竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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賛否両論あるが良かった
歌と映像だけで内容が無い、という前評判を耳にして、期待せずに観たが、酷評されるほどではないのでは?と感じた。
珠玉の一作、とまでは言えないが、良作と言っても問題ないだろう。
ただ、中盤からの展開に難があったことは否めない。
何故ベルが竜に惹かれたのか。
それが見てる側に全く伝わってこない。
映画を最後まで観た後で、竜とすずの共通点などから、何となくこうなんじゃないかな〜と想像力を働かすしかない。
行動原理が分からないと全ての出来事に「は???」という感じになるし、気持ちが冷めてしまうので、そこが無ければな〜〜〜という感じだった。
終盤、すずが竜に会いに東京まで逢いに行く展開は賛否両論だった様だが、とても良かったと思う。
自分に何かあった時に、どんなに遠くにいても駆けつけてきてくれる人がいるという事は、とても幸福なことだからです。
ほんの一瞬の出来事だったけど、自分のことを気にかけてくれる人がいる、という事実が人の精神の支えになることは往々にしてあるし、竜の心にずっと残り続けると思う。すずは竜に対して、これから辛いことがあっても乗り越えていけるような勇気と自信をあたえられたと思う。
歌と映像は本当に良かったと思う。
ベルの歌声は、手嶌葵のような、カリスマ性があって深い悲しみを心に宿しているような声だと感じた。本当に良かった。
映像も、アバターたちの涙がこぼれ落ちるシーンなんか、とても美しかった。アニメでしか描くことのできない、でもアニメとは思えないようなリアルな質感を感じる映像だった。
細田守監督の最高傑作なんじゃないかと個人的に思った。
描かれるネット世界への違和感
アナと雪の女王も7年の昔となった2021年7月に出た、夏の青春映画風に打ち出す日本風アナと雪の女王。
企画書には「アナと雪の女王のヒット性を、“日本らしく”上回る」とでもあったのではないだろうか。
同年には3ヶ月後の10月に『アイの歌声を聞かせて』があり、翌年には5月『バブル』8月『ワンピース・フィルムレッド』と続き、アニメ映画と言えば歌わなければ許されないとでもいう風潮の先陣を切った作品。
一段落が見えた今、「アニメ映画は、歌わなければいけなかったのか」を考えるためにもう一度見直しての感想となる。
本作は、他作よりは「歌の力」の唐突感が少ない。もっとも、なぜ鈴が「母親が死んだこと」で「人前で歌えなくなったのか」の繋がりが「なんか鈴以外にはわからない複雑な心理で」以外説明がつかないので、ベストでもベターでもなくマシという具合だが。
バブルのウタが「言葉のない歌」にこだわることや、アイの世界の「なぜかみんながソロで歌い出す」よりはこじつけ感が少なく馴染んでいる。フィルムレッドのウタはウタウタの実を食べたから、という少年漫画パワーなので別枠。
本作は「何か歌とバインドされた企画アニメ」としての押し付け感が薄くて嬉しい。映像も、さすがというほどに美しい。2Dと3Dの使い分けもコンセプトが明確で、鑑賞する脳に素早くノーストレスで馴染む。映像に関しては、相当厳しい合格ラインかつ踏ん張り続けられるスタッフでないとこの品質は出ないだろう。映像を目で見る分には、とても楽しませてもらった。
だが、私個人として全体の評価は厳しい。
他の鑑賞者にも感じた人は多くいると思うが「作者はネット世界を描くのに自信満々だが、実は全然知らないのでは?」が、鑑賞中に終始疑義として持ち上がるからだ。2021年の「普通にネットを使う人」ならば、本作を貫くネット覆面&身バレのテーマについて「そこ、普通はこだわらんやろ」が多すぎる。監督はTikTokもない、ツイッターもない、YouTubeもニコニコ動画もない、2ちゃんねるはあってもやる夫スレはない時代、恐らく2003年ごろのネット感のまま現代を生きていて、それを信じて「2021年の若者たちの今」を描いてしまった。作品を出すたびに「細田作品、なんかモニョる」とネットで批評にあうことを繰り返し、それを「ネットの常態は悪意」として捉えた偏りも感じる。
