日本独立のレビュー・感想・評価
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新憲法制定をめぐる交渉や攻防のドラマを通じ、真の“独立”とは何かを考えさせる
第9条で戦争の放棄を宣言し、世界でも類のない平和憲法と評される日本国憲法が、第二次世界大戦敗戦後の連合軍占領下にあったこの国でどのように作られ、制定に至ったのかを描く。戦後内閣の外務大臣・吉田茂と、彼からGHQとの交渉役に起用された白洲次郎、それぞれの名前に聞き覚えはあっても、2人が新憲法制定にかくも深く関わっていたことを本作で初めて知り、彼らがもしこの難しい交渉に失敗していたら今の憲法は違った内容になっていた可能性もあったのだと思い知らされた。 面長の小林薫は、「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」でゲイリー・オールドマンに辻一弘が施しアカデミー賞のメイクアップ賞を受賞した特殊メイクと同様に、頬の肉を足して丸顔に寄せ、吉田茂そっくりの容貌になった。浅野忠信が演じた白洲は、日本の敗戦を予測し郊外で農業をしていたなど身の振り方が独特で、彼の生き様や価値観をもっと掘り下げてほしい気もした。 本筋とは直接関係のない、戦争体験記「戦艦大和ノ最期」に対するGHQの検閲と出版差し止めの話を敢えて組み込んだのは、占領下にあり独立していない国の状態がどういうものかを、別の側面から伝えるためだろう。9条をめぐる護憲・改憲の論争や、言論・表現の自由など、今の日本と真の独立について改めて考えるよう諭された気がした。
中途半端
先の大戦後の、米国による占領時代の政治を、白洲次郎を中心に描いた作品。2時間を超えて内容も盛りだくさんだが、内容が薄っぺらい感じがする。 他のことはテンポよくスピーディーに表現して、新憲法の策定過程にまつわるドラマに集中してもよかったのではないだろうか。 GHQから提示された素案を日本側でも何度も会議を開いて練り直し、その結果最終的に文言が変わった個所もあったはずだが、この映画では米国と日本の官僚が一部屋にカンヅメになっていかにも拙速に出来上がったかのように描かれている。 吉田茂が調印のときの演説を日本語ですることになったのは、確かに白洲次郎の進言によるものだったと聞いているが、あんなに軽い感じではなかったと思う。白洲次郎は「てやんでえ、べらぼうめ」的な人物だったと思うので、もっと激しい思いがあったのではなかろうか。
宮沢りえさんが出演するGHQの話
白洲次郎(浅野忠信)と白洲正子(宮沢りえ)が夫婦役で出演している。 『父と暮せば』(2004年公開)で恋人同士を演じた浅野忠信さんと宮沢りえさんが夫婦役というのは嬉しいが、白洲次郎は亭主関白だし、宮沢りえさんの出番が少なくて残念であった。 有名な人物のビジュアルに寄せたかったのだろう。 吉田茂を小林薫さんが演じていたなんて、視聴中はわからなかった。特殊メイクらしい。 天皇陛下も似ていた。 歴史の裏側に焦点を当てていて難しい。 音楽も映像も良いが、途中で眠くなった。
平和主義か…
なるほど。 日本独立と大げさなタイトルが踊っているから 何事かと思ったが、戦後処理か。 それなら納得。 戦後に改正された憲法は、大変すばらしいものだと学校では教わった。 戦時中は軍国色で子供たちを洗脳し、戦後は占領軍のプロパガンダに自ら踊って 子供たちを洗脳した。 おかげで戦争放棄の条文はすばらしいと 本気で主張する人がいて、教育という 洗脳の怖ろしさを痛感する。 中国や韓国が 何かというと日本を相手に牙を向くのは、徹底的に日本を敵視し 歪曲した教育の影響が強いと思うが、教育の影響という点では、日本の平和憲法信者が 持論を曲げないのも同等だろう。 どちらも根深く、そう簡単には改善できないだろう。 驚くことに 文部科学省はいまだに、占領下と変わらず日本国憲法の平和主義を 優れていると思わせるような教育をしている。教科書の出版界も、公共放送の N〇K もそれに沿った教育教材を作っている。 ウクライナの事があっても まだしばらくは憲法が改正されないだろう。 やっつけ仕事で作った憲法が、これ程長い間 改正(修正)もされずにいるのは、 きっと当のGHQも思っていなかったに違いない。 追記) GHQが日本を戦争できないようにと仕込んだ罠は、平和主義だけではない。 簡単に軍事力を増強できないように、建設国債の発行を規制する足枷みを作った。 これを自らの省庁の影響力を強めることをいいこと、馬鹿の一つ覚えで踏襲した大蔵省→財務省が 赤字国債は国の財政を破綻させると未だに言い張っている。 世界各国の国家予算の成り立ちなどを見ると、明らかに省の主張が異なっているというのに 未だに財務省は戦勝国のいいなりになっている。 借金が破綻させるというなら、大手企業は全て破綻しているというのか。 家計と一緒にして バカ丸出しだな。
