「【“怪優ウド・キア、ヒトラーを演じる?の巻。”今作は、現代でも巷間で密やかに囁かれているアドルフ・ヒトラー生存説を基に、想像豊かに展開されるストーリーが面白可笑しく、且つ少し切ない逸品なのである。】」お隣さんはヒトラー? NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“怪優ウド・キア、ヒトラーを演じる?の巻。”今作は、現代でも巷間で密やかに囁かれているアドルフ・ヒトラー生存説を基に、想像豊かに展開されるストーリーが面白可笑しく、且つ少し切ない逸品なのである。】
ー ご存じのように、アドルフ・ヒトラーは、1945年4月に終末が近づいた事を悟り、愛人エヴァ・ブラウンと自室で拳銃自殺したとされている。
だが、ヒトラー自身の遺書により遺体は焼却はされ、その遺体を西側が確認していない事から、今でもヒトラーの生存説、特に、南米への逃亡説が囁かれているのである。-
■1960年、南米コロンビア。
ホロコーストで家族を失ったポーランド人のポルスキー(デビッド・ヘイマン)は、町外れの一軒家で、家族が愛した黒い薔薇を庭に植え暮らしている。
彼の腕には、収容所に入っていた事を示す数字の刺青が入っている。
そんな彼の臨家に、ドイツ人ヘルツォーク(ウド・キア)が引っ越してくる。
夜でもサングラスをかけ、髭もじゃの怪しい風体のヘルツォーク。ある日、ポルスキーは彼の灰色がかった青い目を見てしまい、愕然とする。そして、ヘルツォークをヒトラーと確信した彼は、日夜彼を観察し、ヒトラーである証拠を集め始めるのである。
◆感想
・ポルスキーが、ヘルツォークの愛犬が自分の庭にした糞を、フン然として持って行くシーンが可笑しい。彼はその糞を、アルゼンチンに逃亡していたアイヒマンが捕まった事を伝える新聞にくるんで持って行くのである。
ー アイヒマン逮捕については「アイヒマンを追え!」に詳しく描かれているが、彼はナチス残党と共に1960年当時、ブエノスアイレスにいた所を、イスラエルの秘密警察モサドにより摘発され、処刑されている。-
・今作が面白いのは、そのような事実に基づきヒトラー生存を信じた男ポルスキーが、図書館でヒトラーの性格や人となりを調べて行く姿である。
1.ヒトラーは左利き。
2.ヒトラーは癇癪持ち。
3.ヒトラーは絵が好きだったが、美術学校には入れなかった。
4.ヒトラーが好んで描いた絵は、朽ち果てる寸前の家。
5.ヒトラーは、酒は飲まないし、煙草も吸わない。
6.ヒトラーは〇〇が一つしかない・・。クスクス。
・・・1.2.以外は知らなかったなあ。
それにしても、ポルスキーが、ヘルツォークの○○をしげしげと見るシーンは、可笑しかったなあ。
そして、彼はヘルツォークは実はヒトラーではないのではないか?と思って行くのである。
■だが、ポルスキーは徐々にヘルツォークとチェスをし、その際にガブガブと酒を呑む彼に、興味を持って行くのである。
この時のヘルツォークを演じる怪優であり、名優でもあるウド・キアが魅力的なのである。
ポルスキーがヒトラーと言う怪物だと思いこんでいたヘルツォークが、犬を愛する人間味ある姿。
■クスクス可笑しくも沁みるのは、実はヘルツォークがヒトラーの多数居たという替え玉の一人だったという事が分かるシーンからである。
替え玉の多くは亡くなり、ヘルツォークも体重を落とすために身体の一部を削ぎ取られたり・・。
その過去がヘルツォークの哀しみを讃えた灰色がかった青い目であり、替え玉であるが故に親しい友人も居なかった彼が、ポルスキーとチェスを指す喜びの顔であったのである。
<そして、ヘルツォークはヒトラーの替え玉という事で、秘密警察に感づかれ、ポルスキーの隣から去って行くのである。
その際にポルスキーがヘルツォークに渡した、彼の家族が愛した黒い薔薇を花束にして渡すシーンはナカナカである。
今作は、序盤はややミステリー要素を絡めながらも、ユーモアと哀愁を絶妙に塗した逸品なのである。>
こんにちは~
本作面白かったですね!
眠気も一切こなかったです(笑)
赤羽骨子は正直期待してなかったんですが、コメディタッチで原作マンガだかアニメだからちょっとぶっ飛んでて気兼ねなく観れて楽しめましたよ!
観て損はないと思いますが合わなかったらごめんなさい(笑)