結果、「これがネットと現実のリアルだ」と自信満々に語られる本作を見進めるほどに、「いや、そうじゃなくね?」「なんか、ちがう」「この作品世界の人たち、みんな俺たちの知らないネット観に生きてる」「最新のハード(MMOや配信など)は出てくるけど、ソフト(キャラクターたちのメンタル)がみんな変」→「全キャラクターに、感情移入できない」という失敗に繋がっていると感じた。
以下、気になった点を細かく。
・ネット世界ユウ
「現実ではやり直せない。だがネットではやり直せる」と最初に大前提が繰り返されるのだが、すぐに続く「生態データを読み込んで、それを反映した力・外見のアバターを登録する」で「え?」となる。それでは現実と同じで、やり直せない。ネット匿名の言いたい放題やりたい放題をテーマにするなら、この設定がすでに没入感を大きく下げている。ツイッターや大型掲示板と照らして考えてみても、すでにあまりにも違う。
実際、本作で描かれる事件性のほとんどは「アバターを変えれば解決する」という、現実のMMOでは十年以上前から当然すぎる機能の未実装に起因している。それが絶対にできない前提で話が動き続けるのだが、他人攻撃おばさんなどはおばさんと赤ん坊でアバターを2つ持っていたりして、ますますよくわからない。
さらに「管理者によるアカウントBAN」という、2021年には誰だってルールとして知って則っているものが無い。代わりに「アバターを解除する身バレビームを与えられた特権階級による、身バレビーム懲罰」というぶっ飛んだ設定でなぜか運営されており、これをネット世界をリアルに描いた…と言われると、もうわからない。
加えて、私や他の人、特に若者が感じるのは「人気者なら、身バレしてもよくね?」なのだ。TikTokは完全に「自分を出す」文化だし、本作公開の2週間前にはホロライブの当代最強だった人気者が引退ライブをして、以後生身で活躍し続けている。ネット空間での実績は現実の実績として誰もが認めており、ネットで一角の人物となって収益化(現実的な稼ぎ)を狙う世の中である。「ヒーロー・ヒロインとしての身バレは、むしろ願望」であり、成功した鈴(ベル)やヒロの「身バレしたらすべてがおしまい」が、監督の中だけの理論となっている。もし容姿が絶望的すぎてすべてがおしまいと言う文脈だったのなら、それはそれでオジサン世代のルッキズムで厳しい。「ルッキズム起因で投げ銭が止む」とかいうのなら100歩譲ってありにしても、ベルは収益化すらしていないので、何もおしまいにならないのだ。
というわけで、3個も4個も大前提に「そういう心理・行動にはならないのでは?」があってしまい、2時間ずっと「これでネット知ってると言われても…」となってしまう。
未だにネットでクレジットカード払いをするのは怖い、絶対ダメ! と思っているような高い年齢層でないと、ネットはこういうものだ見られないのではないか。
・鈴(ベル)
2021年現代の、等身大の女子高生……として生み出されたのかもしれないが、それを強調されるほどに「いや、真逆な気が」となる。もし十代の女子高生が「これは、あなたですよ」と言われても「ふざけんなし」と爽やかに笑い飛ばしてくれる気がする。
端的に言うと、ベルが数百万フォロワーを獲得したときの反応は、「どうしよう、困った」ではなくて「やったあ、最高」の方が正しいのである。親の月収年収をすでに超えて、もう一生飯食えるのがわかるから。2021年の高校生というのは「英雄ヒカキンも一昔前の人」ぐらいで、YouTuberの収益化構造は当然に知っている。なんでTikTokには投げ銭がないんだよとぶちくさ言ってる世代なのだ。でもまあ人気者になったら、YouTube移行はもちろんnote等でいくらでもお金に換えられる……そんなことまで学級で常識として知っている。
なので、「(何も悪いことをしていない)ベルであることをばれないように頑張る」よりも、「功名心からついつい匂わせ発言をしてバレてしまい、後に反感を買ってしまう」ぐらいの方がリアリティがある。
