「【多様性】」漁港の肉子ちゃん ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
【多様性】
この原作に込められたメッセージは、やっぱり、西加奈子さんらしい、多様性なのではないかと思い返した。
関西から転々と流れ着いた苦労を重ねた親子。
いろいろあったけど、悪者は出てこない。
よく考えたら、こいつはひどいやつだと思うのはいるにはいるのだけれど、そんな気にならないのだ。
スルーしてしまうのだ。
喜久子にしたって、まりあに対してひどい感情は持ったけど、いつのまにか、そう思っていた自分を反省している。
そして、和解。
喜久子を肉子に預けて出て行ったみうもひどいはひどいのだが、なんか、どうしようも無い事情を抱えていたんだろうなという同情になってしまう。
肉子の説明のせいだ。
西から転々と流れ着いた親子。
住まいはグラスボート。
漁港の焼肉屋で働く。
漁港の周りに住まう人だって肉が食べたいのだ。
それにしても、「焼肉うをがし」ってへんな名前だ。
変と言えば、変顔の二宮。
変顔は、僕も時々やりたくなる。
やると大概注意されるけど。
人は色んなものを受け入れながら生きて来たのだと思わせられる。
排除して生きてきたのではない。
排除にに調和はないのだ。
子供のバスケットボールのエピソードに込められた願いはきっとそれだ。
アニメは、自分のイメージより、デフォルメが効きすぎていて、良いんだか、悪いんだか判断がつかなくなってしまった笑笑。
多様性とは、きっとこういうものだ。
理屈ではないのだ。
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