ミナリのレビュー・感想・評価
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あの頃、色々あったけど。ミナリのおかげ!
1 アメリカンドリ−ムを目指した韓国人男性のア−カンソ-での農場づくりと家族との暮らしを描いた人間ドラマ。
2 この映画の縦軸は、アメリカで農場を運営する夢に挑戦する若者の姿。そこに横軸として、そんな男と生活を共にする家族の日常と揺れる思いが重なる。
3 演出の特徴としては、先ず、描写がとても穏やか。大河ドラマや苦労物語にしない加減の良さが心地良い。そしてミナリの扱いも上手くハメていた。次に、家族や婆ちゃんの事情の提示が絶妙であった。子供と親たちの英語力の違いから子供はメイドインアメリカであることを示したり、夫婦のヒヨコの雄雌鑑別の経歴から種銭稼ぎの苦労の日々を想起させた。この手法は説明不足と思わせながら、その実雄弁で上手いやり方だと思った。その後、この一家がどのような人生をたどったかは知る由もないが、恐らくミナリのおかげで良い方向に進んだことが予想された。
4 冒頭のシ-ン辺りで不思議に思ったのは、時代設定が現代ではなく80年代であること。そこで思ったのは、この映画の中の長男は、監督の分身で、自分が知りえた限りで「あの頃」を思い出して、描いたのではないかということ。そして、婆ちゃんはチョットやんちゃだけどバイタリティのある韓国人のDNAを具現化したものであろう。この映画を通し監督は、自分の未来を切り開いてくれた両親や祖国、心良く受け入れてくれたアメリカのコミュニティに感謝を顕わす。と同時に、かつて祖国であった戦いや分断の中で斃れた人に鎮魂する。そんな映画であった。
予想していた決着ではなく
そんな派手なことが起こるわけでもなく、ある家族とその周りだけの小さなストーリー。おばあちゃんらしくないおばあちゃん、たくましいが孫には甘くなるのはどこも一緒か。デビッドくん生意気かわいい。
ただ賞レース的に考えるとちょっと物足りないかな。
映画って難しい。 好きなところもあるにはあった。 私はユンヨジョン...
映画って難しい。
好きなところもあるにはあった。
私はユンヨジョンの大ファンだし、物語のバックグラウンドもキャラクター設定も興味深い。
俳優陣も良かった。
人それぞれの感じ方があるとは思うが、私個人としては今ひとつ話しの流れに感情移入しづらいところがあった。
期待しすぎた自分がいたことを認めながらも、やっぱり残念な気持ちは否めない、そんな映画鑑賞になってしまった。
蒔いた種はしっかり生える
この作品を観終わったとき、
作品全体が心に染み込んで残っているなあと感じました。
ストーリーが大きく動いたり、弾けたりするようなことはありませんが
この家族の出来事を、この家族と同じ視点で観ていることが心地よいです。
祖母が家族に加わったことで化学反応を起こして
ちょっとハラハラするような気持にもなり
クスッと笑わせてくれるようなところもありました。
「すごく感動した!」とまでは言えませんが、
何となく気持ちが優しくなっていました。
蒔いた種はしっかり生えて結果が出るのだと
それを信じて生きていきたいです。
アーカンソー州の平たい顔族
まず驚いたのは、トレーラーハウスが案外広いこと。最初はボロかったけど、きれいになっていくうちに住みたくなるほどになっていった。1980年代には年間3万人もがアメリカへと移住していた韓国人移民。今では日系アメリカ人よりも多くなっているらしい。
イー一家の大黒柱ジェイコブを演ずるのがスティーブ・ユアン。萩原聖人と鶴見辰吾を足して二で割ったような風貌の彼は『劇場版バーニング』にも出演していたが、やっぱり燃える男を演じていた。運転はしてなかったけどトラクターまで出てきたから、ついつい脳内では「燃える男の赤いトラクタ~♪」と口ずさんでしまいました。
心臓疾患のある可愛い男の子デビッドくんも印象に残りますが、もっと刺さったのが十字架を背負う男ポール。悪魔祓いとかハレルヤとか叫ぶし、ちょっとやばい人か詐欺師なんだと思っていたけど、違ってた。どこに住んでるんですか?気になります。いや、実は彼は存在していないイエスのようなキャラだったのか?と、いろいろ思いを巡らせてしまいました。キムチ好きで~す♪もいい。
苦難の連続だった移民生活。水の問題、取引先の問題、妻とのケンカ、デビッドの病気などなど。人種差別がそれほど扱われていなかったのが救いでもあったかな。料理もできない、花札を教えるなどのおばあちゃんも独特のファンキーキャラで面白かったです。そして達成感から奈落の底へ・・・という運命のいたずら。それでもくじけない。家族、そしてポールと二人で頑張ってみよう。さあ行こう、さあ行こう。地平線に立つものは俺たち二人じゃないか♪by小林旭
