くれなずめのレビュー・感想・評価
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愛おしいほどの時間が流れている
友人の結婚式のために集まった昔の仲間たち。今ではそれぞれ異なる人生を歩んでいるのに、いざ顔を合わせると数年のギャップなんて存在しないかのように丁々発止のやりとりが始まるーーーー。ここに描かれた物語に共感しない人なんていないはず。これほど心を寄せてしまう背景には、本作の構成や撮り方、編集のあり方が大いに関わっているのだろう。すなわち、現在の場面では基本的にワンシーン、ワンカットが用いられ、回想になるとそれがカット割された映像へと切り替わる。記憶を浮かんでは消えていく泡沫のようなものと捉えた時、この構成が非常に考え抜かれたものであることが理解できよう。そうやってナチュラルに沁み込むからこそ、96分に及ぶ作品世界が幕を下ろす頃、彼ら一人一人がとても味わい深く大切な存在に思えた。各々の個性を際立たせつつ、全員がギュッと一体化した空気感をも活きいきと写し撮る。愛おしいほどの時間がそこには流れていた。
くれなずむ 夕日背にして 一人立つ かなしからずや 春、遠くなりけり
・30歳の時に研修生の女性の先生の容姿端麗の話なんかしないだろう。
・今の若者はまだ結婚式なんかやってんだろうか?
・18歳高校三年がヒゲはやして、長髪なんて今どきはいるの?知っている範疇では、髪の毛を染める子供はいるが、ヒゲを生やす者は一人もいない。
・仲良しと言うよりもわずらわしいと思う。
・21歳の男同士で酒飲ながら、添い寝するか?
・結局、高校卒業してからずっと酒のんでばかりいる。男だけで酒ばかり飲んでいれば、少子高齢化は免れない。
・30歳位になれば一人くらい死ぬ友達もいるだろう。僕は66歳になってもそんな友達はいない。なぜなら、友達がいないから。
・それは兎も角。友達の死くらいで人生変わらないだろうし、死んだ原因が災害であるようなので、それで良いのだろうか?
『先に手を洗ってから』パンデミックが流行していた時僕もそう思っていた。
『やすい笑いで誤魔化している』つまり『安いお情けで誤魔化している』って事だ
日本の舞台劇の現状でしょう?
30歳くらいでヘラヘラしていては、僕の年になるまでに大変な事になるよ。アドレナリンが出過ぎている。
・踊るなら、ちゃんと踊って貰いたい。
・『老けたなあ』って言うがこれからもっと老けるよ。
それで、この芝居は何を言いたいの?!
劇中の台詞『人の気持も理解出来ないのに芝居をするな』
ラストがな~
途中までは「死んだけどなぜか見えている」というありがちな設定を上手く料理している印象だった
ただ、ラストが急にチープなSF展開になって「なんだかな」となった
監督としてはそこがシュールで面白いと思っているのかはわからないけど、ラストで一気に興味がなくなった
バカバカしさで思い出を上書きする
ある程度長く生きていると何かに紐付いた過去の記憶というものがあったりする。紐付く何かは行動だったり物だったり様々だろう。
本作に登場する帰宅部の面々はそれぞれ何かが呼び覚ます記憶として吉尾という男がいる。
吉尾との思い出、それ自体は楽しいものであったとしても、そこから更に思い出すことに後悔があればどうだろうか。吉尾との思い出全てが苦々しいものになってしまうかもしれない。
馬鹿みたいに振る舞って自分を騙して誤魔化して、そんなことで苦々しい後悔を消そうとしてもそう安々と消えることはない。
吉尾の中の未練とは、大事な仲間たちの後悔の払拭だったのかもしれない。
成田凌演じる吉尾はすでに亡くなっている。亡くなっている吉尾が冒頭から普通に出ていて、しかもそれを皆が普通に受け入れているのが面白い。
(死んだはずの)吉尾が何でここにいるの?まあいいか、程度のノリで受け入れてしまっているところが斬新。
そこかしこに幽霊が存在しているかのような半ファンタジーが終盤のさらなるバカバカしさを許容する。
とはいってもレビューをちょっと見た限り受け入れられていない人もいるようであるが。
どちらかというと終盤のバカバカしい展開よりも吉尾がしつこいことのほうが引っかかった。はよ成仏せいと。
しかし、吉尾に紐付く苦々しい後悔がこのバカバカしい展開によって、バカバカしく楽しいだけの思い出に変わったのだと思うとこれで良かったのだろう。
やはり吉尾の未練は、仲間の中にあった後悔なのだと思う。それが上書きされてはじめて成仏できるのかなと。
松居大悟監督はまだ三十代なのにそんなに過去を思い出すのかな。
「ちょっと思い出しただけ」も過去の思い出についての物語だった。
