パーム・スプリングスのレビュー・感想・評価
全35件中、1~20件目を表示
結婚式で疎外感を味わう男女はどちらも異次元の体験者
ここ数年、タイムループ映画が多い気がする。パイオニアは言うまでもなくビル・マーレイ主演の『恋はデ・ジャブ』(93)だが、同じ1日が何度も巡ってきて、そこから抜け出せない主人公の徒労感と言うか閉塞感はあの映画でフォーマットが完成した気がする。なのに、またまた現れた新手のタイムループ映画がこれ。何が新しいかって、本作でループにハマる主人公のナイルズには、サラという仲間がいるのだ。彼らは何が起きても常にリセットされる人生に、何らかの意味を持たせようと努力する。意味とは、2人の関係性だ。ただただ時間が回転する空間を共に生きる相手が、果たして、自分にとって意味のある存在なのか?という。キャラ設定がうまい。誰も知らない異常な時間軸を往来するナイルズとサラは、どちらも結婚式というお定まりの儀式に全然馴染めないでいる。その疎外感がタイムルーパーにはぴったりなのだ。また、舞台になるパーム・スプリングスの閉ざされた砂漠の街感が、この話にぴったり。ちょっと郊外まで歩いたら何があっても不思議ではない、という。最も笑ったのは、ナイルズとサラがループに対して自暴自棄というか、むしろだんだん挑戦的になっていく件。これは、巻き込まれ型ループ映画の意外な新規軸かもしれないと思った。現在、もう1本のタイムループ映画『隔たる世界の2人』(今年のアカデミー短編映画賞候補)がNetflixで配信中なので、こちらも強くオススメします!
毎日が結婚式?
ゴールデングローブ賞にもノミネートされたし興業的にも成功した話題作、毎日が結婚式というタイムループから抜け出せなくなったバカップルのラブ・コメディ。
ところが個人的には全く合わない恋愛映画、先ず下ネタの多い下世話なセリフ、役者もJ・K・シモンズ以外は馴染みが無いし、酒とセックスと馬鹿騒ぎの繰り返しが鼻につきます。
戻る日付は同じだが記憶も持続し自由行動できる好都合なタイムループ、ループからの脱出に量子力学を持ち出すのは奇抜だが爆死と何がつながるのか意味不明。
作家性が強すぎて馴染めない映画でした。
タイムループしながら育む新しい恋の形
タイムループに巻き込まれた男女の恋愛模様を描く。寝てしまうとまた同じ一日を繰り返してしまうので、何とか寝ずに過ごそうとしたり、開き直って不法侵入したり色々と羽目を外す二人が面白い。しかし二人には互いに内緒にしていた秘密があって・・・。同じ時間軸でも、どちらの視点で描くかで物語が異なり、観ていて飽きない。
【セッション】のJ・K・シモンズが、タイムループに巻き込まれた男を好演。主人公を恨み殺そうと執拗に追い回すも、最後は家族との一日を永遠に過ごせることに喜びを見出す。
砂漠のリゾート(田舎町)の結婚式当日が舞台。
主人公は二人。
①花嫁の姉、サラ
②花嫁の友人ミスティの同伴の彼氏、ナイルズ
結婚式は滞りなく進み、披露宴に突入。
結婚式当事者とは何の関係もない、ストレンジャーのはずのナイルズが、マイクを奪ってスピーチ。それが的確で、感動の拍手喝采。
親族出席のナイトパーティでは、ナイルズはサラを口説き始める。良い雰囲気になった二人は砂漠へ抜け出す。
ところが、ナイルズはロイと呼ばれる謎の追跡者に矢で射られ、砂漠の洞窟へ逃亡。
これを心配したサラも同じように洞窟へ。
目が覚めると、再び結婚式当日だった。
ナイルズはタイムリーパー。
この結婚式をエンドレスリピートしているらしい。
洞窟に入ったことで、ループする羽目になった。
ストレンジャーにも関わらず、何度もリピートするうちに親族にすっかり詳しくなってしまったのだと。
それを聞いたサラは、急いで結婚式場から車で抜け出そうとする。ところが砂漠の田舎町。次の町に辿り着く前に夜になり、ウトウトしてしまいリセット。
死んでも、寝ても、結婚式当日の式場で目が覚めてしまう。
ナイルズは、式場の関係者を一通りナンパするミッションを敢行。唯一ナンパに成功しなかったのは、花嫁。
結婚式の最中に花婿の後ろに立って、花嫁を口説き始める。何度もトライするが失敗。
暇すぎて、することがなくなっていく。
追跡者のロイとは誰だったか?