さらに「素顔だと歌えない」もよくわからない。前述の通り、恐らく歌えなくなった原因としてある母親の事故死が、素顔・歌というキーワードと繋がっていないからだ。
なぜライブに乱入しただけの竜にそこまで執着するか、さらにその現実での正体を明かそうと頑張るかも不明で、「脚本都合」としか言えないのが辛い。作者が想像した「等身大の女子高生」をやっているだけであり、生きたキャラクターとして現実的な言動をさせてもらえていない。
・竜
虐待児兄弟の片割れ。ネット上のバトルゲームで高勝率を維持していたら、それを理由に迷惑アカウント扱いされ、全世界から身バレの刑がふわさしいとされた少年。この時点で2つ明確なツッコミどころがあり、全然ネットを知らなそう、というかネットにすごい偏見を持っていそう、という印象。チートを使っていなければ、単純にレジェンドであり英雄である。反則でもないえげつない勝ち方は仕様であり、もし反則じみていることやゲームルールの穴を突くような勝ち方が過ぎるなら、それに対応するのはプレイヤーではなくて運営側の責任であり、穴が放置されているのなら運営側が糾弾されるだけだ。
それに目をつぶっても、全世界公開で家をライブ配信しており、父からの虐待シーンも映ったのに、それを見た鈴を「人のプライバシーに勝手に入るなよ」と糾弾するのが意味不明。だったら、なぜ垂れ流し配信を…? 何がしたいの? 児童相談所はずっと動いてくれなかったと作者の考えた社会悪的な呪詛を並べるが、この虐待映像が許されるほど日本社会は強固盤石ではないと2021年のSNSユーザーは感じてしまう。
また、ベルは自分だと言った鈴を「本人だと信じられない」と言って通話を切るが、声からわかるなり、歌ってみろよと言うなり、スマホのアカウント見せろなり、なんか無いか。鈴も、今「二人しか知らないはずの歌」で竜の特定に至ったのだから、それを歌えずとも話せば済む、でなくともスマホのアカウントを見せれば済むのに、なぜかしないで(側にいるヒロちゃんも思いつかないで)「顔を明らかにして大勢の前で歌うしか、鈴=ベルであると証明できない」の大決断に行くのが不自然すぎて、脚本都合だと鼻白んでしまう。
・ヒロちゃん
終盤、急激にIQが下がって別人化してしまう子。
なぜか「鈴が思いつかない解決策を提案する」のポジをしのぶくんに取られてしまう。
前述の鈴と竜のノーフォローに加えて、「現実の姿がバレたら、積み上げてきたベルが全部終わりだ。鈴も、うじうじしたみそっかすの日々に戻るしかない」(ほぼ原文ママ)とベル=鈴の顔出し歌唱に謎理論で反対することで、賢かったのかそうでなかったのかよくわからないキャラになってしまう。最終局面ではなぜか鈴をDV親父の元に一人で行かせており、脚本都合を抜きに解釈しようとするほどモニョってしまう。
・しのぶくん、ルカちゃん、カミシン
青春映画風味で予算を引っ張り出すための友人キャラたち。これをどう有効活用するかが腕の見せ所なのだが、残念ながらそれ以上の意味は与えられなかった。
・竜の父
終盤いきなり、見たくないものを見せてくる悪役。
ただ、悪役ならまだしもただの雑キャラになってしまっているのがいけない。DV父というのは現実にいるものだが「もっと上手くやる」からDV父親で何年も居続けていられるのである。ネットに善の面をして露出するほどのサイコなら、東京都大田区の住宅地の公道(朝方。おそらく通勤時間?)で、いきなりやって来た女子高生の顔を引き裂いて顔面流血させ、大声叫びながら追加のグーパンを入れようとはしない。普通に新聞一面を賑わすレベルの、白昼の重大事件である。そこまでの狂戦士かと思えば、鈴の無言のひと睨みで恐慌を起こし、退散して解決(解決???)。現実的な問題をファンタジーの理屈で解決してしまったのは、悪手という他ない。
・母、大人たち
娘に必死に止められても他人の子を助けるために飛び出して死んだり、その遺児である鈴を今回も一人で飛び出させたり、脇を支える大人の思考回路ができていない。温かい大人キャラの役回りを与えられているのに、現実離れした軽薄さになってしまっている。
・田舎