扱う内容として面白いとは思うけれど、どこかちょっとセンチメンタルでネガティブなものを感じてしまう。
創作する過程であれこれ考えていると過去を思い出すというのはままあるとは思うが、作品のトーンに比べて内容が暗めなのがちょっと心配。
監督自らの
監督の自らの体験を基にして制作された作品です。
高校時代に仲の良かったメンバーが大人になり、結婚式の余興為に集まる事になった。
そんなに中で一人一人が過去を振り返ると、ある事実が浮かび上がってくる。
どこでもあるようで、忘れているような風景を描いた作品でした。
こんな、なんとも言えないような青春のような気持ちが再び味わえると思わなかった。
死んだと分かってからとその前の演技の対比がすごいなと感じた。
役者さん達の実力がもろに現れた作品なのではないかと感じました
赤ふん裸踊り
若者が作った若者向けのバカ騒ぎ映画。
終始バカ騒ぎ、たまに出てくる女性もやくざまがいの汚い罵声、これだけ品性に欠ける映画も珍しい。テンション高ければよいという演出は演劇サークル出身の弊害でしょう、まるで学芸会レベル。脈略のない展開、突飛な妄想、既成の芝居作りに反旗を翻そうという意気込みはわかるが不快感しか感じませんでした。好きな人だけ観れば良いという開き直りでしょうね。
リアリティと生々しさを含んだ青春映画
先日松居監督の『ちょっと思い出しただけ』を鑑賞し、甚く感動したので、監督の過去作として評判が高かった本作『くれなずめ』を鑑賞いたしました。本作を紹介した映画レビュアーさんのネタバレ無しの感想などを事前に拝見していたので、ざっくりとしたあらすじ程度は知っている状態での鑑賞です。
結論ですが、面白かった!!
リアルというより生々しい、いわゆる「陰キャ」と呼ばれるような日陰者たちの青春と、大人になってからも続くその友情を描いた感動的な作品でしたね。私も学生時代は自他共に認める陰キャでしたので、登場人物と自分を重ねて観てしまう場面も多く、ちょっと泣きそうになりました。
正直、終盤の急展開とかは面食らいましたけどね。本作を批判的にレビューする人も多いのも理解できます。でも私は何だかんだ楽しめたし感動したし、良い映画だったと私は思います。
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学生時代からの仲良しグループが友人の結婚式で余興をやるために5年ぶりに集まった。披露宴から二次会までの道すがら、学生時代の思い出話に花を咲かせる彼らは、それぞれが仲良しグループの一人である吉尾(成田凌)との思い出を回想する。
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結婚式の二次会へ向かう道すがらの会話と、過去の吉尾との思い出。現在と過去を行き来しながら、仲良しグループである彼らの関係性が描かれます。そして映画中盤で判明する吉尾の死。まるで実際にいるかのように描かれていた吉尾は幽霊とかではなく、他のメンバーたちが自分たちの頭の中に思い描いていた幻覚(妄想とも呼べる)だと判明します。
私は実は吉尾が死んでいることは事前にネタバレ食らってて知ってました。てっきり『シックスセンス』的に本作の終盤の大きなどんでん返しで判明するのかと思いきや、序盤から分かりやすく伏線が張られていたり映画の中盤であっさり判明したり、全くどんでん返しではなかったのが驚きでしたね。本作は吉尾が既に死んでいることは大前提で、彼を喪った仲間たちがどう生き、どう先へ進むのかということが映画の主題であると感じました。
本作の魅力は色々あるんですけど、何より素晴らしかったのが役者陣の演技ですね。
仲良しグループを演じた俳優さんは全員もれなく素晴らしかったと思います。最近大活躍中の若手俳優の見本市みたいな俳優ラインナップです。
個人的には若葉竜也さんが特に好きですね。『街の上で』『神は見返りを求める』でも素晴らしい演技を見せてくれた彼は本作でも光っています。少しチャラけたように見えるけど心の中には情熱を持っている役を見事に演じていました。
正直後半のガルーダをはじめとするトンデモ展開は驚きましたけど、何だかんだあれも計算づくで脚本書いているんだろうな~って感じはありました。多少強引な展開だったのは誰の目から見ても明らかではありましたが、ああでもしないと「あの世にいる本物の吉尾と話す」なんてことはできなかったでしょうし。
多少は設定や構成やストーリーにツッコミどころがあることを認めつつ、しかしながらしっかり感動してしっかり楽しめる作品だったと思います。オススメです!!
