野球少女のレビュー・感想・評価
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彼女の一球一球が時代を切り開く
主人公の鋭い視線。どんな困難が立ちはだかろうとも決して枯れない情熱。そう書くと映画を見る前からある程度の展開は予測できそうなものだ。だが本作はそういった方程式を用いつつ、自ずと壁を超えてくる。いや、決して勢いに任せてとか、スタンドからの応援に導かれてというものではなく、むしろ際立つのはグッと魂を踏ん張って耐え忍ぶ姿。泥臭さすら覚えるほどの葛藤や奮闘を経て、「プロになりたい!」と願い続ける彼女の姿が少しずつ周囲の固定観念に風穴を空けていく。フロントランナーならではの情景や、彼女にしか口にしえない心情を紡ぎ上げた脚本は濁りがなく巧みだ。その上、誰よりも挫折のつらさを知るコーチ、幼い頃から彼女の背中を追い続けてきた青年、そして様々な事情を抱えた家族が各々に織りなす人間模様がストレートにしっかり胸に響く。音楽の使い方もユニーク。光と彩りを添えるかのように、本作の味わいを無二のものへ昇華させている。
物足りなさもあるが、不屈の精神に感銘
ドラマ「梨泰院クラス」でトランスジェンダーの役を演じたイ・ジュヨンが、今作では“男の世界”である韓国のプロ野球界に挑む女子高校生に扮しており、若くしてジェンダーの平等や多様性といったテーマを託される俳優になりつつある。いわゆる典型的な美人女優ではなく、クールな顔立ちと強い意思を感じさせる目力がそうしたキャスティングの一因だろうか。 小柄だが130km/hの直球を投げるチュ・スインは、男子ばかりの高校野球部に特例で入部し3年目を迎え、卒業後もプロに進みたいと切望する。部の監督やコーチ、母親からも反対されるが、諦めずに努力を続ける姿に周囲も考えを改めるようになり、やがてプロ球団のテストを受けるという大きなチャンスを得るが…というストーリー。 イ・ジュヨンは撮影前に投球の猛特訓をしたそうだが、リトルリーグ時代から男子をしのぐ活躍をしていたという設定の割に、肘が曲がったままのフォームは不自然さを感じさせ、速球投手というキャラクターに説得力が足りない(投げた球が映るショットはCGで処理している)。あと、予算的な事情だとは思うが、通常のスポーツ映画なら最大の盛り上がりになるであろう試合の場面が一度もないのはやはりさびしい。本作が長編デビューとなるチェ・ユンテ監督は、トライアウト(入団テスト)のシークエンスなどで中々達者な演出を見せているので、次作に期待したい。
韓国作品の多くは家族の圧が強すぎる
初鑑賞 韓国プロ野球でプロになれる実力がない韓国人女性が諦めずプロを目指して野球を続ける話 主人公は高校の野球部の女子選手スイン ドラフトでは指名されず母からは諦めることを勧められるが絶対に諦めないスイン 野球部のパク監督の肝入りで採用されたプロ経験がないキムコーチの指導で130キロの速球に加えナックルを投げはじめたスイン 母の世話で就職したものの途中でいなくなりやっぱり野球 プロチームのトライアウトに挑戦するスイン スイン役のイ・ジュヨンはなんとなくだが平手友梨奈からエグみを全て取り払った感がある 6月に公開される是枝監督の映画にソンガンホやペドゥナと一緒に出演しているので今から楽しみである ちなみにスインの母親役は広岡由里子に似ていた 『野球少女』に限らず野球映画は野球のルールがわからなくても楽しめる内容になっているのが普通だ なぜなら野球が分からない人にも観に来てもらいたいからだ 内容が内容だけにこの野球映画に陽気さが乏しい 野球ものはではないが映画化もされた原秀則の漫画作品『冬物語』のような雰囲気を醸し出している 選りすぐりの男たちに混じって女がプロ野球の仲間入りするというのは現実的に叶わぬ夢の話 残酷なまでの実力社会に男女機会均等なんて瞬時に跳ね返される 『野球狂の詩』の水原勇気など女子プロ野球選手が登場する漫画やアニメは少なからずあるが所詮架空の話だ ナックルに飛びつくのはありがちな発想だ だがそれでプロで通用するかといえば現実は厳しい この作品でのナックルの投球フォームは大成したナックルボーラーと全く違う 韓国映画は国際的に評価が高いが野球にそこそこ知識がある人からすれば大チョンボといえる ナックルボールは特殊な変化球 握りだけでなく投げ方も独特 チェンジアップやカーブなどと違い本来速球と交えて緩急をつけるために投げるような球ではない KBOでもNPBでもナックルボーラーとして大成した投手を聞いたことがない 本場アメリカ大リーグでさえニークロ氏やウェイクフィールド氏などいることはいるが滅多にいない 監督はナックルのことをよく知らなかった可能性がある 