クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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運び屋じゃないんだから
イーストウッド作品は実は初めて。
それが彼の50周年監督作品という。光栄です
予告は面白そうだけど、退屈そうとも正直思った。けど、結果的には退屈することもなく心が温まるとてもいい映画でした。
予告は少し大袈裟かなぁとも思うが、間違いなく癒される映画です。ロデオスターの風格が何故か感じ取られるイーストウッドは、年は感じさせられるものの安定した演技で流石でした。このマイクという人物、かなり魅力的なキャラクターだなと。懐大きくて、色んな意味で強さを持っている。登場人物全員彼に救われていて、ホッコリするものがありました。
人間ドラマの描き方が上手いこと。
大きな事件が起こるわけでもどんでん返しが待っている訳でもないが、優しく包み込むような雰囲気が居心地が良くて、ちょっとした幸せに喜びを覚える。歳をとってもこういう生き方をしたいな。せっかく広い場所があるんだから、と車の中ではなく外で睡眠をとるシーンがお気に入りです。
光の見せ方が良かった。
太陽と馬とマイクが重なるシーン、日が昇るシーン、お別れのシーン。カメラワークと70年代の音楽が相まってどれも趣深いシーンになっていました。なんだか、この監督が長い間評価される理由がわかった気がしました。
ただ、マイク以外の登場人物が安直過ぎた。
すぐカッと感情的になったり、あまりにも人の言うこと聞きすぎたり、なんの感情の変化も描かれていないのに受け止めたり、それはどうかなと思う場面がいくつかあった。もっと過去を描いた方が面白かったな〜。
あと、老人の恋愛は興味無いです、流石に。
ダンスのシーン意味不明。以上。笑
でも、なかなか満足出来ました。
これを機会にイーストウッド監督作品見てみよっと。
枯れた映画
御歳91歳のクリント・イーストウッドが主演。ファンには失礼かもしれないが、円熟を超えて枯れたというか仙人のような印象。渋くてカッコいいじいちゃんは健在だけど前回の運び屋はおじいさん役だから良いが、今回は別の人がやれば良かったかも。
主人公のアクション?も恋愛もおじいさんイーストウッド仕様。追手はファミリー映画か?というくらいぬるい。相棒の少年も大したことなかったので、イーストウッドひとり頑張る。それより、映画のタイトルは彼のものかと思う位に、雄鶏マッチョ君が可愛くて、強くて癒されました。
イーストウッド監督の遺言のよう
クリント・イーストウッド監督のヒューマニズムがよく解る作品だと思う。
人の優しさは強さに担保される。強さとは勇気のことだ。人は人に優しくなければならないが、往々にして臆病風に吹かれ、優しさを捨てて自分の身を守ろうとする。しかし勇気があれば、一歩を踏み出すことが出来る。それが強さだ。強さとは即ち、優しさのことである。
同じ考え方をしている人は多い。アメリカのミステリー作家レイモンド・チャンドラーは「プレイバック」の中で「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない」と書いている。吉田拓郎は「我が良き友よ」の中で♫男らしいはやさしいことだといってくれ♫と歌った。作詞家の吉田旺はクールファイブの歌「東京砂漠」の中で♫空が哭いてる煤け汚されて人は優しさをどこへ捨ててきたの♫と書いた。
優しさを知らずに育った子供は優しくなれない。少年ラファエルはエゴイストの母親の元で心が荒んでしまったが、父親とともにいた幼い頃は、随分と優しくしてもらった。だから心の中に優しさの種は残っている。クリント・イーストウッドの演じる主人公マイク・マイロは、そのことを初見で見抜いたのだろう。ラファエルは助けるに値する子供だ。
しかし優しさへの道は困難な道だ。その日暮らしの荒んだ生活は絶望的だが、安易ではある。ラファエルがどれだけの覚悟があるのか、確かめないうちは連れて行くことはできない。マイクはラファエルを突き飛ばす。困難な道を選ぶのか、安易な道に残るのか。
ラファエルは優しさへの道を選択する。しかしマイクにはまだ懸念がある。ラファエルは人のことを許すことができない。優しさとは人を許すことでもある。いまのラファエルにはまだ勇気がない。だから人を許す優しさがない。マチョの強さを自慢するのは弱い証拠だ。
父親は大した人間ではない。マイクの元の雇い主だ。くだらない男だということはよくわかっている。そんな男の元にいまのラファエルを戻せば、小賢しくてスケールの小さい、つまらない男に育つだろう。ではどうするか。
マイクは寄り道をする。そして偶然飛び込んだ店で、大きな優しさに出逢う。マルタである。不運のあとに訪れた幸運だ。その後も幸運が重なり、ラファエルはマイクの指導でスキルを身につけ、同時に自信も身につける。もはやマチョは必要なくなった。
