トゥルーノースのレビュー・感想・評価
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政治の話ではなく「人たち」の話
すごい映画。 「北朝鮮版ビューティフルマインド」と言うべきか、人生の意味と苦境(というか地獄)でも正しい行為を行う本当の重要性を否応なく考える。人間の尊厳とは何か。童謡の「赤とんぼ」で感動したのは初めてだな…。 政治がどうしてもチラつくが、実際観てみると政治色はそこまで感じず。めちゃくちゃ心揺さぶられる映画で、目を背けたくなる場面も多々あったが、(クォリティが高いわけではない)アニメだから最後まで鑑賞できたように思う。実写だとしたら、心抉られてしばらく立ち直れなさそう。あと普通に映画としてのストーリーもあって、あっという間に時間が過ぎる。 タイトルが示す通り「真実の北朝鮮」がドキュメンタリー風で描かれていて、強制収容所に入れられるまでの描写も恐ろしいし、何より収容所の様子が凄まじい。 単に、北朝鮮でこんなことが起こってますと伝えるだけでなく、北朝鮮の一般人民が考えていることや民族の絆(国家主席以前に大事だったもの)を紡ぎ出していて、すごくエネルギーがある。物語の中でヨハン中心に歌う歌詞がアンチテーゼのようで、本来理想とすべき絆や助け合いがそこにはある。『我ら人民(I am a man)』、人民とは…。 だから大勢について、また政治についての描写はほとんどなくて、「いかに正しく生きるか」にフォーカスされているし、「正しく生きている」人たちがいることに目を向けていく。絶対今の自分が収容されたら2ヶ月も保たないだろうな…。 もちろん政治批判的な意味合いも多分に含んでいるだろうが、現実に起きていることであるし、そこから何を感じてどう行動するかが問われている気がする。多くの人に、映画館で観てほしいなと思う映画だった(観る人は選ぶだろうが) 「誰が正しいか、間違っているかじゃない。誰になりたいかが大事」
北朝鮮の政治犯強制収容所から逃れた脱北者が語る想像を絶する半生。権...
北朝鮮の政治犯強制収容所から逃れた脱北者が語る想像を絶する半生。権力者による理不尽な暴力と恐怖に支配されて生きる人たちが、今もこの国だけでなく世界中にいるという事実におののき、自分はどうすべきかを考える。まずは観て知ってほしい(上映館がもっと増えることを期待)。 監督も語っているが、過度にリアルな映像で受け入れられなくならないよう、あえてローポリゴンCGにしているようで、その試みはうまくいっていると思う(見始めてすぐに違和感はなくなった)。最近観たJUNK HEADに続いて、アニメーションという表現の多様さを知った。
まさに命を懸けた「告発」映画。でも映画としてはド直球の人間ドラマ。これが正しい映画の作法だ。
まさに命懸けの映画だ。 命を張って、真正面から北朝鮮の収容所生活の不正義を告発している。 シンプルで、ゆるぎなく、まっすぐな作品。 なぜこの「当たり前」の告発が、個人制作の3Dアニメでしか成せなかったのか。 なぜ世に問うまでに10年の歳月がかかってしまったのか。 日本のリベラル諸氏は、国家・政府・自民党を叩くときは、身もだえせんばかりの怒りと憎しみと嘲弄ぶりを噴出させるが、なぜか、中国やロシア、北朝鮮、ミャンマーといった「日本のそれとはとても比べものにならないくらいの異常な弾圧・人権侵害・ジェノサイド」を耳にしても、どこか気のない対応しかしない、できない。 表面上は、怒り、抗議してみせる。けれど本音は内心どうでもよく思っている。それが透けて見える。 要するに、彼らは、自分自身の生きづらさを世界や社会の不備に求め、いらだち、むかつき、その元凶と目される権力への憎悪を募らせている。攻撃してすかっとできる何かを探している。内なる正義の基準に従っているわけではない。理性的であるように見えて、理性的ではない。 だから、自らに直接関係のない国の話には、たいして心が動かない。 相応に満ち足りた安全な国のなかで、いくら叩いても反撃してこない確信のある自国の政府や官邸だけを叩いてわめいて、留飲を下げている。 それはネットの保守層だって同じことだ。 彼らはしきりに韓国を叩き、在日コリアンを叩くが、本当の敵は曲がりなりにも民主主義陣営の側にいる韓国でもなければ、ほぼ日本人と変わりない生活を送り、実質は苦楽をともにしている人が大半を占める在日コリアンでもない。