「目が離せない」ドライブ・マイ・カー こばさんの映画レビュー(感想・評価)
目が離せない
米アカデミーにノミネートされる日本映画ってどんな作品なんだ!と、観ないわけにはいかないという思いだけで観た作品。
日本映画独特の雰囲気が流れる中、冒頭から文学的かつ官能的。そこから引き込まれて目が離せなくなった。
内容は一言でいうとよくありがちな、遺された者達が各々の想いを持ちながら、過去を振り返りながらも少し寄り添ってこれからを生きていく系。
だが、家福とみさきの初対面からの関係性がすごく丁寧に描かれている。つかず、離れず、ごく自然に心を寄り添っていく。
言葉をかわした数でもなければ、一緒にいた時間の長さでもない、居心地の良い空間が2人の間でごく自然に流れていく。
印象的なセリフは
みさきが言った奥様に秘密なんてなくて、旦那を愛したのも、男を求めたのも、全てその人だった的なセリフ。
人は、特に愛している相手なんていうのは相手の気持ちを知りたいのとは裏腹にどんどん相手の事がわからなくなっていくけど、複雑にしているのは自分自身なだけで、本当はもっと単純だったりする。
いい映画だった。
アカデミーも楽しみ。
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