劇場公開日 2021年7月9日

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「セルジオのような人が施設に必要だ!」83歳のやさしいスパイ Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5セルジオのような人が施設に必要だ!

2021年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

83歳のセルジオが生きがいをまた見つけたということは大事である。高齢になると新しく仕事を見つけることや時代についていくことも大変だ。アルツハイマーや身体の病がなくて健康寿命の長い人がますます増えてきているようだ。こういう人の中で働きたい人が働ける場があるのは幸せだが。セルジオは現状維持派で頑固な高齢者じゃない。高齢者になると頑なに自分中心な動きをする人が多いが彼は違う。数多くの高齢女性が紳士だというがその通りだと思う。ましてや、刑事コロンボのようだ。
それに、彼は、また訪問しに来ると思う。最後に流れる曲、チリのアリカ出身の マヌエルの歌うTe Quiero ( Manuel Garcia)は 締めくくりに合っている。 セルジオは絶対に訪れてくれるという希望を与えている。

Te quiero, te quiero
Y eres el centro de mi corazón
Te quiero, te quiero
Como la Tierra al sol

Manuel García

サンチアゴのサンフランシスコという老人ホームに入っている人々はそこが姥捨山のようで、家族が訪問しに来ない。なんと! 探偵事務所に頼むなら訪問せよと思ったりもしたが。ソフィアも大家族だったようで、セルジオが写真を見せた時、はじめ子供たちの名前も取り違えているようだった。老人が自分を失ってきている時、写真を見せてあげるといいらしく、それが、記憶を繋げるだけでなく、記憶の奥深くをよみがえさせてくれるようだ。セルジオがそれを時間をかけてソフィアのためにしてあげる。 老人施設が、心の安らぎを与えられる場所になるといいが、職員は誰も忙しいようだ。セルジオのようなボランティアを雇って、一緒に住んでもらわない限り、考えられないことだ。 セルジオのような人が施設に必要だ。

Socialjustice