クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
全46件中、21~40件目を表示
イーストウッドすごい
運び屋じゃないよは笑っちゃいましたね!
イーストウッド、年齢を重ねても
衰えないというか
俳優という職業の真骨頂を
見せつけられているというか
加齢という人間の弱点さえ
強みに変えてしまう生き方を体現していて
ほんとうにすごいと思いました!
マッチョ!
ヒーローは雄鶏
この映画ではクリントイーストウッド演ずるマイクのちょっとしたロデオや応戦シーンがあるものの、演出は抑え目でストーリーは淡々と進んでいく。これはマイクと少年との心あたたまる交流を主体とした映画だからなのだろう。ラストも普通に終わってしまった感じがしたが、二人とも収まるところへ収まったので、まあこれでいいかと思った。そして二人の女主人に比べて孫娘たちの可愛さが印象的な映画だった。これでラストと言わず次回のイーストウッド95歳主演の映画を見てみたい。
イーストウッドだから成立する映画ですね
一言で言うと、クリント・イーストウッドの映画ですね。イーストウッドが監督と主演を担当するから作られたのだろうし、彼が主演じゃなければ面白さが半減してしまうかもしれない。そのくらいイーストウッド頼みの映画だと思います。
まず古くさいんですよ。この作品の舞台は1980年のメキシコと40年以上も前ですし、イーストウッドが演じるマイクが元ロデオのスターという設定も古いです。テーマ自体は「自分の生き方は自分で決めよう」という普遍的なもので、今制作する意味がないとは言いませんが、果たしてこの設定や題材を今やる必要があるのかというと、疑問符をつけざるを得ません。
もしかすると今でもアメリカやメキシコではロデオやカウボーイが、13歳の少年にとって憧れの存在になりうるのかもしれませんが、ちょっと考えにくいですよね。それなら1980年を舞台にする必要がありませんし、もっとカウボーイの情報が日本に入ってくるはずですしね。野球のスター選手とかでも良いのにロデオのスターにしたのは、主演が『荒野の用心棒』などの西部劇で名を馳せたイーストウッドだからでしょう。
で、僕もそうなんですけど、イーストウッドというだけで観に行く人たちがいるんですよね、世界中に。たとえコケてもある程度の収入が見込めます。だから古くさくても企画が通るというのはあると思います。
ただ、悪い作品ではないです。多少の疑問点はあるものの、うまくまとまっています。ヒーローが少年を助けに行って新しい世界に送り届け、自分は地元の女と恋仲になって留まるという王道の流れです。ピンチが弱いのと、少年が意外にあっさりとマイクについて行くので盛り上がりに欠けますが、まぁ楽しめました。
それにしてもイーストウッドはどんだけ元気なんですかね。監督として映画を一本作るだけでもすごいことなのに、主演までして、しかもちゃんとカッコいい。とても90歳を過ぎているとは思えません。たまにヨボヨボしてて「別の俳優を使えばいいのに」と思ったりもしましたが、最後まで観たらやっぱりイーストウッドでなきゃダメですね。説得力が違います。彼でなきゃ少年もついて行かなかったでしょう。
僕もあんなじいさんになりたい。恋愛しても違和感のない90歳って、羨ましすぎですよ!