ラファエルがどれだけ強くなり、優しくなったのかは本人にしかわからない。マイクは出来る限りのことはした。あとはラファエル自身が決めることだ。
別れはさりげないのがいい。人の人生はそれぞれの選択だ。誰も他人の人生を生きることはできない。微かに微笑んで、少しだけ手を上げる。そして振り返ることなく去っていく。クリント・イーストウッドの遺言のような作品に思えた。
イーストウッドを堪能する作品
映画のストーリーやキャラクター設定、演出に目新しいものはなく、分かりやすい展開で起伏も緩やか。
ロードムービーとしての面白さを求めて鑑賞すると、だいぶ物足りなさを感じる気がします。
しかし、これはイーストウッド(91)を堪能する作品。
自分の仕事に誇りを持ち、周囲から何を言われようと己の正義を貫く孤高の男を、自分とその作品を以て示し続ける姿勢は胸に訴えかけるものがあります。
人に勧めるかと言われれば迷いますが、
作品の背景に想像を巡らせることができる人ならば思い思いに楽しめるのではないでしょうか。
消化試合の感。どうした巨匠。
緩慢冗長凡庸。
撮る側観る側暗黙で結託し消化試合に入った感。
山田洋次監督初主演、吉岡と倍賞で直ちにリメイクなら見るかな。
亡きハナ肇も欲しい。
巨匠晩年の数作凡打で晩節汚さぬよう取り巻きの善戦を。
主演監督の老齢に映画物語の難関程度を合わすとは。
どうした巨匠。
最後の作品にならねばいいが
まさしく夕日のガンマンの老さらばえたイーストウッドがいた。
あの眩しげな眼、はにかむような笑顔、子供に向ける愛情深い言葉。
いいね、ストーリーはどうでも僕にとっては青春時代のガンマンそのもの。
もっと作品とってください。
【居場所】
自らの居場所を探すロードムービーであると同時に、人間はいつでも成長し、希望を持てるのだとクリント・イーストウッドは言っているような気がする。
アメリカとメキシコの国境の出入りがゆるゆるだった1970年代の終わりに時代設定しているところも、どこかクリント・イーストウッドの意図的なものを感じる。
現在のアメリカとメキシコの不法入国者を巡る緊張関係とは随分異なっていて、それほどギスギスするようなことなのかと疑問も投げかけているようにも思える。
クリント・イーストウッドの作品は、示唆的だが、物語としては、どちらかと云うとストレートな内容だ。
この作品では、旅をともにするラフォの成長と、旅をともにするうちにマイクに芽生える再び意志を持って生きようとする気持ちの変化にフォーカスが当てられているが、マイクが古い考えに縛られずに、ラフォの成長を見守り、更に自ら選択するように促す姿が印象的だ。
自らの人生を過度に美化せず、また、過度に否定することもなく、そして、押し付けず、ちゃんと選択できるよう促す。
上の世代の下の世代に向けた重要なアプローチの仕方だ。
最近、日本の企業には、取り敢えず、他の人のアイディアや意見に、あれこれ難癖をつけたり、否定するような傾向が多くあって、これが日本の企業の発展を阻害している大きな要因のひとつだとするTVのニュースや特集を見かけた。
そんな傾向のある人に是非見て欲しいと思う反面、そんな人は、この映画を観ても何も感じないのかもしれないと思ったりもした。
まあ、最後のマイクの選択は良いよね😁
佳作だと思います。
最期のメッセージなのか、
クリントイーストウッド最期のメッセージなのかな。
まだまだ観たいなぁ。
本当の強さとか、老いとともに無知を知るなんて言葉はそこまで生きないと解らない境地なのかもしれない。
90歳を過ぎても映画を作る情熱素晴らしいし、ステキだなと。
クリントイーストウッドのしわくちゃでゴツゴツした手がとても愛おしいです。
イーストウッドの凄さが分かる1本
クリント・イーストウッド出演、監督作品「クライ・マッチョ」を見てきました。
正直、前作の『運び屋』が最後の出演になるかなと思っていたので、ここに来てまた、イーストウッド出演作品を見れるのはファンとして大変に有難い。
ここまで来ると、イーストウッドびいきで見てしまう・・・・・
まずは、90歳にしても、大変に素晴らしい演技であり、演出、こう言ったしみじみした作品でも、彼の型破りな役が冴えるからいいよな、こう言った本を読むと、イーストウッド自身が、自分をイメージするのかな・・・・・
メキシコの生活の中で、メキシコの女性とダンスするシーンがあるのですが、なぜか、涙が出てくるんだな・・・俺は・・・・
自分の親父と同じ年なんで、本当に、これからも元気に映画を撮り続けて欲しいな・・・・
冷静に映画として強いて難と言うならば、もう少しテンポがあると良いかな・・・
お話がダラダラと進むだけなのと、もう少し少年との絆が深まる演出が欲しかったな・・・・
そうすると、別れのシーンは、もう少しグッと来たのかもしれないかな・・・・
しかし、いい映画でした。90歳で、演技が出来て、映画が作れるのだから、本当に素晴らしい!
