劇場公開日 2021年2月19日

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愛と闇の物語のレビュー・感想・評価

全13件を表示

4.0凡庸さの中の哲学

2023年8月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

映画、物語として鑑賞するとただただ平板で凡庸な毒にも薬にもならない展開ですが、時々で出てくる言葉が、特に、最初の家族での食事での会話からの流れでの母子の対話、に最後まで引っかかり、その意味を考えながら鑑賞していました。どういう会話だったのかは実際に鑑賞なさって確認下さい。
この映画、ナタリー・ポートマンが伝えたかったことはそこに凝縮されているんだろうなと確信します。
舞台は第二次大戦の終盤の中東でのイスラエル建国前から始まります。イスラエルに世界中からユダヤ人が集まり、アラブ人との摩擦を抱えつつ、なんとか一緒にやっていこうという姿、これは英国を共通の敵として収まっていた、からイスラエルの建国からアラブとの闘争を欧州から引き上げてきたナタリー・ポートマン演じるファニアの家族の様子を通じて描いています。が、そこの描き方がとてもバランスが取れており、誰かに憎悪を向けるものでもなく、そこにも哲学的考察がなされています。
それから、ファニアはいろいろなストレスから壊れていきます。(と私には見えました)
良好に見える夫婦関係、嫁姑問題、引き上げてきた苦しい記憶、甘い思い出、イスラエル建国を巡る世情、内戦、中東戦争、、、、上げればキリがないです。
そういうところをバランス良く、逆に言えば山場もなく淡々と描いていくのは逆にすごいと感じました。

なお、映像に関しては凡庸です。どちらかといえばつまらないです。が、音の演出は秀逸で、常に生活音に囲まれ、町中の喧騒も音の位置が的確で気持ちの緩急が表現されています。(200人以上の箱を私一人だったので余計に。幽霊でもいるんか?というレベル)

そうだ、クリント・イーストウッドっぽい映画ですね。これ。

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zem_movie_review

3.0監督・脚本・主演ナタリー・ポートマン

2023年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1945年、ユダヤ人への迫害を逃れ、エルサレムにやってきた主人公一家、少年の母親はこれまでの逃亡劇や引き続き起きるイスラエル独立戦争で、心が少しずつ壊れていった。
原作はこの少年は大きくなって書いた自伝的小説で、ナタリー・ポートマンが監督・脚本・主演を務めている。
静かだが胸に迫るものがある。

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いやよセブン

3.0イスラエルとパレスチナ問題

2021年5月21日
iPhoneアプリから投稿

主人公アモスの母(ナタリーポートマン)の苦悩がとても伝わってくるストーリー。
今もなお続くイスラエルとパレスチナ問題について知ることができる作品です。
母が子どもに聞かせる冒険物語が哲学的でちょっと怖い。時折出てくる母の想像上の男性が夫よりイケメンなところだけ、人間らしさを感じる。それにしてもアモスの母が、なぜあんなに実母から罵られるのかが最後まで分からなかったな。

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サラ

4.0いじめられた時にはターザンの話を聞かせよう・・・あぁ~あ~

2021年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 イスラエルの作家アモス・オズの自伝的小説をもとに、イスラエル建国あたりの歴史的背景を学ぶことができる。ヨーロッパにおけるユダヤ人迫害については会話だけだったけど、エルサレムに移ってからの複雑な状況がわかるようになっています。

 ヘブライ語、アラブ語、英語といった言語が飛び交い、エルサレムにおけるユダヤ人とアラブ人が混在する中、国連が主導してイスラエル建国に至った経緯(シオニズム運動)。さらにはアラブ人も迫害を受けていた民族だと知り、建国後のパレスチナ問題もある程度わかりました。

 そうした国際的政治的な話はメインではなく、アモスの母親ファニアの心の問題がクローズアップされていきます。建国という理想、夢がかなうと、生きる目標が失われる・・・誰しもが生きる目的を考えると思いますが、叶ってしまうとやる気も失せる。ファニアにとっては家族のことよりも大きな要素だったに違いありません。やがて病んでいく母。少年の目にはどのように映っていたのだろうかという心理描写も興味深いところです。