イーストウッドならではの佇む姿
彼ならではの人間ドラマなのですが、少し間延びしてる点や少年との出会いなど少し無理矢理な感じがあり、心を惹きつけるにはちょっと弱い気がしました。
ただ年老いたどこか物悲しい雰囲気を持ち佇む姿は、彼ならではと思いました。
ベタ過ぎるロードムービー
驚くほど意外性のない映画。嫌々引き受けた役割のなかで思いのほか価値を見いだすというよくある話。
まず少年との出会いが急過ぎる。出会いの背景はわかったけれど、すぐに少年の居場所を見つけて、すぐに意気投合して、じゃあ一緒に行動を共にしましょう、なんて展開になるの早すぎない?って感じ。
そもそも少年がいい子過ぎる。ちっとも不良じゃない。
この手のストーリーで大事なのは、やさぐれて箸にも棒にもかからない救いようのない悪ガキを、人生経験豊富な大人が人生諭しながら心通わせていく過程に感銘を受けることにカタルシスがあると思うのだけど、その辺が端折られ過ぎているのか、ちっとも共鳴出来なかった。
旅が始まってからも、その過程で起きることがぜーんぶありきたり過ぎて…。トラブルに巻き込まれて、なんとかそれを回避して…、たまたま寄った所でいい人に知り合ったり…、その出会いに心奪われて、当初の目的から外れそうになったり…とか。
ほんとにこれ、あのミスティックリバーとかグラントリノと同じ監督なの?イーストウッド作品に憧れた新人監督が真似て作ったんじゃないの?って疑いたくなるくらい、なんの含みも深みもなかったよ。
なんとかクライマックスを持たせようとしたのか、パトカーに追われて尋問されてたけど、ちっともハラハラしなかったし、あの奥さんの手下だか家来だかに追い詰められてカーチェイスしてピストル突きつけられてたけど、闘鶏に反撃されたくらいで拳銃落としちゃうって情けなさ過ぎだよ。なんなんだあいつは。
それでも何か起きるんじゃないか、何かどんでん返しがあるんじゃないか、あのイーストウッドの映画なんだから、って期待して観ていたけど、最後お父さんとハグして終わりとか、ほんとーーーに意外性のない映画でした。
これで「真の強さとは」って言われても何も伝わってこないですよ。同じロードムービーなら、比較するのも良くないけど「菊次郎の夏」のほうがよっぽど面白いよ。
いろいろ深読みしてこの映画に意味や意義を見いだそうとするのも結構だけど、期待値が高過ぎたのか、本当に残念な映画でした。
如何せんおじいちゃん
齢91歳、名匠クリント・イーストウッドの新作とあって、『本当これがイーストウッド新作を劇場で観るのは最後だろうな』と思い、観てきた。
恩人から頼まれ、彼の息子をメキシコから連れ出し、無事に連れて行くというミッション。
そしてそこにメキシコの母親がその息子を自分の元に戻そうとし、手下を2人の元に送り込むという、極めて簡単なストーリーだ。
少年ラフォと、イーストウッド演じる老いぼれた元ロデオ選手のマイクのバディムービーともとれる、またはロードムービーともとれる内容だが、極めて穏やか。ロード、と言えるほど旅をしてないし、2人で困難を乗り越えるというほど、熾烈なものでもなかった。
これまでイーストウッドが描いてきたような、真っ直ぐで信念を曲げない主人公像は健在で、少年とのやりとりの中でもそれが示されている。そこは2000年代に観た『グラントリノ』や『ミリオンダラーベイビー』にも通ずるものがあったと思う。
しかし、映画が本当穏やかで、『もはや映画にするような事か』と思う点がいくつか。
最後もちょっと『これで終わり?』感が否めなかった。
あと、適役で出てくる連中が雑魚過ぎて雑魚過ぎて。。。
あの母親が送り込んだアウレリオという奴は何だったのか。そもそも母親は何者で、悪の組織なのか、ただの放蕩人間なだけなのかわからず。終始、丸く作りこまれた感が否めない。
どこかイーストウッドの齢に合わせて、刺激の内容に、そしてかなり省エネで作られたようだった。
穏やかで悪い映画ではないが、若干の肩透かしは喰らった感じだ。
奇しくも同じ時期に、同じようにメキシコから来た少年を目的地に届けるというミッションを担った主人公をい描いた『マークスマン』という映画を観たが、そちらではリーアム・ニーソン(現在69歳)が麻薬カルテル相手にバリバリ戦っていた。
90代になっても新作を届けるというのは本当凄いことだが、期待に負荷をかけないで観れば良いかな、と言う感じの映画だった。
脚本が残念なのだろう
偉大なるクリントイーストウッドの作品とあれば、是が非でも観ねば!とばかりに勇んで劇場に足を運びました。
結論から言えば、残念の一言。
映像、音、俳優が素晴らしいのは言わずもがな。
クリントの言わんとしたいところも分からなくもない。
しかし、脚本はこれでいいのかと。運び屋も手がけた脚本家さんも加わっているので、そうそう変なものにはならないと思いますが、何故???