イーストウッドを好きになれて私の映画人生も本当に良かった!そう確信できる1本だった。
イーストウッドがカッコいい
ロデオ界のスターで数々の賞を獲得していたマイク・マイロだったが、落馬事故をきっかけに落ちぶれていき、家族も亡くなり、いまは競走馬の種付けをしてひとりで暮らしていた。そんなある日、マイクは元の雇い主からメキシコにいる彼の息子ラフォを連れ戻してくるよう依頼された。かつて父親に捨てられ、母親からも虐待を受け、親の愛を知らない不良少年のラフォを連れてメキシコシティからアメリカ国境を目指すことになったマイクだったが、母親が子分を差し向けラファを奪還しようとしたり、車をドロボウに奪われたり、メキシコの腐った連邦警察に追われたり、と、予想外の困難が続き、無事ラフォを父親のもとに届けられるか、という話。
ラフォが最初はマイクを弱っちいジジイと思っていたが、マイクと一緒に旅する中で、彼の知識、能力、強さに触れ、価値観が変わっていく所が良かった。
雄鶏のマッチョも無くてはならない素晴らしい活躍を見せてくれる。
クリントイーストウッドの演技がさすがで、カッコよくて見入ってしまった。
途中のレストランで出会った親切な女性役のナタリヤ・トラベンが素敵だった。
手に職のある男の生き様は気持ちいい
実生活で役に立つ男はモテる。
同日公開の『スティルウォーター』のマット・デーモンもそうでした。
実に役に立つ男なのです。
マット・デーモンは水回りや電気系統の故障対応や修理の腕が優れています。
クリント・イーストウッドは動物全般の取り扱い+ジュークボックスを直せる程度の機械技術。
目の前でそんな(見てるほうにとってはまるで魔法のような)腕前を見せつけられたら、やはりグッとくるところはありますよね。
粗野な見かけとは違った繊細な手作業のスキル。
家事や子育てというクールさとは真逆の実働に明け暮れる女性にとって、どれほど心強く感じられることか。
子どもだって同じこと。〝オトナ〟ってこういう人のことを言うんだな、とある種の憧れを抱くことでしょう。
〝手に職〟のある男は、口で語らずともそれまでの生き様をしっかりと示してくれるし、そこに胡散臭さはありません。いつも通り淡々と静かに紡がれるイーストウッド監督の世界。
私は大好きです。
イーストウッドの記念にふさわしい「オレ様映画」。91歳だから仕方がない。年長者を敬う気持ちは大事・・・
クリント・イーストウッド、監督50周年、40作目の記念作品。
確かに「ミリオンダラー・ベイビー」「硫黄島からの手紙」「グラン・トリノ」「父親たちの星条旗」
「アメリカン・スナイパー」等、監督兼役者として素晴らしい実績は相違ない。
「運び屋」は全編熟睡したけども。
でも俺の世代は、山田康雄吹き替えのテレビ再上映版「ダーティー・ハリー」シリーズ
が彼の全て・・・それぐらいテレビの影響力デカかったし、カッコ良かった。
でもこの映画、馬にも、競馬にも、一切興味のない私にはキツかった。
そんな私が・・
「アメリカ」に慣らされたは紛れもなく
ダーティー・ハリー
ジョーズ
ロッキー
キャノンボール
のテレビ放送、親がちょうど太平洋戦争の時子供で、価値観のどんでん返し
骨身に染みるほど味わった世代だから・・戦争については一切語らず、アメリカ文化を
迎合はしていなかったけれども、決して否定することもなかった。
何を言いたいかというと、我々の世代は「アメリカ万歳」世代な訳・・
イヤその中でも「ダーティー・ハリー」のイーストウッド「ジョーズ」のロイ・シャイダー
と共に断然カッコ良かった。イカしていた(死語)。
イヤイヤ、先週観たリーアム・ニーソンの「マークスマン」から