リセット何回目かの結婚式で、式場に来ていた親族の一人を洞窟に誘い出したことがある。それがロイ。
「あの洞窟に入ってみて」
タイムループに巻き込んだ、リセット仲間。
永遠に結婚式が続くので怒っている。時々、アーチェリーを持って追いかけてくる。
タイムリープもののコメディ。面白かった。
コメディとして気楽に見れば楽しめるのかなぁ
ずっと同じ11月9日を生きてるマイルズと、そこについてきてしまったサラ。
前向きにこのままこの世界を生きようよ〜♪と楽観視してるマイルズ。
ビールあおって、殴られようが殺されようがどうせリセットだし〜と、この世界に一生いるつもり。
サラは毎日同じ日を繰り返すことに絶望的、、
寝ないで過ごそうと試みたり、自殺してみても結局同じ日に戻ってしまう、、
ならばとサラは独学で勉強していってタイムループの仕組みを探っていって2人でこの世界から抜け出す道を見つけてくっと。
結局、親族の結婚式で昼間はプールでダラダラ、ただ酒を1日中飲んでるだけでいい、極楽みたいな生活でも
人間はやっぱり変わり映えを好むってことなのかな、
なんだかなぁ‥
同じ日のループ。
煉獄ですよね。
でも本人達だけはループしてるけど、
それ以外の時間軸は進んで11/10は来るわけで、
その場合の時間軸の2人もまた存在してるわけで‥。
ループにハマった時間軸の2人が、ループを繰り返せば繰り返すほど、
ループの記憶を持ったまま翌日に進めた時間軸の2人も無限に存在するって事で‥
そうなると前日に2人がやらかした事は、
その延長上の時間軸の2人がキッチリ負わされるわけで‥
嗚呼、もう、
この手のパラレルワールド系は考え出すと訳分からんくなる。
とりあえず、
自分はループするからってあんまり無茶苦茶すると、
そっから分岐した延長上の時間軸の自分に迷惑かかるから、ほどほどにね。
ロイだけ取り残された感じで可哀想‥。
知らんけど。
恋愛コメディSF
タイムリープ系の恋愛コメディで「アバウトアタイム」系譜な作品でした。
同じ日に閉じ込められる絶望、という視点は面白いと思いました。明日が来ないことが幸せか、地獄か、という問いには考えさせられましたね。
映像もキレイで、タイムリープの性質上同じ様なシーンが多くなってしまうんですが、色々なシチュエーションをいれたりしながら上手く演出されてました。
結構SFよりな設定でしたので、ストーリーはもうひと捻り欲しかったですね。
理論無視の超能力ではなく、現代物理学の一つの現象として描いてました。
主人公がどれくらい幽閉されていて、いかに悟ったかは、もっと深堀できそうと思いました。千回はやったという話がありましたが、どちらかというと尻軽女として見てたというカミングアウトでしたが、実はもう10000日以上いるとか、そういった驚きも欲しかったかなと。もしくはスピーチを褒めるあのおばあちゃん以外にもタイムリープしている人をにおわすとかですかね。
全体的には面白かったと思います。
なるほどですね
タイムリープ系です。
が、最後には自分の力でループから抜け出せるって言う、ループがなくなる映画です。
過去を変えたりするループはよくありますが、ループから抜け出すって映画、なかなかなかったような気もして、おもしろいなぁーって見てたけど、終わって、おもしろかった!!!というよりは、なるほどね、普通!ってなる感じでした。
コメディ調に作られてるからそう思ったのかもしれません。
重たく見ずにいられる、気軽に見ていられるタイムリープ映画でした。
あの時のお姉さんの最初の浮かない顔とか、色々な理由は、式を上げる妹の旦那とやってたからなんですね。
なぜそのようになったのかとかも知れてたらもっと面白く感じたのかもしれません。
お姉さん、最悪じゃないですかね。
妹が可哀想すぎて。
まるで映画で見るとヒロインだけど、普通に最悪女です。
2人の過去が全然わからない映画でした。
そこが着眼点じゃないのは分かりますが
2人を知らなすぎて結局、誰だったの?って感覚でした。
見ても見なくてもいいと思いました。
最後タイムリープに入っちゃったおじいさんの問いに
どなたですか?と答えます。
リープしてた過去は覚えているのに
おじいさんのことは覚えていないのですか?