敵性国家と日本を位置づけ、スパイを放ち、国家機関を用いてサーバー攻撃を仕掛け、あらゆることで平気で噓をつき、露骨な国境紛争をしかけてくる、数百倍ろくでもない国家が周辺にはいくつもあって、本当に怒るとしたら、まずはそこなのだ。 でも彼らを怒らせるのは、「まだ理解できる範囲に存在する違和」としての韓国であり、在日である。 結局は、彼らもまた「自らが周囲に感じている得体のしれない違和感や恐怖」を、韓国人や在日に仮託しているに過ぎない。安全域で、自らが抱える闇の憂さ晴らしを続けているだけだ。 たとえば、香港で起きている言論弾圧や、ウイグルの強制収容所での「断種」政策、ロシアで起きている政敵の監禁と野党の非合法化、ミャンマーでの非暴力デモに対する無差別銃撃……などなど、世界で起きている「無法」のえげつなさはとても日本の比ではないし、ほとんどめちゃくちゃである。でも、日本人にとってはめちゃくちゃすぎて、なんだか現実感がない。「なんかひどいね」「ほんまかいな」「でもまあよその国の話だしね」「それより五輪がさあ、コロナ対応がさあ」……。 とまあ、しょせんは、他人事だ。 結局は、人間の想像力というのは「身の回りの価値観」で理解できるリミットを超えた、圧倒的な異常さと狂気と暴虐に対しては、とうてい追いつかないものなのだ。 それに、こういった「悪」を告発することは、まさに命懸けの行為だ。 ロシアで毒殺されかけたあげく拘束されているナワリヌイ、香港で国安法でしょっぴかれて有罪をくらった蘋果日報のジミー・ライ。ミャンマーでも次々とジャーナリストが「合法的に」逮捕され、拷問にかけられている。 多くの国の為政者は、日本とちがって、本当に当たり前のように敵対者をつぶす。暗殺する。処刑する。「政敵は現状の国家体制を根底から揺るがす。だから、排除する。なにか、問題あるんですか?」 こういうスタンスでプーチンや習近平にしれっと居直られると、意外に返す言葉が見つからない。打つ手がない。それは、僕たちだけでなく、欧米諸国の首脳陣ですら、そうだ。 そんな「悪い国」のなかでも、北朝鮮は最悪だ。 ついこのあいだも、金正恩がほめた影絵ショーについて、「自分はあまりいいとは思わなかった」と知人に述べたことを密告された合唱指揮者が、公開処刑で銃弾90発を浴びせられた挙句、その死体の周辺を合唱団員が行進させられたという報道があった。脱北者のYouTubeがソースだから、どこまで本当かはわからないが、偉大なる総統様による粛清話はそれこそ枚挙にいとまがない。 ショーの感想ひとつすら、思ったとおり口にできない。 言ったら、消される。 そんな国を相手に、告発の声をあげるということが、いかに勇気のいることか。 監督の清水ハン栄治は、それをやってのけた。 在日コリアン4世として、きわめてまっとうな問題意識と、きわめてストレートな手法をもって、北朝鮮収容所の残酷な現実をわれわれに、世界に、突きつけてみせた。 描かれるのは金正日の時代の話だが、この地獄のような状況は、今もまったく変わりなく続いている。(むしろ映画内の衛星写真で示唆されるとおり、強制収容所は金正恩時代に入って「規模が倍以上に拡大されている」!) 要するに、これは歴史ではない。 アウシュビッツやアメリカ奴隷制と異なる、「今ここにある圧倒的現実」なのだ。 その惨状を、まさに危険を顧みず、世界に問いかけるのは、右も左も関係ない、日本も在日コリアンも関係ない、喫緊のテーマだ。やって当たり前のこと――でも誰も怖くてできない。観ないようにしている。考えないようにしている。どうせ、よその国の話だから。理解が追い付かないから。 それを、この監督はひとりで背負って、やってのけた。 僕は、本当に凄いことだと思う。 この映画を実際に観たうえで、とくに注目してほしいのは、以下の2つのポイントだ。 その1。本作は「告発」の映画ではあるが、「プロパガンダ」の映画ではない。 映画内では一切の思想も、理想も、政治信条も語られない。 ここに存在するのはあくまで、ひとつの家族の物語だ。 すべては、物語に仮託して語られる。そこがとにかく潔い。素晴らしい。 映画の冒頭、TEDのプレゼンターがいう、「政治の話はしません。これは私の家族の物語です」とのセリフ。これがまさに本作の本質を表している。 本当に優れた告発映画というものは、映画内で作り手の意見を開陳したりしない。ひたすら登場人物の人生に語らせる。観客にそこから感じてもらう。言いたいことをぐっとこらえて、このストイックな作劇に徹することのできた作品だけが、思想や政治信条を超えて、人の心を打つことができるのだ。 その2。本作は「収容所の映画」であるだけではない。