「この上なく痛快」シカゴ7裁判 bionさんの映画レビュー(感想・評価)
この上なく痛快
軽い気持ちで見だしたら、面白いし、引き込まれるし、痛快な気分になるラストまであっと言う間だった。1968年の裁判だから、ウッドストックの1年前だね。自分にとってアメリカ現代史はロック史で把握してるから、なんとなく当時の雰囲気はわかる。それに当時の映像がときどきカットインされるから、現実にあった出来事だということが思い知らされる。
この作品は、予備知識なしで見たけれども、主要登場人物の性格や思想が自然とわかるようになっているのがすごいね。さすが、アーロン・ソーキン監督。主要人物のキャラクターはこんな感じ。
■アビー・ホフマン
頭の回転が早くて、冷静沈着。権力を笑いでもって地に落とすことが最上の喜び。
■トム・ヘイデン
秀才のお坊ちゃま育ち。真面目すぎて型を破ることができない。
■ボビー・シール
信念の闘士。
■ジェリー・ルービン
権力を屁とも思っていないが、女に弱い。
■リチャード・H・シュルツ(検事)
公正さ、客観力を持っているが、自分の職務に忠実。
■ウィリアム・クンスラー(弁護士)
真の正義が行動基準の人権派弁護士。お金は2の次。
■ジュリアス・ホフマン(判事)
悪代官そのもの。上にへつらい。下に厳しい。
裁判が進むにつれて、ジュリアス・ホフマン判事への怒りがマグマがどんどん溜まってくる。そして、あのラストだから、涙とともに溜飲という溜飲が下がってこの上なく痛快。(逆流性食道炎持ちだから、ほんとは下がらないけど😹)
FBIの覆面捜査官のすました笑顔が、とても印象的。
bionさんへ
あの裁判で「誰かがリストを読み上げたこと」は知っていたんですが、映画を見ながら「レニーだ」と思い込んでしまったんです。お陰様で、完全に裏を突かれてボロ泣きでしたw
20回観たくなる気持ち、良く分かります!