クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
全324件中、141~160件目を表示
イーストウッドだから成立する映画ですね
一言で言うと、クリント・イーストウッドの映画ですね。イーストウッドが監督と主演を担当するから作られたのだろうし、彼が主演じゃなければ面白さが半減してしまうかもしれない。そのくらいイーストウッド頼みの映画だと思います。
まず古くさいんですよ。この作品の舞台は1980年のメキシコと40年以上も前ですし、イーストウッドが演じるマイクが元ロデオのスターという設定も古いです。テーマ自体は「自分の生き方は自分で決めよう」という普遍的なもので、今制作する意味がないとは言いませんが、果たしてこの設定や題材を今やる必要があるのかというと、疑問符をつけざるを得ません。
もしかすると今でもアメリカやメキシコではロデオやカウボーイが、13歳の少年にとって憧れの存在になりうるのかもしれませんが、ちょっと考えにくいですよね。それなら1980年を舞台にする必要がありませんし、もっとカウボーイの情報が日本に入ってくるはずですしね。野球のスター選手とかでも良いのにロデオのスターにしたのは、主演が『荒野の用心棒』などの西部劇で名を馳せたイーストウッドだからでしょう。
で、僕もそうなんですけど、イーストウッドというだけで観に行く人たちがいるんですよね、世界中に。たとえコケてもある程度の収入が見込めます。だから古くさくても企画が通るというのはあると思います。
ただ、悪い作品ではないです。多少の疑問点はあるものの、うまくまとまっています。ヒーローが少年を助けに行って新しい世界に送り届け、自分は地元の女と恋仲になって留まるという王道の流れです。ピンチが弱いのと、少年が意外にあっさりとマイクについて行くので盛り上がりに欠けますが、まぁ楽しめました。
それにしてもイーストウッドはどんだけ元気なんですかね。監督として映画を一本作るだけでもすごいことなのに、主演までして、しかもちゃんとカッコいい。とても90歳を過ぎているとは思えません。たまにヨボヨボしてて「別の俳優を使えばいいのに」と思ったりもしましたが、最後まで観たらやっぱりイーストウッドでなきゃダメですね。説得力が違います。彼でなきゃ少年もついて行かなかったでしょう。
僕もあんなじいさんになりたい。恋愛しても違和感のない90歳って、羨ましすぎですよ!
年老いたカウボーイ
91歳のクリント・イーストウッドの主演・監督作品。かつて世話になった男から頼まれ、メキシコにいる彼の一人息子を連れ戻そうとする年老いたカウボーイを演じている。
少年との交流を通じて、男の生き方を見せていくというテーマは、これまでのイーストウッド作品を思い起こさせるが、時には非情にも思えるような厳しい人間観察といったものはなく、全体としてゆったりとした緩い造り。
物語の発端がよくわからないし(一人息子と母親の関係は?一人息子はなぜ主人公についていくことにした?)、その後の展開も、言ってしまえばご都合主義。とにかく、追っ手が弱すぎる。
しかし、メキシコの砂漠を走る車、西部劇から抜け出たような田舎町の風景、情け深い人々、動物たちなどなど、画面に流れていくものを、ただ眺めているだけで、ゆったりとした気持ちになれるのが、この作品の魅力となっている。
主人公の設定としては、初老といったところか。イーストウッドのダンスシーンは、微笑ましくもあり、ちょっと痛々しくもあった。さすがにスクリーンで彼の姿を見られるのは、今作で最後なのかな。
弱弱しすぎる。
「Sabor a mi」だけが強烈に印象に残っている
70年代の映画みたいだ。
前情報を何も入れずに観たが故に、この映画がロードムービーであることに気づいたのは上映開始からだいぶ経ってから。まぁそれも良い。イーストウッド映画には、いい意味で、もはや何も期待していない。イーストウッドの映画はとりあえず観る。それだけだ。
シンプル。物語もオーソドックスで、なーんの飾り気も捻りもない。でもね。アメリカとメキシコの荒野、そして、メキシコの名もなき村に滞在している間にかかる曲「Sabor a mi」だけが強烈に印象に残っている。
最近考えが変わった。
映画には「目的」も「意味」も「うんちく」も必要ないと思うんだ。観ている間にそれらの余計なことを全て忘れることのできる映画こそが、その人にとっての本当に良い映画だと思う。本作は、全て忘れて観れました。結構こういう経験は珍しい(余計なうんちくばかりが日々溜まっていくからにゃあ)。映画の最初から最後まで、スクリーンをただただぼーっと眺めていただけだ。でも眠くなったりはしなかった。
イーストウッドもそろそろお迎えが来る歳だ。彼の新作が観れなくなるのは寂しい。
ラストスタンドの漢
イーストウッドならではの佇む姿
彼ならではの人間ドラマなのですが、少し間延びしてる点や少年との出会いなど少し無理矢理な感じがあり、心を惹きつけるにはちょっと弱い気がしました。
ただ年老いたどこか物悲しい雰囲気を持ち佇む姿は、彼ならではと思いました。
お疲れ様です。
おじさんのロードムービー
クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務め、落ちぶれた元ロデ...
