仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
全178件中、41~60件目を表示
最後に仕掛けが...
「必殺仕事人」を思い出して懐かしく思い、すんなりストーリーに馴染めました。
無駄なセリフが無いので、話も分かりやすいです。変な伏線回収もありません。ご安心を。
トヨエツを始めとする熟年俳優陣も燻し銀の磨きがかかり素晴らしい出来栄えです。
早乙女太一の殺陣も迫力がありました。
その中で笑えたのが
板尾創路と六角精児かな。クズの悪役を見事に演じていました。笑笑
天海祐希が圧巻の妖艶な演技を見せてくれたのですが、演技が凄すぎて終盤では妖怪に見えました笑笑
エンドロールで帰ろうと思ったら、最後に仕掛けがありました。危ない危ない笑笑
原作、過去作未視聴
・役者陣の演技が素晴らしい。端役の人も上手くて世界観の中で浮いてしまっている人がほぼいないので安心して見ていられる。
・特に天海祐希さんは素晴らしく、地獄のような過去から這い登り強かでかつ魅力的な女を演じられていた。最期の仕掛けられるシーンは美しくもあった。
・最初の仕掛けのシーン、真っ黒な川から上がってくる梅安がとてもかっこよくてワクワクした。
・おせきが明るくて梅安との絡みも面白くてドロドロした主人公の世界に全く関与していない感じが梅安にも救いがある感じで良かった。
・勿論針をピンポイントで刺したり、吹き矢を喉に命中させたり、元々人間離れしているのだが、まだ技を極めたら出来るのかもと思える。しかし、道具を片手に持ちながら塀をぴょんと登ったり、万七の前女将の仕掛けで黒い衣装を着るだけで誰からも感知されなくなるのは流石に超人過ぎて、所詮ファンタジーかと萎えてしまった。
・天海祐希の仕掛けシーン、フラッシュバックが確かに切なくなって心が揺さぶられたが時代劇で砂嵐加工はアリなのか。
・男と女が本作のテーマなのかもしれないが、姦通とか無理やりとかその復讐とかそういうのしかないのかな?
細かい粗探しをしてしまったけど、全体を通しては面白かったという感想。続きも見たいし、シリーズ化もして欲しいくらいにはクオリティ高いと思う。
出演者がフィットしてない感じ
かつてのプログラムピクチャーのように、スクリーンに時代劇を復活させようとする連作の第一部。
出だしの中村ゆりのアップから、水中での殺しまで、ダークなトーンとアクションで惹きつけられる。
しかし、本編に入って、菅野美穂、天海祐希が出てきてからは、出演者と作品の雰囲気がフィットしてない感じが気になってくる。梅安と彦さんとのバディものとしての面白さはあるが、クールなトヨエツと歌舞伎顔の愛之助では合っていない感じも。
ストーリー展開は、狭い因縁話に収まって、広がりを欠く気がしたが、原作どおりなのだろうか。後半の回想シーンの入れ方とか、テレビ的な感じ。悪役が全然魅力的じゃなかったし。
江戸の町中が舞台だったので、屋内シーンが多かったが、ラストの第二部の予告編では、地方が舞台で屋外ロケが結構ありそうなので、また違った面白さが期待できるかも。
新作時代劇をスクリーンで観られる至福
冒頭から江戸の夜の闇の濃さに魅了される。
闇の世界に生きる仕掛人の持つ善と悪が、江戸の夜を照らす灯りのように
曖昧ではかなく、美しい。
豊川悦司の肉体から放たれる色気もはりつめた世界ととてもマッチしていると思う。
説明しすぎない演出も好みで、こちらが余韻を十分味うことができる。むごいことが横行する世界で闇に生きる仕掛人こそが果たせる正義、この暗殺と正義のバランス感が押し付けがましくなくさすが池波正太郎の世界だなと。実は藤枝梅安シリーズは全く手を付けてないのだけど、2の前に読むか悩む。そのくらいこの映画は素晴らしかった。スクリーンで観ることができてよかったと思う。江戸の世界観の美と余韻に当分浸っていたい。
原作・ドラマ観たことないけど、全く問題なし
全て一話完結の作品なんでしょうね。
今まで一度触れたことのない作品だから、どうしようか迷ったんですが、全く問題なかったです。
悪い奴がいて、その悪い奴を大事する…全体の流れは昔の時代劇そのもので、だんだん明るみになる人間関係も特段驚くほどのことでもないのだが、、、
あー、映画を観てるなぁって感じの満足感があります。
昭和に流行った時代劇を褪せることなく、映画化した感じです。
ちょいちょい笑えるシーンがあるのも劇場版ならではかな(^^)
続編も楽しみだし、昔のドラマも観てみたくなりました。
あと…
豊悦、やっぱりかっこいい。
TVとは違う地に足のついて藤枝梅安
TVドラマ「必殺」シリーズの元となる仕掛人・藤枝梅安を丁寧に描いてる。
TVドラマの様に恨みを晴らすシーンを主体として描くのではなく、しっかりと地に足をつけ生きてる人々の喜びと哀しみをうまく調和させてる。
