ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌のレビュー・感想・評価
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主演ふたりが柱となって織りなす力作
主人公の”僕”と、母と、祖母。親子三世代におよぶ物語を紡ぐとなれば、それなりの語りの巧さと力量が不可欠だ。その点、本作におけるロン・ハワードの存在は、観る側にとって安心して身を委ねられる最良の材料となるだろう。彼がもたらす映像的なダイナミックさ、さらには森の緑と人間の営みとのコントラストは、一瞬一瞬が色濃く記憶に焼き付く。その物語全般にわたって自分でも制御不能なほど事態をかき乱してしまう娘役がエイミー・アダムスならば、グレン・クローズは「決して諦めるな」「強くあれ」と皆を厳しく叱り抱きしめる防波堤のような存在だ。彼ら二人のもたらす巨大な柱あってこそ、この映画は成立したと言っていい。一方で、2時間に収めようとしたのか、後半は”駆け足”感が否めない。イラク戦争、大学進学の経緯も、全くの言葉足らず。もしかすると必要なエピソードをカットしてしまったのだろうか。これほど魂のこもった作品だけに残念だ。
女優陣の熱演が最大の観どころ
巨匠ロン・ハワード監督作品ということと、第93回アカデミー賞助演女優賞ノミネート作品ということで鑑賞。 正直なところ、ロン・ハワード監督作品にしてはちょっと…というできではあったが、女優陣の演技は際立っていたと思う。主演のエイミー・アダムスの迷走ママぶりも思い切りがよく観応えじゅうぶんだが、本作はやはり助演女優賞ノミネートのグレン・クローズの男前祖母ぶりに尽きると思う。常に気丈にふるまいながらも時に号泣していたシーンも人間らしくて良かったし、孫の将来を本気で想うがゆえの行動の数々は感動を越して尊敬に値すると言える。 実は観終えて初めて祖母役がかの名女優グレン・クローズだと知る…。まさか「危険な情事」のあのお方だったとは…(汗)
何度でも撮られなきゃいけない、こんな映画は
貧困とプライド、諦念と希望。 こんな地味な映画はこの「ネタ消費」の現代では地味に過ぎるが、日米問わず現実はこうだ。 実話だけが持つ地味にリアルな不幸エピソードの連発で、観るのが辛い、…こともない。 テンポがいいし、人物の造形がよく描かれてるので退屈はゼロ。 いい映画を観たという感想です。
あなたなら、どうする?
またもや優れもんのNetflixオリジナル映画作品😳自宅鑑賞 アメリカファーストのトランプ大統領誕生の背景にも繋がるタイムリーなアメリカが内包する社会問題、家族のしがらみと絆という普遍的テーマを無名な主演の2人(子供時代と今)の熱のこもった演技、2人の名女優の身体を張った競演など、痺れるようなずっしりとした内容を名匠ロン・ハワード監督が確かな構成と演出力で、ともすれば陳腐で薄っぺらになりがちなストーリーを鼻につかない、素直に入ってくる、感動的で印象的な美しい作品に仕上げてますニャ🐈観てよかったです
実話だったのですね
グレン・クローズが最後に出てくる実在したおばあちゃんにそっくりでびっくりしました 内容は複雑な家庭のそこで育った息子の成長や現在進行系 エイミー・アダムスも若い時と中年期との違いが上手くて、やっぱり俳優さんが上手いのって当たり前だけどいいですね 秀作だと思います
グレン・クローズも凄いことになってる
2021年9月11日 映画 #ヒルビリー・エレジー #郷愁の哀歌 (2020年)アメリカ映画 鑑賞 #エイミー・アダムス が太って醜い中年女性の役を演じているが実生活でも太ってきてるのかな? #魔法にかけられて や #ダウト の頃の可憐なイメージを持ち続ける方がおかしいか。もう47歳になられたんだからね。
地元のために働きたい!
