仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
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正統派の時代劇
幼稚。 物語、演技、映像が稚拙で全体に噛み合わずチグハグ。 薄っぺ...
時代劇の良さが詰まった映画だった。
池波正太郎の藤枝梅安とくれば面白いに決まってると思ったけれど、期待を裏切らないクオリティだった。
なんと言っても役者達が素晴らしい。
豊川悦司の静かだけれどちょっとした表情の動きで感情を表す演技は引き込まれたし、悪女を演じた天海祐希は悪さMAXで迫力満点の中、最後になんとも言えない可愛いさを見せてくれた。そして相変わらずキレキレの殺陣の早乙女太一は舞台でも大好きな役者。スピードと華のある殺陣は出てきた瞬間にその場を支配する。相棒の愛之助も実はあまり好きじゃないけれど、いい味出ていた。
わかりやすい勧善懲悪の中に、人の悲しさと喜びを含んだ時代劇だった。そして、池波ファンの人にはあの料理の数々がたまらないだろうなぁ。
善と悪は紙一重
"仕掛人・藤枝梅安" 二部作第1部。
通常スクリーンで鑑賞。
原作シリーズは未読(※現在は既読)。
映画らしい重厚な映像と多彩な演技陣によって、「仕掛人・藤枝梅安」の世界観が令和に新生。因果を巡る人間ドラマと華麗な仕掛けの技に魅せられ、匂い立つ様に発散される色気に酔いしれる、極上のハードボイルド時代劇だった。
藤枝梅安と云えば、男の色気と仕掛けの身のこなしが魅力的だが、本作で梅安を演じる豊川悦司はそれらを十二分に体現し、歴代の梅安役に負けず劣らず、素晴らしい演技であった。
仕掛人の掟と善悪の紙一重な境界に想いを巡らせながら、許せぬ悪を始末するべく動く梅安と相棒の彦次郎。因果は巡る糸車、残酷な運命の結末に胸がぎゅっと締めつけられた。
梅安が実の妹と知った上で標的の命を奪うシーンの寂寥感たるや、映像の薄暗さも相まってとても良かった。豊川悦司と天海祐希、演技巧者だからこその息の合った名演が沁みる。
第2部へのブリッジも見事だった。
[余談]
天海祐希の悪女演技が素晴らしい。死の刹那、全てを悟った表情になんとも言えない悲哀があり、強く印象に残った。
[追記(2023/02/10)]
池波作品の魅力のひとつとして、食の描写があると思う。本作もそれをしっかり描いていて、どれも全部美味しそうだ。
「こりゃうめぇや」と舌鼓を打つ彦次郎の表情と口調は最高の食リポである。観ていてとてもお腹が空いてしまった。
素朴だけど、シンプルがいちばん美味いんだよなぁ…
[以降の鑑賞記録]
2023/09/24:Lemino(期間限定無料配信)
2024/12/30:サンテレビ「年末時代劇」
※修正(2024/12/30)
欲しいものがある世界
実に勿体無い。
俳優さんたちはとても良かったと思うし、豪華でした。特に天海祐希さんは群を抜いて良かった。
それ以外は、カメラワークもアングルも演出も音楽も全く良くない。
俳優さんが頑張ってるし、原作が良いから観れますが、兎に角必殺のシーンは緩急もなくダラダラしてて工夫もなく既視感だらけで問題外だし、早乙女くんの折角の殺陣も活きてない。濡れ場のシーンもちっとも色っぽくない。素人にもわかる演出の悪さは、俳優さんの問題じゃなくてセンスの問題だと思う。顔映しとけばいいだろーくらいにしか思ってないのがよくわかる。
最後の椎名桔平さんの演出も吹き出してしまうくらい、稚拙で幼稚な出来で、あれでは失礼だと思う。
昔の時代劇の撮り方をカメラの台数減らして撮ってたら、良いものなんか創れませんし、演者に失礼だと思う。
スペシャルドラマくらいでいいよー。お金の掛け方間違ってます!
日本の時代劇は日本にしか作れないはず?なのだから笑、大事にして欲しい。
邦画もこういうのは最高ですね
そういうもんだぜ、人なんて。善いことをしながら悪いことをする。悪いことをしながら善いこともする。
最近、廃れ気味の時代劇。だからこそ、ようやく予算をつけて作る時代劇には、製作陣や出演者の意気込みが感じられる。ある意味、建築の分野や伝統工芸の世界のように、作り続けることでしか得られない、現場でこその技術の継承があると思う。
・・・と、そんな気持ちを湧かせながら、この映画を観た。そして唸った。かつての緒形拳も渡辺謙も良かったけど、けっこういいのよ、トヨエツが。そして、愛之助も天海祐希も。ちょっと出の和尚なんて、誰だ?と思ったら若林豪じゃないか。いい役者がピリッとしめるなあ。この頃はどうも、時代考証そっちのけで、ウケを狙ったかのような派手な衣装や人物設定があったりしてがっかりすることもあったが、ニヤニヤしながら安心して観ていられた。セリフも所作も、やりすぎないのがいい。そしてダークヒーロー梅安の死生観、処世術のようなものが、物語の根底にしっかりと流れているのが感じられる。かつての池波作品とフジテレビの相性の良さを彷彿とさせる、良質の時代劇だ。話の続き、次回作はまもなく。楽しみでしかたがない。
至極のエンターテイメント!「お色気」だけじゃなく、全編に漂う色気!