その中で主人公が人との繋がりを断つ姿が哀しく、業を背負い佇む姿が哀愁を醸し出す。そんな平穏からかけ離れた彼らが鍋を囲み除夜の鐘を聴きつつ飲む酒がその哀しみを増大させ観てる私の心にも沁みた。
時代劇いいですねェ。
電気のなかった時代の夜の暗さはこうだったのだろうな、というのが再現されていたのがまず良かった。俳優陣もキャスティングが素晴らしく、主役の2人はもちろんのこと、柳葉敏郎さんや高畑淳子さんといった脇役の厚みが、時代劇の未来を感じさせてくれました。終盤、トヨエツの表情だけで考えていることを全て表現したシーンがあり、「あぁ、映画はこうでなきゃいかん!」と感激。続編が楽しみだし、ここから時代劇の盛り返しが図られることを強く期待します。
孤独を抱えた梅安と彦次郎が食べる「飯のうまさ」。
とてもインパクトのある「時代劇」であり、楽しませてもらった。法で裁くことができない悪人を闇で始末する「仕掛人」は、我々の勧善懲悪本能を刺激して愉快である。現実世界でも、殺したい相手がいる人は珍しくないと思う(心の中で思っているだけにしても)。そんな願望をフィクションで叶えてくれている。しかしこの作品の主人公は、表向きは正義のスーパーヒーローではなく、ただの暗殺者に過ぎない。高い報酬を得て非情な殺しをやりながら、当人は道理を弁え、人の道を大切にしているように思える。そんな人間の裏表、二面性が「仕掛人シリーズ」の魅力かもしれない。
返り討ちに合うかもしれないし、正体が知れたら殺されるかもしれない危険な稼業をなぜ続けているのかは分からない。しかしその死と隣り合わせの孤独感や悲しみのようなものはしっかり伝わってくる。梅安と彦次郎は、その思いを共有できる無二の朋友である。何も言わなくても分かり合える二人が、うまそうに飯を食う姿は何とも味がある。豊川悦司と片岡愛之助の絶妙なコンビと言えるだろう。
トヨエツ梅安
池波作品は若い頃よく読んでいましたが、トヨエツ梅安なかなかいいですね。2作品連続の作品ですので次も楽しみです。
最近は時代劇作品も少ないので、日本映画界を盛り上げる意味でも頑張って欲しい。
天海祐希さんや柳葉敏郎さんが脇をがっちり固めていい味出てました
「時代劇だから」と敬遠する人にこそ観て欲しい一作。
時代を代表する様々な俳優が演じてきた藤枝梅安役を、豊川悦司が務めた二部作の第一作にあたる本作。池波正太郎の代表的作品だけに、様々に錯綜しながらもそれぞれ味わい深い人間関係、そして池波作品ではおなじみの、ひたすら美味しそうな料理が印象的な一作です。
豊川悦司は還暦を迎えてますます表情に渋さが加わり、また演技も円熟味を増していて、寡黙だがどこか優しさと愛嬌が漂う梅安を好演しています。むしろちょっと美声過ぎるところが目立つほど。
東映京都撮影所が手がけたという映像は隅々まで丹念に描かれていて、陰影を効かせた一つひとつの場面の美しさに圧倒されます。人間ドラマとしてももちろん楽しめる作品ですが、この映像の質感は特筆に値します。前述したように、映像の多くは陰影を強調しているため、場合によっては人物の表情も判別困難な程です。しかし、特に片岡愛之助は、視線の使い方が絶妙で、さすが歌舞伎役者としての圧倒的な存在感を放っていました。
池波正太郎と言えば料理、特に鶏鍋がお約束ですが、本作で登場する料理もどれも非常に美味しそうで、かつ梅安(豊川悦司)と彦次郎(片岡愛之助)の分かちがたい絆を象徴する存在として描かれており、この点でも感心させられます。いわゆる「悪女」の描き方もまた、池波正太郎作品の風味を十二分に再現していますが、現代の視点から見ればやや時代がかった印象を与えてしまうことも事実。ここはもう少し工夫があれば、と感じました(生い立ちを描写するなどの脚本上の配慮は見られたのですが)。
ともあれ劇場で十二分に堪能できる極めて上質の時代劇である事は間違いないし、次作の公開もと今から楽しみです。「時代劇」だから古くさいんじゃないの?と思っている人にこそ観て欲しい作品です。
時代劇好きなら観ておくべき作品
「鬼平犯科帳」や「剣客商売」と並ぶ池波正太郎の代表的な時代小説「仕掛人・藤枝梅安」を原作とした作品でした。鬼平などもそうですが、梅安先生シリーズもこれまで何度もテレビドラマ化、映画化されており、今回は梅安役を豊川悦司が、相棒の彦次郎役を片岡愛之助が演じており、その他のキャストも天海祐希、柳葉敏郎らが起用されており、近年製作された創作物の時代劇映画としては、異例と言ってもいいほどの豪華な作りでした。(そもそも戦国時代と幕末物以外の時代劇が、映画・テレビを問わず新しく作られることすら少ないのが現状ですが。。。)