クリントの作品にハズレは無いし、これからもないと盲信していた分、反動はかなりのものでした。
高齢となり大変でしょうけど、これが最後にして欲しくありません。
以下ネタバレ含む。
本作で私が感動出来なかったのは脚本の不出来に尽きる。
まず、1つめ。
人生生き急ぐな、というメッセージがあるかとは存じますが、にしても、にしてもですよ。
母親のところでトラブっている以上、急いで目的を果たすべきところを、いい町だからちょっと寄ってこう。歩こう、なんて意味が分からない。その上、車のトラブル発生で、それの解決のためにお金を稼ぐために2週間もゆったりとか???そもそも、その車盗品でしょう。さっさと他の車を手にいれようと思わなかったのか?(まあ、盗みは良くないと諌めたのだろうとは思いますけど。)それでいて、最後はシレッと盗むし。
2つ目。
少年に感情移入しずらい。ほざく割に行動が伴わないとか、最後まで鶏を離さないとか(彼の唯一の心を通わせた存在だったのだとは思います。だからこそ、別れの際にそれをクリントに渡したのだと)
3つ目
終盤に明らかに追われている、という認識があり、別れもそこそこに逃走したのに、何故彼女のもとに戻れるの??危ないでしょ??
これらが気になって、本作を高評価出来ません。
繰り返しますが、映像、音、俳優は素晴らしいのですよ。
ですが・・・ですが・・・。
残念です。
古き良き時代
ウッドくんが主演ということで一応チェックしとかないと、と思い鑑賞。
ストーリーはさておき、ウッドくん年取ったなー。ただ歩くだけのシーンでもヨボヨボさがあって、転ばないかな、と心配になるほど。
そして、時代的にも携帯がない頃で、それがウッドくんには似合う。店の外にある公衆電話を使うこと、警察が分かりやすい追跡をする点、夜遊びする母親と家庭を顧みない父親、少年が反発しながらも少しずつウッドくんに心を開く、など一昔の設定であっても許せてしまう。
ただ、その中に、相手の心に入り込む優しさ・強さを巧みに混ぜ込んだ現代の作品となっている。
少年が迎えに来た老人に心を開いたかと思うと、閉じかけたり揺れ動くのは大人の事情を知ってしまうからであり、純粋なその心は父親のもとに行った後、どのようになったのだろうか、と想像してしまう。
伝えておきたいことがある
クリント・イーストウッド
1930年生まれ91歳の映画俳優・監督
1954年にユニバーサルと契約し初出演
1958年「ローハイド」でブレイク
1960年からセルジオ・レオーネ監督の
マカロニ・ウエスタン
「荒野の用心棒」「夕日のガンマン」
「続・夕日のガンマン」で大ブレイク
1970年からアメリカに戻り
その西部のガンマンがそのまま
現代に転生したかのような
ドン・シーゲル監督の
「ダーティハリー」シリーズでは
理不尽な社会制度をマグナムで
吹き飛ばす快作で人気を博し
21世紀に入っても監督として
アカデミー受賞作などを手掛けて
精力的な活動はとどまる事を
知らず頭が下がるばかり
今作も最年長記録更新である
個人的にはやはりダーティハリーと
ファイヤーフォックスが好きです(笑)
彼が関わる映画は
主演と監督を務める作品は
観客に対する自身のメッセージ性が
強く込められており
「グラン・トリノ」では移民中心に
なりつつあるアメリカ社会で
アメリカの精神がどう残るべきかをを
強く訴え心を打ちました
逆に言えば監督のみの映画だと
薄味に感じてしまうんですけどね
では御年91歳の主演が織りなす
今作はどうだったか
正直老人と少年の逃避行
なんぼでも見たプロットです
つい最近もリアム・ニーソンので観たぞ
でも91歳の主演作です
もはや主役の設定は
本人のまんまだと言ってもよく
昨今のCOVID-19禍に翻弄される人々
とりわけ若者に対しての
メッセージ性を強く感じました
それを映画の出来として良くない
と言われればそれまでですが
個人的には全然問題なかったです
伝えたいことが明確な映画は
余韻があります
1970年代後半のお話
若いころはテキサスのロデオ・スター
だったマイケル・マイロは落馬事故
からすっかり落ちぶれ妻子も離散
老いぼれた今でも
仕事などの面倒を見てくれた
