劇場公開日 2021年8月20日

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「自分の暗部を突きつけられる重たいが必要な映画だった。」ドライブ・マイ・カー 2子5孫さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分の暗部を突きつけられる重たいが必要な映画だった。

2022年2月25日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

長い。
原作をかなり膨らませている。
特に赤いサーブが出てくる前までは危うく寝そうになった。
亡き妻の台詞に抑揚なく、絡みもピリッとしなく退屈だった。
裏メッセージで家福との生活は幸せだが死んだようだとでも言いたかったのか?
原作では黄色サーブだが映画では赤に。
妻の死後、サーブが登場してからは引き込まれていった。
三浦透子は役柄上押さえた演技であったがリアルに成立していた、達者なのだろう。
エンドロールまでの時間、重く長い時間が流れるが苦痛ではない。
ネタバレは書けないが、
罪悪感を持っている理由を自ら暴き出し再び歩きだす。
誰でも人を傷つけたことがあるはずで、それが相手の死に自分が関わってしまったと思っているが、犯罪ではないため日常の中に埋没していく。
しかしケリがついていない傷は決して消えてくれない、自分を許していない。
そこからどう再生するかが描かれている。
哲学的な言葉のやり取りも深い。
普段、誤魔化して暮らしている自分の暗部を突きつけられる映画だった。

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2子5孫