クライ・マッチョのレビュー・感想・評価
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まだ撮るか!クリント・イーストウッド!
殺伐とした内容の映画が多いため、こんなハッピーエンドの映画は安心できる。
人間の善意や宗教観を描くより、人間の悪意や、この世の合理的な判断を描くことが、より成熟した作品であるかのように扱われることもある。
クリント・イーストウッド演じるマイクは、少年から神を信じるかと聞かれ、「わからない」と答えた。
しかし、マイクはメキシコとの国境で、少年と別れを告げ、神を信じる女性の元へと“帰って“いった。
やはり、人間は損得という合理的なものより、善意や愛という不合理なものを、心の底では選びたいのではないだろうか。
しかし、現代はそのバランスが崩れ、合理性が勝り、その反作用が世界を襲っているのかもしれない。
クリント・イーストウッドの次回作を楽しみに待ちたいと想う。
ぜひ劇場でご覧ください!
【”人として、真の強さとは何であるのか。”クリントイーストウッド演じる元ロデオ界のスターだった男が口にする言葉が心に響きます。マカロニウエスタン風なメキシコの荒涼とした風景も作品に趣を与えています。】
ー 私は今作を、元ロデオ界のスターだったマイクが、両親の愛を知らずに育った生意気な少年、ラフォを男にしていく様を綴ったロードムービーとして、鑑賞した。
そして、劇中マイクが偶に語る言葉に、唸った。
あの幾つかの言葉は、年齢を重ねないと語れないな・・、とも思った。-
◆感想
・物語はシンプルだ。元雇主ハワードの依頼で、メキシコに住む別れた妻リタと共に住む、息子ラフォを連れ戻してくれ・・、という依頼に渋々応じる元ロデオ界のスターだったマイクと、ラフォとのロードムービーである。
・荒涼としたメキシコでラフォを妖艶で高慢なリタが住む館を訪れ、リタと対峙するシーン。リタの色仕掛けや酒の誘いを袖にして、サッサと館を後にするマイク。
彼の生き方のシンプルさを表している様な態である。
そして、ラフォが居そうな闘鶏場へ、足を運ぶマイク。
・マイクはラフォを連れ、ハワードの元へ向かうが、愚かしき警察や、リタの部下の妨害に会う。
- マイクは、それでも焦らない。悠々としている。
美しき未亡人、マルタが営む食堂に寄り、珈琲を飲み、礼拝所で夜を明かす。
道中、ラフォが自らの闘鶏、マッチョの強さを誇らしげに語る際に、彼に対し、
”若き時の力、強さを誇示しても、尊敬は得られない・・。”と淡々と語る姿。ー
・マイクの周りには、様々な人、動物が集まって来る。
特に印象的なのは、マイクが荒馬を調教するシーンである。
彼の手に掛かると、荒馬が大人しくなり、マイクは荒馬を悠々と乗りこなす。
そして、ラフォにも馬への接し方を教える。ラフォのマイクを見る眼が変わって来るのが、良く分かるシーンである。
・又、マイクは美しき未亡人、マルタが営む食堂にも頻繁に足を運び、彼女の孫娘たちと手話で交流をする。勿論、マルタとも・・。
”カウボーイは自分で料理をするもんだ”と言って、皆に手料理を振舞うマイク。
- マイクの器の大きさ、人としての優しさが、マルタを引き付けたのであろう。ー
・ハワードが、ラフォを呼び寄せた真の理由が分かるシーン。怒るラフォに対しても、”知らなかったんだ”と、淡々と説明する姿。
ラフォを無事に送り届けた時に、ラフォから貰ったモノ。
そして、マイクは、踵を返し、マルタの店に戻り、ダンスをするのである・・。
- 格好良すぎです。-
<クリントイーストウッドは、今作ではかつての様に、マグナム44を撃ちまくる訳ではない。
愚かしき男達に、ストレートパンチを食らわせるだけである。
それでも、観る側に対してクリントイーストウッドは、
”人間の本当の強さとは何であるか”を、鮮やかに見せつけてくれる作品なのである。
荒涼とした、メキシコの風景も作品の趣に、寄与している作品でもある。>
イーストウッド最高のカーボーイ役の映画
イーストウッド氏だからこそ
様々なタフガイを演じてこられたイーストウッド氏。
今作終盤でマッチョとは、のセリフがあります。何故か過去作が頭をよぎり、しんみりとしました。
イーストウッド氏でなければ、このセリフは成立しないと。
しかし、あなたは、昔も今もヒーローであること間違いありません。
作品自体は、好みが別れるでしょうし、手放しで賞賛できるものではないと思います。
ただ、イーストウッド氏のファンであれば、是非鑑賞していただきたいと思います。
終盤のマッチョとは、に、郷愁感に必ず包まれてしまうからです。ローハイド(再放送ですが)子供の頃観て、次の日学校で睡魔に襲われ、荒野の用心棒、この世にこんな格好良い人がいるのかと目を丸くし、ダーティハリーでは憧れの存在に。
映画の世界にわたしを誘ったヒーローです。
雄鶏のかわいさ
ハラハラドキドキよりホワホワとなった。
つい、もっと悲惨なことが起こるのかもと構えてたけど、最後にこんな穏やかな終わりを迎えるイーストウッド作品は久々かも。
慣れてる雄鶏ってあんなかわいいんだね。
スロー・ムービー
映画です
良くも悪くもただのほっこりもの
どこまでも穏やかな映画
恩人に頼まれて彼の息子をメキシコの母親のところから誘拐してこいってお話!超面白そう😃と思ったけど実際は落ちぶれたロデオスターマイクと不良少年ラフォの心の交流を描いたロードムービー
タイトルから漢泣き!男の中の男だって涙を流す時があるみたいなお話を想像していましたが全編通して穏やかに流れていった
穏やかすぎて盛り上がりにかける気もするけれどけっして退屈な映画ではないのがさすがである
ただマイクは最初からナイスガイだしラフォもすぐに良い子の素顔を見せてくれる
だから『落ちぶれた』『不良少年』はいらなかったんじゃないかなと思った。
でもキズのある人間の言葉のほうが重みがあるから必要な味付けだったのかな
ラストはあっさり終わった感じだけどマイクから本当のマッチョを教わったラフォはきっと上手くやっていけると信じたいです
ガンマンに暴力刑事とマッチョ(男らしさ、男臭さ)そのものであったイーストウッドだけど最近は穏やかな作品が多く暴力!殺し!セックス!などの際どい描写はほとんどない
往年の作品ファンには物足りないと感じる人もいるかもしれないけど切なさと優しさに溢れた最近の作品も結構好きです
関係ないけど言いたい一言
本当にアメ公の事グリンゴって言うんだ😃とちょっとテンションあがった笑
車はマニュアル、格好いいイーストウッド
伝説を観に行こう!
