「ハリウッドと決して比べるな! いいか! ... なんて偉そうなの」ノンストップ Puti Nakiさんの映画レビュー(感想・評価)
ハリウッドと決して比べるな! いいか! ... なんて偉そうなの
ウッソピョ~ン... 比べちゃいました。
航空機内でのテロ行為...
何と言っても、個人的には映画が面白いとか、ふざけた内容とか、ありえないとか言う前に思い浮かべたのが1997年に公開されたサイモン・ウェスト監督製作の『コン・エアー』を思い出さずにはいられない... "ads" のセリフか⁉
主演を務めたのが’95年に映画『リービング・ラスベガス』ではオスカーを手にし、翌年に映画『ザ・ロック』ではVXガス弾無力化の為に自ら解毒剤を心臓に打ち、そして次の年にこの映画『コン・エアー』と『フェイス/オフ』とに出演... 筋肉が盛り上がり、30代として、また男性として映画人として、油が匂ってきそうになるぐらいノリに乗っていたニコラスさん... 『コン・エアー』
それよりもどちらかというと奇しくも映画『コン・エアー』と同じ1997年に公開された大統領専用機を戦場に戦う大統領映画『エアフォース・ワン』の方が、シナリオ的には似通っているのかもしれない。それと忘れてはいけないのが、ジェンダーを超えた女優なんて呼ばれるのは、胸糞がわるいかもしれないけれどもジュディ・フォスター主演映画『フライトプラン(2005)』での超が付くほどの大型最新鋭旅客機の中を縦横無尽に行方不明になった愛娘を半狂乱になりながら探す、エンジニアの母親の悪戦苦闘ぶりなんかもこの映画『ノンストップ』とは共通する点があるのかもしれない。
映画『ノンストップ』の特徴であるアクションとコメディを融合した映画として...
確かに前半の部分の "トリプルセブン" と呼ばれるボーイング777型旅客機に搭乗するまでのプロセスは子供を交えた夫婦のセリフなんかを見ると関西のメオト漫才のようで会話は軽快に、しかもユーモアのある夫婦仲のスコブル良いところが描けていて、その後の展開が期待できるものと思えたけれど...
テロリストが飛行機を乗っ取ってからは、話がとんと先が見えなくなり、面白さもプロットが進むにつれ食傷気味になってしまう。
ハリウッド映画では『コン・エアー』のように輸送機内だけではどうしても見ている側が持たなくなるので、地上に降りて囚人を追加したり、入れ替えたり、また映画『エアフォース・ワン』では、ホワイトハウスにいるグレン・クローズ演じる女性副大統領とのやり取りを入れることで目先を変えてシナリオを飽きさせないようにしている。それと『フライトプラン』ではあくまでも心理的スリラーにしているところに自ずと見ている側が映画に感情移入がし易くなっている... でも
主人公ミヨン演じるオム・ジョンファの格闘技シーケーンスをよっく頑張っているとべた褒めしている人のように、彼女のことを知っていれば多少なりとも視点が変わるかもしれないけども韓国の笑いのツボも理解できない者が見るとどうしても映画のプロット展開の繋がりの悪さや意味不明なパーサーの行動は、面白みの足を引っ張るとしか見えていない。
いくらボーイング777の機内の様子がわかる映画と例える人がいても、その機内の閉塞感はたまに出てくる韓国特務機関のシーンだけでは同じような場面の連続性がアクションにも響いているようにも映っている。
この映画の監督さん... サービス精神が旺盛な方なのか? シナリオ自体が小さなドン転返しの連続のような話の積み重ねのようになっていて、そもそもワイハに当たったオロナミンC?の裏ブタのいきさつや最後の最後まで寝ていた人が誰なのか? とか、そんなてんこ盛りを象徴するようにエンドロール・クレジットが流れる中、新しいエピソードを流すあたりになった時は、もう勘弁してほしくなるぐらいにお手上げ状態になりました。