友を悼む・・・はちゃめちゃに、弔う!!
日本の若者を《捨てたもんじゃない》と素直に思う。
高校時代の仲間たち6人が、友人の結婚式で余興をする事になる。
5年ぶりに集まった彼ら(成田凌、高良健吾、若葉竜也・・・)が選んだのは。
ウルフルズの「それが答えだ!」を赤フン姿でダンスする余興。
(赤フンドシと言えば、北海道大学のYOSAKOIソーラン祭りの名物です)
赤褌(ふんどし、ね!)の6人衆は圧巻!!
乗り良し!曲良し!振り付け良し!
笑って泣けるメチャメチャいい映画でした。
2021年。監督・脚本:松居大悟。
監督自身の体験をもとに描いたオリジナル舞台劇を映画化しました。
《5年前に若死した友を葬る》
そして若き日の、
《なんとも形容できない愛しき時間》
そんな瞬間を積み重ね、上澄みを掬い取った奇跡の映画です。
そう言えば、松居大悟監督28歳の作品「アズミ・ハルコは行方不明」を、
思い出しました。
(あれに比べれば、松居監督も丸くなったもんです。)
ノスタルジックで友情がやけに暖かい。
死んだ友が、まるで生きているかのようです。
それがテーマなのに、前半はメチャメチャ馬鹿馬鹿しいムダ話のオンパレード。
後半も1時間位になって、ええーっ、こいつ死んでるのか?
とやっと気付く。
だってはじめから死者の扱いをしてないもん。
彼らの中では、その友達は死んでないのね。
いつも隣にいる。
少しの不思議もない。
ウルフルズの「それが答えだ!」を赤褌で踊る6人衆。
6人と言う数が味噌なのね。5人じゃないのだ!
見せ場でしたね!
友を悼む気持ちが溢れてます。
友情は永遠・・・そう思える映画でした。
松井監督の次の監督作品。
『ちょっと思い出しただけ』で、大ブレイクでした。
あともう少し
あともう少し、スジがわかりやすくできていれば。あともう少し、ひねりや伏線と回収(好きな言葉ではないが)があれば。あともう少し、女性の関わりを自然に入れられていたら。今年のベストテンに入ったかもしれないが、現状ではかなり厳しい。
役者は皆達者揃い、前田敦子はあまり映画では見てないが、初めてハマっていると思った。
笑って泣きました
成田凌くん若葉竜也くんが大好きなので観ました
すごくよかった
それこそ舞台にしても面白そうだと思った
大胆な脚本とシーンチェンジだと思う、そこに役者の演技は光っとるし
「ヘラヘラしろよ!」で不覚にも泣きました
「過去なんて都合よく書き換えろよ」はめちゃめちゃ刺さった
大事な人に突然会えなくなってしまったひとに勧めたい。
癒されました
人の生活
人の生活を見てる映画でした。
生きていると思っていた成田さんは
最初から死んでて、見えちゃってるだけみたいな。
ミスって死んでるって情報を先に入手してみちゃっていたので驚きとかはなく、ずっと見てましたが
死んでるのはじょばんからわかるかんじで
んーー、なんだろう、入り込めない作品でした。
リアルな世界観から、急に心臓やら鳥やら出てきて
ファンタジーになって感情がずっと何も追いつかなくて、見ていて気持ちがついていけなかったです。
監督の実話を元にしたとのことですが
人の生きてるのを見ているっていう映画でした。
人の日常を見る映画が不得意なため
私は苦手な作品でした。
見る人によってはきっとステキな作品になると思います。
前田敦子さんのキャラが好きでした。
ナシナシアリアリアリアリナーーシアリアリ。
東京テアトル「らしい」と言えば「らしい」、易い映画だった。微妙です。
冒頭部の馬鹿騒ぎから、高校時代のエピソードが、先ずは寒すぎて。前田敦子が唯一の救い。と言うか、彼女は全編通じて救いの女神だった。
そこから持ち直して良い感じで「ワカモノの苦悩と年寄る物語り」に転じ。かなり切ない「友との別れの物語り」に発展するものの、心臓ぶっ掴みでアレ?アレ?アレ?なんやのん、それ!ラリってますか?