タイムループ作品の傑作が生まれた。
昨年(2021年)、色んな映画レビュアーさんが「面白かった」と語っていた本作。アマゾンプライムでの配信がはじまったので今更ながら鑑賞しました。
結論、めちゃくちゃ面白かった!!!!!
「同じ一日を何度も繰り返すタイムループ映画」と言われて私が真っ先に思い浮かべるのは、ビル・マーレイ主演の1993年の名作映画『恋はデジャ・ブ』です。過去や未来を行き来するタイムリープ系作品は数えきれないほどの作品が作られ続けていますが、『恋はデジャ・ブ』は30年近く前の映画でありながら、それら中でも頭一つ抜きん出て面白い作品だと思っています。群雄割拠のタイムリープというジャンルの映画で、超えられない壁となっているような印象です。
そんな中、本作『パーム・スプリングス』は、28年間超えられない壁だった『恋はデジャ・ブ』に勝るとも劣らないクオリティの作品だと感じました。キャラクターの掛け合いやタイムリープの設定やストーリーの構成まで、緻密に作り上げられた新時代の最上級タイムリープエンタメ映画に仕上がっていたように感じます。複雑になりがちなタイムリープを分かりやすく映像と演出で表現し、非常にテンポが良く、エンディングのスタッフロールに挟み込まれた映像も最高です。
今後、『恋はデジャ・ブ』と『パーム・スプリングス』という高い高い双璧を超えるタイムリープ作品は現れるんでしょうか。そこも楽しみにしながら、今後もタイムリープ映画を鑑賞していこうと思います。
・・・・・・・・・・・
妹の結婚式に付添人として参加していたサラ(クリスティン・ミリオティ)は、招待客として来場していたナイルズ(アンディ・サムバーグ)と知り合う。二人で結婚式を抜け出して良い雰囲気になっていたところ、突然現れた謎の老人にナイルズは肩を矢で射抜かれてしまう。老人から逃げる彼を追って洞窟にたどり着いたサラは赤い光に包まれる。気が付くと妹の結婚式当日の朝に時間が巻き戻っていた。それ以降サラは結婚式当日を何度も何度も繰り返すようになる。
・・・・・・・・・・・
この映画、驚くべきことに上映時間がたったの90分しかない。複雑で冗長になりがちなタイムリープ映画なのに、めちゃくちゃテンポが良くて尚且つ非常に分かりやすい。状況説明や登場人物の心情が台詞じゃなくて映像や演出で語られているのが本当に凄い。
個人的に好きなのは映画のラストシーンです。サラとナイルズが繰り返しの中で見つけた持ち主不在のプール付きの豪邸。劇中で彼らは何度もそのプールでくつろいでいる描写がありますが、最後の展開で「ループから抜け出せた」というのを端的に分かりやすくお洒落に描いているのが素晴らしかったですね。
ここ最近観たタイムリープ映画の中では間違いなく一番私好みの映画でした。他の方のレビューを見ると、イマイチ映画のテンションに乗れなかった方もいらっしゃるみたいですが、私は大いに楽しむことができ、色んな人にオススメしたい作品です。
なぜ赤道ギニアへ行こうと思ったのか
ループ物の変化型。何でもし放題のはずなのにあまり悪いことはしない主役コンビに親近感がわく。いわゆる美男美女からはちょっと外れているところも。ロイさんがもう少し近くに住んでいてくれれば。
単調になりそうなところをうまく状況と感情の変化をつけることで、きちんと盛り上げていくのも良かった。でもいくらループしてとはいえ、まさかの脱出への流れで、彼女は物理の天才でしょ。
そしてここでもヤギさんが。わんこやお猫様ならわかるけど、そんなに映画界でヤギさん流行ってるの?