激しい戦闘銃撃シーンを切り取って、ロデオだか馬を取り入れた超類似作品。
皆、俳優が、大御所「イーストウッド」にひれ伏して、付き合っている感満載・・
遠景から撮るしかないスタントマンの荒馬慣らしのシーンが痛々しい。
もう無理しないで・・監督に専念して❗️お爺ちゃん👴。と悲鳴を上げたくなった。
イヤイヤその年齢で、恋もセックスもないだろに・・・
とにかくメキシコの雄大だけれども、荒れて干からびた自然の砂っぽさ
プラス明らかにお爺ちゃんのイーストウッドの動きが気になって仕方がない。
正直「マッチョ」はあんまりカンケー無いような・・・
「神はエコひいきするのか?みんな神の子だろ」のセリフは響いたけれども。
フンを撒き散らすニワトリが飲食店入れるのと、下痢のはずの、ある意味人間にとって尊厳的に最大のピンチ
を荒野で迎えたイーストウッドが何事もなかったようにやり過ごす描写は
チト冷めた。
映画マニアは必見の作品。ただマニアでない普通の人には・・・言うのはやめときます。
イーストウッド氏の独特なリズム。。
前作品は、なかなか入り込めなかったので期待半分で観ました!
んーー評価分かれそうです…笑 最近観た作品は展開が速い作品が多かったので、まったりな雰囲気は個人的には大変楽しめました。(アメリカンスナイパー、グラントリノに近いイーストウッドの哀愁漂う作品です)
裏を読む・脚本の真意を想像するではなく、単純に主人公に感情移入をし感じて観賞していただくと楽しめる名作だと思います。
なんとなくですが、イーストウッドの意地・アメリカの意地を感じました。(アメリカ映画の一区切りかなと。)
恐らく未来は、原作ありきでオリジナリティの薄い作品が多くなるでしょう…。
とはいえ、本作は大変楽しめ上映時間もちょうど良く、イーストウッドファンは是非ご観賞下さい‼️
これはもうクリント・イーストウッド‼︎
︎思えば2008年、78歳のときの『グラン・トリノ』で自身のキャリアを集大成したイーストウッド。それが最後になってもいいと思ったのは私だけではないはず。
しかし、それからの十数年、クリント爺さんはとどまることを知らなかった。ここにいる90歳のイーストウッドもいいなぁ。もう逝ってしまうまで「最後の作品でいい」とは言わない。
ちなみに70年代初頭から映画を見始めた我々世代の大半は、民放の○○ロードショーで放映された『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン』で彼と出会っている。セルジオ・レオーネ監督のいわゆるマカロニ・ウエスタンだった。
まあ、50年以上付き合っているので思い入れもでかいはずだ。果たして思い入れが少ない若い人たちにどう映るのだろう?
初詣
俺の知ってるメキシコは「ボーダーライン ソルジャーズデイ」な世界なわけ。彼の地は、マフィアのボスは部下がしくじると簡単殺すし、抗争相手も殺して吊るす様な場所なわけ。
一方こっちのメキシコの女ボスは御大にフラれて、キー!ってなるけど、御大に危害を加えられない間抜けを送り込む。鶏に突つかれて退散ってなんだそれ?
御大が向かう先々の民も御大を迎い入れる体制が万全だ。
移動したいと思ったら、キーをさしてガソリンを入れた車を用意。宿所の前には御供えの食事。
そんな民に対し、御大は病んだ動物達へ手をかざして癒す。
神かよ、生き神様かよ!
正月早々、イーストウッド大明神に初詣。
今年も良い映画に出会えます様に。パンパン!
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