最後は涙のファンタジー(的)幕切れも、トータルではアングラ感を吹っ切れなくて、もどかしい。とにかく、ナシパートとアリパートのギャップが大き過ぎて、漂うアングラ感を吹っ切れませんでした。
30〜40年前の学生演劇。的な。
確実に言えるのは。
「この豪華キャストで撮る脚本じゃ無いよ」
24のヒトミもいいねぇ
結婚式披露宴での余興のために久しぶりに集まった高校帰宅部の6人組。
久しぶりの再会に思い出すのは、バカでしょーもない思い出ばかり。
しかも余興は赤フンダンス。
ただ…
予告時点でのネタバレや前半のちょっとした違和感などで、何がこの物語の核心なのかは分かってしまったものの、泣いてしまった。
カラオケシーンや披露宴後の二次会ゴタゴタなど、本当にくだらない駄弁りだらけ。
でも、それが良い。
それこそが生きることであり、青春である。
ジメジメとしていて汗臭そうな、あのカラオケボックスが全て。
男ってのはいつまで経ってもあんな感じなんですよ。きっと。
下ネタにバカ騒ぎ、男子高校生みたいなノリ。
男なら共感の嵐だったと思うけど、女性の目にはどう写ったんだろう?
(なんか差別的発言みたいになってたらごめんなさい。)
そしてあの前半のバカっぷりがあったから、分かっていても泣いてしまう後半。
確かにあの天国パートは超蛇足に感じたけど、蛇足を重ねて足の生えた蛇を作るようなこの映画には、ピッタリの演出だと思った。
死は突然に。
余命モノや病気モノで泣いてしまうのも、この「分かってるけど…」って感じですよね。
状況こそ違えど、突然の死とそれによる喪失感は『君の膵臓をたべたい』を彷彿させる。
生きている5人よりも生き生きとしていた吉尾。
パッと見、6人と5人ってそんなに変わったように見えないはずなのに、吉尾が消えると、その場にいないってすぐに分かった。
認めたくねぇよ。忘れらんねぇよ。書き換えてぇよ。
一連の流れの後の赤フンダンスは、ラ・ラ・ランドにもパルプフィクションにも見えた。
生きてても死んでても変わんねぇよ。
松居大悟監督の得意分野を上手く活かした、今年No.1号泣映画です。
余談:あのちくわぶのおでん屋店主誰かと思ったら、滝藤さんで笑った。
どの方も演技上手く、Myトラウマ俳優の藤原季節さん、前田のあっちゃんは特に良かった。
若葉さんは見るたびに好きになるので困る。
今後トイレにはち〇ち○洗浄機が必要笑
早く、こんな至近距離でカラオケできる日が来ることを願って。
泣かせにこない某有名アニメ
始めに言っときますがタイトルは今作のdisりではありません!!むしろめっちゃ良かったです!
シリアスとギャグの振り幅が激しく中々にカオスな映画でした。特にあっちゃんのキレるシーンは最高。
あの男子校ノリが懐かしく感じエモかった。
吉尾という陽が沈んでもいつまでも暗くなる事が出来ず暮れなずんでいた同級生達、その回想からも強い友情が感じられ個人的に好きな作品。
舞台みたい?
