藁にもすがる獣たちのレビュー・感想・評価
全93件中、21~40件目を表示
いや〜面白かった!
パズル的な映画
日本の小説が原作
アンラッキー・ストライク
10億ウォンの大金をめぐり、時系列をいじり、金に目のくらんだメイン4人の人生が交錯する、曽根啓介の原作による作品。とてもブラック、ノワール、複雑!といったスリリングな展開と章立てによる意味深な伏線が光っていた。
あれがこれで、彼女が恋人で、誰が誰を殺したのか・・・最初からニュース音声が見事に事件を象徴していた。こうなってくると、バラバラ殺人は誰の手によるものなのか、凶器は包丁なのか、身元不明遺体は・・・と、ストーリーを追うのが楽しくなってくる。残酷でスタイリッシュなストーリーといっても過言ではない。
借金まみれの恋人のために港湾ヤクザに付きまとわれるテヨン(チョン・ウソン)が中心だと思えば理解しやすかったけど、その恋人の残忍さや悲運であるミラン、そのミランのためにDV夫を殺害しようとする中国人不法移民ジンテ。サウナで働くジュンマンとその家族の運命が悲しくもあり、最後には・・・といった展開だ。
まぁ、ヨンヒとミランという対照的な性格の二人の位置づけが印象的であり、シロワニというサメのエピソードが色々と考えさせられた。そもそも、精子と卵子のような話だと、もっとも強いものが生き残るのだろうけど、それが様々な性格を持つようになる人間の神秘と似ているんだと考えてしまった。
貧困にあえぐ庶民の生活を象徴している弱肉強食の人間関係をも表しているし、偶発的なものから計画性のあるエピソードまで、皮肉とも思える人間の内面をえぐったような内容ともとれる。大金を得ようとする人間の欲望、残酷性、「人を信用するな」という教訓など、単純なクライムサスペンスとは思えないほどだった。
そんな中、ラッキーストライクが幸運のタバコだと信じたのにまったくの不運に繋がるとか、ゾクゾクさせられたのですが、最後のコインロッカーのキーだけは納得できず。あまりにもうますぎて、殺人事件の現場捜査で発見できないという矛盾。まぁ、これが韓国警察の手抜かりだというのなら、それでいいんですけど・・・
シロワニは一匹しか残らない
ロッカーからバッグを持ち出す話
日本原作で韓国映画だと、「オールドボーイ」「納屋を焼く」など名作がある
本作は名作とまではいかないが、間違いなく面白い作品でした。
欲望にまみれた者どもが群がり、織りなす群像劇は徐々にパズルのピースが揃っていきラストで一つの画になる。
時系列がごちゃごちゃなのに置いてきぼりにもされずほぼ戸惑うことなく話についていけた。
欲の皮が突っ張った奴らの最終目的、10億ウォンは何処からきて誰の手に渡るのか。
冒頭のシーンからバッグを見つけるまでで映画メランコリックのセリフ「お風呂屋さんの仕事も結構危ないんですね」を思い出した。
ほとんど映画に風呂場出てこないけれど・・・
なんでしょうね、韓国映画は本当にサスペンスが頗る上手。
後ろめたい奴、残忍な奴、欲深い奴、蟠りの有る物語がぴったりでジトっとした雰囲気がたまりませんね。
出てくるキャラが全部濃いし面白い。それぞれの出番で濃いから映画中ずっと濃い!
背油ましましのラーメンですよ。美味いんだこれが。
各キャラクターに触れてくと大変なので、中でも気に入ったのは社長と包丁男。
港湾マフィアの社長よかったですね、突然第三者を怒ったり、ニコニコしながら恐喝したり、ジョー・ペシかよ!
包丁持ったノッポも不気味で怖かったです、喋らないし、入れ墨が気味悪いし、顔が出る度に眉をひそめてしまう。いい味出てました。韓国映画史に刻まれる悪役でしたよ。
絶対的暴力装置があると物語が締まるんですよね、一般人じゃ敵わないからどう逃げるか、どう回避するかがスリリングで楽しい。
この映画の内容はいかにババを引かずに一番乗りで上がれるかだったと思う。
命がけの面白いゲームを見せてもらいました。
日本と韓国でサスペンス映画はどう頑張っても韓国映画に軍配が上がってしまうだろう。
日本原作を日本以上に面白く作れるんだからどうにもならない。
日本の映画もいい所はあるし、お互いの映画人が刺激し合って益々の発展を遂げてほしいと思いました。
物語にほぼ関係ないけれど「ミナリ」に出てるおばあちゃん役の方がこちらの作品でもおばあちゃん役で出てましたね。
しかも、ボケる、漏らす、家が焼ける。なにこの共通点って笑っちゃいまいた。
----------------------------------------
劇中セリフより
「運命だったと思って気楽にしてな」
最悪の事態であっても運命のせいできれば少しだけ楽になる。
信仰とはもしかしたら最大の憎まれ役なのかも知れませんね。
群像劇の見事な重なり合い。秀逸なサスペンス!!
【賛否両論チェック】
賛:登場人物それぞれの思惑が見事に交錯し合い、思いもよらぬ伏線や重なり合いを生んでいくのが魅力的。人間の欲深さや浅ましさも、身につまされるよう。
否:グロシーンがかなり多いので、苦手な人には不向き。
お金に困り、追い込まれてしまった者が織り成す、どちらかといえば群像劇チックなお話です。そしてそれ故に、それぞれの思惑や行動が巧みに重なり合い、思いもよらないところで繋がっていくという、群像劇ならではの見事なストーリーが光ります。伏線の回収という意味でも秀逸です。
難点をいえば、直接的な描写こそ少なめですが、それでもグロテスクなシーンはかなり多いので、苦手な人には向かないところかと。
とはいうものの、
「大金を手にした奴は、人を信じない。当然だろ?」
という言葉が身に染みるような、騙し騙され、裏切り裏切られの人間模様が交錯する、濃厚なサスペンスです。是非ご堪能下さい。
エンタメ性は高く、ノアール性は低い
曲者×曲者=曲者過ぎ。
ホームラン。
味方は皆無…人間不信に陥りそう
案外やさしめの韓国映画
まくられ、ちぎられ、おいてけぼり
どぎつい
#17 日本の小説が原作と思えないほど
実に韓国っぽい。
あんなに狭い範囲に借金だらけの人たちが沢山いる?
あんなに人を簡単に殺す人たちが身近にいる?
原作ではホテルの中にあるチムジルバンは何だったんだろう?サウナ?
色んな意味で人の物は取っちゃダメだね。
全93件中、21~40件目を表示