パーム・スプリングスのレビュー・感想・評価
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タイムループ作品の傑作が生まれた。
昨年(2021年)、色んな映画レビュアーさんが「面白かった」と語っていた本作。アマゾンプライムでの配信がはじまったので今更ながら鑑賞しました。
結論、めちゃくちゃ面白かった!!!!!
「同じ一日を何度も繰り返すタイムループ映画」と言われて私が真っ先に思い浮かべるのは、ビル・マーレイ主演の1993年の名作映画『恋はデジャ・ブ』です。過去や未来を行き来するタイムリープ系作品は数えきれないほどの作品が作られ続けていますが、『恋はデジャ・ブ』は30年近く前の映画でありながら、それら中でも頭一つ抜きん出て面白い作品だと思っています。群雄割拠のタイムリープというジャンルの映画で、超えられない壁となっているような印象です。
そんな中、本作『パーム・スプリングス』は、28年間超えられない壁だった『恋はデジャ・ブ』に勝るとも劣らないクオリティの作品だと感じました。キャラクターの掛け合いやタイムリープの設定やストーリーの構成まで、緻密に作り上げられた新時代の最上級タイムリープエンタメ映画に仕上がっていたように感じます。複雑になりがちなタイムリープを分かりやすく映像と演出で表現し、非常にテンポが良く、エンディングのスタッフロールに挟み込まれた映像も最高です。
今後、『恋はデジャ・ブ』と『パーム・スプリングス』という高い高い双璧を超えるタイムリープ作品は現れるんでしょうか。そこも楽しみにしながら、今後もタイムリープ映画を鑑賞していこうと思います。
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妹の結婚式に付添人として参加していたサラ(クリスティン・ミリオティ)は、招待客として来場していたナイルズ(アンディ・サムバーグ)と知り合う。二人で結婚式を抜け出して良い雰囲気になっていたところ、突然現れた謎の老人にナイルズは肩を矢で射抜かれてしまう。老人から逃げる彼を追って洞窟にたどり着いたサラは赤い光に包まれる。気が付くと妹の結婚式当日の朝に時間が巻き戻っていた。それ以降サラは結婚式当日を何度も何度も繰り返すようになる。
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この映画、驚くべきことに上映時間がたったの90分しかない。複雑で冗長になりがちなタイムリープ映画なのに、めちゃくちゃテンポが良くて尚且つ非常に分かりやすい。状況説明や登場人物の心情が台詞じゃなくて映像や演出で語られているのが本当に凄い。
個人的に好きなのは映画のラストシーンです。サラとナイルズが繰り返しの中で見つけた持ち主不在のプール付きの豪邸。劇中で彼らは何度もそのプールでくつろいでいる描写がありますが、最後の展開で「ループから抜け出せた」というのを端的に分かりやすくお洒落に描いているのが素晴らしかったですね。
ここ最近観たタイムリープ映画の中では間違いなく一番私好みの映画でした。他の方のレビューを見ると、イマイチ映画のテンションに乗れなかった方もいらっしゃるみたいですが、私は大いに楽しむことができ、色んな人にオススメしたい作品です。
こういうのが欲しかった!ちょうど良いループものラブコメ
ポスターから面白さが滲み出ている今作。
前半はループする世界を楽しみますが、ある出来事をきっかけに後半からループする世界に残りたいか普通の生活に戻りたいかで意見が分かれます。そこから人生とは?人間とは?など主人公たちが悩み始めた辺りからさらに今作の深みが増していきます。
今作は、パームスプリングスという砂漠のリゾート地が舞台。プールに浮かぶ二人を真上から撮るシーンが何度も出てきます。なんとも平穏というか居心地の良さというか二人の気持ちが表れている好きなシーンです。最後のシーンもプールで終わったのはその辺りの比喩かなと勝手に思っています。
使い古されたループものですが、そこに丁度良いラブコメ+笑える下品さ+二人の視点から進んでいく脚本が合わさってとてもスッキリした気持ちになれる映画でした。
普通
軽く観れるので、観た事はいいのですが、Primeでの評価高く期待し過ぎた為か、特に響かず。
タイムリープ物などで、お話をまとめる為にそうするしかなかった結末に切なさを感じる様な部分が本作にはゼロです。
安心して観れますが、既視感が否めません。
繰り返す日常vs失っていく日常
妹の結婚式に出席し、そこで出会った男性と良い感じなるけど、なんやかんやあって結婚式前からタイムリープすることになる話。