「帰国事業で日本から戻った人々の映画」でもある。 1959年以降、四半世紀にわたって行われた北朝鮮帰国事業によって、「地上の楽園」と宣伝されたこの国に在日コリアン、日本人妻など約10万人が渡った。本作の主人公一家は、まさにそうやって海を渡った「元在日コリアン」だ。 すなわち、ここで収容されている人の多くは、見ず知らずの朝鮮人ではない。 昨日まで、僕たちの隣の家で暮らしていたかもしれない人々なのだ。 そのなかにはもちろん、日本人家族も登場するし、「赤とんぼ」のシーンに見られるように、拉致被害者と語らうシーンも出てくる。 監督はインタビューでこう答えている。 「北朝鮮について、日本では拉致問題ばかりを取り上げ、帰還事業のことはほとんど話に出てこない。自らの意志で移住を決めたのだから、自己責任だろうと。これはさすがにちょっと冷たいなと思うんです。たとえそうであるにせよ、地獄を見ている人がいるんだったら、人情というものがあるんじゃないか」 彼は、物語にこうして明確な「日本と北朝鮮」のブリッジを組み込むことで、この凄惨な虐待と蹂躙の地獄を描く物語が、決して日本人にとっても「他人事ではない」と語りかけている。 映画自体の脚本は、とてもいい出来だと思う。 もちろん、監督第一作ということもあって、気になるところもある。 多くの脱北者の怨念に満ちた物語をひとつの一家の物語にまとめあげているため、どうしても「あれもこれも」感(ちょっとNHK朝ドラの総集編みたいな詰め込みよう)がつきまとうし、子供編がまあまあ退屈だとか、最後の兵士のセリフがベタすぎて最高にダサいとか、エモさを狙ったラストの観衆の拍手がただただキモいとか、大衆性を気に掛けたあまり陳腐に堕しているシーンもある。 けれど、総じて誠実に描けているし、単なる陰陰滅滅たる収容所悲話に終わらせず、アクション要素込みの「脱獄もの」のエンターテインメントとして仕上げた点も慧眼だったと思う。ラストに仕掛けられたちょっとした叙述トリックには本当に感心した。 3Dアニメという手法に関しては、諸手をあげて「これしかない表現技法だ!」と絶賛する気にはとてもならない。 普通に、ビッグバジェットの実写映画としてこの話は観たかったなあ、というのが嘘偽らざる感想だからだ。 やはり、よくできているとはいっても、自主制作映画めいたリソースとスペックの限界は感じざるを得ない。キャラクターデザインや3Dの動画自体は予想以上にうまくいっているが、歩く姿や立ち上がる姿など、ちょっとした動きに技術不足が露呈して集中を削ぐ。絵柄以上に気になるのが、アマチュアの米国人声優たちで、仕方がないとはいっても、彼らの素人くさい演技はどう見ても映画のマイナス要素だ。できうることなら、本作がある程度ヒットしたならば、ぜひプロの声優さんで日本語版と韓国語版もつくってほしいと思う。 もちろんその先には、日韓合作での実写化が実現できれば最高に素晴らしいのだが、「それが端からできないから」3Dアニメなのだ、ということも忘れてはならない。 この作品のもつ「リスク」を監督が個人制作のアニメという形で引き受けたから、本作はなんとか完成にこぎつけ、上映に至ることができたわけで、これの実写企画を社として受けようという映画会社はなかなか存在しないのではないか。その意味では、「表現技法として3Dアニメで作って結果的に正解だった!」という「やや後付け」の賛辞よりも、そもそもこれが「3Dアニメでしかつくれなかった」現在の状況について、やはりしっかり考えるべきだろう。 最後に、監督がこの映画を英語で作ったことの意図は明確だ。 世界じゅうで、ひとりでも多くの人に、この映画をぜひ観てほしい。 北朝鮮は、アンタッチャブルな「考えても仕方のない国」ではない。 このままにしておいてはいけない、真の無法国家なのだ。 そのためには、何かを変えなければならない。 そのためにあげられた勇気ある声を、みんなで共有していくことで、何かが変わるかもしれない。 少なくとも、清水監督はそう思っているはずだ。
日本だってわからない
韓国はわからないが、中国や日本やアメリカは北朝鮮はこのままでいてくれた方がいいと思っているような気がするなー。 日本も国がどんどん国民を締め付けて分断して監視社会に近づいていっているような気がする。 この映画を観てそう思ったし、なんとか北朝鮮を助ける手立てはないのかとも思った。韓国、北朝鮮を嫌っている日本人が増えていってる気がするけど、そういう人に観て欲しいな。観ねーか。
この映画こそ 子どもから大人まで たくさんの人に観てもらい 制作者...