女優がいい
ヒロイン役の女優が美人過ぎなくていい。おもしろい幸薄顔といったら失礼だがそんな感じがした。現実世界でもあの手の女性は貧乏くじ引きがち。
タイムループによる無限の時間を勉強に使っていた。ちょうど最近見たタイムループアニメもこうすれば良かったのにと思った。
真実の愛…
発想が面白い。ループし続ける世界の中で、いい加減な男が愛する人を見つけるストーリー。ある事がきっかけで同じ一日を繰り返し続ける世界に入り込んだ男。起こること、関わる人全てが分かっており、寝れば元通り、死なない。ひょんなことから女性も道連れにしてしまい、二人は同じ日を好きなように繰り返す。病気にならないし、嫌なことも避けられるし、社会の不条理も味わうことはない。彼女の浮気はわかってしまうが。やがて二人は恋に落ちるが、愛する人がいるのであれば、抜け出す必要もないと確かに自分でも感じてしまう。今まで自分一人が繰り返す孤独を味わっていたことだろうし。しかし、この人とのもっと楽しい未来を考えたとき、抜け出す決意をする。同様に道連れにされた彼を追うロイはむしろ幼子と戯れ、幸せを楽しんでいた。彼の年齢を考えれば、これはこれでわかるし、自分もそうしたいかもしれない。色んなことを考えてしまう素敵なファンタジー。
明日が来る方がいい
元々男の方がタイムリープを繰り返して、毎日同じ日だけど、記憶は残ってのタイムリープを繰り返してる所に、
たまたま巻き込まれてしまったヒロイン
最初は繰り返しを断ち切ろうといろいろするけど、死んでもどうせ同じ日に目覚めてしまうので、
諦めて、タイムリープを繰り返す主人公と二人で、毎日を楽しむようになる。
この辺りのどうせふざけても、周りに影響しないとわかってからの盛り上がってる所はノリノリでいいね(笑)
同じ毎日とはいえ、二人の記憶は積み上がるから、繰り返すうちに恋愛関係になって、
でも秘密がばれて会わなくなることになり、
一方でヒロインは、抜け出す方法を見つけ出して、
まぁハッピーエンドかな(笑)
ずっと同じ日続く=年取らないってのが、果たして幸せなのかなって、
やっぱり明日が来るって、大事だなあと
こんなご時世だからこそ、こういう異次元系のアメリカのコメディ映画いいよね
十年一日の如く
同じ一日が繰り返される話と言えば、「恋はデジャ・ブ」を参照せざるを得ないが、あちらが朝6時にリセットされるという物理的時間だったのに対して、こちらは失神や死のタイミングで朝の覚醒時に戻るという主観的時間に依っているようで、しかも一人ではなく複数名ということになると、同じシステムの中にいてもお互いの経験知に齟齬が生じるような気がするのだが…。反復から抜け出す方法も爆弾を破裂させるという雑なもので、およそ説得力がない(その点は「恋は…」も同じだが)。
主役二人は私にはなじみのない人たちだったけど、女優の目、でかっ!と思った。
あと、あの首長竜は何だったんだろうか?
こんなご時世だからこそラブコメ最高ーー!
砂漠のリゾート地が舞台のラブコメディ。
結婚式に出席したナイルズと花嫁の姉サラが繰り広げるタイムリープにゲラゲラ笑った〜
何万回も結婚式当日に戻るんだけど、2人の言動次第でその一日が色々変わるんだよね…まるでたったひとつの正解を探していくかのように。
観ている私はゲラゲラ笑いながらも、今を生きることやホントの幸せとは何か?考えさせられた映画。
砂漠のリゾート地パーム・スプリングスに行った気分になってビール飲みたい!帰ったら絶対にビール飲むぞ!
というプチリゾート感味わえた〜笑笑
こんな鬱屈してるご時世だからこそ、ラブコメ最高ーー!
上映館が減ってしまってるけど連休中にぜひぜひ〜
友だちとわいわい観たい、明るいSF
タイムループ物はいろいろあるけど、毎日を繰り返すことで、何か悪の組織と戦うわけでも、人生を深刻に考え直すのでもなく、「どうせなら無駄なことしようぜ!遊んじゃえ!」となるところが、本作の特徴であり、魅力。明るくてカラッとしてて良い。
ループから脱出する手段も、真面目に物理学を勉強して、地道に実験を重ねて到達するというのも面白い。
映画館で観るのももちろんいいけど、部屋で友だちとかとお酒飲みながらわいわい観るのも楽しそう。
とても面白い
タイムループにはまって抜けられなくて困るというのが斬新だ。描かれていない物語の奥行きがある。イーグルスの『ホテルカルフォルニア』みたいな印象の話で、何が幸福なのだろうと考えさせられる。あの状況で言わば神の立場でやりたい放題はちょっとうらやましい。主人公もヒロインも若くないしそれほど美男美女でもなく、身近な感じが魅力的だった。
全35件中、1~20件目を表示