タイムリープもの特有の量子力学をはじめ、恋愛からちょっとしたミステリーまで含んだお得セットな映画。
個人的には銃撃てる店(?)にいた店主が好き。
タイムリープして聞き出せた情報で心通わすのがお気に入りシーン。
ハッピーデスデイ好きな人にオススメな作品です。
成長こそが人生だ
ラブコメの形ではあるけど、人生で大事なことを表現してるように感じた。
毎日同じ時間に起きて、同じような事して、同じような一日を惰性で過ごしてるって
僕みたいな人は多いんじゃないかと思う。
そんな毎日が永遠に続くかって言ったらやっぱりそんな事なくって、
けっきょく一歩を踏み出す時はきっと、一緒に歩きたい誰かがいる時でっていう。
くくりとしてはタイムループものなわけだけど、
特にサラがループの中でも成長していくというか、
大学教授みたいな人すら唸らせるってくだりはすごく希望に満ちていてよかった。
ただエンドロール内のおまけみたいな場面は、ちょっと蛇足。
たしかにあの人のことは気になるけど、あれでループ構造自体に疑問符がついてしまった。
なぜ赤道ギニアへ行こうと思ったのか
ループ物の変化型。何でもし放題のはずなのにあまり悪いことはしない主役コンビに親近感がわく。いわゆる美男美女からはちょっと外れているところも。ロイさんがもう少し近くに住んでいてくれれば。
単調になりそうなところをうまく状況と感情の変化をつけることで、きちんと盛り上げていくのも良かった。でもいくらループしてとはいえ、まさかの脱出への流れで、彼女は物理の天才でしょ。
そしてここでもヤギさんが。わんこやお猫様ならわかるけど、そんなに映画界でヤギさん流行ってるの?
女優がいい
ヒロイン役の女優が美人過ぎなくていい。おもしろい幸薄顔といったら失礼だがそんな感じがした。現実世界でもあの手の女性は貧乏くじ引きがち。
タイムループによる無限の時間を勉強に使っていた。ちょうど最近見たタイムループアニメもこうすれば良かったのにと思った。
ループする毎日
タイムループものを見てると、
同じ毎日の閉塞感に息苦しくなるけど、
では、さて自分の生活は?と考えた時、
たいして変わらなくない?と思ってしまう。
もっとチャレンジしなきゃなと思います。
タイムループものは多々あるけど、
新しい点として、ループする毎日に3人のキャラクターが
いて、三者三様に考え方が違うと言う点。
ループする永遠の毎日に幸せを見出す者、
このままで良いんじゃないか?と思う者、
抜け出そうとする者、
3人が変わらない1日で右往左往する様が面白かった。
さて、自分も変わらない明日が来ると信じて
もっと大胆に行動してみようかな。
時間の問題
毎朝同じ通勤電車に乗っているいつも顔ぶれが変わらない乗客を眺めているとこう思うことがある。「俺は同じ1日をただループしているだけではないのか」という錯覚に時折とらわれるのである。おそらく席につくなりスマホの数独ゲームをはじめるハゲ親父や、腕を組んで眉間にしわを寄せながら眠りにつく若者、ショルダーバッグを肩からずり落ちそうにしながら立ち寝しているJKも、自分と同じ感覚にとらわれているのではないだろうか。循環バスや山手線のように、ただ同じ1日をだらだらと繰り返しているループのワナにはまりこんでいるだけなのではないかと。
パーム・スプリングスで行われる友達の結婚式にお呼ばれしたナイルズもまた、ほぼほぼ同じような1日を繰り返すタイム・ループにはまりこんでいる男。眠りにおちたり死んだりすると、結婚式当日の同じ朝に引き戻されるナイルズ。仕事は何をしていたのかも思い出せないほどもう長いことこのループにはまりこんでいて、そこから抜け出すことをもはや諦めてしまっているのだ。毎日違う女を口説いたりしてそれなりにループ生活をエンジョイしていたナイルズだが、同じタイムループのわなにはまりこんだサラと本気の恋に落ちてしまい…
次に何が起きるのが予めわかっている未来が待っているというのは、考える必要がない分結構楽チン。他人の行動が読めるので、半ば予言者のように振る舞うこともできちゃうのだから。翌朝になれば自分の記憶以外すべてがリセットされてしまうので、失恋のショックや死の恐怖に怯えることもない。考えようによってはこの無間地獄生活も悪いことばかりじゃないのである。しかもここは毎日バカのように晴れ上がっているパームスプリングス、留守宅にしのびこみプールに入ってビール片手にゴムボートに揺られれば、気分はもうパラダイスなのだ。