「退屈で未来のない日々を送る底辺な私が、ネットでヒーローになって一発逆転しちゃった」のパーツとして田舎描写なのだろうが、自然豊かで施設も人口もあり「悲惨」のパーツどころか「豊か」のパーツに見えてしまうのが逆効果。自然もなく廃工場が並ぶ田舎とか、若干スラム化してる都心の方がよかったと思う。「悲惨」の解像度が、日本中のユーザーからして温い。
・喋り方
アニメっぽくない喋り方は、必ずしも現実っぽい喋り方とはならない。本作は全員がアニメっぽくない喋り方をするが、全然リアル高校生っぽい喋り方でもなく、変。
・用語
スズ、アズ、ユウ、リュウ。
鈴、As、U、竜なら見間違えないが、映画は表音表意文字を読むものではないので、似た音の頻出用語はそれだけで没入感を削ぐ。この指摘が出てしまうと、脚本次元では素人級となってしまう。
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映像満点、脚本が徹底的に落第点という作品は珍しい。
プロジェクトとしてはこの脚本を作り続けていたわけで、関係者の7割方が「この脚本、大丈夫かなぁ」と思っていただろうが、誰も突っ込めなかったのならDV親父以上に怖い。
細田監督は、歯に衣着せぬ物言いをする脚本の専門家を雇うなり、テーマとする事物に対してしっかり取材するなり、制作スタイルを改めた方がいいと思う。
海外も含めて多様な才能を結集させて創られたアニメ映画って凄い、細田守想像以上にやるじゃんと思わされた
細田守・原作・脚本・監督による2021年製作(121分)の日本映画。配給:東宝
すぐそこに迫っている様にも思えるインターネットによる巨大仮想空間を題材にした細田監督のミュージカル映画を目指した様な意欲作。
主人公の女子高生すずが暮らすリアル田舎風景(高知県)の従来のアニメ的描写と、彼女のアバターであるベルが活躍し称賛/誹謗が集中する仮想空間のCG描写は見事に成功していると思った。
すずとベルの声、更に劇中歌を謳ったのが京都出身の眼鏡の女性ミュージシャン中村佳穂(1992年生まれ)さん。全く知らなかったが、素朴な感じだが秘めた凄い才能が羽ばたく感じも有り、とても良かった。何か事前情報はあったと思うが、地方でのコンサートに単身行って見い出したという細田監督に脱帽である。
すずが仮想空間で出会った父親の虐待により傷ついた心を持つアバター竜の少年を救うため、本物の素顔を世界に晒し、誰の力も借りずにただ一人彼の東京の家まで乗り込むストーリー展開は、とても現代的。そして、少女の成長する姿を体現してとても良く、感動もさせられた。正直どこかで、自分は女の子1人で危ないとハラハラする気持ちもあったのだが、敢えて監督はそうした勇気を持った行動をするヒロイン像に設定したのだろう。拍手を送りたくなった。
岩崎太整(『モテキ』で第35回日本アカデミー賞 優秀音楽賞を受賞)を音楽監督として、多様性を意識して「King Gnu」常田大希や坂東祐大 (東京藝大卒作曲家で米津玄師の編曲も)等、多くの人材を束ねて作成された音楽もハイレベルな感じでかつ統一性も有り、とても良かった。
すずの親友ヒロちゃんの毒舌キャラクターもとても良かったが、声は何とYOASOBIの幾多りらで、見終わった後に知って声優も上手にできてしまうのかと驚いた。その他,すずの父は役所広司で、すずを見守る合唱隊メンバーとして森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美さんも参画と、豪華な共演陣。また、キャラクターデザインなど才能有る海外アーティストの力も十分活用しているところにも関心させられた。
監督細田守、原作細田守、脚本細田守。
企画スタジオ地図、製作指揮沢桂一、製作伊藤響 、田中伸明 、菊池剛 、齋藤佑佳、プロデューサー齋藤優一郎 、川村元気、 高橋望 、谷生俊美、制作プロデューサー石黒裕之、作画監督青山浩行、CG作画監督山下高明、CGキャラクターデザインジン・キム 、秋屋蜻一 、岡崎能士 、ippatu 、岡崎みな、 イケガミヨリユキ、 エマニュエル・エデコ、CGディレクター
堀部亮 、下澤洋平、美術監督池信孝、プロダクションデザイン上條安里 、エリック・ウォン
