「歌よ、導いて…」竜とそばかすの姫 星月夜さんの映画レビュー(感想・評価)
歌よ、導いて…
初日にIMAXで鑑賞。
そして今も映画の世界に魂は置いたまま。
上映開始数秒後なんだコレはーーーー!?という今まで体験したことがない映像が全身に降り注いだーー!
私の感性が刺激されて胸はバクバク。もう泣きそうだった。
ベルがクジラに乗って歌った最初の曲がいきなりミレパーー!?
す、すごい。いきなりストレートパンチをくらった気分だ。
出し惜しみしないってことは自信のある曲がまだ続くのねーーーと思いきや予想通りの歌歌歌。
中村佳穂さんは天才だとインタビューした日テレの森アナが言ってた。彼女を検索すると〝中村佳穂 天才〟と出てくる。
そう彼女はまさに選ばれし者だった。
歌が上手いアーティストはたくさんいるけれど彼女には歌が上手いと言う表現では足りない。
事前にみてしまった生配信で細田監督が言ってたのはこれかーー!と思った。
〝中村佳穂さんは歌の神様に愛されている〟んだ。
表現力が神がかっている。聴く人の魂を吸い込まれる。
だから鈴の初ボイキャスも当たり前に素晴らしい。
彼女は美大受験するくらいだから造形力もおそらく素晴らしいのだろう。
つまり中村佳穂さんは表現力の天才なんだね〜。
もしかしたら話す言葉や文章表現も卓越してるのかもしれない。
この数ヶ月楽しみで寝ても覚めてもこの映画のことばかり考えた。
サマーウォーズ、時かけ、バケモノの子、未来のミライも大好き。私は細田守監督の作品と気が合う。私はきっと人の成長物語が好きなんだ。
細田作品の主人公はいつも普通の子ども。
根底にある共通テーマは〝人の成長〟だと思う。成長した雨と雪がそれぞれの道を選んだように。
気弱な高校生の健二が事件を解決したように。
イヤイヤ期のくんちゃんがお兄ちゃんになったように…やがて成長していく子ども。
細田監督には小さなお子さんがいるからご自身の思いを作品に込めているようにも思えるし、仮想空間って一見すごく壮大な世界のように思えるけど実は日常のなかに主人公は普通に生きている。
だから細田作品に私は気持ちを重ねながら何回も映画を楽しめるのだと思う。
インターネット空間の仮想世界U…煌びやかなドレスを身に纏い歌うベルは輝いて美しかった。
でもね…カリスマ性のある歌姫ベルじゃなくて実世界の地味な高校生の鈴が竜を救ったんだよ。
ミレパの曲は良かったけど、中村佳穂さんが作詞した劇中歌も鈴の想いが伝わって鳥肌が立った。
実世界のなかで自信が持てず下を向いて生きている人たちへのエールにも受け取れる映画。
あなたは誰?
あなたはあなたでいいんだよって。
また観てから感想は追記しますね。
1回では語り尽くせないから…