 家族の描き方も少年の視点なので興味深いものがありました。求婚ライバルが多いため、必死でファニアにプロポーズした父アリー。物語を創作してくれる母。そして小説が売れずにいた父の本が5冊全部売れた!と喜んでいた後に、人気ロマンス小説家の部屋にはその5冊の本を見つけてしまったときの少年の心。徐々に父親から心が離れていく様子がうかがい知れます。

 子どものいない夫婦に子どもを貸し出すとか、ちょっと理解できませんでしたけど、それがちょっとした事件に発展。アモスも徐々に心を閉ざしていくようになるブランコ事故でした。「あなたは小説家になるべきよ」という言葉に対して、「ぼくは農家か、犬に毒を飲ませる職業に就きたい」。笑っていいのかどうなのか・・・青年期のアモスを見ると、笑っちゃダメなんだと思ったけど。

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kossy

3.5ユダヤ人をテーマにした映画は沢山ありますが、これはイスラエル建国前...

2021年2月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

幸せ

ユダヤ人をテーマにした映画は沢山ありますが、これはイスラエル建国前後を一つの家族の目線を通じて描かれ作品。こういった作品を見る度に人間の愚かさを感じます。
ナタリーポートマンが主演、監督、脚本だったのですね。今後の作品も楽しみです。

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Yoshi K

4.03.7ぐらい

2021年2月25日
PCから投稿

他の方のコメントで前知識を得てから鑑賞しないと、なんのこちゃになります。
はっきりとしたストーリーがある訳でなく、主人公が少年期から青年期までの生活を振り返り、その時期の彼の内面が描かれている。

主人公の暗い顔を見ていると、何故かブリキの太鼓を思い出した。

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Oyster Boy

3.0映像も内容も暗かった

2021年2月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

萌える

1945年英国統治下のエルサレム。
ヨーロッパから迫害を逃れてエルサレムに移住してきた、父アリー、母ファニア、息子のアモスの3人家族。母のファニアは物語を作って息子のアモスに語り聞かせていたが、第二次世界大戦が終わり、イスラエルが建国されてからファニアは鬱病になり・・・という話。
母ファニアにとってはイスラエル建国も病気の原因だったようで、心の問題は難しい。
両親を失った戦争孤児が国内に2万人冬を越せそうにない、から家に泊めてくれる人を募るとか、ユダヤ人の問題はイスラエル建国でみんなハッピーになった訳じゃないのがよくわかった。
ファニアを演じたナタリー・ポートマンが美しかった。

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りあの

4.5日本では余り問題提起されることは少ないが大切なこと。でも難易度は高め(補足いれてます)

2021年2月22日
PCから投稿

今年37本目(合計104本目)。

 比較的低評価が多いですが、この映画自体、かなりの前提知識を要求する部分があり、その点を理解しないと何がなんだかわからない展開が続くことが原因かな…と思います。
なので、まずこの前提知識の補足から。

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 ▼ 監督について
 ナタリー・ポートマンはイスラエル出身。

 ▼ 史実について
 1915年:フセイン=マクマホン協定 → オスマン帝国(当時)からの独立(アラブ反乱)を目指すアラブ人は、イギリスはこれを応援した。
 1916年:サイクス・ピコ協定 → イギリスは、フランス・ロシア(当時)とアラブ地域の3国での分割統治を決めていたが、そこにはフセイン・マクマホン協定と矛盾する内容が含まれていた。
 1917年:バルフォア宣言 → パレスチナに当該地区にユダヤ人の国家を建設することを認める宣言を発出するも、このことを快く思わなかったロシアに暴露され撤回。しかし、今度はイギリスはロシアが邪魔になったので、ロシア抜きでで分割統治を決めるセーヴル条約を勝手に結ぶ(1920年)。