彼らの投球フォームはYouTubeでも見れるはずだから参考にしてほしかった KBOは新人採用のシステムがNPBとは違うのでドラフト会議で指名されなくてもドラフト外でプロ野球選手になれるのかもしれない NPBも昔はそうだった 結局なんやかんやでスインのプロ野球選手になる夢はめでたくも叶う訳だが 最初から最後まで淡々と平坦に話が進んでいく プロになったからといって盛り上がらない いかにもミニシアター系でエンターテイメント性に欠ける 韓国映画を手放しに称賛し日本映画を貶める輩には満足かもしれないがこれは薄味で物足りない でも決して悪くはない 韓国は儒教の教えが根強く家族主義の印象がまだまだ強い 韓国には家族愛の日という休日があると聞く 韓流ドラマや韓国映画を観るとまず感じることは家族の圧は強すぎることだ ファミリー志向ならアメリカだって負けてないが個人の尊重をするせいか圧は強くない 日本の作品の多くに観られる家族風景が当たり前になっているので韓国のそれはとてもウザく鬱陶しく軽い拒否反応を示してしまうのだ それでも作品としては星3つはあげたい
差別に阻まれながらも夢に挑む少女
やはり最近の韓国映画には勢いがあって面白い。そう感じさせる作品だった。予想以上に社会派要素とエンタメ要素のバランスが取れた作品だった。面白さ、切なさ、味わい深さを堪能できる青春映画の傑作だった。本作は、男女差別の厚い壁に阻まれながらも、プロ野球選手になる夢に挑み続けた少女の物語である。画面から、主人公の、夢を諦めない、夢に妥協しない、夢を追い続ける覚悟と勇気が伝わってきて熱いものが込み上げてきた。 本作の主人公は、高校3年生のチュ・スイン(イ・ジュヨン)。彼女は野球部に所属する天才野球少女であり、プロ野球投手になることを夢見て厳しい練習の日々を過ごしていた。しかし、女子という理由でプロ野球トライアウトも受けられず、周り、特に母親からは猛反対される。そんな彼女の状況は、新任コーチのチェ・ジンテ(イ・ジュニョク)が来たことで一変する・・・。 前半、主人公は夢を掴むための試練の連続である。主人公役のイ・ジュヨンは鋭い眼光と誰に対しても挑んでいくような演技で、絶対に夢を掴み取るのだという強い意志と努力しても夢に近づかない苛立ちを熱演している。 新任コーチは主人公の投球の長所を見つけ長所を活かした投球を教える。今まで、剛腕男性投手を目標にしていた主人公は、自分の持ち味を活かした投球術を会得し、夢への活路を見出していく。 主人公の地道な生き方を願う母親と、夢を追いかけ続ける主人公。母子は衝突を繰り返しながらも次第に相手を理解し寄り添っていく。極めてリアルな母子関係が本作のアクセントになっている。ヨム・ヘランが生真面目な母親役を好演している。 後半は、試合シーンが多くなり一気に主人公の夢追い物語になっていくが、幕切れは本作らしい現実的なものだった。ラストでの主人公の清々しい表情が強く印象に残る。 本作は、プロ野球を例題として、普遍的に、固定観念や差別の壁を乗り越えて夢に挑むことの壮絶さと素晴らしさを実感できる作品だった。
スポ根かと思いきや
ドデカく野球少女なんてタイトルが出てるからスポ根映画 かと思いきや、 もっと精神面を押し出した映画で、 僕としてはもっと野球シーンを見たかったなと思いました。 主人公が有名な選手と言うのは言葉では言ってるのだけど、 こんな事をしてスゴいから有名だと言うのを絵で見せて 欲しかった。 野球少女と言う割に肝心の野球シーンがショボく感じたのも 残念だった。 男の世界で女子が野球を続けて行く大変さ、 気持ちを持続させるあきらめない気持ちの美しさは 分かるけど、 練習シーンとかも少なくて、 主人公としては男も女も関係ないだろ? と言う精神状態からでやってるはずなので、 今の君だと、もっとスゴい男の選手を取ってあたりまえだよ と思ってしまいました。 野球シーンもっと見たかったなぁ。 チームメイトとの絆とかスポ根を期待して見た僕には 押さえるべきポイントを押さえてなくて物足りなく 感じました。
サッカーは女子も人気も野球は?
実際の試合や実践的な練習場面が少なくちょっと残念。本人の頑張りはもちろんコーチの協力、チームメートの存在(初恋相手?)も大きかったが、最後は母親の存在なのかと思う。母親が寄り添うのが遅かったがそれが良かったのかも。ドラマでもよく見る韓国の底辺で生活する人たちの大変さも伝わってくる。訳のわからん母親と思っていたが、球団に呼び出されて契約書にサインを求められたときに、契約金を支払わなければと勘違いし、用立てするのに時間が欲しいと言ったとき、この場面に全て凝縮されているような気がした。それはそうと父親の宅建はどうなった?
