ミナリのレビュー・感想・評価
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普遍性が評価されたのかな。
ゴールデングローブ賞では外国語映画賞に輝き、本年度アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネート、となればそりゃあ期待して観ますよ!
普通に良いお話。だけど期待値が高かったので(あれこれだけ?)となってしまったのは事実。
韓国からの移民家族の物語は監督の実体験に基づいているとのことでそれ故に日常を一つ一つ紡いでいてとてもリアル。もちろん日々いろいろあるのだけど劇的な展開は無いので全体として畝りが足りないように感じました。
後からじわじわくるんだけどね。ほんと良い作品なんですけどね。
ずっとギスギスしてる夫妻。そこへ全く違う空気を持ってやってくるおばあちゃん。どこでもそれなりに対応できる無邪気な幼い子どもたち。その辺りの家族模様は誰もが共感できるところだし、なんと言っても破天荒なおばあちゃんがめちゃくちゃいいスパイスになってますね。
おばあちゃんを演じたユン・ヨジョンさんは助演女優賞を獲るかもね!
( ´_ゝ`)んーーーーん、燃えると思った。
アカデミー賞なんちゃらかんちゃらって言うから鑑賞しましたが、、、、。
〝北の国から〟のコピー感はぬぐえず、〝万引き家族〟の域には到底及ばずでしょう。
韓国映画(アメリカ人監督ですが)や中国映画ってやり過ぎ感があまり好きではないのですが、この映画はやらなさ過ぎでしょう。主人公が作った小さな倉庫は初めっから燃える感が漂っていて、あぁヤッパリって感じでした。おばあちゃんだけいい味出してましたが、おばあちゃんのやらかし感も十分に予想できました。
〝ノマドランド〟を見た後だったので少し辛口かもしれませんが、、、、、。
川の字になって寝る家族は、やはり影響受けているのでしょうね。
無駄に脚色してなくて後々沁みる。
映画を見ているときは、本当波のない映画なので、気が緩むと飽きてしまいそうだが、
『この映画は無駄に色んなものを入れ込んでないな』と思ったら、凄くシンプル且つナチュラルな
映画だと思う。
特に少年デビッドの視点が特徴的で、この家族を取り巻く状況や、また祖母に出会ったことで、色んな事を吸収していく様は、“映画的”な10歳前後の少年の描き方でなく、等身大だ。
アカデミー賞ノミネートなど、前評判が高い映画だったので、凄い脚本であったり、撮影技術が盛り込まれているのではと期待していた人はちょっと肩透かし喰らいそうだが、
個人的にはこういう映画の制作って実は難しいんじゃないかな、と思う。
でも映画って、別に壮絶感やジェットコースター的要素が必ず必要なものでもないし、
こういった映画で何を感じるのかも、結構楽しかったりする。
アメリカ映画からアジア三国が見える
『ノマドランド』の直ぐ後に鑑賞しましたが、これも韓国人が作ったアメリカ映画です。
内容的には昔の西部劇によくある、ヨーロッパ移民の西部開拓史を近年に置き換えたような、そして、それが韓国人家族がであってもアメリカのフロンティア精神の伝統が伝わるアメリカ映画でした。
時代は変われど元々がアメリカは移民の国であり、多民族国家だということを象徴した様な物語でした。
『ノマドランド』やら本作を観ながら、私は物語よりもアメリカと中国と韓国と日本の精神文化の微妙な相違と融合点の様な事について、色々な思考が勝手に頭の中を廻っていました。
昨年アカデミー作品賞を取った『パラサイト』は韓国映画でしたが、本作は韓国人が主役でもれっきとしたアメリカ映画であり、残念ながらそういう作品を日本人は何故作れないのか?ということを、鑑賞中に色々考えてしまいました。
恐らく『パラサイト』の様な受賞なら、日本映画でも可能かも知れませんが『ノマドランド』や本作の様な作品を、日本人が作れる可能性はまだまだ難しい様に感じられ、その辺りが日本とアメリカや中国・韓国との映画製作での決定的な差の様な気がしました。