この映画こそ 子どもから大人まで たくさんの人に観てもらい 制作者の意図は しっかりと伝わった だから、英語は違和感があるけれど 仕方ないですね 100歩譲って 父親が政治犯だとしても 家族まで収容所に入れられて 奴隷のような扱いが一生続くとは… 本当に劣悪な世界 実写だったら 耐えられなかったと思う 人権なんてあったもんじゃない 瀕死の日本人拉致被害者に 「ゆうや〜け こやけ〜の 赤とんぼ…」 と日本語で歌った場面が 心に沁みた
映画の力を信じたい。
謎に満ちた北朝鮮という国家。観たかった映画。真実なら許せない憤りに満ちた問題作。真相を知りたくてパンフレットを購入し、熟読した。目を覆いたくなる悲惨さを避ける3Dアニメーション化といい言語は英語とした世界へのメッセージ性は秀逸。その想い、世界の人々が1人でも多く観てこのならず者国家の転覆を声高に叫ぶべき。映画の力を信じたい。
強制収容所ストーリー。
北朝鮮を描くものには、ドキュメンタリーが多いが、この映画はアニメを用いて、ストーリー性を持たせている。 そして、仏教の輪廻転生や、キリスト教の愛の精神、そして、それらの世界観をベースとした、自己犠牲の精神を描こうとしている。 共産主義、全体主義の国家に、宗教はなく、神は存在しない。 現代の科学は、人間の存在は「脳」であるという。「脳」が死んだら、人の死であるという。 しかし、自己犠牲とは、「脳」の仕業なのか?母の愛は「脳」の作用なのか? 私は、自己犠牲や愛の中に、「魂」を感じる。 実際の強制収容所はもっと無表情で無感情で殺伐としたものだと思う。 しかし、この映画の作者は、その殺伐とした世界の中に、人の愛を、慈しみの心を描きたかったんだと思う。 「死んだら、また会おう」という、言葉の中に、愛があり、肉体を超えた、人知を超えた、広大な世界がある。 この世界には、効率や合理性を超えた世界があるんだ。 だって、そっちの方が美しい世界だから。
上映館を探して観に行くべき映画
あの団体に対する配慮なのかそれとも圧力なのか、メジャーな映画館では上映してないように見受けられます。脱北者の証言をもとに脚本されていますのでリアルな描写もありそうです。 この事実を世界は知るべきだと思いました。
北の切実な深刻な事実
観ようか観ないか迷ったあげく、レビュー見て1週間遅れの鑑賞。凄く面白かった。 北の凄まじい残酷さをリアルに描かれていた。 まだまだ知られてない、知るべき実情も。 この映画を通して世界の課題として重要視し、解決へ向けて欲しいと強く願う。 映像もリアル感ある綺麗だった事も記しておきたい。 是非お勧めします。
北朝鮮が題材というだけでもう面白い。
父親が政治犯の疑いで逮捕され、強制収容所に入れられた家族がその中で生き抜いていく様子を描いた話。 . 日本人の監督が作ったと知らずに、全編英語だし最初にTED Talkが出てくるから完全に海外のアニメだと思って見に行ったら、随所に日本への目配せがされていてこれは拉致問題とかあるけどあんまり北朝鮮とは関わりたくないな(少なくとも私はそう思ってた)と思ってる日本人には絶対刺さる。 . 主人公のお父さんは50年代に在日朝鮮人帰還事業により日本から北朝鮮に戻った人だったり、強制収容所には日本から拉致されてきた人がいたり、そして中盤に流れる「赤とんぼ」よ。 . 過酷な強制収容所にいる普遍的な家族の話を描いた先に、北朝鮮についての政治的なメッセージを入れる。政治的でかつエンタメになってるこういう映画って日本では珍しいからね。 . ちなみに私は「赤とんぼ」のとこも良かったけど、最初の太陽節の描写があれだけで北朝鮮!という感じですごい好きだった。豪華にガチガチに固められたあの国の中には、自分たちと同じような人が生きてて、そういう人達が犠牲になってできてる国なんだとあそこだけで表されてる。 .