  → この時点でどれもこれもが矛盾しており、ここでどれをとっても破綻が発生。このイギリスの無茶苦茶ぶりは「二枚舌外交」「三枚舌外交」と強く非難された。

 1947年:パレスチナ分割決議 → これは映画の内容通り。ユダヤ人を自国から追い出すという口実でアメリカ(トルーマン大統領が熱心に賛成していた)やロシアが賛成に回るも、アラブ諸国は猛反発。モメにモメまくって無関係な国は棄権。イギリスは当時、もうすでにこの問題で、どの国からも「いい加減にしろ」という風潮だったので棄権(史実通り。映画内でも描かれている)。これでまた問題が勃発する。

 1948年~現在まで:第一次中東戦争などが勃発。今でもこの問題は収まっていない。

 ※ なお、1916年のサイクス・ピコ協定は、もっぱら西洋諸国(ロシアは微妙ですが…)だけで取り決めたものだとして無効だと主張して、間接的にイスラム国(ISIL)の問題を巻き起こした。

 ※ イスラエルを抱える問題で、国境が不可思議な線引きになっているところがあるのは、こうした矛盾する条約・宣言で作られた妥協の産物。

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 この映画は、こうした内容を把握していないと理解が非常に難しいです(字幕ではまったく出てこない)。今でも確かにこの問題は問題提起されますが、元はといえば上記のような複雑な事情があり(しかも、サイクス・ピコ協定はイスラム国「建国」の根拠として主張されたほどだった)、かなり複雑な理解を必要とします。

 いわば「文系版「エジソンズ・ゲーム」」のような様相で(そういえば、3月に「テスラ」も放映されるようです)、このあたりの知識の有無が理解を9割以上(といっても正直過言ではない)左右します(高校世界史の教科書ではここまで扱わない)。

 内容は、完全な史実に基づくものではないようですが、主要な登場人物は実在する人物で(ただ、その説明も映画内にはなく、史実に着想を得たのか完全フィクションなのかわかりづらい)、この点も理解が必要でしょう(ただし、ググれば理解ができます)。

 正直なところ、この辺の知識の有無がこの映画の評価をかなり(★3.0程度以上に)左右するのですが、字幕が少なく、ちょっと…とは思いました。とはいえ、歴史上の問題提起の映画の中でも、この問題を扱った映画はやはり少なく、その点は「公開されたことに意味がある」と考えました。

 感想というより、今後見に行かれる方の理解になれば幸いです。

 なお、加点減点は下記の通りで4.5としています。

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 (減点0.4) 正直、日本の公開にあたってこうした部分の説明が字幕で皆無であり(まったく存在しない)、前提知識がないとまるで不明な映画になってしまっています。ただ、日本の高校世界史の事情でそこまで扱えない(どうしても近現代史は授業のコマ数の関係で駆け足にならざるを得ない)ことと、誰も話していないことを勝手にあれこれ付け加えるのもどうか…とは思い、この程度にしています(ただ、字幕で独立してある程度説明するなり、入場時特典パンフレット等などは配るべきだったのでは…とは思います)。

 (減点0.1) 上記のように、イギリスが大きくかかわってくる映画ですが、「現地の(多くの混在した言語よりも、ひとつの)英語」として、英語教育を推進しているところがあります。ここでの英語はイギリス英語です。ここで、

 I do. 私はする。
 I did 私はした。
  …
 I should have …

 …ということを「五十音的に」学習するシーンがありますが、 I should have (仮定法過去完了)に「私はするべきだった」と解説しているところがあるのですが、それ自体は間違っていなくても、この表現は暗に「実際にはしなかったことを後悔する」表現です(つまり、実際にしなかったことを示唆する)。
この部分は日本の字幕では説明がなく、一定の文法力がないとハマリが生じかねない点であり(中高の英語で触れないだけで、この点は結構複雑な議論を含む)、字幕に工夫があってしかるべきかな、とは思いました。
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yukispica