まずは天海祐希の色気たっぷりの演技は圧巻です。テレビドラマでは正義の味方のイメージが強い彼女ですが、悪女こそ演技力が発揮されるようです。そして、着物姿の美しさ、所作の美しさ…思わず見とれてしまいます。
主人公の梅安役の豊川悦司がこれほどまでに時代劇をこなすとは、想像以上でした。適役だと思いました。常に哀愁を帯びていて、人の温もりを求め続けている。裏稼業は高収入だが、心がや
はり痛むのでしょう。唯一の友人と言える同じ稼業の彦次郎と飲み食いするのが、本当に嬉しそう。決して癒されることはない。それでも一瞬、心の痛みを忘れられる瞬間なのだと思います。
その彦次郎役の片岡愛之助には驚かされました!誠に失礼ながら…ここまで演技が上手いとは想像しておりませんでした。梅安に気を遣う…その遣い方がぎこちない彦次郎。その「ぎこちなさ」を見事に表現されてました。お見事!
また、悪役の板尾創路がすごい!本当に悪役はうまいなぁ(^^♪憎たらしいこと、憎たらしいこと。この映画のエンターテイメント性はこの悪役があってこそ成立する。お見事!
CGとの融合もスムーズで時代劇の新しい在り方を感じさせる作品です。そして、この作品を色気と哀愁で支える見事なキャスティングに脱帽です。シリーズ化を期待してしまいそう…(^^)/
正統派の昭和時代劇の進化
トヨエツの梅安、イイね!
時代劇のシブさにはまったぁー!!
時代劇のイメージが全く変わった!
画面全体が薄暗い照明でモノトーン調にまとめられ、小道具類、登場人物たちの所作、VFXを駆使して再現された江戸の街並みや風景など、
すべてが洗練されていて今どきのセンス満載!
…シブい!
また、キャストがいい!
トヨエツの梅安、ハマり過ぎー
愛之助の彦次郎、天海祐希のおみのもよかった
梅安と彦次郎のほのぼの仲良し男やもめコンビの
裏の顔が仕掛人!
このギャップがたまらん!
善悪が入り混じった日本オリジナルの
ダークヒーローの誕生だ
バックに流れる音楽も
映像にしっくり合ってて、
時代の雰囲気を盛り上げる
同じ時代劇でも、
公開中の「レジェンド&バタフライ」が
華やかエンタメ系、夫婦愛を軸にしたロマンチック路線だとすると
この作品は
年齢層問わずに受け入れられそうな
シブくて、とにかく冷徹なところもカッコいい、
けど!人情系ヒーローものって感じ?
見比べてみるのもおもしろいかも
あー、日本映画には
まだまだこんなにいろんな味付けができる
「時代劇」って素晴らしいジャンルがあったじゃん!
…って、あらためて気付かされた
そういうもんだろ人なんて
表の仕事は鍼医者の仕掛人、藤枝梅安が料理屋万七の女将おしずの仕掛を依頼される話。
3年前に一度だけ絡んだ蔓の田中屋久兵衛の依頼で万七の先代女将を仕掛ていた梅安が、内情を探る為に万七の女中に近づき、そしておしずと対面して…というストーリー。
単独仕事の仕掛人だけど、気の合う仕掛人で表の仕事は楊枝職人の彦次郎とも絡みつつ、おしずの裏の顔や過去に迫って行く展開で、同じ原作からの派生の必殺シリーズとは異なりエンタメ感はあまりなく、シリアスだけど堅過ぎず、そして適度にドロドロ。そして仕掛はお見事。
淡々としているけれど悲しさも孕んだ物語で面白かった。
エンドロール後次作の切っ掛けと思しき、彦次郎の過去に纏わる胸糞エピソードがあるので、次作も観賞するつもりの方はしっかりみましょうね。
作品とは関係ないけれど、途中20分間ぐらい客電が点灯した状態で上映が続き、映像があまり良く見えず…タイミングを見計らってスタッフに連絡しに行ってようやく消灯する始末。
上映後ポップコーンの割引券渡されてイラッとした。誰もが映画館でポップコーン食べると思ってんのか?
しかも割引券、しかも期限付きって…ただ謝罪してくれた方がよっぽどスッキリするわっ!!
お金に目が眩んだ結果
純真無垢だった女性の気持ちまで変えてしまう過程を、痛切に描かれていました。
冒頭部分の場面で無理やり男性の相手をさせられていた着物の女性が艶っぽい姿でした。
鍼医者である梅安が男性を始末して、海に水死体が浮かび上がりました。
しかし、それで無事に解決とはならず女性が亡くなることを何となく予知して感情移入氏ながら見ることが出来ました。
万七の店を天海祐希演じるおみやが切り盛りするようになった後に、料理にもお客にも品格があった店を梅安が器から見抜いていて
陰陽、表の顔と裏の顔がある鋭い感覚が研ぎ澄まされていました。
おもん、菅野美穂も未亡人を演じていて
男性に尽くす健気さがありました。
第一部となっていますが続きが気になるラストでした。
池波正太郎の時代小説を読んだことが無かったのですが、こちらの映画を見たことがきっかけで知識を得ることが出来て良かったです。
ザ・和の色気
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