牧場主ハワードにメキシコの分かれた
妻の元にいるラファエルを連れ戻して
来いと言われ自分でやれよと
思いつつ渋々引き受けます
くれぐれも90歳のおじいちゃんに
頼むのかとか思ってはいけません
作中の年齢設定は謎です
でメキシコに行くと
その元妻の家は大豪邸
そりゃ帰ってこんわとマイロさん
面会を求めると怖い兄ちゃんが
出てきて堅気じゃないなと察知
元妻リタはラファエルは
街に出て家には帰ってこない
見つけられるなら探して来いと
諦め気味にマイロに言います
その通りに探しに行くと
闘鶏をやっていました
父が会いたがってると告げると
連絡もないのに信用できないと
拒絶するラファエル
家に帰らないのは
男をとっ替えひっ替えする
母親にウンザリしたからだ
家族が悪いからこうなった
俺は一人で生きていくと
一から育てた雄鶏「マッチョ」
を誇らしげに見せます
そんなラファエルに
マイロは両親からの愛情を
知らずに育ってきたのだと
悟ります
律儀なマイロさん
一応リタに連れてくことを
断り入れに行くとなんとリタさん
マイロを誘惑します
リタも愛に飢えているのです
しかし相手にしないマイロさん
するとリタはブチギレてしまい
連れてくなら誘拐されたと
警察に言うし追っ手をまわす
と屋敷を追い出されます
とりあえず言うとおりに
メキシコから帰ろうとすると
クルマにラファエルとマッチョが
乗り込んでいました
マイロは最初はお前らなんか知らん
降りろと怒りますが
ラファエルのアメリカに行きたい
という願いに負けて連れていく
事にします
さてはて国境までの二人旅
ラファエルを生意気なガキだと
思ってたマイロですが徐々に
マッチョとのコンビも気にならなく
なってきます
国境付近に警察が先回りしており
追っ手から切り抜けたりあるごとに
仲良くなってきますがある日
クルマが盗まれてしまい
辿り着いた街のレストランに
潜り込むと言葉は通じないが
やたら親切してくれる
未亡人マルタさんに会います
ラファエルが新たなクルマを
「拝借」して行こうとしますが
追っ手や警察で身動きが取れず
そのクルマも故障
ここでハワードに遅れると
連絡を取るとラファエルを
連れ戻す理由が
メキシコに出資した儲けを
リタから分け前をせしめるため
だと聞きます
マイロはクズ親めと怒りますが
ラファエルにはひとまず伏せ
ハワードの催促は無視し
その町にしばらく留まる
事にします
野生馬の馴致などを引き受け
マイロは獣医みたいな存在に
なっていきます
ラファエルにも父の牧場に
戻ったら必要だと馬の乗り方や
訓練の仕方を教え込むと
思いの外センスが良くすぐ
間に合うようになっていきます
マルタも住む場所を用意して
くれたり町の人の信頼も
得てどんどん溶け込んで
いきます
っていうかマイロさん
リタの時もですがめっちゃモテます
未亡人マルタもメロメロです
90歳のおじいちゃんがモテモテ
どんなファンタジーでしょう
確かに歩様はヒョコヒョコ
すっかり老人のクリントさんですが
go,aheadとかついセリフで出ると
やっぱりかっこいいんだから
しょうがない
シニアファンタジー
素敵じゃないですか
マルタとは言葉はわからない
けど惹かれ合い
マルタの聾唖の孫とは手話で
コミュニケーションしたり
今作では異文化・他民族
であっても通じ合える共通点
という部分が強調されていた
気がします
しかしそんな街にも追っ手が
来ておりマルタやその家族に
危険が及んではいけないと
ラファエルとそそくさと
街を去ることにします
その出る途中でラファエルに
父がお前を呼ぶ理由を話すと
やはりラファエルは怒りだします
クルマも降りると喧嘩を始めると
警察やリタの追っ手がやってきて
めちゃくちゃになりますが
マッチョの活躍もあって撃退
なんだかんだラファエルとも
仲直りし追っ手から奪った
ベンツで国境へ急ぎます
その道すがらマイロは
俺も昔は好き勝手やってたけど
こんなに老いぼれてしまった
でもその間に色んなことをやったり
させてもらったりしてなんだかんだ
こんな歳まで生きてこれた
誰かのせいにしたい気持ちは
わかるがぐっと我慢して
自分にできることを自分でやるんだ