本作のストーリーは、原作でも最初の作品となった「おんなごろし」を土台にしたものでした。金で殺しを請け負う仕掛人の梅安や彦次郎ですが、相手が女性だと躊躇いがあるのか、はたまた請け負った仕掛けの裏に納得できないものを感じたのか、しきりに「女は怖い」というセリフを発していたところが印象的でした。ミソジニーやジェンダーフリーに対する考え方が急激に変化し、数十年前の時代劇なら普通に発せられていたこの類のセリフですが、最近は時代劇の再放送以外では殆ど耳にしなくなっていました。
そもそも時代劇が新たに作られることが少ないこともありますが、新作の時代劇が作られても、現代的な思考回路をもとに製作しているため、この手のセリフはご法度になっている感があります。だからこそ新作時代劇映画でこのセリフを耳にした私は、ちょっとビクッとしてしまいました。まあ池波正太郎の原作にもこのセリフはある訳だし、本作は不特定多数が観るテレビではなく、劇場公開される映画なので、原作の世界を再現するという意味では何ら問題はないものと思いますが、時代が時代だけに時代劇ファンの私ですら、妙な違和感を覚えてしまったのが、実に不思議な感覚でした。
違和感と言えば、梅安が住む品川台町の街並みのバックに、実際の距離からすればあまりにもデカ過ぎる富士山が描かれたのも、ちょっと笑ってしまいました。確かに月夜の晩に富士山をバックにした街並みの夜景は実に綺麗なのですが、この画面を観て、ふと昨年公開されたブラッド・ピット主演の「ブレット・トレイン」で描かれた、西洋人が思い浮かべそうな日本の風景を思い浮かべてしまいました。エンドロールでも、役者の名前が日本語とともにアルファベット表記も併記されていましたので、海外での上映も視野に入れているのかも知れませんね。そのための富士山だとしたら、ちょっと複雑な気分ではあります。
あまり内容に触れないままに総括したいと思いますが、本作は豊川梅安の一作目らしく、今年4月に二作目が上映されるとか。そちらも観た上で最終的な評価をすべきなのかも知れませんが、とりあえず本作については、最近稀な創作物の時代劇映画であり、かつキャストも豪華であり、何よりも原作が池波正太郎作品と言うこともあって安定感があるので、ちょっとした違和感はあったものの、星4の評価としたいと思います。
湯豆腐
時間帯の兼ね合いにより急遽鑑賞。時代劇は普段触れないジャンルなので、どうなるんだろうと思って観ましたが、最高に面白かったです。
表の顔は針医者、裏の顔は現代で言う殺し屋である仕掛人という二つの顔を使い分ける男の物語です。時代劇やそれらの小説は読む機会があまり無いので、一つ一つ物語と一緒に知識を深めていきました。変に説明くさいとは思わず、勉強になるなーと思いながら観れたのは良かったです。
基本的には梅安の殺しのスタイルや、それらにまつわるエピソードを周りの人物と共に進んでいきますが、テンポがとても良いので飽きる事なく観ることができます。殺し方がスマートでカッコいいですし、周りの人物たちの行動がユニークかつ迅速なのもまた良いです。殺される人物はしっかりと分かっているのに、そのシーンも見応え抜群。大胆に殺すのではなく一刺しで決めるクールさ。時代にマッチしたものではなく、その時代を活かす殺しに痺れました。
役者陣は文句なしの素晴らしさ。特に天海祐希さんの存在感は美しく、気高く、圧倒的でした。板尾さんのいやらしい感じは最高で、舌舐めなんてゾッとしました。
なんと言っても今作の魅力は食事のシーンでした。原作から製作陣まで、食事のシーンを大切にしているからこそ食べるシーンも作るシーンも映えていました。よだれが垂れてしまいそうなくらい美味しそうな和食が魅力的でした。一瞬でしたが卵焼きのツヤッツヤな感じが最高です。自分が映画を観ての評価のファクターの一つに食を大切にしているかが含まれているので加点しまくりです。
4月に仕掛人・藤枝梅安2もあるので楽しみに待ちたいと思います。
鑑賞日 2/15
鑑賞時間 14:20〜:16:55
座席 B-4
時代劇だからこそ味わえるエンターテイメント
私がわざわざお金を払って映画館へ行く理由は、現実とは離れた別世界へ連れて行ってもらうためなのです!現代の人がリモートでの生活に慣れてきた中、顔と顔を突き合わせて話をする、体温が感じるほどの距離感で人の温かさを感じます。江戸の風景もほんとうにそこにいるかのような美しい町並み。見たことない景色なはずなのに懐かしい気持ち。仕掛人という未知のダークなキャラクターにもゾクゾクさせられる。キャストは大御所揃いで期待を超える迫力、映画の世界にグングン引き込まれました!池波正太郎さんならではの美味しそうな江戸料理の数々にお腹減りますが、生きてるってことです!
全178件中、41~60件目を表示