観たかったが、ネットフリックスのオリジナルなので、当時ネットフリックス買っていなかったので観るチャンスがなかった。今、やっと観られたが、すでに、あまりにも有名な映画や回顧録にもなっていて、J. D.バンスのことをかなり知ってしまったので、感慨深くなくなっちゃった。 まずいなあ、かなりの情報がこの映画をつまらなくしたし、彼自身も、あまりにも有名になりすぎちゃった。 バンスは前から有名だったかもしれないが、私にとっては『なぜ、トランプが大統領になって、ヒラリーがなれ なかったのか』という紐を解いてくれた人の一人だった。選挙後、なぜ、トランプかの彼の説明はアメリカ社会で重要な存在になったと思う。 バンスのような家庭環境で育った、忘れられていたヒルビリーが脚光を浴びたから。私がまだ覚えているバンスの一言は「ヒラリーの演説は右の耳からも入らない。雲をつかむようだが、トランプの演説はシンプルでわかりやすく迫力がある。』これはバンスの言葉を訳したものでなく、私の記憶にあるものだ。なるほどと思った。人の心に訴えるように話すことは政治家だけでなく、壇に立つ人の必要なスキルなのだ。 バンスは共和党で、2022年のオハイオ州の知事選に出るようだ。私は彼の政策を全部読んでないが、JD Vance for Senate Inc.から二つの課題だけちょっと抜粋した(そして、私が意訳を)。興味があればJD Vance for Senate Inc.をコピペして読んで欲しい。 A Foreign Policy that Puts Americans First Our troops don’t need to focus on diversity or equity or any other progressive buzzword; they need to focus on fighting and winning America’s wars. 彼は軍には多様性や公正性などに焦点をおかず、戦うことや米国の戦争に勝つことに焦点を置く必要があると。 Restore Sanity on COVID-19 should be able to go to school in person, without masks hiding the faces of their friends and teachers. コロナに関しては、学校に行って授業に出るべきで、友達や先生に顔を隠さず、マスクなしと。 この2つの課題だけでも私個人と全く逆の考えだ。でも、これだけでは、人間性云々は言えないと思う。 映画が事実だとすると、これだけ、苦難を乗り越えた人が(一般に言われる)成功した場合、反面教師になるか、また、親と似たような性格になるか?本人にあったこともないし、身近な人でもないから知らない。ただ、彼はCNNのコメンテーターだったから、彼の話ぶりは知っている。 この回顧録の映画で強烈だったところは、祖母が彼を立て直したところだ。母親もあの状態だから、祖母にとっても、子育てに自信があるとは言えないが、オーピーオイドの薬中になり母親のように生きるか、それに、高齢貧困層に配給される昼ごはんを頼みにする生活をするか、祖母の励ましや病気、などがバンスの目を開かせた。貧困から抜け出すには批判的思考力がいると教育界ではいうが、彼もそれがあったに違いない。 それからバンスは高校を卒業し、海軍に入った。 貧困でも(軍の奨学金でーそうは言ってないが) 大学にいける。 彼のあるインタビューで感激した言葉がある。オハイオ州に戻ってきてからの言葉で、シリコンバレー(ここで投資家だったようだ)なんかどうでもいいよとか言って、 オハイオ州で問題なオーピーオイド(痛み止めが麻薬化する)などに力を入れたいと。地元のために働きたいと。
セレブオーラのふっしょく
もっとも見えるポイントはスターオーラの払拭。 Amy Adamsといえば魔法にかけられて──の、現代に迷い込んだおとぎ話のお姫様であり、アメリカンハッスル、メッセージでも、育ちのいいきれいな人だった。 そのイメージを取っ払って、無化粧で髪もボザボサ、体型もbeforeなかんじのまま。 それはGlenn CloseにもHaley Bennettにも言える。 受賞したのはミナリのユンヨジョンだったが、本作でアカデミー助演女優賞にノミネートされたGlenn Closeは強そうで苦労が見える、とてもリアルなばあやだった。 ニュース動画等で、なにげなくうつったアメリカの一般人が、みょうにエロく見えてしまうことがある。その視覚的な内訳は、豊満な体型と二の腕とcleavageで構成されていると思われる。