色彩設計三笠修、衣装伊賀大介 、森永邦彦 、篠崎恵美、撮影監督李周美、 上遠野学、 町田啓、編集西山茂、音楽監督岩崎太整、音楽岩崎太整、 ルドウィグ・フォシェル(スエーデン人で19歳来日、元コナミ勤務)、坂東祐大 、挾間美帆(ジャズ作曲家)、メインテーマmillennium parade × Belle、メインテーマ(作詞・作曲)常田大希、メインテーマ(歌)ベル(中村佳穂)、リレコーディングミキサー佐藤忠治、スーパーバイジングサウンドエディター勝俣まさとし、ミュージックスーパーバイザー千陽崇之、キャスティングディレクター増田悟司 、今西栄介、制作スタジオ地図。
声優
中村佳穂内藤鈴(すず)/ベル、成田凌久武忍(しのぶくん)、染谷将太千頭慎次郎(カミシン)、玉城ティナ渡辺瑠果(ルカちゃん)、幾田りら別役弘香(ヒロちゃん)、森山良子吉谷さん、清水ミチコ喜多さん、坂本冬美奥本さん、岩崎良美中井さん、中尾幸世畑中さん、森川智之ジャスティン、石黒賢恵・知の父親、宮野真守ひとかわむい太郎/ぐっとこらえ丸、島本須美鈴の母、ermhoiペギー・スー、Hana Hope知/天使、津田健次郎イェリネク、
小山茉美スワン、宮本充フォックス、多田野曜平野球評論家、牛山茂司会者、役所広司鈴の父、佐藤健恵/竜。
細田守の薄っぺらい部分が最後に炸裂
サマーウォーズは面白かったはずなのに、最後の最後で家庭内暴力に対する薄っぺらい認識で家庭内暴力をパラメータの一つにしてしまう細田守の薄っぺらい部分が出て反吐が出る。
わざわざ東京まで出向いて雨の中で会えた奇跡はまあ映画として良いとして、見知らぬ女子の顔に傷を付けるという一線を超えながら、それを有耶無耶に終わらせてしまう脚本は本当に家庭内暴力に悩む人達を愚弄している。
しかも、そこまでして会いに行ったのに結局地元の男子とくっつく。
じゃあこの映画での旅は何だったんだ?
そういえば、すずめの戸締りも似た様な感じで主人公が北上する話だったが、あちらはアニメーションの美しさもあり脚本のアラは上手く隠されていた。
その点、作り手の総合的な手腕の差があったのではと思う。
サマーウォーズの成功の呪縛に囚われすぎて、後に続く作品が商業作品としての呪いに囚われ過ぎて薄っぺらく、心は震えず、残るのは失望だけ。
広げた風呂敷がたいした事なかったというアニメーション作品。そりゃあ映画ファンには響きませんよ。
『サマーウォーズ』×『おおかみこどもの雨と雪』×『美女と野獣』
<<あらすじ>>
歌が好きな女子高生・すずは、幼い頃に母親を亡くして以来、
人前では歌うことができなくなっていた。
ある日、彼女は全世界から人が集まる仮想世界「U」に足を踏み入れる。
やがて、Uの世界で「ベル」という歌姫として人気者になるすずだったが、
突然現れた謎の存在「竜」が、彼女とUを撹乱していく。
■映像美
とにかく美しいUの世界。
サマーウォーズのOZの世界も好きでしたが、Uのメタバースも最高に素敵だったね!
■楽曲が素晴らしい!!
中村佳穂さんの歌声と曲が素晴らしいに尽きる!
■内容は良いのに、美女と野獣でゲンナリする
細田守監督は美女と野獣が大好きだと公言しているのですが、
それを作品に露骨に出すのは、どうかと思いますね。。。
オマージュとはいえね・・もうちょっとやり方あったんじゃないかな(;^ω^)
■『サマーウォーズ』×『おおかみこどもの雨と雪』×『美女と野獣』
オープニングの入り方は『時をかける少女』を彷彿させ・・
メタバース(仮想世界)のお話というのはサマーウォーズを彷彿させ・・
竜の狼キャラは『おおかみこどもの雨と雪』の狼男を思い出すしww
極めつけは↑にも書いたように『美女と野獣』のオマージュ。
美女と野獣以外は自分の作品だからさ、まぁいいけども・・
なんか関連付けずにオリジナル作品として作ってほしいなぁ。
■細田守監督は、とにかく鯨と狼が大好き
サマーウォーズにも出てくる鯨。「ジョン」と「ヨーコ」なのでしょうか?
細田守監督はとにかく鯨と狼が大好きなんだな。
美女と野獣のように好きなものを出したい衝動が抑えられないんでしょうね。
■ちょっと無理がある
竜が親から虐待されているのを知って家まで凸しに行くとこ。
なぜ大人達がなんとかしてあげないのか?