現在を形作った過去の1ページが見れる。まさに「その時歴史は動いた」
日本国憲法がどのように作られたのか歴史の1ページが、リアルに絵が描かれる。 アメリカの都合で、短い時間で、専門家でも無い人を集めて作られた憲法。 それを日本は飲むしかなかった。 特に、条項の中で、軍は持ってはいけないという部分。 軍がなくて国家として機能するのか。 これは当時の日本としては屈辱的であったことが理解できる。 今となっては、表面的かも知れないが、アメリカと協力することによって、抑止力が働きなんとか自衛につながっている。 そこで作られた日本国憲法が今もなお日本を作っている。 そういう意味では、意外とよくできている憲法なのかもしれない。 ただ、与党の自民党は日本国憲法を改正することが一番の目的である党である。 その自民党内で現在重鎮の麻生太郎。その祖父である吉田茂がこの映画の主人公の1人であるし、その娘の和子(麻生太郎の母)がよく出てくるのも興味深い。 良い悪いは置いておいて、その当時の歴史が今もなお健在で、こうやって現在が形作られてきたということが理解できる映画だった。
負けてさらに負ける
日本国憲法の矛盾についてメッセージ性のある内容で考えさせられるセリフが印象的だった。
広島の原爆投下によりポツダム宣言を受諾したことで終戦となったが、彼のあだ名はあの原爆のネームである「リトルボーイ」を思い起こさせる。
また日本が敗戦確実の流れとなる象徴となった「戦艦大和」の乗組員の語りなどは日本政府の暴走から無謀な作戦遂行まで、日本の未熟さを印象つけられた。
一番印象に残ったのは負けてさらに負けるとは何かということ。
しかし、実際日本は戦争に負けたことで経済成長をし安心安全の日本を築くことができた、負けて勝った国かもしれない。
天皇の象徴と戦争放棄
浅野忠信扮する白洲次郎なる名は知ってはいたが、詳しくは分からなかったもののこの映画で吉田茂の甥でありオックスフォード出身であった事からGHQと日本政府の間の通訳として奔走していた事が分かった。 本編は、終戦後如何に日本国憲法が制定されたかを語るものであり、どこまで史実に基づくものか分からないものの3月7日にソ連が入る極東委員会が行われる前までにGHQとして決めた方針をいかにも日本人として制定したものとして扱いたい思惑により急いで憲法方針を作ったとされていた。 それにしても占領下とはいえ米国委員会のメンバーには一人も憲法学者が入っていなかった様で、それでも未だ改正もせず日本国憲法として擁護されている事実がある。 小林薫扮する吉田茂は、早く決めてGHQを早く去らせたいとしていた。白洲次郎も奔走していたとはいえ、単に通訳として役割を担っていたとしか写らなかった。宮沢りえ扮する妻の正子と語らう場面ばかりで、その役割の重要性がいまいち伝わってない気がする。 柄本明扮する松本国務大臣が、何としても日本国の主張を粘り強く頑張っていたと言う印象が強かった。しかし懐柔されざるを得ない無念さも出ていた。 どこまで本当か分からないが、戦後77年経って天皇の象徴と戦争放棄をうたった精神が語られるのはいいことだろうね。
真の日本独立はいつくるのでしょうか? それは他力本願ではなく わたし達日本国民の意志だけにかかっているのです
