マイ・ダディのレビュー・感想・評価
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ムロツヨシの演技には感動。娘の回復のため一心に祈りを捧げる姿は敬虔な牧師そのものでした。
御利益宗教は別として、真面目に信仰を貫いている人なら、宗派を問わず、誰にでも神仏から信仰心に対する試しの試練に遭遇して「祈りが届かない」苦悩に打ちひしがれた経験をお持ちでしょう。それをストレートに描いたのが本作です。
小さな教会の牧師を務める主人公の父親が、病気の娘を救うために奔走する愛をテーマに、俳優のムロツヨシさんを主演に向かえて金井純一監督により公開されました。
主人公の御堂一男(ムロツヨシ)は、誰からも慕われる牧師で、優しく、面白く、お人好しで誠実な父親でもありました。日本の教会ではよくある牧師専業ではなく、ガソリンスタンドで永年バイトをして生計を立ててきました。
裕福ではないにせよ幸せな生活を送る一男に、かわいらしい中学生の娘・あかり(中田乃愛)に白血病が発覚するという転機が訪れます。そこに死んだ妻との出会いから事故死するまでの悲しい出来事が、娘の闘病生活と同時進行で語られるのでした。さらに骨髄移植のために行った血液検査で、あかりと一男は血がつながっていないことも判明します。この手で抱き上げたわが子が、他人の子供であったことに愕然とする一男でした。
突然の現実に困惑し絶望する一男。牧師であるのにもかかわらず起る、畳みかけるような不幸が襲ってきたのでした。一心に祈りを捧げる一男でしたが、一向に神さまは答えを出してくれません。娘への愛のために一男は現実世界でも、骨髄移植が適合するドナーとして「本当の父親」探しに動き始めるのでした。
キリスト教の中心的なメッセージである「愛」をテーマにした本作に、俳優歴25年のムロツヨシが渾身の演技で挑みました。ムロツヨシさんはツイッターに、「胸を張って観てもらえる映画をつくりました」と投稿。発表に際して寄せたコメントでは、「この物語の父になりたいと思いました。この役というより、この父になりたいと」と言い、次のように話しています。
「こういう話があるんだけど、と渡された台本。2時間後に『やらせてください』と連絡していました。それから数年かかってしまって、なんちゃらウイルスのため撮影も延期。それでもここで、この映画制作のお知らせができることに、ただただ喜んでいます。この父をやりきってきました。どうか、どうか、覚えておいてください。そして観たいという期待を持ってください」
実際にムロツヨシの演技には感動しました。あかりの回復のため一心に祈りを捧げる姿は敬虔な牧師そのものでした。いざ手術という切羽詰まった時期にドナーがお父さんでないと手術を受けないと駄駄を捏ねるあかりに対して、困惑と懇願する一男の表情、そして一番衝撃的な演技は、牧師でありながら「本当の父親」と対峙したとき、刃物を突き付けてまで娘のためにドナーとなってくれと何度も頼み込むときの、必死さには打たれました。冒頭の説法で「汝の敵を愛せ」と話しておきながらも、ドナーを徹底的に拒否する「本当の父親」に向き合ったとき、クリスチャンであることすらかなぐり捨てて、一人の父親となって、突進していったのです。
ラストで語る途中で一男の「途中で神を信じられなくなった」とこぼす台詞には、心にグサリと響きましたね。
聖書には、神を信じる人にも信じない人にも、神が夢で行動の指針を示すエピソードが幾つも出てきます。一瞬信仰を失いかけた一男にも、要所要所で一男の祈りが叶えられるようなヒントが示されていたのでした。それを感じさせてくれる伏線を巧みに描いている脚本も素晴らしかったです。
劇中にも出てくるパウロが記した『フィリピの信徒への手紙』の一節にはこうあります。“何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈りと願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい。”
“そうすれば、人知ではとうてい測り知ることのできない神の平安が、あなたがたの心と思いとを、キリスト・イエスにあって守るであろう。”と。つまり神さまは、どんな逆境の時でも見捨てたりはしないのです。
一男もそのことを実感して、「一瞬の幸福は、いつも人生を優しく照らしていく。その積み重ねが人生だと、気づかせてくれたのです」としみじみと逆境を乗り越えた「今」という幸福を噛みしめたのでした。
プロデューサーの村上公一氏によると、「生死という難しい題材」を扱った脚本であったため、映画自体のトーンがシリアスになり過ぎる危うさがありました。そこでユーモアのある上質な物語に仕立てるため、シリアスさと笑いをバランス良く演じることのできるムロツヨシさんに一男役を打診したというのです。
ムロツヨシさんにとっては、俳優歴25年にして本作が映画初主演。そのため金井監督は「この映画だけは、絶対に失敗できない」と、監督として尋常ではないプレッシャーを感じたそうです。(公開日:2021年9月23日 上映時間116分)
ムロツヨシの嘘泣き?!
2021年。監督:脚本:金井純一。
ガソリンスタンドでバイトする《牧師》
牧師さん?ムロツヨシが?
ムロツヨシにはなんか違和感のある役柄でした。
(生臭坊主の西洋版?)
難病モノですから、
そこそこハラハラして、そこそこ胸打たれましたが、
感動ポルノっぽい映画です。
(本屋大賞みたいに、押し売りされる。人間ってそんなに善意と優しさに溢れてますかね?)