心暖まるロードムービー
ハズレ無しのクリント・イーストウッド監督。
これまで、若い奴とのヤリトリでオッサンの凄さを見せつけてきた。
今回はジジイの元カウボーイ、マイクはボスにメキシコに居る元妻と暮らしている、息子ラフォを連れてくるよう依頼される。
幸せに暮らしているラフォを連れ去るのかと思いきや、毒母から離れて路上生活をしていたラフォを説得してアメリカに向かう。
え?メキシコでは人の車を勝手に借りてもいいってか?ありえねーぞ、このガキ!
最初は言い争っていた2人だが徐々に信頼関係を築き始める。2人の間を取り持つチキンのマッチョ君楽しかった〜。あれはチャボじゃないのかな?
メキシコ社会の緩さや優しさを見せられるのも新鮮でした。
最後はラブラブって。このままメキシコに住むのね。
多少の暴力はあるけど、全体を通してほんわか優しい展開。とっても幸せな気持ちになれました。
今週(1/14)の週にどれ観に行くか?となると本命
今年13本目(合計286本目/今月13本目)。
内容は他の方も大半書かれているので大きなところは省略します。一般的な映画というより、出演者等に「特別な思い入れがあるサービス映画」なのかなというところはありました。とはいえ、映画自体としては単体としても成立しています。
流れも非常に単純で、その「流れ」を阻害する「悪い人たち・変なことを考えている人たち」もだいたい想定がついてしまうので、「ストーリーのわかりにくさ」という点はほぼないのではないか、と思います。
今週は作品がどれも可もなく不可もなく多く、しかもオミクロン(大阪市、4000人超えとか言っているけど大丈夫なの?)という中でどれ観に行くか…となれば本作品が本命・対抗になるのでは、と思います。
なお、いわゆる「(アメリカから見た)外国人問題」という内容を多大に含んでいるので(とくに、中南米に関する国)、それらに関してはある程度知識があると良いかなと思います。
採点は下記が気になったものの、大きな傷なしとして5.0にしています。
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(減点0.2)この映画、要は英語とスペイン語の両方で会話が進みます。登場人物の1人が「両方の言語を話せる」という設定で通訳をやっているシーンもありますが、看板など(ストーリーの大半はアメリカ国外)に何の翻訳もないので「何が書いているのかわからない」ところはありますし、そもそもスペイン語訳が完全につけられていないので「何を言っているんだろう?」という部分はあります。
ただ、この映画は後半(それも、ラスト)こそカーチェイスな内容もありますが、スペイン語の看板が読めるだの理解できるだのは本質論ではない(あれば有利、程度の扱い)ことから、この程度にしました。
(やや配慮は足りないといえるが、まるで理解不可能でもないし、ストーリーが単純なのでわかりやすい)
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イーストウッドの世界観がもう少し欲しかった
最初の展開が早すぎて、予告編で「クリントイーストウッドの集大成」と結構な触れ込みをしていたのもあって結構心配でした。両親を含めて周囲の人物のキャラ立ちがよく分からない部分もあったのですが、マイクとラフォの新たな人生に目を向けて欲しいという意味だと勝手に解釈しました。笑
ここまでの映画監督なら自分の好きなことを映画に出来るんだなと思いながらアメリカンスナイパーや父親たちの星条旗の無駄はなく且つ的確な進み方が少し恋しかったです。
最近のレビューで分かりやすい子ども達も観やすい映画が増えてほしいとコメントしたのですがイーストウッド監督の作品ならもう少し厚みが欲しいと思ってしまいました。
ただ、イーストウッド監督映画の醸し出す独特の温かさは健在でした。多分今度作品を出しても観に行ってしまうと思うのでその日を楽しみにしています。大好きな監督なので長生きして欲しいです。
イーストウッドファンムービー
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