といった事をラファエルに
伝えます
確かに父は金儲けで息子を呼ぼうと
している部分もありますが
息子に本当に会いたい気持ちも
必ず持っているはず
リタだってそうだったのですから
これってもう
91歳のクリント・イーストウッドの
若者へのメッセージじゃないかな
と思います
COVID-19で世界はめちゃくちゃ
仕事も家族も失ったり
いい学校を出ても就職できなかったり
俺のせいじゃないのにと怒ってる
人もたくさんいるでしょう
でもどんな時でも自分の出来る事を
ひたむきにやることで道が開けるから
人のせいにする前に頑張ってみよう
という思いを感じました
加害者が異常に保護される
ミランダ法のおかしさをマグナムで
ぶっ放してきました
移民の国アメリカの精神を背負って
映画の中で死にました
そして今混乱にある世界に向けて
伝えたいことがあるからこの映画が
生まれたんじゃないでしょうか
エンディングでラファエルを送り届けた
マイロはマッチョを譲られ
また会えるかなと聞かれると
「俺の居場所はもうわかるだろ」
と告げて去っていきます
としてマルタとレストランのホールで
幸せそうにチークダンス
最高の終わり方です
ありきたりのストーリーとか
つっけんどんな展開とか
別にどうでもよくなりました
これは観る価値のある映画だと
思います
若者も高齢者も
元気出る映画だと思います
長く生きると覚える事もあるんだ。
元ロデオのカウボーイのイーストウッド。ヨボヨボだ。
使い物にならないとクビを切られて。メキシコに別れた女房から息子を連れて来いとの依頼が。少年は、マッチョという軍鶏で稼いでいる。2人の旅がはじまり、食堂の女性との親戚。お孫さんとの手話や馬の調教などウェスタンのスタイルが熱く優しく語りかけてくる、そんな作品です。
宝物
ソフトが発売されたら愛蔵版を買って大事な宝物として飾っておきたい作品であるには違いないが、なんだろう、評価難しい作品ですね。
贔屓目に観て(贔屓目にしか観られないか)、感動だけど、客観的に観ると(客観的に観てはいけないのだろうね)、登場人物あまり魅力的じゃないし、そんな都合良くいかないだろうというシーンの連続。
いや、これはただクリント・イーストウッドに感謝して有り難くいただく作品です。
昔、米国の西海岸で暮らしていた時、イーストウッドはカーメルの市長だった。レーガンみたいになるのかなとの予想を裏切り、一期で政界を引退してスクリーンに戻ってきてからのキャリアのすごいこと。俳優としても、監督としても。
マカロニウェスタン、ダーティーハリーのスターって言うよりも、名匠だものね。
硫黄島の時は日本政府から勲章贈ってもよかったんじゃないかな。
最後の作品と思って涙した「グラントリノ」からも、まだまだ頑張っている。
イーストウッドの活躍に驚異、感謝しつつ、ジェームス・ディーンやスティーブ・マックウィーンが長生きしてたらどんな作品残してたかな、と想像してしまう。
長生きするって大事だね。
愛すべきOldman
いいね、いいね、いいね! これですよ、コレ。
イーストウッドファンに贈る最高のプレゼントです。
大好きな「グラン・トリノ」と同じく、老人と少年の心温まる交流の物語。少年は、アジア系からメキシカンとなったが、白人でも黒人でもないところが、イーストウッド作品のこだわりか。少年の想いに感化されて、頑固老人は影を潜め、友情を紡いでいくところは同じ構成だが、今度は退役軍人ではなく、カウボーイ。あの時代の強きアメリカの象徴であることは同じだ。
追われながらのロードムービーの仕立てで、ハラハラ感あり、追手を巻いた時の安堵感あり。100分ほどと時間は短いが、エンタメとして押さえるべきツボをきちんと押さえた良作だ。さすがに、大きな爆発や派手なアクションなどは無いが、ヨボヨボの老人が、時折見せるキリリとした眼差しや振る舞いが、物語としてのイーストウッド節を際立たせる。
今回も、アメリカの男はかくありたいという理想像を、綺麗に描き出していて、やっぱりカッコいいのである。彼が言うと「力が強いということは、空しいこと」みたいなセリフがバシッと決まるのだ。