予告編がおもしろそうで見ましたが、あまり彼らの仲の良さ、好きな相手などのエピソードが薄く感じて。。
舞台ほどの迫力がない舞台みたいな映画。
こんな程度の関係性の人が死んでこんなになるのは不自然に感じたけど描かれていない部分を感じとれない私が悪いのか?
よくわからない主人公だし
お前はもう死んでいる
2021年映画館鑑賞49作品目
6月7日(月)フォーラム仙台
舞台の映画化
結婚式の余興の練習はほんの前振り
結婚式と二次会の間の6人がメイン
そのやりとりがとにかくつまらない
そのつまらなさがかえってリアルで面白い
着眼点は面白いが主人公が5年前に死んでいる設定は必要だと思えない
5人どころか前田敦子も見えてるってどういうことかな
畑あたりからかなりシュールな展開になってしまった
心臓みたいなものを抜き取って投げつけるなんてウルフマン以来だよ
とにかく死んでいるように見えない
ポスターなんてむしろソース役の浜野の方がホラーボールみたいで死人役にピッタリ
高良健吾の赤フン姿もなかなか
こういうことはやらない役者だと思っていたからちょっと驚いた
チョイ役で近藤芳正や岩松了が登場
仙台の外国人風のうるさいおでん屋ってお前かよ!
こういうくだらないコメディー映画を楽しめる自分は幸せ者だと自分自身に感謝したい
そういえば滝藤さんとパパイヤ氏なんだったの
前田あっちゃんの怒りかた、めちゃくちゃ前田あっちゃん。ミキエいいじゃん、ミキエ。なんでミキエはないわーみたいになってんだ。なるのもわかるけど。
生きてても死んでても関係ねえよ的なセリフが、すごく納得だった。「大豆田とわ子と三人の元夫」7話なんかにも提示された考え方なんだけど。生きていても会えない人だらけだし、特に2020年からそうだし、でも思っているし、死んでいる人のこともしょっちゅう思っているので、そんなに変わるもんでもないなと思ったりする。亡くなったときはやっぱり悲しかったし、会えないのは寂しいけど。
畑の辺りから後の展開はなんか、座・高円寺とかでやってる舞台みたい。ちょっと乗りそこねた。でも成田凌さんの踊ってるときの表情めちゃくちゃいいな。ヨシオは良男とかだと思っていたら苗字で吉雄でプチびっくり。
惜しい部分もありますが、暮れなずむ青春の記憶が愛おしい作品です。
劇場での予告編を観て、なんとなく気になってた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと、惜しい!
思ったよりも良かったし、好きな感じの作品ですが、個人的に盛り込み過ぎやクドイ感じもあったりして良い部分も多々ある。なかなか惜しいんですが個人的には好きな感じではあります。
高校時代に帰宅部でつるんでいた6人の仲間たちが、友人の結婚披露宴で余興をするため5年ぶりに集まった。
高校時代の思い出の赤フンを身に付けた恥ずかしい余興を披露した後、彼らは披露宴と二次会の間の妙に長い時間を持て余しながら、高校時代の思い出を振り返る。
自分たちは今も友だちで、これからもずっとその関係は変わらないと信じる彼らだったが…
6人の仲間との群像劇で全員が主人公みたいな者だけど、話の主人公的な中心の吉尾役に成田凌さん。
小劇団の舞台演出家として活躍する欽一を高良健吾さん。欽一の劇団に所属する舞台俳優の明石を若葉竜也さん。後輩で唯一の家庭持ちでいじられ役のサラリーマン・曽川を浜野謙太さん。同じく後輩で会社員の田島大成を藤原季節さん。地元のネジ工場で働く水島勇作を目次立樹さんと今をときめく若手俳優が豪華に出演している。
個人的には浜野謙太さんが若手かと言われると微妙w
でも、「在日ファンク」のボーカリストで役者としても活躍するハマケンこと浜野謙太さんは好きな俳優さんなんですよね♪