子供に虐待している父親がいて、高校生が1人で向かうには危険すぎます。
鈴ちゃん1人行って何になる?(なんとかなったけどwwあら不思議。)
しかもうまいこと家見つかるww そんなうまくいく~??
ちょっと無理がある。
しかも虐待父親に顔を引っかかれて血が出るとか怖すぎ。
■父親に冷たすぎ
主人公の鈴ちゃん、お母さんが川で子供を助けて死んでしまったことをきっかけに
根暗な少女になってしまったようですが、お父さんを無視し続ける意味が分からん。
■忍くんのこと好きじゃないの??
竜の事好きみたいになってたけど、幼馴染の忍くんの事が好きなんじゃないの??
どっちなん??年下男子を好きになっても別にいいんやで??
音楽と映像美に魅了されましたが脚本がちょっと残念なのと、
美女と野獣がっつりオマージュでドン引きました。
もっとオリジナルで勝負してほしかったな。
魅力も多いけど気になる点もチラホラと
内気な少女すずが仮想世界ではカリスマ歌姫に。謎の《竜》の正体は?
仮想世界〈U〉を舞台に、現実の痛みを乗り越える少女の成長を描く。
仮想世界では誰もが別人になれるが、17歳の内気な女子高生すずは、
現実世界では歌を無くしたカナリアだったのに、仮想世界〈U〉では、
伸び伸びと作曲の能力を発揮しての歌の才能を開花させる。
そしてそこに謎の怪物《竜》が姿を現して、すずのアバターの歌姫ベルを
攻撃するのだった。
ここでとても《竜》の正体が気になりました。
まるでディズニーアニメ『美女と野獣』的な展開。
結果・・《竜》の正体は予想外でした。
仮想世界では体力的に弱い者でも、仮想世界を混乱に陥れるほどのチカラを
発揮する事が可能だ・・・との事実。
そして仮想世界の落とし前は現実世界で決着を付ける。
となる展開でしたが、
それは実際にはどうなんだろう?
SNSの住人にはコミュケーション障害の人を多数見かけます。
《竜》がコミュ障だったら、殻に閉じこもって決して外に出て来ない・・・
出て来れない・・・じゃないかなぁ。
50億人のAS(アズ)から《竜》を見付けるのも至難の業だろうし、
まぁ映画ですから困難をクリアして現実が仮想世界を経て、
成長してハッピーエンドがもたらされて、全て丸く収まるのですが、
上手くいかないケースとか、仮想世界から落ちこぼれる一定数の不幸な例も
描いて頂くと、
より深い感興を得られたのではないでしょうか?
そしてすずちゃんを取り巻くクラスメート。
すずが心を開けば、しのぶくんだけでなくみんな素晴らしい友達ばかりで、
閉じこもってるのは本当に大損失ですね。
合唱隊のおばさん達もみんな味方です。
すずがリア充に気付いただけでも良かったですね。
それにしても、すずのお父さん。
素晴らしく忍耐強く娘を見守り、待っていましたね。
お父さんの優しい姿に感動しました。
(もっとすずちゃんはお父さんを大事にしてね)
雰囲気だけ
バーチャル世界、最後一致団結して解決、とサマーウォーズとまるかぶりなんで目新しさがほしいところ。メタバースもPVのように歌ってばかりでストーリーとリンクしないんで微妙。振り切って現実世界、もしくはメタバース一本にすればもっとクオリティが高くなったのではないかと。
「なんでみんなで川崎に行かないの?」とか、「初対面の思春期の学生が抱き合うか?」などラストあたりの描写も気になった。
細田守監督作品は大好きです。だからこその評価。
※滅茶苦茶ネタバレを含みます!
と言うか内容に滅茶苦茶言及しているので見る前はこのレビューを見ることはお勧めしません
あと批判コメ注意!