少年に物事を教えながら、自立を促すその在り方は、古き良きアメリカそのものであり、そうありたいと願う今のアメリカの本音ではなかろうか。タイトルと最後の最後に出てくる雄叫びは、なかなかエスプリが効いる。こう言うのがほんとのお洒落というものだ。
ネタバレとなるが、「グラン・トリノ」では主人公は自己犠牲を選んだが、今回は幸せな場所を見つけてそこへ向かった。そんなラストも時代の移り変わりを見せている気がした。
#05 監督自身の話のようでもあり
全世界の全ての人に当てはまる話のようでもある。
特にどこにも居場所を感じれないラフォは現代の全ての人が抱える悩みだよね。
そんな2人に一見楽園のように見えたメキシコ国境近くの小さな町。
まだ若いラフォは前に進み、マイクは楽園に留まるところが泣けるね。しかもマッチョと共に。
少し捻りがほしかった気がした
・高齢でメキシコまで行かされるけど、逮捕されずにいい出会いがあって良かったけど、イーストウッドが滅茶モテる感じや、連れ帰りにきた息子が母親の性格を物凄く悪く振っておいて大きく下回る真面目な少年だったり、盗難車を追って連邦警察が追い立てるのかと思ったら全然なかったり、道中立ち寄った町の未亡人とすぐ恋仲になったり想像を優しい感じに裏切られまくって体調もあってか、やや眠くなってしまった。
・父親が金銭目的なのに息子は愛情を期待してっていうのが切ないなぁと思った。
・恩を返さないとって相手が微妙なクズみたいな人物だと色々大変だなぁと思った。
・ラストの警察が尾行してドラッグか?って雑な尋問を受けてる最中にイーストウッドが愚痴を吐きまくるシーンが面白かった。パスポートとかの問題は一体?と思いつつ簡単に国境を越えてたのが謎だった。
・イーストウッドが高齢でも清潔な感じでモテて感情移入できず遠い世界の話に感じられた。
91
イーストウッド監督作品は「リチャード・ジュエル」に続き2作目です。
全体的に粗い作りではありましたが、何だか好きだなぁと思える作品でした。
自分が競馬にハマっているというのもあり、馬が多く出演しているのが嬉しかったです。マスクを被せる時の難しさだったり、人と馬の気持ちを共有する場面など、馬が出演しているシーンはとてもほんわかしていました。牧場や道から見える背景も美しかったです。
マイクとラフォの互いの心情を理解する流れもくどすぎずにロードムービーと並行して進んでいくのも作り手の優しさが詰まっていました。父にも母にも捨てられたラフォを慰めつつも厳しく接するマイクの姿は擬似的ながらも父親そのものでした。昔のイーストウッド映画らしく、女性と戯れたりもしていてフフっと笑ってしまいました。
割と普通というか王道という感じの映画でしたが、個人的には好きだなぁと思える作品でした。オチはなんとも言えないくらい薄味でしたが、そこまでの人や動物との交流が魅力的でした。御年91歳ながらまだまだ現役のイーストウッド。次の作品も楽しみにしています。
鑑賞日 1/15
鑑賞時間 11:10〜13:05
座席 H-11
Cry Macho
・クリントイーストウッド作品は毎回派手さはないが彼のセリフには毎回心揺さぶられる(+1)
・知らず知らずのうちに感情移入し、自分も映画のなかで人生の選択と決断をしていたことで、共に旅をしていた気分になった(+1)
・ゆったりと物語が進行するとともに、自分の人生の選択と決断をあたらめて振り返ることができた(+1)
・マッチョが活躍するたび笑いが起きる(+1)
・たとえ理由がどうであれ、子は自分の親しかいないということ(+1)
本人が主演だとこうなります
先ずは定期的に作品を作ってくれるだけで感謝です。
今回は原作がある話にも関わらず、アッサリ味で脚本の弱さを感じました。原作では38才なので致し方無かったのでしょうか。
冒頭もアッサリメキシコ着で、もっとマイクの背景をしっかり描いて欲しかったです。男の子も結構マトモで手がかからない子で、追っ手も1人で来るマヌケでマイクを舐めすぎです。母親もクズですが父親もクズっぽい感じでしたが、親分肌なんですかね?
全てにおいて特に大きいトラブルもないストーリーはやはり90歳には色々やらせるには無理があったのかな?