クリント・イーストウッドが監督・製作・主演を務め、落ちぶれた元ロデオスターの男が、親の愛を知らない少年とともにメキシコを旅する中で「本当の強さ」の新たな価値観に目覚めていく姿を描いたヒューマンドラマ。
永遠のカウボーイ、尊敬を込めて
かつて日本のテレビでも、アメリカの西部劇番組が人気で、そこにはタフで正義感が強く、だけど弱い者には優しいカウボーイが居た。ローハイド、ララミー牧場、拳銃無宿。
彼らは死んではいなかった、この映画の中に居た。たとえ老いてはしても、西部の大牧場の中ではなくとも。
少年の父親が実は嘘をついていたのを知った後も、主人公は少年を連れて行く。それは、理屈よりも自分の人生を生きろ、世の中悪いことばかりじゃない、というクリント・イーストウッドのメッセージだろう。最後の「Find new home」の歌には泣けた。
とても良い映画を観てしまった感じ。
ベタ過ぎるロードムービー
驚くほど意外性のない映画。嫌々引き受けた役割のなかで思いのほか価値を見いだすというよくある話。
まず少年との出会いが急過ぎる。出会いの背景はわかったけれど、すぐに少年の居場所を見つけて、すぐに意気投合して、じゃあ一緒に行動を共にしましょう、なんて展開になるの早すぎない?って感じ。
そもそも少年がいい子過ぎる。ちっとも不良じゃない。
この手のストーリーで大事なのは、やさぐれて箸にも棒にもかからない救いようのない悪ガキを、人生経験豊富な大人が人生諭しながら心通わせていく過程に感銘を受けることにカタルシスがあると思うのだけど、その辺が端折られ過ぎているのか、ちっとも共鳴出来なかった。
旅が始まってからも、その過程で起きることがぜーんぶありきたり過ぎて…。トラブルに巻き込まれて、なんとかそれを回避して…、たまたま寄った所でいい人に知り合ったり…、その出会いに心奪われて、当初の目的から外れそうになったり…とか。
ほんとにこれ、あのミスティックリバーとかグラントリノと同じ監督なの?イーストウッド作品に憧れた新人監督が真似て作ったんじゃないの?って疑いたくなるくらい、なんの含みも深みもなかったよ。
なんとかクライマックスを持たせようとしたのか、パトカーに追われて尋問されてたけど、ちっともハラハラしなかったし、あの奥さんの手下だか家来だかに追い詰められてカーチェイスしてピストル突きつけられてたけど、闘鶏に反撃されたくらいで拳銃落としちゃうって情けなさ過ぎだよ。なんなんだあいつは。
それでも何か起きるんじゃないか、何かどんでん返しがあるんじゃないか、あのイーストウッドの映画なんだから、って期待して観ていたけど、最後お父さんとハグして終わりとか、ほんとーーーに意外性のない映画でした。
これで「真の強さとは」って言われても何も伝わってこないですよ。同じロードムービーなら、比較するのも良くないけど「菊次郎の夏」のほうがよっぽど面白いよ。
いろいろ深読みしてこの映画に意味や意義を見いだそうとするのも結構だけど、期待値が高過ぎたのか、本当に残念な映画でした。
全324件中、141~160件目を表示