マニュキュア
常識を打ち破るといえば大谷がまさに野球界でやっている訳であるが、単なるジェンダーの話を超えた強いメッセージを投げこんでくる。そこは信じてストレートというのも良い。結果ではなく、信じて挑むことに意味がある。まるでロッキー。 肝心の投球に説得力がない。というかほとんど見せてくれない。スポ根的なトレーニングは疑問があり。実戦のなかで結果を残して評価される世界で、それをショートカットという無理。このあたりもロッキー。
映画「はちどり」が好きな方 是非!
梨泰院クラス好きな方、イ•ジョユンが好きな方”のみ”にお勧めできる作品でした😊 ロッキー的な、ガールズエンパワメント系ムービーを期待していたのですが、結構まじめな作品でした。 鑑賞後の気分が高まるのを期待していたのですが、正直それはなかったです。 ただ、韓国における「女性」と「社会」という切り口で描かれたテーマとして考えると、映画「はちどり」などの方が近いかも。 主人公の母と娘の関係や、父と母の関係など、韓国社会そのものに関心がある方にお勧めです‼️ 鑑賞後の気分が高まるのを期待していたのですが、正直それはなかったです。 ただ、韓国における「女性」と「社会」という切り口で描かれたテーマとして考えると、映画「はちどり」などの方が近いかも。 主人公の母と娘の関係や、父と母の関係など、韓国社会そのものに関心がある方にお勧めです‼️
良い映画なのにタイトルがダサい(涙)
人生において誰と出会うかが重要だということを考えさせられた映画でした。 スインはコーチとの出会いが無ければ夢を叶える事は出来なかったと思うし、母親の理解を得る事も無かったと思いました。 この映画では母親役のヨム・ヘランさんが凄い良かった。 定職に就かないダメ旦那の代わりに働き、一家を支えながら育児に奮闘していたらストレス溜まりまくりで怒鳴り散らしたくなるのもわかります(笑) 球団との契約シーンで母親が600万のお金を娘の為に工面すると言い出すシーン… 凄い良かったなぁ~ 母親の勘違いなんですがね(笑) 映画を見終わった後、プロ野球の世界で女性投手がマウンドに上がるシーンを本当に見てみたいと思いました。
青春溌剌映画ではない
9割は暗い、野球のシーンもない、かといってダイバシティをテーマとしてる風でもない 観終わった後の爽快感もさほどない でもところどころでの登場人物のいい人ぶりが、わざとらしくなく心地よい
韓国も(日本も)高校野球は、プロへのステップなんだ
昔の野球マンガ「ドカベン」水原勇気!を思い出し懐かしくもあり、こころ踊った。 この映画を、見て、改めて 日本のプロ野球、高校野球(甲子園大会)が、つまらない(惨め)要因のひとつ チームも選手も、個性がないこと、皆、同じタイプのチームであり、選手、であることを、深く思った。きっと韓国も同じなんだろうね。 主役の投球ホームは、半端なく本物。 そして、練習へのストイックな取り組み姿勢。 アイドル化してないのが、よかった。 カメラ割、編集が上手いのかもね。 余談ですが、多くの人が見に来てくれていたのも、何故か、嬉しかったです。
夢を追う姿に共感。淡々と問う、“男女の別の違和感”。
【賛否両論チェック】 賛:周りの圧力に負けることなく、自分の夢へと向かって突き進むヒロインの姿がカッコイイ。静かに訴えかけられる、“男女の別がもたらす違和感”にも、思わず考えさせられる。 否:物語はかなり淡々と進む印象。試合のシーンはかなり少ないので、野球モノを期待して観ると、拍子抜けしてしまいそう。 男性ばかりのプロ野球の世界を目指し、文字通り血の滲むような努力を続けるヒロイン。今の時勢にあって、ともすると非常にナーバスなテーマでもありますが、本作では“女性”を声高に主張する訳でもなく、それでもしっかりと、“男女の別がもたらす違和感の存在”を訴えているのが印象的です。 そして純粋に、周囲からの声に臆することなく、自分の夢を叶えるために孤軍奮闘するヒロインの姿には、感動させられるのも魅力の1つです。 また、「野球の映画」というと、野球をよく知らない方が敬遠してしまいそうですが、試合のシーンは驚くほど少ないので、ルールなんかをよく知らなくても、基本的には問題ありません。逆に、いわゆる“野球モノ”を期待して観てしまうと、どうしても「これじゃない感」があると思います(笑)。 ストーリーそのものもかなり淡々と進んでいくので、どちらかというと人間ドラマに注目させられるような、そんな作品といえそうです。
野球に対する熱い思い
一球、一球に込められた思い、野球を愛する気持ちが伝わってきました✨ 夢と現実の狭間に苦悩する姿を見ることができました。困難にぶつかっても、壁を打ち破り、頑張る姿を応援したい気持ちになりました。 はじまりのようなラストに、希望が持てました✨
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