ウクライナの戦争は勃発して既に1ヵ月半を越えています 大国ロシアにあっという間に侵略されて国を失うだろうと思われていましたが、2022年4月中旬の今も独立を保っています 日本独立? それはいつの事でしょう? 2月11日?それは建国記念日 神話で2600年前に神武天皇が即位されたとされる日の事です それ以来日本は、少なくとも千数百年も他国に占領されて主権を失う事はありませんでした 世界史を見渡しても類を見ないことです 普通はウクライナのように他国に攻められしまい、王朝は断絶して、下手をするとそこに元から住んでいた民族が追い出されて、違う民族と入れ替わってしまっている国は沢山あります それも何度も繰り返している国さえあります 日本はユーラシア大陸の外れの大海のなかの島国だったからでしょう 地理的に大変に幸運であったのです 決して戦前のように神国日本だからなんてことはありません それでも長い歴史の中で何度か侵略を受けています 二度の元寇は日本の歴史の中でも国家と国民が丸ごと支配されてしまう可能性があった危機でした 鎌倉武士達は今のウクライナ軍のように良く戦いモンゴルの大侵攻軍を撃退しました 調べてみると神風なんてのは後付けの理由のようで、純粋に軍事的に撃退したようです その260年程前の平安時代にも、満州の女真族が壱岐や対馬、筑前国に侵攻してきた刀伊の入寇という事態が発生し、当時の平安朝が意外にも、大宰府を中心した九州武士団の活躍など的確な防衛行動を行い撃退しているようです そして16世紀のイエズス会とイスパニアの動きは日本の植民地化の意図があったようですが、当時の日本は戦国時代で世界一の鉄砲保有国であり、動員できる軍隊の規模もヨーロッパの列強をもしのぐほどのものであったため、その軍事力故に断念したようです 次は19世紀に入ると、英米露仏が東アジア植民地化の一環として関心を示し始めます 中国の清国の阿片戦争敗北の情報ももたらされ、それが日本人の危機感を燃え上がらせて明治維新につながっていくのはご承知のとおり 19世紀末になるとロシアの南下は朝鮮半島を伺う情勢となり、次は日本侵攻かと怯えた事が日露戦争になります もし負けていればウクライナのようなことが日本本土で起きていたでしょう 日露戦争に勝利して以後は調子に乗りすぎ、結局、世界を敵に回して戦争を起こしてしまい日本は歴史上初めて、他国の他民族の占領を受けていまう結果となりました 間接統治という方式で、日本国政府を残したまま、占領軍の指示命令を受ける存在となった訳です つまり日本は独立を失ったわけです ポツダム宣言を受託した1945年8月15日、もしくは降伏文書に調印した同年9月2日が、日本が独立を失った日です では、いつ独立を回復したのでしょうか? それは1952年4月28日です サンフランシスコ平和条約調印は1951年9月8日のこと そして、その平和条約が発効したのは翌1952年4月28日だからです その日を持って約7年間におよんだ占領が終結し、日本は主権国家として独立を回復したのです いわば4月28日が日本の独立記念日なのです 今年は2022年です つまり日本独立から70周年の節目の年なのです 4月28日はもう直ぐ半月後のことです このような大事な節目の日が訪れようとしているのに、どうもなんの式典も予定されていないようです 情けないことだと思います 2013年には主権回復の日記念式典を開催した記録があります 61年目の事で節目でもなんでもないのに思い出したよつに開催されたようです それでもやらない遥かによりましです 主権を失い独立国家でなくなってしまう そんな惨めなことが何故おこったのか どうしたらもう二度とこのような事態を防げるのか それを考える映画だと思います 冒頭、日本占領軍の最高司令官マッカーサー元帥が日本人からの手紙を読んで笑い転げているシーンがあります 彼のところにはスターへのファンレターのように大量の日本人からの手紙が届いており、秘書官の英訳がつけられています 手紙の内容は実際にあった有名なものです 日本を軍事的に完全に打ち負かした征服者の王へのへりくだった手紙です 自ら日本を米国の庇護下に永遠において愚かな日本人を導いて下さい 願わくば米国と併合して下さいという内容です してやったりという笑いであったのでしょうか? 戦争で勝ったり負けたりすることは世の常 ヨーロッパの国の敗戦国民がこんな手紙を書くでしょうか? それが終盤での米国議会でのマッカーサーの発言につながっていると思います 欧米人が45歳の壮年であれば、日本人は12歳の子供にすぎないという侮蔑です 呆れ返った笑い声であったのです 国が敗北しても、日本人の心までが勝手に敗北しているのです 独立を回復する気概もないのだ 自ら永遠に下僕になりたいと講う卑屈さ それに呆れ返って笑い転げて、12歳の子供に過ぎないと発言させたのです この精神は日本国憲法に反映されています 軍備を放棄して、他国の庇護下で永遠にいるということです 日本国憲法の制定の経緯が本作の大部分を構成しています 日本側の人々は政府の人間、野党側の革新陣営の人間でさえ軍備を持たずして独立国家といえるのか!