まずストーリーもキャラ設定もあまりにもとっ散らかりすぎてる様に感じました。と言うかツッコミどころ多すぎる。
まず第一に主人公の友達のヒロカちゃんはサマーウォーズでの佐久間ポジなのは分かりますが、過程も何もかもすっ飛ばしていつの間にか主人公ベルを歌姫に仕立て上げ終わっていて、セリフで説明させる始末。その時点で視聴者としてはいきなり置いてけぼり食らった気分で既に集中が切れてしまいました。
一応説明がましく主人公にいきなり「貴方が売れたのは何でかわかる?」と問いかけ、無理やり主人公との会話で説明を済ませてしまう始末。
と言うかそもそも何でわざわざ仮想世界でバズらせる事で歌えなくなったコンプレックスを改善させようとするのか。荒療治が過ぎる。
そもそもいきなりバズった理由をわざとらしくセリフで説明した割には主人公当人のコンプレックスについては行間を読めとばかりに同級生から虐められるシーンを挿入。このシーン自体もリアリティに欠けるものでした。
そして母親の死ぬシーンも母親が見ず知らずの子供を助けるために氾濫した川に飛び込む際、救命胴衣のみ着用し、ロープもなにも使わず飛び込むのも本当に大人の判断か?と言う疑問が浮かぶし、何でほかの大人がたくさんいたにも関わらず誰も止める素振りを見せないのか。
そして主人公は母親が飛び込む場面を見ていたのに溺れている所を見ていないかのように首を振って母親を探し始める。これも飛び込む時に周りの大人が主人公の目を塞ぐとかしていれば納得が行くけど、そんな描写は無い。
母親との思い出の回想シーンについても、主人公と一緒に歌ったり作曲している事で、主人公が歌うのは本当は大好きで、そのルーツは母親にある事が判明するシーンなんだけど、そもそも年端の行かない子供と一緒に作曲している事から音楽関係者なのは何となく分かるが、そもそも情報が少なすぎて感情移入出来ない。
この母親についてわかることと言えば、見ず知らずの子供を助ける為に増水して氾濫した川に飛び込むほどの正義感を持つ反面自分の娘を置いていく程無責任な性格で、音楽好きって事以外が全く見えてこない。
強いて言うなら恐らく、音楽に興味を示した娘を後ほど登場する合唱サークルに参加させていた事くらいは想像できるが、そもそもそんな回想シーンも無いため見てる最中に気付くのも時間がかかる。と言うかこの確信得るためにラストシーンにまたまたわざとらしく映る生前の母親と小さい頃の主人公と合唱サークルの皆さんの集合写真を見てやっと察せるくらい。
むしろそれを映すことでモヤモヤを残させないための良心なんでしょうけれど。
そして合唱サークルの皆さんについてもツッコミたいところだらけだけど、ひとつだけ。
なんでラストのとこ、主人公ひとり向かわせたの?途中まで車で送る良心を持ち合わせながら相手は見ず知らずのDV親父だよ?そんで結局本人顔怪我してるし。
「あの子の決めた事だから」みたいなセリフでエモさを演出しようとしたんだろうけど、いや無理ですよ?この世界の大人は皆どこまで無責任なんですか?
そして、カミシンとルカの茶番は何?取り敢えずルカが中盤で言われてたような性悪女じゃない事は分かったけど、主人公がルカにチャットで「好きな人いるんだけど協力して欲しい」と言われてそれがシノブのことだと誤解して「そうだよね。ルカちゃんの方がシノブくんとお似合いだよね。うわーん」みたいにボロボロ流した涙は何だったの?
あとカミシンはもっとしっかりしろ。
あとラストで1番納得出来ないのはお前どっちが好きなん?竜としのぶくんどっちが好きなんかはっきりさせんかい。
これも合唱サークルの1番しっかりしてそうなおばはんの昔話が伏線になって竜とは結ばれんのは分かるけどそれ結局メタ的な話で主人公の感情の揺れ動きが全く見えなくてなんかモヤモヤする。
そして話の流れが前後に行ったり来たりして申し訳ないけど、主人公がアンベールして歌うシーン。
そういやぺギースーおったな!?お前捨てキャラだと思ってたわ!てか顔晒した程度でなんでそんなに手のひら返せるんよ。「私と一緒で普通の女の子やん」の一言だけで納得出来るかい。
もうツッコミ所多すぎて大衆が感動してるのにもついていけなかった。
なんかこう、いっそ実は私の勘違いで細田守監督じゃ無くて別の人の作品であってくれとまで思ったけど、思い出したかのように入道雲シーン入ってきて落胆してしまった。
とまあ、めちゃくちゃ批判したものの、やっぱり作画やキャラクターデザインはちゃんと細田守監督って感じでしっかりしてたし、歌もエモかった。
今作みたいになったのは2時間の尺に対して要素や事件や、テーマが明らかに多すぎて何したかったのかよく分からないことになってた。
要素が多すぎると言ってもそれぞれ単品で見ると細田守監督らしい物だし、もっと深堀り出来ればもっと面白かったかも知れないです。
おそらく主題はネット社会の匿名性に対するアンチテーゼなのかなと思ったけど、登場人物減らしてでもこれを深掘りして欲しかった。
内容が…
オープニングにメインテーマ持ってくるのって、ララランドみたいだなぁと思いながら始まった。でもこの歌は何か気に入った。
バーチャル世界はサマーウォーズのオズの進化版で映像は綺麗だった。
が、ストーリーについては色々ツッコミ所がある!