マルタの存在がすごく魅力的であそこにずっと居たくなるのはわかります。ラストも思った通りでホッコリしました。
一番カッコよかったのは…
イーストウッドの監督50周年記念作品。
クライ・マッチョというタイトルにかなり期待したのだけど、マッチョは闘鶏の名前だった…。
マイクの年齢設定はわからないけど、いかんせんイーストウッドがヨボヨボすぎて、さすがに彼がひとりの少年を誘拐(ということになるのかな)できるとは到底思えなかったし、動物と触れ合っているときの表情は90歳のそれだった。
最後、マイクがメキシコに留まりマルタのところに戻るのは、もう監督業も俳優業も現役は引退してもいいよね?というメッセージとも受け取れるような気さえした。
だけど、いくら老いてもさすがはイーストウッド。
飽きることなく、ロードムービーとしても楽しめたし、動物や子どもたちの表情もとてもよかった。
一番カッコよかったのは闘鶏のマッチョだったかな。
マッチョを真ん中にしてマイクとラフォが歩く後ろ姿はなんとも言えずグッときた。
【”人として、真の強さとは何であるのか。”クリントイーストウッド演じる元ロデオ界のスターだった男が口にする言葉が心に響きます。マカロニウエスタン風なメキシコの荒涼とした風景も作品に趣を与えています。】
ー 私は今作を、元ロデオ界のスターだったマイクが、両親の愛を知らずに育った生意気な少年、ラフォを男にしていく様を綴ったロードムービーとして、鑑賞した。
そして、劇中マイクが偶に語る言葉に、唸った。
あの幾つかの言葉は、年齢を重ねないと語れないな・・、とも思った。-
◆感想
・物語はシンプルだ。元雇主ハワードの依頼で、メキシコに住む別れた妻リタと共に住む、息子ラフォを連れ戻してくれ・・、という依頼に渋々応じる元ロデオ界のスターだったマイクと、ラフォとのロードムービーである。
・荒涼としたメキシコでラフォを妖艶で高慢なリタが住む館を訪れ、リタと対峙するシーン。リタの色仕掛けや酒の誘いを袖にして、サッサと館を後にするマイク。
彼の生き方のシンプルさを表している様な態である。
そして、ラフォが居そうな闘鶏場へ、足を運ぶマイク。
・マイクはラフォを連れ、ハワードの元へ向かうが、愚かしき警察や、リタの部下の妨害に会う。
- マイクは、それでも焦らない。悠々としている。
美しき未亡人、マルタが営む食堂に寄り、珈琲を飲み、礼拝所で夜を明かす。
道中、ラフォが自らの闘鶏、マッチョの強さを誇らしげに語る際に、彼に対し、
”若き時の力、強さを誇示しても、尊敬は得られない・・。”と淡々と語る姿。ー
・マイクの周りには、様々な人、動物が集まって来る。
特に印象的なのは、マイクが荒馬を調教するシーンである。
彼の手に掛かると、荒馬が大人しくなり、マイクは荒馬を悠々と乗りこなす。
そして、ラフォにも馬への接し方を教える。ラフォのマイクを見る眼が変わって来るのが、良く分かるシーンである。
・又、マイクは美しき未亡人、マルタが営む食堂にも頻繁に足を運び、彼女の孫娘たちと手話で交流をする。勿論、マルタとも・・。
”カウボーイは自分で料理をするもんだ”と言って、皆に手料理を振舞うマイク。
- マイクの器の大きさ、人としての優しさが、マルタを引き付けたのであろう。ー
・ハワードが、ラフォを呼び寄せた真の理由が分かるシーン。怒るラフォに対しても、”知らなかったんだ”と、淡々と説明する姿。
ラフォを無事に送り届けた時に、ラフォから貰ったモノ。
そして、マイクは、踵を返し、マルタの店に戻り、ダンスをするのである・・。
- 格好良すぎです。-
<クリントイーストウッドは、今作ではかつての様に、マグナム44を撃ちまくる訳ではない。
愚かしき男達に、ストレートパンチを食らわせるだけである。
それでも、観る側に対してクリントイーストウッドは、
”人間の本当の強さとは何であるか”を、鮮やかに見せつけてくれる作品なのである。
荒涼とした、メキシコの風景も作品の趣に、寄与している作品でもある。>
雄鶏のかわいさ
ハラハラドキドキよりホワホワとなった。
つい、もっと悲惨なことが起こるのかもと構えてたけど、最後にこんな穏やかな終わりを迎えるイーストウッド作品は久々かも。
慣れてる雄鶏ってあんなかわいいんだね。
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