と怒気をもって、こんな憲法で独立を維持できるのかとみな反対をしています せめて自衛的戦力の保持は記載出来ないのかとのやり取りまであります ある程度の誇張や映画的な演出もありますので、史実そのものではありません しかし概ねこのとおりです 日本国憲法は、当面米国に庇護下に置くものとして作られ、日本が独立を回復すれば日本人が自ら改正して自分達の憲法を作り直すものだということで、占領軍も、日本政府も、野党側もみなその認識で大急ぎで作られたものに過ぎないのです 日本の再独立後に憲法改正ありきの憲法だったはずなのです しかし、日本は独立を回復して70周年になろうとしているのに、精神は未だに占領下にあるようです ウクライナの戦争はそのごまかしを白日の下にさらしていると言えます ウクライナのような事にならないように、どうするのか 今までのようにごまかしていては、またマッカーサー元帥に笑われて成長してないと侮蔑されるでしょう 白州次郎と、その妻正子が、本作の主人公です この二人の事や、終戦後の占領期のことについて、ある程度の予備知識がないと理解が追い付かないかも知れません この白州次郎は英国ケンブリッジ大学に留学して、英国貴族とも親交があり、キングズイングリッシュを流暢に話しました 正子もアメリカの女子大学に留学しています なので二人とも、現代人のような欧米人的な思考をしています 独立した精神を持っているのです 劇中に何度も登場する田舎の農家は町田市にあった白州夫妻の疎開先です 小田急線鶴川駅から徒歩20分弱のところ 当時は一面の田畑だったのでしよう いまはびっしり家が立て込んでいます それでもこの農家は今も残っていて、その辺りだけ森に囲まれています 一般公開もされています 武相荘(ぶあいそう)と呼ぶそうです 武蔵と相模の国の間の家くらいの意味でしょうが、ユーモアが感じられて人柄が伝わってきます 劇中になんども登場する黒塗りの大型のスポーツカーは実際にあのような車に乗っておられたそうです 武相荘の車庫には本作で登場する車とは異なるのですが、良く似た黒塗りのスポーツカーがあります 1916年型 ペイジ Six-38 フリートウッド製5座席ツーリングカー 水冷直結6気筒の3.7リッターエンジン搭載 5座席ながらもスポーティな車です 英国ケンブリッジ大学留学の前、神戸一中に在学当時 17歳の次郎が、父白洲文平から初めて買い与えられたアメリカ車と同型のものだそうです 白州次郎の師匠的存在の吉田茂ももう一人の主人公と言えます 吉田茂はこのサンフランシスコ平和条約を調印した日本の首相です 敗戦して占領されてから、ここに至るまでの物語が本作です ラストシーンは、神奈川県大磯の海岸です 彼の屋敷も、近年火災で全焼したものの再建され、旧吉田茂邸として一般公開されています 吉田茂のことについては、1983年の森谷司郎監督の映画「小説吉田茂」をご覧になって下さい 同作での吉田茂は森繁久彌が演じましたが、本作の小林薫も写真に生き写しなほどで感嘆しました 白州次郎は、サンフランシスコ平和条約の時、49歳でした 40代でこれほどの仕事を成し遂げたのです 浅野忠信の白州次郎は、自分のイメージとは異なっていましたが納得のいく造形でした これくらい鼻柱が強くないとこんな仕事は成し遂げられません もう一人、戦争小説の名作「戦艦大和ノ最期」を書いた吉田満の物語 敗戦以前の人々との精神的な繋がりを絶つために、GHQ は彼の小説を発禁処分にしたのだという台詞にはハッとさせられました 戦前と戦後で日本人をまったく違う存在にする意図があるという指摘には目から鱗が落ちました 日本人が日本人で無くなる それが日本独立といえるのでしょうか? 