「エイリアンは脇役」スプートニク odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
エイリアンは脇役
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エイリアンが主役だと思ったらとんだ脇役、主人公は脳医学の医師タチアナ(オクサナ・アキンシナ)とエイリアンに寄生された宇宙飛行士コンスタンチン(ピョートル・フョードロフ)、前半はSFホラー風だが後半は使命感に燃える二人の葛藤のメロドラマでした。
本家以来、この手の映画は侵略者エイリアンと人類の戦いが相場だったが、怖いのはロシアの軍部、エイリアンを手なづけて生物兵器にする魂胆、その為の医師がタチアナでした。
エイリアンも毎夜、コンスタンチンの口から出入りするから至って小型、一応牙は見えるが怖さは本家には遠く及ばない。ところが火器ですぐ倒せそうに見せながら何故か不死身の不可解さ。
なんとかエイリアンを分離してコンスタンチンを助けたいタチアナ医師、解明が進むと寄生ではなく共生関係、コンスタンチンは自ら決着をつけるのでした。
訳あって孤児院にいるコンスタンチンの息子リョーシャを引き取るタチアナなのでしたが、劇中、度々映る施設の子はリョーシャでなく子供の頃のタチアナだったという意味深のようでよく分からないひねり方、タチアナの不屈の精神の原点はここにありということなんでしょう。
冒頭から、お堅いはずの宇宙飛行士が鼻歌交じりに軽口をたたくシーンは違和感ありでしたが、劇中でもたびたび出てくる「百万本のバラ」、加藤登紀子さんの唄でヒットしましたが元はラトビアの歌謡曲とは知りませんでした。ハリウッドのクリーチャをどうロシア風にローカライズするのかが見どころなのでしょうが妙に生真面目な湿っぽい別物になってしまいましたね。
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