方がアメリカ映画や日本映画でよく見る手法ではありませんしドラマチックな盛り上がりも殆どありません。
子役の絶叫も泣きもありません。
日本映画で監督がこんな風に撮って行ったらプロデューサーからクソミソにダメ出しを食らうことでしょう。
「ここはもっと盛り上げんかい!」「誕生日の場面は泣かせどころやろ!こんなんで泣けるか!〇〇〇〇の主題歌流せ!」とかね。
ヨーロッパの映画に馴染んでいる観客には心地よく受け入れられる作風ではないでしょうか。
もっと上映時間が長くてもよかったかなあ。ずーっと観ていたかったですねえ。
何度も観たくなりそうだから円盤出たら買いますか。
いい映画でした。
抽象的な表現が好きな人向け?
決して難解ではないけど、説明もセリフも少なくて、あ、という感じで終わってしまう。7歳の子どもなら、森で出会った女の子の自宅が自分のおばあちゃんの家と同じなら、その時にそれを言うと思うんだけど、黙っている。 3世代の女性、と宣伝されているが、祖母とのコミュニケーションは殆どなくて(恐らく「オーヴォワール」と言えた、ということ)予告編を見ている者にはそこで説明されている感じがした。要は子ども目線で繊細な心情を描いた作品。
祖母の死により森の中の実家の片付けに行くが、途中で31歳の母親は身勝手にも出て行ってしまう。父親と2人になった主人公は、ボールを探しに行った森で母親と同じ名前の自分と瓜二つの同い年の女の子と会う。その子の家は祖母の実家の昔の状態の家で、祖母と同じく足の悪い母親と暮らしていた。女の子は3日後に足の手術をすると言う。自分の家にも連れてきて父親(将来の結婚相手)と3人で過ごしたりして、手術まで2人は出来るだけ遊ぶことにする。
子どもは親の行動を静かに見て感じ取っている、ということ。
素敵。静か。
祖母が亡くなった少女が、片付けるために祖母の家を父母と訪れて、不思議な数日を過ごす話。母と同じ名前の少女と友達になり、森の中で小屋を一緒に作る。その小屋は、母が、よく話してくれた昔作った小屋によく似ていた。
ネタバレが話題になるような映画ではないと思った。素敵なファンタジーというか、多くの人(女性かな?)の心の中にある願望…じゃないだろうな、興味かな。こんなことがあったら素敵なんだけどな、という思いを実際に絵にしてみてくれた映画なんじゃないかな。
この映画での直接の願望は「母と暮らしていたあの頃に戻りたい」なのだろうが、間接的には「娘と同い年になって話してみたい」があるんじゃないだろうか。それとも、「行ってしまう母を娘が引き止める話なのかな。作者の意図はわからないが、自分は前者のような気がします。
ここにいたくないという感じのこともあったよ、と言ってたものね。「私がそういう感じを示すのは(あなたのせいじゃない)私のせい」と話したかったんだと思う。大人と子供だと、ストレートに話せない感じのことって、あるじゃん。
って、観てない人には何の価値もないレビュー書いちゃってごめんなさい。よかったら、観てください。
効果音や音楽を極力使わず、ここというところだけ使う点も含めて、全体の雰囲気は、自分が好きな映画でした。
おばあちゃんに「さよなら」と言えて、よかったね。
不思議な森がドラマチックだが、あとは特に何も起きない。娘・母・祖母のやさしい物語。
予告編が面白かったので鑑賞。「燃ゆる女の肖像」未見
こころ暖まるファンタジーで不思議な森の設定。マリオンの家がおばあちゃんの家だった時、さすがにネリーも一瞬立ち止まる。あとは別に何のドラマも起きない。娘・母・祖母 3世代をつなぐ優しい物語。8才って子供だけど色んなことがほとんど分かってる。
ふたりの少女に「オマエらただ遊んでるだけだろう」と言いたくなるような、まるでメイキング映像みたいな場面が微笑ましい。秋の森が美しく、子供の頃、雑木林で遊んだことを思い出した。
普段あまり映画を見ない人にはおすすめしないが、土日は必ず映画を見る人は、それ以外にも今作も見たらと思う。73分。私は気に入ったので2度見たが2回ともウトウトした。評論家の評価は高いかもみたいな作品。
2022/9/25(日) ☀️ city1
. 9/27(火) ☀️ 〃
あの娘がいる森
ママに後部座席からお菓子やジュースを口に入れてあげる
パパのお髭を昔の道具で剃ってあげる
そしておばあちゃんとのお別れ
ジブリの森の中にありそうな『おばあちゃん家』から始まる8歳のネリーの物語
そこで出会った自分と瓜二つのマリオン
ママが帰ってくるのか不安なネリーと
数日後に手術を控えたマリオン
クレープをこがしながら楽しく焼いたり
不味いスープを吐き出したり
クオリティが高過ぎる😁ごっこ遊びをしたり
まる2人が互いを励ましているかの様に見えた
もしかしたらその昔、秘密の森の向こう側で
8歳だったネリーママも8歳のネリーお婆ちゃんと時を共にしていたのかもしれないなぁ⭐️なんて…いろんな妄想や空想が膨らみましたね!
喪失から癒し、再生へ…その静かで穏やかな流れに自分も一緒に浮遊している様な73分でした
スクリーンから女児力が迸る。
自分がチョイスする作品次第なんだろうけど、
昨今は世相を反映してか、恐怖や残酷なシーンがこれまで以上に多く、かつ深刻になっている潮流の中で、揶揄もすると物足りないと感じるほど、穏やかで微笑ましい作品。
とにかく、子供の頃の母と一緒に時間を過ごす、と言ったアイディアがとてもハッピー。
母の歴史に触れ、母との繋がりを想う気持ちがとてもチャーミングに表現されている。
お気に入りのシーンは2つ。
1つは、冒頭病院から帰る車中で、運転する母にお菓子を食べさせてあげるシーン。自分が助手席に座って見ているような視点で、運転する母親の横顔に向けてカメラをフィックスする映像は、とても微笑ましい。
もう一つは、ドラマの転換点にもなる、母の誕生日にもかかわらず家に帰らない決心をして、パパに「今日じゃなきゃダメ」と伝えるシーン。この願いを振り切ることができるオトナは、なかなかいないかと。
カワイイから許す
「過去で起こしたことが現代に影響する」ものを入れて欲しかった。(何か持ってきてしまう、とか)
行く前と行った後でちょっとだけ何かが変わっているというカンジ。
73分しかないので、伝えたいことエピソードのみなんでしょうな。
もう少しこの2人を見ていたい。
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