ポイントはループしている本人の記憶だけが残っているということ。実は同じ1日を繰り返していることに気づいている人物が後三人?登場しているのだが、この映画は“時間の本質”について結構鋭いところをついている。自分一人がちがう行動をしても周囲にいる人間が同じ行動をしていれば、全体としては時間が止まっているように見える。違う行動をしている人間を観察している別の人間(この映画の場合サラがそれなのだが)、言い換えるならば、昨日と違う時間を共有している誰かが他にいないと存在そのものがあやふやになる、という量子論分野の「観察者問題」に何気なく抵触しているのである。
「缶ビールを飲み干した時に感じる(次のビールに手をつけるまでの)一瞬の寂しさ」“もののあはれ”にも通じるその孤独感を共有できる人間が側にいないと、時間は後戻りするばかりでけっして前には進まない。いとおしいと思う人が側にいると、その人と別れたくないという思いが自然とわきあがり、離れている時間の重みにも気づかされる。現状維持に甘んじていたナイルズが、その孤独を共有できるサラと出会い、ループのワナから脱出をはたすのは、もはや“時間の問題”だったのである。
同じことの繰り返しに付き合うほど暇じゃないんだ‼️❓
ただ、出演者の演技力だけで、なんとか最後までたどり着いた。
主役二人とジジイの演技だけで。
コメディ狙いなのだが、とても痛いエピソードだけで失笑だけで後味が悪いことが蓄積してストレスが溜まる。
しかも、似たような展開が無限に♾。
観てるこちらが拷問を受けるようなストーリー、暇ならどうぞ。
ループギミックをうまく使って展開を絶妙に裏切っていくのがワクワク
こっそり大傑作。
死ぬたびに同じ一日を繰り返すループモノ・ラブコメ。
SFとラブコメ、どちらの側面でも展開がずっと気になる。
終わらせ方に強引さはあれど、映画館を出たときにすごくいい気分になってました
全体的に登場キャラの口が悪いのがいい。アメリカ!って感じ。
登場するキャラがみんな魅力的だから物語が活きる。
特にヒロインが大きい目とちょい病み属性な雰囲気、宇垣美里さんを思わせるルックスでドツボだったー。服装も素敵なのです。
SF要素を含みながら、人間関係も丁寧に描いている。期待と後悔。諦めと挑戦。
ループギミックをうまく使って展開を絶妙に裏切っていくのがワクワクしたー。
B級ならではの粗さもありながら、面白さを引き出す部分はしっかり作り込まれてる。
おすすめ作!
真実の愛…
発想が面白い。ループし続ける世界の中で、いい加減な男が愛する人を見つけるストーリー。ある事がきっかけで同じ一日を繰り返し続ける世界に入り込んだ男。起こること、関わる人全てが分かっており、寝れば元通り、死なない。ひょんなことから女性も道連れにしてしまい、二人は同じ日を好きなように繰り返す。病気にならないし、嫌なことも避けられるし、社会の不条理も味わうことはない。彼女の浮気はわかってしまうが。やがて二人は恋に落ちるが、愛する人がいるのであれば、抜け出す必要もないと確かに自分でも感じてしまう。今まで自分一人が繰り返す孤独を味わっていたことだろうし。しかし、この人とのもっと楽しい未来を考えたとき、抜け出す決意をする。同様に道連れにされた彼を追うロイはむしろ幼子と戯れ、幸せを楽しんでいた。彼の年齢を考えれば、これはこれでわかるし、自分もそうしたいかもしれない。色んなことを考えてしまう素敵なファンタジー。
ヤギさん
何度も同じ朝から始まり抜け出せない。ちょっとやってみたいような、そんな気にさせてくれる部分もありつつ、男女の複雑な恋愛も絡めてロイの語りもあり、やっぱり進んで行くって大切ね、と。
何か80、90年代を感じさせる、のぼーんとした感じが良かった。
#72 同じ日を何度も繰り返す楽しみ方
恋人の妹の結婚式の日を何度も何度も繰り返す主人公。
眠るか死ぬと目が覚めて毎日同じ11月9日を迎えるが、歳を取らない毎日をそれなりに楽しんでいた。
恋人の姉も同じ日を繰り返すようになり、彼女はループ人生から抜け出すために懸命に努力する。
私なら歳を取らないで済むなら毎日同じ日をループする人生を選ぶかも。
どんなに間違いを犯してもまたやり直せるなんて最高じゃない?
ループの抜け出し方がユニークな作品。
ジャケットとのギャップNo1
タイムループコメディといった内容で、序盤からよくわからないまま吞んだくれで不埒な主人公が好き勝手やっていく展開に疑問符だらけのスタートだが、徐々になぜ主人公が若いのにこれほど人生に嫌気がさしているのか物語の核心に迫っていく、それと同時に人生とは幸せとはという大きなテーマをも考えさせられる秀逸な良作
笑い(下品ではあるが)を織り交ぜ、展開の布石を散りばめさせ飽きさせない展開な上に、タイムループという複雑な設定、90分というコンパクトな脚本と編集、映画を見終わったあとにいいもの観たなとじわっと感じられる一作と思う
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