昨今の中国・韓国映画の娯楽映画に於いてもアメリカングローバル化が進み、ハリウッド映画と比べても遜色ないスケールの作品が産まれていますが、良くも悪くも日本映画はガラパゴス化の状況にあり、ゲームやアニメ業界だけが逆にそれが功を奏している。
ダンスなどもそうですが、個人では素晴らしいスキルのダンサーがいて世界で活躍していても、日本映画ではまともなミュージカルやダンス映画は1本もない。
最近のアメリカ映画ではアジア圏の人種が主役の物語も増えていますが、アメリカが舞台の日本人が主役の純粋なアメリカ映画を私はまだ観たことがなく、日本人だけが良くも悪くも、魂から溶け込めない浮いた存在の様に感じられます。これは否定ではなく、日本映画(というより日本人)の持つ特質であり、一方アメリカ人や中国・韓国人の、共通した大陸的特質(韓国は半島だが)の差などがあるのかも知れません。
『SAYURI』『ラストサムライ』『沈黙』の様な、日本好きの海外の作家が日本を舞台とした作品なら今後も作られるのでしょうが、恐らく日本はいまだに精神そのものが鎖国状態のままなのでしょうね。
キムチみたいなおばあちゃん
演出や脚本に派手さはなく、淡々と進むストーリーの中で、一人ひとりの心情を無理に装飾することもない。それでも「どこにでもある共感性の高い話」として、じわじわと心を侵食するような、それでいて、見れば見るほど数少ない登場人物たちに愛着が湧いてきてしまう。
それは、アウェイな環境で少しずつライフスタイルに慣れが生まれてくるような、あるいは、とっつきづらかった外国人が一人の人間だとわかり、徐々に距離が埋まっていくときのような、そういう感覚に似ていた。
そうした感覚が生まれるときには、きっとなんらかの「共通点」が見いだせるときなのだ。
ある人には「新たな土地での挑戦」、ある人には「宗教」、ある人には「感情的共通項」…
そしてクセはあるけどやみつきになるキムチのようなおばあちゃんの存在感の大きさといったら!樹木希林さんのような、強くてしぶとくて奇想天外で可愛げのある、愛おしさがありました。
「セリ」は韓国の文化を知ると、もう少し違って見えるのでしょうか?そこだけ、タイトルにするほどの強さを持つものなのか、理解が追いつかない部分でした。
激しい紆余曲折のある脚本や、映像美、アクション等がお好きな方は、楽しみ方が難しいかもしれません!
A24作品
A 24作品と冒頭わかり最近よく期待して観た。
ノマドランドと同じ日に見たので、時代は違えどトレーラーハウスの話で、これも日本にはないアメリカの生活文化で面白い、
ペースにはキリスト教もアメリカ人韓国人を結ぶものとしてあるのもなかなか日本とは違う。移民社会のコミュニティとしてあつまり助け合い祈るところ、アメリカの小さな町や村でコミュニティへの入り口ともなる教会、戦争で傷つき一人神と向き合う男。
韓国からの移民家族の日常生活が丁寧に描かれ、小さな事件大きな事件家族として会話ぴよこ工場での会話、全てに気持ちが集中し、意外にもおばあちゃんが大胆さを発揮しておばあちゃんらしからぬ、アメリカに来ても変わらず自分を表現仕切る素晴らしい人物で、そんなおばあちゃんも、成功のため信念持ってお父さんも、気持ちが揺れるお母さんも、可愛い子どもらも、みんなみなり(せり)の逞しさ。ミナリは水辺で、優しいひとの手と気持ちを受けて青々と生い茂り繁栄する。
観てよかった、心に残る作品。
響かないストーリーとテーマ
うーむ、映画見過ぎて感覚が麻痺してるのかなー?本作、響かないのです。なんでかな?
この作品のテーマを考えたら、アメリカで農業で一旗あげるって設定必要だったのかなー?結局様々なイベントはそこにリンクしてないんですよね。あくまでイベントとして独立して、ストーリーを進めるだけにしか機能してない気がしました。
サイトに書かれている内容を引用すると、
<タイトルの「ミナリ」は、韓国語で香味野菜のセリ(芹)。 たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている。>
だそうです。
うーむ、そっか。だから農業リンクなのか。
に、しては苦労があまりに独りよがりすぎない?
