「日本の総理大臣に42歳女性という非現実的な設定の是非」総理の夫 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
日本の総理大臣に42歳女性という非現実的な設定の是非
2021年映画館鑑賞90作品目
10月17日(日)イオンシネマ北上
原作未読
原作は『キネマの神様』『カフーを待ちわびて』『でーれーガールズ』『星守る犬』など映像化も多い原田マハ
脚本は『ニセコイ』『青くて痛くて脆い』『ヒノマルソウル』などの杉原憲明とTVドラマ『水球ヤンキース』『明日、ママがいない』などの松田沙也
監督は『ニセコイ』『俺物語』『かぐや様は告らせたい』など傑作コメディーを多く輩出してきた河井勇人
42歳の女性代議士が総理大臣に就任し妊娠を理由に辞職する話
夫は大企業の次男坊で鳥類の研究家
ボンボンなので都内の庭つき豪邸に住み趣味と仕事を生かして自由気まま優雅に暮らしていたのに妻が総理になったので公邸に引っ越すハメになる
妻は連立政権の大物ベテラン代議士原九郎と政策を巡って対立
原九郎は彼女を利用し彼女を蹴落として次期総理を狙っていた
衆議院解散し選挙にうって出る
そんなおり妻が妊娠
絶対安静が必要のなか総理の決断は?
夫婦愛の物語
日本ではまだまだ未経験の話だが発想としてはとてもありがちな話
そろそろこの国の政治のトップも女性が就任しても良い頃だがいかんせん国会議員全体を占める女性の割合がかなり低い
男性はもちろんのこと女性有権者も女性代議士をそれほど求めていないんだろう
政治のような汚い仕事は男にやらせとけと思っているのかもしれない
女性総理という設定はともかく42歳という若さはあまりにもリアルじゃなかった
初代総理大臣伊藤博文が44歳で最も若く戦後は安倍晋三の52歳が最も若く次いで54歳の田中角栄という背景がある
40代なんて明治初期か戦争中の近衛文麿くらいじゃないか
昔に比べたらかなり形骸化したとはいえまだまだ年功序列が根強い日本でそれは現実的ではなく最初はしっくりこなかった
日和の母親役で凛子にとっては姑役を演じた余貴美子の方がよっぽど総理大臣の貫禄がある
総理大臣の妊娠を描きたかったのだろうからこの設定は必然なのだから途中から受け入れたのだが
どうせリアルな話ではないので妊娠を理由に総理を辞めてほしくなかった
産休中は官房長官や副総理とかが代理を務めればいい話じゃないか
不倫が発覚して早々と退陣する不細工な総理と違い美談にはなるがオチとしてはガッカリな展開
やっぱり女ってダメだよね、、女がリーダーじゃダメだよね、、若い女に至っては論外だよねってことになりかねない
42歳が若いかどうかは年代によって違うんだろうけど国会議員としては若造であることは間違いない
もちろんまだまだ若いから再チャレンジで第三次相馬内閣誕生の可能性は充分あるのだろうけど
そういえば再挑戦ができる日本社会を総理大臣として初めて具現化したのは安倍晋三だよね
相馬凛子第一次内閣では女性大臣は3人か4人くらいだったが第二次内閣は6人か7人くらいに増えた
連立を解消し忖度しなくて済んだからだろう
第一次内閣で真っ先にスキャンダルを起こしたのは女性大臣だったのはリアルだ
海外に比べ女性の国会議員が少ない!女性の大臣が少ない!と嘆くくせになったらなったで足を引っ張ることしか頭にない東京のマスコミ連中の人間性を疑う
日和の兄で大企業のCEO多和を演じた片岡愛之助がいい味を出していた
記者からの質問にブチギレてからのカメラマンに対する愛想笑顔の数々が特に好き
日和の職場の同僚に猫背の眼鏡女がいたが最初から最後まで不自然で生理的に嫌いなキャラだった
演じているのは山本美月かなと思ったが松井愛莉だった
事前に資料をあまり観ないのでわからなかったのだ
中谷美紀や貫地谷しほりの芝居にもらい泣き
ベタな設定だけど涙が溢れる年頃
赤ちゃんや幼少の子供とか苦労する若い母親が絡んでくると泣けてくるのはなぜだろう
現実の非自民政権もこのくらい活気があったら良かったんだけどね
自民党よりはるかに劣ることが発覚したら今の実情も仕方がない
最後は野田じゃなくてどうせなら蓮舫とか辻元清美にやらせとけば民主党も歴史的に少しは功績を残せたのに残念だ