「ビックリドッキリ」孤狼の血 LEVEL2 カロロ恥子さんの映画レビュー(感想・評価)
ビックリドッキリ
【ネタバレあり!】
【本作が良かったと思う人は読むと不快になります!】
これですよ、これ...
〇〇製作委員会が嫌いな理由
1作目が当たったから張り切っちゃって、二匹目のドジョウ
あとはあれだ
私が今回「映画見る前に原作を読むな」の掟を破ってしまった事
いやー、映画『虎狼の血』が最高すぎて原作を読み、原作も最高やったから『凶犬の眼』『暴虎の牙』と続編も読んじゃい勝手に期待したんよね
あの素晴らしい原作の熱さと推理性を大胆に脚色し、更にドンピシャ配役で素晴らしい映画にした監督なら、次も絶対に良いはず!と
でも、映画見てみると“最高級の利尻昆布と鰹節でとった出汁を捨て、残った素材は良かったのに旨味が失われたものを千切りにして、その上ハバネロとかタピオカとか色々加えてかき揚げ天ぷらにしました”みたいなもったいなさ
【役者さんへの徒然】
・松坂桃李
前作とイメージがガラリと変わり、“あの学士様が...ガミさんの遺志を継いだんやな”と思わせるに十分な役作りやった
が、日岡の思想の芯の部分がいまいち伝わってこずスッキリしない
特にチンタと姉に対する振る舞いは、汚い手を使ってピースメーカーとして存在するのに見通しが甘いというか覚悟が足りないというか...
残念やが、やっぱ原作に無い人物の取り扱いが浅いのかな...と思わざるを得ない
ガミさんの言葉を借りるなら「正義とはなんじゃあ?」
・鈴木亮平
ハバネロとしての役割をキッチリ果たしていた
流石の役者魂だ
が、そこまで破滅一択片道切符な理由は...?
舞台挨拶で鈴木亮平は、弟の様に接したかった境遇の似たチンタが裏切り者で殺めてしまった時から「何もかんもぶっ壊れりゃいいんじゃ」と破滅的になったと述べていたが、あんた序盤からだいぶ破滅的でしたよ?
看守の妹なんか、犯すだけかと思ったら殺しちゃうし
あと、終始「親父の組を!」と言っていたが、そんなら“ビックリドッキリクリト〇リス”とのエピソードを描いて欲しかった
こんな狂犬が唯一の親とも慕う存在なのは何故か?
描写しないなら、慕ってる設定じゃなく「あんな奴、逝んでせいせいしたわ!」という台詞があった方が、こっちもせいせいした
・主演女優
前作が真木よう子なんで、格が違うのはしょうがないとして...
この子は演技力があれな上に(終始、むくれ顔なだけ)、設定がスカスカなので余計スカってた
可哀想に
弟のチンタも、そこまで危険に身を晒すんならもっと在日の苦難に触れた方が奥行きが出ただろう
・豪華共演陣
「あの役者が、まんまその役!」起用で、観客に「きっと、こーゆー設定なんだろうな」を押し付けるのはやめろ
結果、全員カックン結末やったやないか
寺島の兄貴も、かたせ梨乃も、宇梶も!
豪華役者がドブの底や!
あと、『おっさんずラブ』と中村獅童はどっちかに髭かグラサンやめろと言っとけ!
パッと見、見分けがつかん!
そもそも鈴木亮平のウルトラ下克上をアワアワ見守ってないで、殺してさっさとケジメ付ければ万事オーライだったのでは...
・中村梅雀さん
出てきた時点で『赤かぶ検事』キター
(゚∀゚)
と思わせて、どうせ腹黒キャラだと予想出来てたので、意外性なし
それにしても本作の設定、公安をなめすぎやないか?
身内を取り締まる役目でもある公安が、現場投入されて「瀬島さんは、ずっと公安畑なんですね」って前歴を明かすのも疑問だが、知ったなら日岡は自分の内定だと気づけよ!
「君に協力させてくれ」を百歩譲って信じたとして、“やっちゃる会”の真相を言う必要がどこに...
自分が悪事に加担したのを明かしたとして、ガミさんの置き土産を取り引き材料に出来る優位性は変わらないのでは?
あと、梅雀さんは最後の公安潜入捜査で素人に居所を特定されるとか、ある...?
公安設定を活かすなら、宮崎美子がビキニ姿で日岡を籠絡の方が合点がいく
・滝藤さん
この人だけは良かった
一貫性があった
台詞の緩急の付け方が上手いねー
映画はなんかもー、最後の展開とか『ナショナル・ジオグラフィック』かよ!?だったし...
ただ、最後の日岡の設定から、また次作やるんかい...が臭ってきてうんざり
もういいよ...