広大かつ別の土地に越して来たのに、ストーリーにダイナミックさがないんだよな。全部家族内で収束していくし、、、。
ミナリのテーマに縛られすぎて、すごーく話が小さくなってはいませんかね?苦労をしたんだぜー、お前たちのために!って感じばかりが前面にでちゃって。もっとさー、違う苦労の仕方あったんじゃない?ってツッコミたくなる展開ばかりなんだよなー。
僕はおばあちゃんっ子だったから孫の気持ち、凄く共感できましたけどね。それだけだったかな?残念だけど。
life goes on
なんにしろ、人生は続く。
移民の映画とは思いませんでした。
夫婦のすれ違いや、子どもの柔軟性や、おばあちゃんの強さや、人は見かけによらない、それから、成長すること老いることの良さと悲しさを描いた作品だと思います。
エヴァンゲリオンでもありましたが、生きていれば今がいちばん若い。
人生はつづくのです。
(原題) Minari
この映画自体がセリのようだった。
力強い生命力と適応力でどこでもよく育つセリのように。
特別で派手じゃないが、逞しくてしきりに頭の中にこの家族の現在と未来が気になって応援したくなりました。
移民じゃなくても、誰の心にもある、家族というノスタルジー。
「移民」が前面に出ちゃうと、日本人には共感しにくいかな?と思っていたけど、裕福じゃない若い夫婦が、必死で立派に子供を育てよう、生活を楽にしようともがく姿って、日本にもあったと思う。
自分の両親のことが思い出されて仕方なかった。
この後、どうなったのかな、と気になる。
どんな形でも、幸せになっていて欲しいと願わざる得ない。
ポールも含めて。
駐車場での口論のシーン、ああいう男女間の認識の差っていうのは本当にある。
成功を掴みかける頃には、一方は見限っていて、成功しそうだからって許せるものではない。
あの場にいるのがいたたまれない。
思ったよりはライトな描写で、起承転結がハッキリしていたので、コンパクトにまとまり過ぎた感はあるけど、分かりやすく、感情移入しやすい。
おばあちゃん、ちょっと怖いくらいの名演だった。
「山の露」懐かしい。
共感まで至らず
80年代アメリカ南部、この土地へ移り住むことになった流れが弱いまま始まり、そこで成功を夢見る男と家族の物語なんだけど、この家族への感情移入や共感を持てないまま物語が進み、そのまま終わる感じです。
私と物語が最後まで平行線を辿る感じです。
春から夏に掛けての期間しか描いてなく、移民として成功でも失敗でもいいから、もっと長い期間の家族を描いて欲しい作品でした。
ちがう世界を混ぜると何かしら必ず変化が起こる
家族に韓国から祖母がやってくる。
祖母というちがう世界からきた異物によって家族はかき回され、停滞していたそれぞれの関係値が、また動き出す。
これまでの常識とは異なる、また別の常識をもっている祖母の存在によって新しい動きが起こる。ちがう世界を混ぜることで何かが動き出す。ということは生きていくあらゆることにおいても共通することなのかなと学ばされる映画だった。
祖母と男の子の関係値が微笑ましい。決して引かない男の子の意志の強さが好き。
A24だから見たのになあ
正直つまらない作品でした。登場人物誰にも感情移入できなかったり、誰も成長したように思えなかった。子供はある程度は自然に成長するだろうが。特に夫婦どちらにも気持ちが入らなく、(おばあちゃんにも)ただただストーリーの進行だけを追ってました。
特にすごく事件が起こるわけでもなく、苦労するわけでもなく何を伝えたいのかわからない。キーになる小道具も特に役に立つわけでもない。全てが中途半端なイメージしかなく、今年のアカデミーは相当作品過少で苦労しているのだろう。
文句ばっかりですが絵もアメリカの匂いが感じられなかった。韓国映画はやはりあの闇の深い国家、文化に根ざした湿り気のあるストーリーでこそ輝く。残念なブラピプロデュース作品。
え?ここで終わり?
最近、映画偏差値が低くなって気がする…。他のレビュワーさんの好意的な意見に全然賛同できず。
自分もアメリカ移住を夢見たことがあるから、そこそこ感情移入出来るかと思ったけど、生活がカツカツとか、夫婦仲がよくないとか、息子が持病持ちとか、おばあちゃんがいるとか、あんまり移住条件がよくないし、そんなにいい映画かなぁ…。
夫婦喧嘩とか火事とか、必要なネタだろうけど、個人的にはあんまり観たくない。最後は結局どうなるの?