靖国神社のことは、いろいろな意見があるのは承知しています しかし、自国の人々の慰霊のことについて、他国から指図させられたり、忖度しなくてはならない現状は、それで独立国とは言えるのでしょうか? ぜひ一度ご自分の目で、現地現物現場に触れて自分の頭で考えてみるべきことと思います 靖国神社の境内に遊就館という博物館があります 戦争を賛美していると批判する人もいるそうです でもご自分の目で実際にお確かめ下さい 強い反戦メッセージを発している博物館だと理解できるはずです 半日かけて見て回ってでて来たときには号泣していると思います 戦争をしてはいけないと思いを強くするはずです それがまず、ご自分自身の心を占領から独立させる第一歩だと思います 伊藤俊也監督は、さすが名監督です 手際良く整理されて映画的な起伏も作りつつこの映画を完成させています 恐らく左右両方から攻撃されるでしょう ことに左翼陣営の多い映画界にあっては、昔なら製作することすらできなかったでしょう 現場の組合から仕事を拒否されたかも知れません 監督が吊し上げされたかも知れないぐらいです 勇気ある製作だと思います 頭がさがります サントリーのシングルモルトウイスキー白州は はくしゅうと読みます なので白州次郎とは関係ないようです でも自分には何故か白州次郎をオマージュしていると勝手に思えてくるのです 4月28日 主権回復の日 今年は70周年です ウクライナの戦争と日本独立に思いをはせて、白州を水割りで飲みたいと思います 真の日本独立はいつくるのでしょうか? それは他力本願ではなく わたし達日本国民の意志だけにかかっているのです
素晴らしい
白洲次郎をメインとした映画は初めて観た 今こそ全国民に観て欲しい映画ですね GHQの事は少ししか描けてないけど(個人の感想)それでもこの憲法が日本人ではなくGHQが作ったと知らない人に知ってもらえる内容 何も知らない人が入門?的に観るには最適だと思いました 早く憲法改正するべきです
淡々と描かれている
白洲次郎と正子に以前から興味があり、関連するドラマ等も観てきたし、敗戦後の日本の置かれた状況は、明治維新と同じぐら興味があるので、これは観なければ!と。 映画館に観に行けなかったのでDVDを借りました。 色々な俳優が色々な脚本と監督で吉田茂と白洲次郎の関係やポツダム宣言からサンフランシスコ講和条約までを物語ってきたけれど、この作品が一番淡々と描いているような気がする。 それでいて、ちゃんと状況や問題点など伝えてくれるので、飽きずに二時間強、観ることができた。 どちら側にも肩入れせずバランスが良いと感じたのは私だけかな? 上手くまとめたな~と。 過去の映像と現代の映像が上手くリンクしていたので、一層臨場感があり物語に深みを与えていると思う。 憲法についてはアメリカの押し付けだといわれてもしょうがないけど、だからと言って悪かったかというと、そんな事もないのでは。 平和ボケしていると揶揄されるぐらい、何気に平和であり、もし軍隊が存続していたら、クーデターが起こってるかもしれないし。 アメリカの押し付け・・・という点だけで「憲法改正」を唱えるのは間違いではないかな、とあらためて考えさせられた。
戦後日本人の精神性はどこから?
日本国民にとってのまことに深刻な歴史の重荷に改めて気づかされる作品でした。
戦後75年、いまなおアメリカ合衆国及びGHQの犯した戦争犯罪による呪縛に翻弄され、新憲法を無意見に賛美する平和教育や、誤った歴史観に侵され続けてきた日本人2世、3世が、私自身も含めてここにいるということに改めて思いをいたしております。映画中では、戦争犯罪人の一方的な断罪、戦争指導者として認定された者の大規模な公職追放、赦免された日本共産党が発表した天皇制否定の「新憲法の骨子」にも触れ、吉田茂とマッカーサーの極秘会談では、戦勝国による敗戦国の法律改正等を禁じたハーグ陸戦条約違反を吉田が司令官に突き付ける姿も・・
わが国では最近ようやく憲法改正の機運が見えてきたとはいえ、占領期のWGIP(War Guilt Information program)に侵された一部マスメディアの執拗な反日扇動や、戦後教育による精神性が根強く再生産されていることを考えると、独立国としての尊厳を回復するにはまだまだ時間を要することでしょう。「平和憲法」信仰に根差した戦後教育の害悪はあまりに大きかったと言わざるを得ません。すでに鬼籍に入られた小野田寛郎さんは、戦後日本人の精神性の変容に愕然としブラジルに渡られました。日本人として戦争を戦った台湾の李登輝さんは繰り返し「日本人よ、自信を持て」と説かれました。いずれも戦後教育の場にはおられなかった方々です。またいずれも今日の日本では「極右」として退けられるはずの方です。GHQが日本に残した深刻な爪痕。日本は戦争に負けたばかりでなく、憲法制定でも二度目の敗北を喫し、さらに営々と築いてきた民族の精神性崩壊という致命的な「第三の敗北」も認めざるを得ないとも言えます。安倍晋三さんが言う「戦後レジームの脱却」はなお道遠しというところでしょうか。