・主人公の母親、助けに行くなら命綱しようよ。増水した川は人の足では簡単に掬われるよ。最初から死ににゆくのかとしか思えなかった。
・正義の味方的な悪役?アメコミのヒーローと特撮の雑魚キャラに見えて仕方なかった。
・途中から、美女と野獣を見ているのかと思いたくなるシーンの連続でした。。。
竜の正体は誰?
を Who is the BEAST?
としている所も。
・最後に虐待をぶっこんできたけど、中途半端に扱いすぎてる。あれは何の解決にもなってないからなぁ。
他にもあるけど、映像と歌を楽しむ作品としてみれば割と面白かったかな。
それにしてもこの監督、鯨好きなのかなぁ。
映像はとても綺麗でしたが、内容と展開はいただけません。
映像が美しい
仮想空間のシーンがどのシーンも素敵でした。
ベルの衣装がとても気に入りましたし、ベルの顔も女神様感があってよかったです。
特に竜とのダンスシーンが印象に残りました。
映画館で見たらすごくキレイなんだろうな〜。
ストーリーについては、結末まではとても良かったと思います。
人間誰しも抱えているものがあって、それは他人からは分からない、という部分について、登場人物それぞれ丁寧に描写していたと思います。
結末がちょっと残念感はありました。
ここまでの大きな波が、最後子供が竜で、虐待が原因、というのが、、、
解決しようがないというか、ここまでの丁寧なムーブと軸がズレてしまったような印象を持ったのは私だけだろうか、、?
期待してただけにストーリーはつまらなかった
三度寝ちゃいました
"金ロー"で録画したものを鑑賞しました。
一度目寝落ち、二度目寝落ち、三度目寝落ち。結局最後まで見る事は出来ず消去しました。
何故だろう?ツカミが良くないのかな?ワクワク感を感じる事ができませんでした。
細田守監督は"時をかける少女""サマーウォーズ""おおかみこどもの雨と雪"の三作は大好きです。でも"バケモノの子"で「んん?」、"未来のミライ"で「地上波待ちで良かったな」と思い、今作は「最後まで観れば面白いんだろうか。。。」
なんか映像美を極めようとされてるのかな?結局最後まで観ていないので、批評をできる立場ではないのかもしれませんが、最後まで飽きずに観させる作品力は最低限必要だろうと思います。
一時期の「予告にツラれて、劇場でガッカリ」を繰り返した角川映画の記憶がよみがえります。散々な評価ですが、あくまでも私見という事でご勘弁を。
厳しい評価にせざるを得ない。
PTSDを克服するストーリーだけに絞ってたら良かったのに
作中に診断の描写なんてないけど
母の死を目の当たりにして絶望し、すずはPTSDは発症したはず
幼少から思春期に至るまで ずっとそれに苦しんできた
Uの世界で歌うことがきっかけとなって治癒に繋がり、
完治の決定打として 素顔を晒す→閉じた心を開く為のプロットが
作品に必要だったのは分かった
けど、そのための伏線を詰め込み過ぎて、その結果、哲学が渋滞してた
マスク美人を嗤う匿名モブ、の描写は有りだったけど
アバターじゃ信用なくて虐待から救い出せないプロットを混ぜてしまった結果、
哲学が多重になり、作品のメッセージがボヤけてしまった印象が強い
・母の死の受容と克服→分かる、物語の根幹
・Uのモブ描写とSNSへの警鐘→これも分かる、すずの心を開くことへの伏線
・竜の救出劇→ これが余計だった、虐待問題を混ぜてしまって 渋滞の原因に
映像はとても美しく、朴訥とした中村佳穂さんの演技も良かったのに、
終局の展開のコレジャナイ感が強くて残念
竜の救出劇は無くして、
異なった素顔を明かす代替プロットがあったらもっとノレたと思う
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