すなわち、たいてい所得が低ければ低いほどそれが露顕する。 ここに出てくるHaley Bennettはそれだった。すっぴんで低所得者層風の肥満をしている。だが顔はHaley Bennettである。 わたしにはHaley Bennettの顔は、昔の(とりわけあなただけ今晩はの)シャーリーマクレーンに見える。 母子の愛憎の話。母親はクスリに頼って問題ばかりおこしている。世の中には、ダメでもあるけれど、いい側面も持っている親がいる。こどもたちは、母親のいいところがクスリに打ち克ってほしい。と願っている。その浮き、沈みを、描いていく。 ベストセラー回顧録「ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち」の映画化とのこと。シリアスな主題だった。 ロンハワード監督を優れた演出家だと認識している。が、この映画は、筋書きが持っている人間模様の苛烈さに圧され、演出上の巧拙はあまり見えなかった。 アメリカを知らないが、映画を見ていて、あっちの家庭では、(家族間で)争う・戦うことが、成長に正常に(反教師的に)作用することがある──と思うことが多い。 少年時代をやったOwen Asztalosが巧かった。また、やはりGlenn Closeがじょうず。生半可なリアリティじゃなかった。ノミネートの女王だがノミネートせざるを得ないことは、よく解る。 余談だがGlenn Close、本作でラジー賞でもノミネートされていたとのこと。同年に同俳優が別作品でオスカーとラジーにノミネート(または受賞)されることはあるが、同作品の同ノミネートは稀──とのことだった。 厳ついばあやの造形が滑稽でもあった──かもしれない。
個人的には好き
アメリカでは批判もあったみたいだが、 私としては好きだった ザ田舎の母ちゃんと ザ田舎のばあちゃん。 この二人の演技が驚異的で。 本人たちを忠実に再現したなと。 まずそこから好印象だし、 グレンクローズは女優賞獲れると思ってた
けっこうよかった
お母さんがヤク中でつらい。あんな状況でも恋人がいて、こっぴどく振られるものの恋愛をするのがすごい。頼って行ったら私物を2階から放り投げられるのは嫌だ。あそこまでひどいヤク中だと、人生に幕を下ろした方がいいのではないかと思う。おばあちゃんがたくましくてかっこいい。主人公が就職活動で、有力者の目を引かなければならないのが、本当にしんどい。オレにはあんな就活絶対に無理だ。コツコツ勉強して国家資格を取るとか、そういう道の方がずっといい。
家族の愛歌
J.D.ヴァンスの回顧録を映画化。
…って、ダレ?
米作家。
生まれはオハイオの田舎町。そこから名門イェール大に進学。
その道のりは決して平坦ではなかったろう。
劇中でもJ.D.は都会の白人エリートたちとの会食の席で生まれ故郷を“レッドネック”と呼ばれた。これはアメリカ南部の田舎を蔑む差別的用語。
生まれや育った環境の格差。
出身のハンデを抱える人は他にも大勢いるだろうが、J.D.はさらに問題が上乗せされる。
彼の家族。
これは、彼の3世代の家族の物語…。
イェール大のロースクールに進学し、夢に一歩近付いたJ.D.。
そんな彼に故郷から連絡が。母が薬物過剰摂取で入院したという。
複雑な胸中でJ.D.は故郷へ。脳裏に思い返されるは、故郷、少年時代、そして母と祖母…。
邦画だったらノスタルジーに浸れる感動作になっていただろう。
が、本作はそんな感傷に浸っている暇は全く無い。
壮絶な家族史…。
母ベブ。確かに愛情はある。優しい時や、抱き締めてくれる時も。が、性格や私生活は荒れ、男にフラれる度に薬物に溺れる。そうなると情緒不安定。突然ブチギレ、手を出す事もしばしば。典型例な毒親。
そんな娘を、祖母マモーウは擁護し続けてきた…いや、J.D.に言わせると、甘やかしてきた。
看護士として働くベブの職場で抜き打ちの尿検査。薬漬けなのがバレてしまう。J.D.に頼み込むが、拒否。すると何と、祖母は母側に。J.D.は憤りを露に。母はダメ人間だが、それに拍車をかけたのは祖母なのでは…?
勿論祖母自身もそれは分かっている。この家族は家族同士で、辛く、苦しく、哀しく、首を絞め合っている…。
ベブの唯一の理解者だった父が死去。彼女の情緒はますます不安定に。警察ともトラブルを起こす。
付き合う男もクズだらけ。実家を離れ、J.D.を連れ男と暮らし始め、J.D.も男の息子の悪い影響を受け始める…。
堕ちていく母…。
振り回される姉やJ.D.…。
祖母も病に犯される…。
この家族に救いはないのか…?