さらに特に印象的だったのは、主人公白洲次郎による吉田満著「戦艦大和ノ最期」を読み入る場面です。三千人戦艦大和船員の死について「天下に恥じざる最期なり」と読み上げる白洲。「天下に恥じざる最期なり」は「戦艦大和ノ最期」の結語にあたる部分です。実はこの文節、初版本では別のフレーズに置き換えられ陽の目を見ていません。脚本の伊藤俊也氏は、初稿原稿を探し出して敢えて世に問うたのです。
研究者上島嘉郎氏によれば、GHQの手で発禁処分になった後、初稿のこの部分は、発行時「彼ら終焉の胸中はたして如何」と書き換えられたとしています。これはGHQによる検閲がなくなったサンフランシスコ講和会議後のことです。上島氏は、戦後の「戦争絶対悪」の価値観が支配していく中で、日本はすでに講和が成り独立国としての歩みを始めていたとはいえ、日本人の「精神性の敗北」に抗いえなかった著者吉田満氏自身の手で書き換えられたものであるとしています。このことは日本人の精神性が戦前と戦後で明らかに転換していた証左とも言えるのではないでしょうか。この映画からは新憲法の欺瞞に満ちた成立過程を単に追うのではなく、今なお「精神性の敗北」を引きずっている日本人を覚醒させようとする伊藤俊也監督の意図が透けて見えます。
それにしても、吉田茂役が小林薫だったとは・・
二度目の視聴で初めて気づきました。このメイクはスバラシイ!
小林薫が凄過ぎる。
ちょっと凄過ぎる。エンドロール見ても??って感じで、改めて見てマジかー!!と。あそこまで特殊メイクする必要あったのか?ってくらい。しかしアメリカさんが、しかも憲法専門家が1人もいないメンバーが作った憲法で今も生きてるって、何も疑問感じないって、つくづく自分はアメリカが思う日本人なんだなぁと思う。日本の国力は上がったのだろうか。せめて成人くらいにはなってて欲しいけど。しかし浅野忠信の英語力は凄い。
思想的に偏りが有ることや嘘が多いことに要注意ですよ‼️❓
憲法改正に与するような方が製作しているのでしょうか。 GHQの憲法制定に対する取り組みが、えげつなく汚くていい加減な姿で描かれています、もちろん史実とは違います。 史実にないところの創作は、ドキュメンタリーではないのでしょうがないですが、あまりにもいい加減過ぎます。 主人公役が、あまり上手く描けていません、通訳しかしていないかのようです。 浅野忠信の演技が良くて、英語も上手いのに、とても残念です。 嘘話を承知で観たら、映像もお金をかけていて、キャストも豪華なので、面白い映画ですよ。
私はミルクマン(御用聞き)です
映画「日本独立」(伊藤俊也監督)から。
この作品は、日本国憲法改正が騒がれている今、
すごいタイミングで公開されたことに、まずは驚く。
今の憲法は、第2次世界大戦直後のGHQ占領下で
それも日本に意思は無視されて作られた憲法だ、
だから、今こそ自分たちの手で、憲法改正をしよう、
そんな政府からのメッセージともとれたからだ。
だからこそ、憲法について書かれたメモは無視したい。
私が選んだのは、GHQとの交渉役となる
終戦連絡事務局参与を任された白洲次郎氏が、
自分の立場を表現した「私はミルクマンです」。
「ミルクマンですか? どういう意味だ?」と言う
アメリカ人の問いに対して、
「ロンドンではよく見かける牛乳配達員のことです。
そういえばアメリカには無い習慣ですね」と返す。
なかなか分かりにくい表現だが、予告(60秒)での字幕が
そのモヤモヤを払拭してくれた。「私は御用聞きです」。
だから毎日のように、何か必要なものはありませんか?と
顔を出しますので、よろしくお願いします・・と、
コミュニケーションの大切さを印象付けた。
この、用事がなくても毎日顔を出す、これこそ情報戦略。
こうして日本は、独立に向けて一歩進んだんだよなぁ。
日本国憲法の制定過程と白州次郎さんの人となりの分かる素晴らしい映画
この映画は、日本国憲法の制定過程と白州次郎さんの人となりの分かるとても素晴らしい映画です。歴史に興味のある方にはお薦めします。ありがとうございました。
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