妻に先立たれた御堂一男(ムロツヨシ)は、8年前に妻に先立たれて、
中学生の一人娘ひかり(中田乃愛)を育ててきました。
そんなある日、ひかりが急性骨髄性白血病に侵されてると知らされます。
化学療法が上手くいって一旦は退院をしますが、直ぐに再発。
助かる手段は骨髄移植しかありません。
DNA鑑定をした一男は、そこで衝撃の事実を知ることになります。
本人にしたら思いもよらぬ、一生涯知らずにいたかった事実。
映画では秘密を持つ母親の江津子(奈緒)の回想シーンが、随所に挟まれますので、
内容はわかりやすいです。
回想シーンを見ることで、江津子の事情も同情しやすい。
小さな教会のお人好しでおっちょこちょいの牧師。
ムロツヨシのハマり役ですが、涙を流すシーン。
なんか嘘泣きに見えちゃって困りました。
一人娘の中田乃愛も、髪を剃って精いっぱい頑張りました。
彼らを取り巻く周囲の人々の優しさに、懐疑的ながらも、
良かったなあ、と思いました.
生活苦でバイト生活の牧師。クリスマスとイースターだけは手伝いをさせ...
すごい、すごく泣けた
奈緒さんがなんか素敵
ムロツヨシさんがコメディー要素なしで望む映画ということで番宣してたのもあって前情報あって観たからなんも不思議じゃなかったけど情報なければコメディー的なこと期待してたと思う笑。
さておき、娘の難病を告知されるシーンと娘に伝えるシーンと平行して母親との馴れ初めのシーンが登場してきたので少し迷子になりかけた(すぐ分かったけど)。
素敵な出会いと親子3人での楽しい時間から嫁(奈緒さん)との死別。娘が本当は血が繋がってないのが分かってからの絶望。でもドナーが必要だから本当の父親探し。と禍福がテンポよく感情が揺さぶられました。なんとか嫌がる本当の父親が検査受けてくれてドナーとなってくれたのも良かったと思えたし、また完全に一致しないというところがヤキモキさせてにくい演出でした。
ちくわカレーを食堂で食べて号泣してたけど、あのシーンは感情移入より看板メニューにしてることに対して、ちょっとそりゃないだろと突っ込みを入れたくなりました。
ムロダディに泣けます
ムロさんが主演とのことで観に行きました。
結論から言えば泣けました。
ただ、前半は過去と現在の入れかわりが分かりにくくモヤモヤ、後半はクズ男のクズっぷりにモヤモヤでした。江津子さん何も思わなかったのかな。あの親子は本当のこと知らないままなのか…。色々ハテナが浮かんだまま観終わったので、あまりスッキリはしなかったです。
ムロダディはとてもカッコよかったです。親子のやり取りにほっこりじーん引き込まれます。
感動テンプレの複合技
ムロだから観に行こうと思った
内容はともかくムロさんが主演だったら観に行こう、男性女性を問わずそういう人が多かったのではないでしょうか テレビで観ているそのまんまの人だろうという、彼のイメージそのままの作品で満足でした 私のもう一つ観に行った動機は奈緒さんで、先日「君は永遠にそいつらより若い」では女子大生を演じ、本作は母親役、「草の響き」も公開中で、同時期に3本各々異なる女性像を演じていて注目です 牧師という設定じゃなくても、ひとり親が子どもを育てることは大変なことであるし、牧師といった宗教者であるがゆえ自分の考えや行動に目に見えない歯止めのようなものが働き、そのもどかしさの中でもムロさんらしい父親でした
イオンは年数本配給をされていて、本作も全国のイオンシネマでも公開されていますが、都市に住んでいない者にとっては、近くのイオンシネマで観られるのは嬉しいものです(10月12日 イオンシネマりんくう泉南にて鑑賞)
心洗われる
青臭い表現だが、本当に最後まで涙腺が緩みっぱなしだった。
ムロツヨシといえば、コミカルな役柄を中心に演じてきて喜劇役者というイメージだったが、本作ではそれを封印し、実直で娘思いの良きパパを熱演。
また、娘役の中田乃愛も思春期ならではの難しい年頃に生死の淵を彷徨う難病を患った挙げ句、自身の隠された生い立ちを知る衝撃が重なるという難しい役どころを健気に演じていて高評価。エンドロールの題字の力強さも印象的だった。
何より、教会に集う人たちや父のバイト仲間、娘の同級生など周囲の人達が親娘を温かく見守る姿が人情味溢れていて良かった。
そして、ムロツヨシを主演に抜擢した製作陣の英断に拍手を贈りたい。
おそらく、東宝や松竹などの大手映画会社が手掛けていたら、ムロツヨシと小栗旬の配役が逆になっていたのだろうが・・・
泣けます。
頭から尻尾までムロツヨシ
カラフルなイースターエッグ
これは!と思える作品
1人で見に行きました。(個人的にはこの作品はおひとりさまで行くのがオススメです。)久々に映画でこんなに心が震えました。とても、愛情深い作品です。
リアリティがあり、ヒリヒリしたり、緊張するところもありますが、本当に見てよかったです。
映画館を出た後、良い意味でかなり心が混乱していて、レビューを書くならどう表現しようか迷うほどでした。うまく言葉にできないから、書くのを断念しようと思いましたが、うまく言葉にできなくても、レビューを書きたいと強く思いました。
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