愛と闇の物語
劇場公開日:2021年2月19日
解説
「ブラック・スワン」のナタリー・ポートマンが監督・脚本・主演を務め、イスラエルの作家でジャーナリストのアモス・オズの自伝的小説を映画化。イスラエル建国前夜、幼少期のアモスが両親とともに過ごしていた英国統治下のエルサレムで体験した日々を描いた。1945年、英国統治下のエルサレムで父アリー、母ファニアとともに暮らす少年アモス。一家は、ほかの多くのユダヤ人同様に、迫害から逃れるためヨーロッパから移住してきた。しかし母のファニアは、戦争の恐怖と、その後に続く日々の退屈さによって心に影を落としていた。さまざまな不安や不満が鬱積する中、ファニアは持ち前の想像力を生かして冒険物語を創作しては、息子のアモスに語って聞かせていた。そしてアモスにとっては、母から物語を聞かされたことや詩を詠んでもらったこと、言葉や言語を教えてもらったことが、後の人生に大きな影響を与えていく。ナタリー・ポートマンが母ファニアを演じた。
2015年製作/98分/G/イスラエル・アメリカ合作
原題:A Tale of Love and Darkness
配給:イオンエンターテイメント
スタッフ・キャスト
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2023年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
1945年、ユダヤ人への迫害を逃れ、エルサレムにやってきた主人公一家、少年の母親はこれまでの逃亡劇や引き続き起きるイスラエル独立戦争で、心が少しずつ壊れていった。
原作はこの少年は大きくなって書いた自伝的小説で、ナタリー・ポートマンが監督・脚本・主演を務めている。
静かだが胸に迫るものがある。
2023年2月3日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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『イスラエル建国と言う まさか の展開で、何千年も故郷を求め続けたユダヤ人の熱意が、燃え尽きた。』
さぁ、この言葉を詭弁と見るかと言う事だ。
イギリスの都合によって、アラブとユダヤは、中途半端に独立する事となった。イギリスの二枚舌外交は世界史で習う事だろう。
さて、事実か?
偽りではないが、しかし、まだ問題は継続しているのでそれを語りたくないが、もっと奥は深いと思う。語りすぎるとナチと言われたり、ユダ○陰謀論と言われ、レビューは削除される。
さてさて、この映画は、建国に関してのナタリー・ポートマンの自虐的歴史観だ。賛同はするが、数々あるアメリカ・ニューシネマの反ベトナム戦争映画の様になっている。つまり、パレスチナ側からは一切描いていない。一人のユダヤ人女性が悩みながら自虐的に死を迎えるが、その裏で、何万人ものパレスチナ難民の露頭に迷う歴史が、この映画では無視されている。
では、虚偽を語るプロパガンダ映画なのか?一つ言える事は、この映画を見るまでもなく分かる事だが、イギリスやアメリカ、そしてドイツによるウクライナに対する武器供与は、イスラエルに対して武器を供与したアメリカの行動と同じだと言う事だ。また、イギリスが『難民をルワンダへ』と言う考えと、シオニズム(イギリス人から見たシオニズム)がそっくりと見るべきだと思う。つまり、歴史は繰り返すのである。
ナタリー・ポートマンのイデオロギーは間違っていない。日本でも演者や芸人が監督する作品があるが、あまたの日本人芸能人と比べれば、自己表現のしっかりした女優だと感じる。ナタリー・ポートマンはユダヤ人としてのアイデンティティを持った演者だと言えるかもしれない。
但し、
『女がみんな優しくて正直とは限らない』最後はそれを言いたいのかなぁ?
キブツへ向かうトラクターに乗る息子と父親の再会の場面を見て、この映画が初見で無いと知る。すっかり、見たのを忘れていた。
2021年2月 有楽町ヒューマントラストだった。
主人公アモスの母(ナタリーポートマン)の苦悩がとても伝わってくるストーリー。
今もなお続くイスラエルとパレスチナ問題について知ることができる作品です。
母が子どもに聞かせる冒険物語が哲学的でちょっと怖い。時折出てくる母の想像上の男性が夫よりイケメンなところだけ、人間らしさを感じる。それにしてもアモスの母が、なぜあんなに実母から罵られるのかが最後まで分からなかったな。
2021年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
イスラエルの作家アモス・オズの自伝的小説をもとに、イスラエル建国あたりの歴史的背景を学ぶことができる。ヨーロッパにおけるユダヤ人迫害については会話だけだったけど、エルサレムに移ってからの複雑な状況がわかるようになっています。
ヘブライ語、アラブ語、英語といった言語が飛び交い、エルサレムにおけるユダヤ人とアラブ人が混在する中、国連が主導してイスラエル建国に至った経緯(シオニズム運動)。さらにはアラブ人も迫害を受けていた民族だと知り、建国後のパレスチナ問題もある程度わかりました。
そうした国際的政治的な話はメインではなく、アモスの母親ファニアの心の問題がクローズアップされていきます。建国という理想、夢がかなうと、生きる目標が失われる・・・誰しもが生きる目的を考えると思いますが、叶ってしまうとやる気も失せる。ファニアにとっては家族のことよりも大きな要素だったに違いありません。やがて病んでいく母。少年の目にはどのように映っていたのだろうかという心理描写も興味深いところです。
家族の描き方も少年の視点なので興味深いものがありました。求婚ライバルが多いため、必死でファニアにプロポーズした父アリー。物語を創作してくれる母。そして小説が売れずにいた父の本が5冊全部売れた!と喜んでいた後に、人気ロマンス小説家の部屋にはその5冊の本を見つけてしまったときの少年の心。徐々に父親から心が離れていく様子がうかがい知れます。
子どものいない夫婦に子どもを貸し出すとか、ちょっと理解できませんでしたけど、それがちょっとした事件に発展。アモスも徐々に心を閉ざしていくようになるブランコ事故でした。「あなたは小説家になるべきよ」という言葉に対して、「ぼくは農家か、犬に毒を飲ませる職業に就きたい」。笑っていいのかどうなのか・・・青年期のアモスを見ると、笑っちゃダメなんだと思ったけど。