「82年生まれ、キムジオン」観た時も思ったけど、アジアの家庭ってどこか日本と似てる。
映画はもうちょっとワクワクしながら観たいな。
葛藤に解を示してくれる映画
1980年代、韓国では生きていけないと、夫婦で渡米し、子をもうけ、各地を転々としたのちに農業で成功することを夢見てアーカンソーにやってきた韓国人一家。
冒頭で父が子に、
俺たちは役に立たなければならない、
と一服しながら言う。
当時、移民が浸透しつつあったのかもしれないが、他所からやってきて、いわば人様の国で身一つで生きていくということは生優しいものでは決してなかっただろう。この国にやってきたからには役に立たなければならない。そして、役にたつだけでなく、成功も収めなければ。
役に立たなければという呪いを自身にかけて必死にアメリカで根を張っていこうとする移民一世の葛藤が非常に美しく瑞々しく描かれ、見入ってしまった。
この役に立たなければ、という呪いは父だけが抱えているものではない。
仕事を終えてもなお家でヒヨコ選別練習を行う母も、この苦労一家のサポートとして韓国から呼び寄せられ、後に脳卒中で倒れる祖母もまた、役に立たなければと葛藤する。
この一家の物語はそんな呪いが引き金となって起こる事件によりクライマックスを迎えるが、映画のタイトルであるミナリ(韓国の芹)がそれを解く鍵であったように思う。
劇中、脳卒中で倒れる前の祖母が韓国から持参したミナリの種を植えようと子に話すシーンがある。ミナリはどこにでも生えて、多様な食べ方があって素晴らしいと。
そして、父の農作物がやっとの思いで収穫に至った一方で、韓国産のミナリは手を加えることなくアーカンソーのとある河辺で鮮やかに茂っていったのだ。
ミナリは「この地で役に立たなければ」という呪いの対極にあり、
「生きる場所は関係はない。人は選択に応じて多様に柔軟に生きていくことが可能であるし、それは素晴らしいことだ」と解を示しているのではないかと思う。
ラストは腹にすとんと落ちる描写で非常に良かった。欲を言えば、もう少しこの一家の物語を見ていたかった。
余談だが、私自身もかつて外国への移住を夢見たことがあり、失敗して、訳あって今は縁もゆかりもない土地に住んでいる。
ここで根を張れるかどうか定かではないが、かといって故郷に帰るわけにもいかないので意地になるときがある。
ミナリはそんな自分の中にすっと入ってきて、多様に、柔軟に生きよと示してくれた気がする。
最後になるが、この映画に出会えてほんとうによかった。素晴らしい時間をありがとう。
流石のユン・ヨジョン!
韓国系アメリカ人監督作の「家族の絆」をクローズアップした作品。
昨日鑑賞した『夏時間』もそうだった様に、韓国のある世代から上の親子関係って、現代の日本人には厳格過ぎて少し理解が追い付かない点も多いけど、大昔の日本もこんな感じだったのかな…
父親の思慮が浅過ぎて、そりゃ苦労するよなって展開が続く父親中心の家族に、異質な存在である祖母が加わってからの、親子・夫婦の変化や、祖母と下の孫との友情にも似た関係性がハートフルでエモさくすぐる映像が抜群だった。
親父が馬鹿
アカデミー賞ノミネートされまくりということで観てみたけど、どうなんだろうこれ、個人的には共鳴しにくかったなー
いろんなことから逃げつづけて、その裏側で膨らんでいたワンチャンの夢を追いかけるお父さんと一緒に、アーカンソーの奥深くに辿り着いた家族の物語
「親父が馬鹿」という以上の感想がない
とても綺麗な映像と音楽
なんだけど、たぶん A24+PLAN Bは自分に合わないんだな、何でそこスローなん?とか思っちゃうから
お父さんがヒヨコの選別をする速さ! その道より自分の夢を追いかける...
お父さんがヒヨコの選別をする速さ!
その道より自分の夢を追いかける!
しかし意外と1番お父さんの存在が薄かった。
色々試練が多いけど前を向いて行く家族が応援したくなる。
ミナリが大きな意味を含んでいるのも胸熱。
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