北の国から
秩序維持の為 人間性を否定する監獄国家からの逃避 揺るぎない封建支配体制と対峙する揺れ動く魂の道程と終着 脱北者の証言から構築された収容所の描写に疑いの余地がない 苛烈さに息を呑む 難しいテーマを芸術的に昇華させた手腕に感服します
見た目は同人ゲームだが…
監獄脱出ものの映画です。 法律でも条約でも守られていないので、かなり悲惨です。 ホロコーストでは抹殺が目的なので終わりが有りますが、労働と教化が目的なので逃げ場がありません。 ユダヤ人や黒人や冤罪の話は良くありますが、過去この子であったり人種が違うので、どこか他人事にできていました。 これは現在も続いていることだし、日本に極めて関連していることなので、とっても辛いです。 日本語が出てくると切なくなります。関係がある人はこんな思いで観ていたのだと、初めて解りました。 映像はポリゴンが残る3Dとカクカクした動きで、一昔前の同人アニメやゲームのようですが、話に引き込まれて全然気にならなくなります。 これが、実写だったりリアルな3Dで、皮膚のテクスチャーが映像から感じる匂いがわかっちゃうと、観てられなくなります。 わざとこうしているのであれば、大正解です。 自分にも何かできないかと思いましたが、攻め込む訳にも行かないのでもどかしいです。 偉い人にお辞儀をするところを見ると、日頃、威勢の良いことを言っている人たちの目指す社会はこれなんじゃないの、逆だろうと思います。
考えさせられました
始めは「日本に生まれて良かった」と思って観ていました。でも、ストーリーが進むにつれて、今も北朝鮮でこれだけの辛い状況があるのに何も出来ない(しない)自分に苛立ちやら、もどかしさやら。。国連って何してるですかね?この国を救うことは出来ないのでしょうか。。
アニメ化の意図
この重いテーマをアニメにする意図がよく分からなかったのだけど、あまり重くなりすぎずに多くの人が見やすくする意図があったのかもしれない。 北朝鮮の強制収容所の実態を実写で撮ったら、年齢制限がついたり、残酷なイメージがあって敬遠する人もいるだろう。 この映画の趣旨は、なるべく多くの人に見てもらって、その実態を知ってもらうことにあるはずで、その意味でアニメ化は成功しているといえるだろう。 実際にアニメとしての出来もいい。 人間はこうした愚かな行いを何千年も続けている。 そろそろ卒業してもいい頃だろう。 ひとりひとりが自分の問題として内省する必要があるのだ。
大きな映画館でも上映してほしい
映画のレビューを観て良さそうだったので、初めて小規模映画館で鑑賞しました。 クレジットでチケットを購入し、10分前に入場可能と書いてあってそのまま2番スクリーンの部屋へ行ったら係の人が誰もいなくて掃除してた人がいたのでチケットを見せて席に座りました。 そしたら感じの悪いおじさんがチケットをちらつかせながらこれをチェックしてもらったの!?と大声で近づいてきて、さっき掃除の人にチェックしてもらった事を伝えたら納得いかないような感じで席に座りました。 大規模映画館と違い常にチケットチェックの人がいるわけではないんだろうけど、チケットを購入してないのに入ったと思われて映画鑑賞前に嫌な思いをしました。 映画の内容は良くて所々号泣しましたが、おじさんの余計な一言で映画の良さが半減でした。 映画は本当に良かったので、大規模映画館でも上映される事を願います。
【家族の物語】
物語はフィクションだが、TEDカンファレンスに登壇して、北朝鮮の強制収容所の経験を語ると云うスタイルで、実在の人物をモデルに3Dアニメにしたのかと思わせられる。 TEDは、テクノロジー、エンターテイメント、デザインの頭文字の略で、世界中の著名人によるさまざまな講演会を主催・配信などしている非営利団体だ。 ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブスなどハイテクを牽引してきたビジネスリーダーから、グレタ・トゥーンベリなど環境活動家、日本の町工場の社長・伝統工芸家など幅広い人々のスピーチに触れることができるし、強制収容所ではないけれど、実在の脱北者の公演も配信されている。 