2.0毒グモの様な町

2021年2月22日
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悲しい

1945年からエルサレムで幼少期を過ごしたイスラエルの作家でジャーナリストのアモス・オズの昔語りのお話。

まあ、アモス・オズという人を知らないで観た訳だがw

迫害されて両親と共にヨーロッパからエルサレムにやって来たユダヤ人のアモス。
殺伐とした作家となった父親と、文学的思考をもつ母親のもと、過ごした幼少期。
即興で物語を作って話をしたりって凄いね。

子供のいない夫婦に貸し出され、トラブルになってしまったり、戦争が激化して精神的にも肉体的にも弱っていく母親を目の当たりにしたり、夢や想像の物語を絡めながらみせていくけれど…。

確かに重くるしい世界観や悲観的な様子は伝わってくるし、救いの無い話は好みな自分だけれど、特段衝撃的なことはないし、淡々と、モッサリとした印象で、あまり刺さらなかった。

ナタリー・ポートマンはやっぱり美しくかった。

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Bacchus

4.0【苦悩】

2021年2月21日
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この物語は、原作者アモス・オズの母親の苦悩を描いたものであり、また、アモス自身の苦悩の物語でもあり、更に、ナタリー・ポートマンの苦悩でもあるのだと思う。

アイデンティティとは何かを問う苦悩なのではないか。

迫害から逃れてたどり着いたエルサレム。
戦争が終われば、生まれ育った故郷に帰れると信じていたのが、イスラエル建国で、そこにとどまることを余儀なくされる。

希望が叶うと熱狂は冷める。

だが、それだけではないだろう。

イスラエル建国は長年のユダヤ人の夢のように考えられがちだが、イスラエルの地に多くのユダヤ人を押し込めて、厄介払いする方が良いと考えたヨーロッパ人が少なくなかったのも事実だ。

イスラエル建国によって、それまでの自身のヒストリーと、それを背景にしたアイデンティティを失ってしまったファニア。

その苦悩を受け継ぐアモス。

アモスは自由を求めても、所詮、それは不自由な世界で与えられた自由なのだと感じたのではないだろうか。

ポートマンという姓からも想像できるように、ナタリー・.ポートマンはアメリカ育ちのユダヤ人だ。
生まれはエルサレム。
ポートマンは、祖母の名前から取った芸名らしいが、〇〇マンは、ユダヤ人の典型的な姓だ。

彼女は、エルサレム生まれであることをアイデンティティのように語っていた時代もあったが、今は、イスラエルとは距離を置いている。

おそらく、パレスチナへの対応など様々な問題が背景にあるのだろう。

信じていたものが、実は、想像とはかけ離れていた。

宗教が特定の人を救うことはある。
しかし、宗教が全ての人を救うわけではない。
人に苦痛を強いて得られるものとはなんだろうか。

本当は、希望こそが人の生きる糧ではないのか。
宗教が人の希望を妨げるものであって良いはずがないのだ。

しかし、これは、ユダヤ教というスコープを通して見た僕達の世界そのものではないのか。

宗教も、政治も、〇〇主義も、特定の断面からしか見てないのであれば、盲目と同じだったりする。

作品の暗さは、そんな意味もあるのではないだろうか。

※ なんか、評価低いだろうなと思いながら観てしまったけど、考えさせられる。

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ワンコ

0.5ナタリーポートマンの全力無駄遣い

2021年2月21日
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脚本があまりにも酷すぎて、俳優陣の努力が無駄。何度も寝そうになった

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shota

3.0ラストの手紙シーン

2021年2月21日
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鑑賞方法:映画館

よかったです。
とてもつらい作品です。

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かん

1.5暗い

2021年2月20日
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鑑賞方法:映画館

36本目。
愛より闇、ただ暗い。
ヒドいまではいかないけど、観終えた後に十字架を背負わされる感じもないけど、本当暗い。
薬を飲み始めてからは、かったるくなり展開もなさそうだから、目を閉じた。
普通なら損した気分になるけど、私は・・・が上映中止になった時に貰った観賞券で観たから、そこ迄のダメージはなかった。
いやでもPOKEMON GOを我慢し、急いで向かったから損してんのか?

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ひで