期待値を上げすぎた
韓国映画の派手なテンポや感動を期待しすぎていた。示唆に富んだ構成で、主人公一家のその後がどんなふうか想像力を掻き立てられるものの、個人的に好みじゃなかった。最後のテロップで見るまで、ブラット・ピッドが製作に関わってると知らなかった。
素晴らしき👏アラン・キム君
公開間もない本作
レビュー数の多さにオスカー本命の勢いと関心度の高さを感じましたね〜
A24とプランB、話題のタッグの制作とあれば劇場に足を運ぶ方も多しでしょう…
皆さんの秀悦なレビューの嵐の中
今更、私ごときが語るのは恐縮過ぎて💦
ただ、無表情ながら豊潤な演技を見せたデビット役のアラン・キム坊やに胸が熱くなり心捉えられました
地味ながらも腰を据えてスクリーンに吸い寄せられた115分でありました
夢では無く目標といいって貰いたい
1980年代、カリフォルニアからアーカンソーの高原に移住して、孵卵場でヒヨコ鑑定士をしながら韓国野菜をつくる農園をつくる父親とその家族の話。
凄腕ヒヨコ鑑定士の夫と、同じくヒヨコ鑑定士である妻、小学校高学年位の長女に小学校低学年位の心臓に疾患を持つ長男という4人家族に、嫁の母親が合流する家族。なぜか子供たちは学校に行っていないみたいだけど。
家族の夢の様に夫は語るけれど、妻は乗 り気ではないし、息子の身体のこともあり町に住みたがるという序盤から、自分で井戸を掘って地下水を掘り当てて、変人ポールの力を借りつつ野菜作りを始めるストーリー。
冒頭からイマイチ夫婦仲が良くないシーンが多いし、ちょっと自己中で行き当たりばったりな印象がある夫。
ハルモニも如何にもな時代に取り残され感ありありで、やっぱり引っかき回し役。
いくら映画とはいえ手堀りでその浅さで?と思っていたら、ちゃんと意味があった訳だ。
様々なトラブルが積み重なって行く様や、その中で我が道を貫き通そうとする夫は痛々しくも感じたけれど、余りにも大きなトラブルからの反発で産まれた形は、絆の片鱗がみえて温かかった。
そして、片寄っていたりはするけれどポールはなんだかんだ良いヤツだ。
韓国のアメリカ移民のリアリティがよくわかった。男の子がよかった。一...
韓国のアメリカ移民のリアリティがよくわかった。男の子がよかった。一人一人がせつなかった。おばあちゃんの描きかたもよかった。テンポとシーンがよかった。
2時間ドラマのような映画
アカデミー賞6部門ノミネートという宣伝広告をきっかけに
観た。
日本人には「移民」の苦しみとか無情さを肌で感じる機会が少ないので、
共感する部分が少ないかもしれない。
ただ、差別ということで考えると
コロナ感染でもアジア人は強烈な差別を受けているので、
理解が進む。
映画というより。2時間ドラマを見ているような感覚があり、
家族というものを考えさせられた。
年寄りと同居した時に、感じる子どもの素直な気持ち
(韓国臭い、母親と違う料理を作る、漢方とか飲ませるなど)に
すごく納得した。
家族の中のスパイスになっていくおばあさん。
その姿は、湿地に生え、独特の臭みのある「ミナリ」に似ている。
家族の在り方を上手に描かれた作品だと思う。
スピード感がない映画なのでそこが勿体無いが、
自宅で2時間ドラマを観ている感覚で楽しめばいい。
館内は、30、40、50代の男性が多かったように思う。
小津安二郎+倉本聰
アメリカで農場を始めるという内容だけで、「北の国から」ファンの自分のテンションはだだ上がり。しかし、意外に淡々とストーリーは進む。
終わった瞬間に「ダメだ、こりゃ」と思ったが、今になってじんわり効いている。
他のレビュアー同様「小津安二郎」っぽい。
川辺のセリが象徴する家家族の姿が眩しい韓流『大草原の小さな家』
アーカンソー州に広大な土地を購入した韓国系移民のジェイコブは妻モニカ、長女アンと長男デイヴィッドを連れて引っ越してくる。荒れた土地を開拓して野菜栽培を成功させようと意欲的なジェイコブだったが、汚いトレーラーハウスでの生活にモニカは不安を抱く。二人は孵卵場でヒヨコの選別の仕事で生計を立てながら暮らし始めるが、留守中の子供達の世話、特に心臓に病を抱えるデイヴィッドが心配なモニカは母スンジャを呼び寄せることにする。スンジャに初めて会うアンとデイヴィッドはその大雑把で大胆な性格に最初は戸惑うが少しずつ心を通わせるようになる。一方ジェイコブが仕事の合間に淡々と進める野菜の栽培はなかなか思うようにいかず、その苛立ちが慎ましやかな生活の中で雑音を立て始める。