ある人物が、動いた。
J.D.を引き取ると言い出した祖母マモーウ。
元々J.D.と祖母は仲が良く、今よりいい生活で、楽出来ると思ったのだろう。
が、期待と違った。
祖母は優しさを押し殺し、スパルタ教育。生活面、勉強、果ては人格まで、全てに於いて厳しく。
反発するJ.D.。「大嫌いだ」
「嫌われてもいい」。そう言うマモーウの言葉には、ある決心すら見えた。
かつては成績優秀だったという母。
が、自ら道を踏み外した。
その過ちを孫にもさせたくない。その為には嫌われてもいい。どんなに厳しくしても。孫の将来の為なら。
努力もしないでチャンスはあると思うな。
お前にはその努力もチャンスもある。
努力もチャンスも買ってでもやれ。
必ず、お前やお前の将来の為なる。
お前は、自分と家族の希望の星なんだからーーー。
そして、母。
昔から何度足を引っ張られたろう。今もまた薬物を断ち切れない。
これからエリートの道を進むのに、薬物依存の身内が居たらその道は閉ざされてしまうかもしれない。
が、それでも家族。
どんなに嫌っても、憎んでも。
手を差し伸ばす。
最後には。
原作は劣悪な場で暮らす白人貧困層の問題を掘り下げたより政治色の濃いものらしいが、映画は家族の物語に置き換えて。
賛否分かれてるようだが、ロン・ハワードが家族や母子の愛憎を分かり易く、的確に抽出する。
圧巻は役者陣の演技。
実質主役のJ.D.役のガブリエル・バッソの好演。
ベブ役のエイミー・アダムスの鬼気迫る熱演。
特殊メイクを施したグレン・クローズはもはや怪演と言っていい。(先日発表されたばかりのラジー賞では助演賞ノミネートの一方、間もなく発表されるオスカーでもノミネートが期待されているという。狙え!オスカー&ラジーWノミネート!)
前述の通り賛否両論。
全米では賞レースから撤退するほど酷評優勢。
しかし、何だかそれが作品を物語っていた。
決めつけられた負のレッテルを覆す。
誰のせいにもしない。
自分の手で、自分の将来を切り拓く。
家族を助けるのは、自分。自分を助けるのは、家族。
家族の希望は、自分。自分の欠けがえのない存在は、家族。
批評家にとっては凡作かもしれないが、凡人の自分には強く胸打たれる良作であった。
凡庸な作品。
凡庸な作品。 映画というよりただある人(家族)の人生を時間軸で追っただけのドラマ、説明映像を見たとの思いしかない。 どうやらこの映画は格差を一つのワードに挙げて紹介されているようだが、格差を感じ得る場面はほぼない。映画の中の出来事は、また人の様子は格差関係なく何れの人にも当てはまるだろうことで、単にお金がない等の事実を映しただけで視者が導かれるところはと思うと、表現が安易なのか稚拙であっただけなのかもしれない。 格差というのは専ら対社会的なものになるのだろうが、内なるものへと外への姿の境が確り表されることもなく、更に例えば内なるものへとしても、貧乏と貧困の違いさえ顕わにされるようなこともなかったようだ。ただ繋げればよいという話ではない。そんなものを映画に期待しない。少なくとも古の某氏の日本の印象ではないが、貧乏でも貧困はない、ということはある。 もう少し人の、人間関係の、対社会の、さらに地域の土の匂いを感じるような緻密な表現がなければ、言い換えればフローの表現に偏らず、ストックに光を当てる濃い瞬間を組み込まれなければ、この映画に心を動かされることもなく、そのような人生を送っている人も少ないと思う。 格差の言葉に固執するならば、例えば今のコロナ禍。ニュース番組に家計資産が130兆ドルもあるアメリカのフードバンクに並ぶ長い人の列が映るが、車が通りすぎる道を挟んで、フードバンクの入り口を10分眺めていた方が感じる、肌で感じるものが多く、深いと思う。 鑑賞後、原作の本の評をネットで拝見した。比較総べられた評の文章を見るに、おそらく原作の本を読んだ方が良いように思われた。原作を読んでいない勝手な妄想だが、もし原作を読まれたならばこの映画を鑑賞しない方が良いのではないかと妄想する。俗に言えばあまりのドライさに落胆するだろうし、映画の感覚のままに社会が受け止めるだろうことを想像すると失望するかもしれない。 ただ普通のドラマとしてみるには良いかもしれない。明らかに下手な小手先のテクニックで誤魔化したような場面はほぼなく、その点では好感を持てた。加え、グレン・クローズの演技は、孤軍奮闘的故か、さすがと好意を持てた。 (余談ながら、最近の映画と称するものを観て思うのだが、製作時間なのか予算なのか、理由は定かではないが、これぞ映画と思わせる作品が少ないように思う。この映画の邦題も題材にして「郷愁の哀歌」と加えているところに、今の映画配給の様子が窺えるのかもしれない。)