とにかくなかなかな出演者の陣容で他にも様々な方が出演してますが、吉尾が恋い焦がれる女性、ミキエ役の前田敦子さんや吉尾のクラスメートでジャイアン的な存在の松岡役の城田優さんが良い感じ♪
前田敦子さんはちょっと可愛らしいけど癖があって、何処かツンデレな感じが似合うw
城田優さんもめっちゃジャイアニズムですが、根は良い奴っぽい。
こういう脇を固めるナイスなキャストが良い作品の質を高めるんですよね♪
もの申す!と言う程ではないんですが、松居監督自身の実体験を基にした舞台劇の脚本を映画化したとの事ですが、演劇要素は強いです。
演劇要素の入った作品は嫌いじゃなく、むしろ好きな方なんですが、ただそのバランス加減によります。
舞台の脚本は舞台だからこそ栄える部分がありますが、映画になるとその良さがクドイと言うか、雑に映る部分があって、そこをどう下処理するかが肝。
二次会で再度披露した赤フン姿の「それが答えだ!」の躍りがまさしくそれで、舞台だったら物凄くエネルギッシュでクライマックスに相応しい盛り上がりを見せたと思うんですが、映画だとどうしてもその良さが見出だせ難い。
この作品の「監督自身の実体験を基にした舞台劇の脚本を映画化」は「それ」を描きたかったと思うんですが、これをそのまんまやってしまうとやっぱり「ちょっと違う」になってしまうんですよね。
ラストの不死鳥のシーンは個人的にはやらかした感がありますw
松居大悟監督の作品って、嫌いじゃないんですが期待し過ぎると、結構な確率で「やらかす」事が多いんですがw、この作品もそこの下処理がちょっとやらかしたかなw
タイトルの「くれなずめ」なんて、「日が暮れそうで暮れない様子を表す『暮れなずむ』を変化させて命令形にした造語」との事で、「『前に進もうとも様々な障害が立ちはだかったままで思い通りに進めない』という意味合いとしている。」なんて松居監督の好きそうなテイストw
でも、嫌いじゃないんですよね。
夕暮れや夜明けの描写を演劇でやるのは、何処か切なくも儚くて愛おしい感じがビシビシと伝わってくる。
特に小劇団なんかの何処か雑なんだけど、愚直なまでに儚くて刹那な切なさが身に沁みる。
愛おしい時間を演者も観る側も共有している感じ。
松田優作さんが映画を一緒に作る仲間を「共犯者」と表現しましたが、松居監督も観る側にも「共犯者」になって欲しかったのではと解釈してます。
また、松居監督のウルフルズ愛を感じさせてくれます。ウルフルズの曲って何処か青臭くて愚直に真っ直ぐで、一言で言うと「愛すべきバカ」なんですがw、これって青春の1ページであり、昔の仲間が集まれば盛り上がる事受け合いなんですよね。大人になってウルフルズを聴くと何処かニヤッとしながらもこっ恥ずかしい感じなんですが、大勢で聴くと思わずノリノリになってしまう。ウルフルズの曲は幾つになっても男を「愛すべきバカ」に変えてしまう、魔力があるんですよね。恐ろしやw
高校を卒業しても青春はまだまだ続くし、出来れば続いてほしい。働き出して、社会人と言うカテゴリーに分けられたとしても中身はそんなに変わっていない。
だからこそ、仲間と他愛もない時を過ごした時間は掛け替えの無いからこそ愛おしい。
人生だってまだまだ続くし、先は長い。
でも、その終わりはいつ来るかは誰も分からない。
だからこそ、切ないし愛おしい。でもそんな事を考えていたら、何も出来ない。
無駄な事を全力でやって、振り返った時に面白かった!と言える時であって欲しい。
明石と欽一の劇団の上演後の打ち上げ後に吉尾が皆と別れるシーンの切なさや吉尾がミキエへの告白の掛け合い。寝る前の吉尾のウルフルズ愛の語り。ラストの土手での二次会の会場へブラブラと向かう夕暮れのシーン。等々と良い部分が結構あるし、「来る」部分とあるからこそ惜しい。
でも、結構好きかもな作品。
興味がありましたら、如何でしょうか♪
全30件中、1~20件目を表示