作品は、監督の清水ハン英治さんの膨大な強制収容所からの生還者を含む脱北者とのインタビューをベースに構成させているのだが、日本からの帰還事業で北朝鮮に渡った家族が物語の中心で、「焼肉ドラゴン」も思い出した。 他にも日本人妻を想起させる登場人物もいて、拉致被害者のことも考えさせられる。 (以下ネタバレ含みます) 強制収容所内の出来事には、生き抜くための辛さや、或いは、醜さ・争いなども垣間見られるものの、絶望を乗り越えようと手を差し伸べあう人々の優しさや、若者の背中を押す強さ、管理する側にも善意の人が描かれていることなど人間性とは一体何なのだろうかと考えさせられるし、予想もしていなかったエンディングには心を締め付けられる。 フランクルの「夜と霧」のことも思い出した。 映画は、膨大な脱北者のインタビューを背景にしつつも、強制収容所の過酷さや体制の残酷さより、こうした中にあっても耐え抜こうとする人間の物語を描こうとしたのだと改めて思わせられる。 実写だと目を覆ってしまうような内容もアニメだから、冷静に観れると云う良さもあると思う。 「FUNANフナン」でも同様に感じた。 北朝鮮の瀬戸際外交や、核・ミサイル開発などのニュースに触れると、北朝鮮の人間が全て悪者のように感じられてステレオタイプになりがちだが、改めて体制と人々は区別して考えるべきだと思うし、体制転覆は外からは困難だとしても、脱北者を国際社会としてどのように受け入れるべきか、北朝鮮の友好国で新疆ウイグル族へのジェノサイドで非難されている中国にどのように国際社会は対応すべきか再考するなど必要なのだとも思う。 日本はリーダシップを取れるだろうか。 公開劇場は多くはないけれども、出来るだけ多くの人の目に触れたら良いと思う。 ステレオタイプにならずに考えて欲しいと思う。
重い
パッと見、あまり最先端ではないキャラで敬遠しがちで、内容も北朝鮮の強制収容場での話なので若い子は興味持たなそうだが、今時のYouTubeばかり見てる若い子に見てほしい内容。 多少なりともフィクションもあるだろうが、だいたい同じような事が今も起こってるのだろう。 かなり残酷で、人を人とも思わないので日本の刑務所でさえまだ全然よい場所なんだなあって思わされた。 残念すぎる故にポリゴンガタガタの人間は正解だと思う。 あちらの方々の非道なところは家族ごと巻き込むので逆らう事もできない。 この映画が少しでも北朝鮮を変えていく為のキッカケになればよいと思うが、現在も収容所は拡張されているようで悲しいですね。 自分が指導者なら労働者にご飯も与えると同時にやる気も与えて生産性を高めるのに何故、あんな使い捨てのようなやり方なのかなと疑問。 しかし、脱北者のメガネ、お前だったんかい!と思わず心で突っ込んでしまいました。
過酷な現状を世界に知らせる意味
ウイグル自治区や北朝鮮の強制収容所を当事者以外が批判しているのがあまり好きではない。中国憎し、北朝鮮憎しに利用されている感じがするから。でも中国や北朝鮮のやっていることに怒りが覚えるのも確か。この手の話題は居心地が悪くなる。 脱北者からの聞き取り調査から作られたこのアニメーション映画は、それでも観ておかなければという気持ちにさせる何かがあった。 実際に観たら収容所の生活は相当に酷かった。アニメだからまだソフトに見えていたけど。彼らがなぜ収容所生活を強いられたのかが実はハッキリしない。義理の息子が韓国のラジオ聞いたという理由だったおばさんがいたくらいなんだから、相当にひどい。で、収容所の色々なエピソードが積み重なって、さぁいよいよ脱出ということになるのだが、その展開になるほどと唸ってしまった。エスケイプものとしてかなりレベルの高い脚本だ。 それにしてもこの話が20年も経っていないことに驚く。いや、今も続いている話でもある。韓国の光州事件を扱った映画でも似たようなことを言っていたが、この現状を世界に知らさないといけない。こんな自分でも本当にそう思う。
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