アメリカの繁栄の置いてきぼり
反映するアメリカから置いてきぼりされた人々の話。 トランプを支持する白人層について、日本人は余り理解出来てない事を実感させる映画。 ヒルビリーとか、レッドネックとか、基本的な用語を理解してないとついていけない。 J.Dが脱出するには、映画では描かれない重要な要素があり、それは海兵隊に入って訓練を受けた事だと思う。 映画の中では描きにくいことなのでしょうがないけど。 任務を遂行することで鍛えられ、それがイェール大学に繋がっている。 初めてNETFLIX で鑑賞したが、母親が毒になる部分は早送りしてしまった。net鑑賞の欠点。
JDヴァンスの自伝
薬物中毒の母親といつもタバコを吸ってるばあちゃんと姉ちゃんとの家族で起きた実話をもとにしたJDヴァンスの自伝を映画化したもの。 JDが大きくなってからと小さい時の情景を行ったり来たりしながら話は進む。 貧困白人という言葉がピッタリの家庭に育ったJDが名門イェール大学のロースクールにまで進学した、ある意味成功物語で、おばあちゃんの努力しろという言葉で目覚めてどうしようも無い母親も受け入れる。 そんな所が見所なのかな。 前回の大統領選の時に貧困白人は話題になったらしい。 一つのアメリカを知る意味で為になった。
僕とオカンとばあちゃんのオハイオ物語
予告を見ていた段階で、グレン・クローズのメイクの迫力に気圧されてた私。更に驚かされたのがヘイリー・ベネットです。
あ、なんか美人さんがおる。けど、ちょっとふっくらし過ぎやけど。へ。え。えぇ?彼女、ヘイリー・ベネット?マジか。いつの間に、こんな事になってんねん。可憐なベネットはどこへ?アメリカ人は怖いなぁ。などと。いや、ちょっと、これは役作りですよね。ヘイリー・ベネットの印象は「七人の侍」(ごめん、わざと言ってます)のまんまだったので、驚きましたw
とにかく熱演大会です。演技が熱いです。と言うか、登場人物の沸騰場面、多過ぎって言うべきかw
グレン・クローズとエイミー・アダムスは期待通りとして、J・Dの少年時代役のオーウェン・アスタロスが良かったです。ちょっと調べてみたら、彼は今、かなりスリムになってます。個性的な顔立ちもあり、次も面白い役が回ってくると良いなぁ、って思います。
クルマに乗って一家がケンタッキーを離れる場面くらいで、「音楽が良いなぁ」と思ったら、ハンス・ジマーだった。映画に合わせた、現代大衆音楽的な交響曲。やっぱり良いなぁ。ペンバートンとハンス・ジマーが俺の中では双璧です。
物語はと言うと。娘の毒親振りに、孫の将来が不安になったグレン・クローズ。孫を引き取り真っすぐに生きる道を辿らせて行く。苦学の末、弁護士事務所採用の一歩前まで来た孫。ヘロイン漬けになった母親を見捨てることは出来ず、ともに歩み続ける道を選択する、と言う話。回顧録が元ネタという事でリアルでドロドロしてます。
親と教育は大事だよねぇ、とか。アメリカの薬物事情のヤバさ、とか。皆保険制度の安心感、とか。アメリカ弁護士業界の、いやらしいまでの選民意識とか。その他、イラク戦争・多人種国家、いろんな現代アメリカの世相を背景に描かれるのは、三代にわたる親子/母子の、「切っても切れない縁」。
進学資金を作るために陸軍に入隊しイラクまでいったJ・D。バイトを3つも掛け持ちしているJ・D。「苦学生」なんて言葉は、今の日本では死語ですけどね。「苦学」のレベルが、凄過ぎるよ。母親の何番目か判らない再婚相手の元で、夫の連れ子とつるんでマリファナ漬けの生活を送っていたとしたら。祖母の元で、貧しさを実感する日々を送っていなければ。あれだけの、成功意欲は湧いてなかっただろうよ、って言う。
期待値高目で鑑賞。その期待値通りの、良い映画でした。
良かった。とっても。
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