夢想家の父親に振り回される家族の物語というのは決して他人事ではなく、自身の幼少期と数十年前の自身にも、様々なところで出会った移民の方々に聞かせてもらった昔話とも被るもの。突然現れた祖母が持ち込んだ流儀にあからさまに拒否反応を示すデイヴィッドの無邪気にも程がある悪戯も微笑ましい。様々な困難に揺さぶられる家族を象徴するのがスンジャが河原にそっと植えるセリ。様々な事情で祖国を捨てた世代から祖国を知らない世代に受け継がれる逞しさが余りにも眩しいドラマでした。
テーマの曖昧さは残念だが、異文化交流・移民文化・ユン・ヨジョンワールド満載◎
アカデミー賞ノミネートされた作品ミナリを観てきたが、アメリカA21制作映画でいわゆる米韓合作映画でもこういう形の映画が今後増えてくるのかなと実感した。ただ、題がミナリにしては結局、この映画は韓国産セリの事をミナリというのだが、このミナリを通じて観客に何を伝えたかったのか感じられなかった。家族のあり方にしてもありきたりな内容でマイナス2点。この点は残念だった。しかし、この映画はミナリを通じて異文化との付き合い方、移民文化をアメリカの農家を通じて
勉強になるし、何と言っても韓国ドラマ、女優でお馴染みのユン・ヨジョンワールドの演技は健在。これは見事。1点プラス。しかし、アメリカのA24スタッフと監督のユン・ヨジョンの活かし方をもう少し上手く活かしてほしかった。ただ、ミナリは日本版北の国から、アメリカのホームドラマ「大草原の小さな家」の現代バージョンというレビューも見られたが今の時代にこういうタイプの映画は観客に受け入れられるだろうか?アカデミー賞作品賞ノミネートされた作品を加味したらやはり合格点はあげられない。ただ、移民文化、異文化交流の在り方は勉強になった映画だった。
あらゆる事柄の繋ぎ方繋がり方が良かった
映像の繋ぎ方、映像と音楽の繋ぎ方、人と人との繋がり方、家族の繋がり方、あらゆる事柄のつなぎ目が素晴らしく感じた作品。
人種とか移民というものをテーマにはしているけれど、ありがちな差別とか迫害・苦労ということよりも、純粋に夢を追って生きる家族の日常に焦点を当てているところに好感を持てました。
少しずつ期待と想像を裏切るような内容が、その作風と相まって、実に気持ちの良いものでした。
郷に従えって事?
期待が大きすぎたのか?
前半はとても良い流れだったのに後半は何なんだ、どう終わらすのかって気になり出した。結局不幸な運のない家族の話なのか?懸命に生きているが中々幸福になれない家族の話ならラストは違うんじゃないか?また再起をはかるのはわかるが、結局ダウジングしたり、おばあちゃんが脳卒中になったら祈りやおまじないをしたり。韓国から来たならアメリカ式の生き方を学べってメッセージにとれた。
セリが多く育ったからおばあちゃんの手柄って?売りものになって一発逆転までは行かなくてもそこそこの希望があるなら良いが。火事でおばあちゃんが家と反対に行くシーンが??子供たち帰ろうって言ってるけど当たり前じゃない、どうして火事になったか知らないんだから。とりあえずそう言うでしょ。
一家が火事のあとに四人で寝ていておばあちゃんが見てるシーンは何?火事を起こしてバラバラ寸前の一家を一つにした顔?
劇的にする必要はないが感情の乗せ方はやらないと。
唯一、妻役の役者が凄くうまかったのは良かった。
もし私が監督ならラストは。
四人で寝ている家族。泣きながら見ているおばあさん。
起きる家族が火事の現場を見に行く。
父が火事の中から野菜を取り出すが焼けている。焼け残ったジャガイモとかを取り出す家族。家族が食べ始める。「うん、上手い」と長男。頷く父。
後日、長男とおばあちゃんがセリの沢へ。長男「セリ凄いね、一杯生えてる」
おばあちゃん「セリは強く、何処でも生きれるから」
ナイスな子役
観終わったあとにじんわりと心地よい余韻が残る感じ。俳優は一人一人個性があって、おばあちゃんと孫のやりとりは引き込まれる。子役の男の子は映画の中でもとても重要なポジションなのだが、見事に演じていて今後も楽しみだ。
リアルな家族の物語、心に残る。
農業で成功するためにアメリカ移住した韓国人一家の物語。生活苦と将来についての考え方の違いによる夫婦の諍い、それが決定的になった時点で大事件が起こり、結果として家族が再生する。脚本がよく出来ていてストーリーに破綻がない。パラサイトは面白かったけど一種のダークな寓話。この作品は地味だけど家族の愛情が心に残る。途中から同居するお祖母さんがキーとなる。孫である男の子から嫌がられ、ひどいイタズラをされるけど、それでも愛情をそそぐ。心臓病のその子に「お前は強い子」と言い続ける。アカデミー賞の助演女優賞にノミネートされているがそれも納得。ラストは希望がありさりげなく終わる、そこも良かった。
全194件中、121~140件目を表示