天外者(てんがらもん)のレビュー・感想・評価
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万華鏡のマルチカラー映像は何を表すのか。
物語は、幕末から明治維新の激動の時代に生きた武士であり、実業家でもあった五代友厚の生きざまであった。今では、自己主張や自己評価を高く持ち、自己アピールできる日本人も多くいるが、明治時代の五代友厚は自惚れ屋として周囲から浮いてしまいます。愛する人の苦悩と何もできない不甲斐ない自分に、置き屋の女将の言葉でハッとする。「あなたは生きる為に何が売れるのか」(さすがの凄み女優のかたせ梨乃さん)と…
五代友厚はがむしゃらに日本の未来の為、愛する人の為に動き出す。
五代友厚は、万華鏡の中にみたキラキラした日本を思い浮かべ、ラストの夜景に浮かぶ、五代友厚を偲ぶ灯りが優しく未来を照らしている。天外者=ずば抜けて才能のある者である人の苦悩は計り知れないのだろう。五代友厚役である三浦春馬さんもそうだったのか、誰にもわからない。しかしながら、映画館でラスト自然に拍手がおこった。本当に素晴らしい天外者の三浦春馬さんでした。
三浦春馬を偲ぶ作品
作品の評価は三浦春馬のファンが付いたため、下駄を履かされた印象。
単純に評価されれば、もう少し低いと思う。
内容的にも商業作品でない為、三浦春馬…の枕詞が付いて初めてそこそこ売れる作品だと思う。
作中では男女差別や商売のあり方など綺麗事で済まないテーマも内包しており、公共団体や教育目的で利用価値は見出だせそうである。
時代劇であるため、どうしてもセット、衣装など費用面でも現代劇と比べべて製作費が掛かってしまうから、見た目が大作と比べると見劣りするのは否めない。ちょっとインディーズ臭が漂ってしまうのは折り込みずみで観てもらいたいとは思う。
ただ三浦春馬を偲ぶと言う意味では「勿体ない」「何故?」の言葉がどうしても浮かんでくるほど、作中の存在感がある。
作中の主人公の想いよりそちらを考えてしまうのは彼の存在感が大きかった証拠と思う。
二人の天外者
幕末~維新後の偉人と言えば…
坂本龍馬、勝海舟、西郷隆盛、政治家なら大久保利通、伊藤博文…。
恥ずかしながら、この人物の名は初めて知った。
五代友厚。
しかしその生涯や才能はまさしく、“天外者”!
武士から政府の役人、そして民間実業家へ。
立ち止まるという事を知らぬようなその生きざま!
元は薩摩藩士。
ペリー来航で揺れる日本。
しかし五代はこれを、日本が大きく変わる時!
「誰もが夢見れる国にする」
「俺なら出来る」
「俺に一日早く学ばせるという事は、この日本が一日早く進歩するという事」
何ちゅー異端児。大言壮語。自惚れ屋。
それ故、旧幕府側からは目の敵。毎日のように追われ、時には命を狙われる。
が、改革派からは目を掛けられる。勝から“日本を変えるかもしれない男”と言わしめ、大久保から信頼厚く、伊藤や後の三菱財閥の岩崎弥太郎とは旧知の仲。イギリス人貿易商トーマス・ブレーク・グラバーの支援で海外留学にも。
特に龍馬とは厚い友情育み、志共にし、この国の未来を語り合った。
留学中、あの事件が起きた時…。
明治。新しい時代。
でもそれは言葉だけで、国や民の生活は何も変わらない。
政府の役人であったが、この“縛られた”立場を退官し、本当の意味で日本を変える為、実業家に転身。
それからが凄い!
鉱山、造幣局、製造工場、証券取引所、商工会議所設立、大学設立、金属工業、貿易商、運輸会社、商船、銀行…。
誰もが自由に働く。誰もが自由に働ける職を作った。
それが日本を動かし、本当の意味で夢の実現に突き進んだ。
産業革命で近代日本の礎を築いた大実業家。
言わば、もう一人の渋沢栄一。
龍馬役の三浦翔平がなかなかハマっている。
弥太郎役の西川貴教も好助演。
幕末~近代日本に生きた男たちを熱く演じる。
森川葵は哀しい遊女を、蓮佛美沙子は支える妻を健気に。
でもやはり、この人の存在感無くして本作の魅力は無かっただろう。
三浦春馬。
単に最後の主演映画だからって捉える人もいるだろう。じゃあ、『ダークナイト』のヒース・レジャーは…? 間違いなく、本作は彼の最後の主演映画で彼の代表作になった。
それで魅せた全身全霊の熱演。体現。確かにちとオーバーリアクション気味かもしれない。が、それほど熱く演じたのだ。それほど熱く五代友厚を生きたのだ。
だからこそ、未だ信じられないあの急逝が…。
“天外者”とは鹿児島県の方言で、凄まじい才能の持ち主の意味。
確かに五代は“天外者”な才で、誰にも真似出来ぬ凄まじい事をやってのけた。
何もそれは私腹を肥やす為ではない。
この国…さらに言えば、この国の未来。
子供、孫、100年先ーーー。
人はどうしても自分や目先の安定を重視する。
別にそれが悪い訳ではない。一個人、生活するなら当然だ。
しかし、この国全体の未来を思うなら…。
今、我々が堪え忍ぶ必要がある。歯を食い縛る必要がある。踏ん張る必要がある。
そうすれば、きっと。いや、必ず。
クライマックスの五代の熱弁は最大のハイライトで、胸打つ。
冷静に“映画”として見て、多少難あり。
演出はステレオタイプ。重厚さに欠け、TVSPドラマっぽくも。かと言って青春群像時代劇なので、あまり重厚過ぎるのも…。
病に伏せた遊女はるを勝手に外に連れ出すなどツッコミ所もあり、一番の難点は時間経過。海外留学行ったと思ったらいつの間にか帰って来たり、妻と出会ったと思ったらすぐ子供産まれてたり。
2時間弱の尺に収めるのは幾ら何でも無理。
何故なら、天外者!
大言壮語で自惚れ屋でもいいじゃないか。それを有言実行したのだから。
才ある無いがあるかもしれない。でも、最終的にはそれじゃない。
目的を持って、突き進む事。
知られざる偉人で、我々と同じ夢見人、五代友厚の姿をこの目に焼き付けた。
そして同時に、
爽やか好青年から味のある役者へ。
三浦春馬さん。
どんな“天外者”になっていっただろう。
もうすぐ、突然の死から1年が経とうとしている…。
改めて突然の死を惜しみつつ、このタイミングで見れた事に胸が熱くなった。
脚本家・粗末先生の真骨頂
春馬君は悪くない。いや、俳優、監督、他の誰も悪くない。この人の脚本は誰がどう足掻いても面白くすることは不可能なんだ。
坂本竜馬や伊藤博文、他の名のある歴史上の人物との絡みや面白い史実、実在した人物を題材にするに当たって他の脚本家ならどんなクズでも書くだろうネタを物の見事に全削除。代わりに入ってるのは臭い恋愛描写と男版メアリースーさながらに無双する主人公。あまりのつまらなさに観てる途中で帰りたくなった。どんな題材もゴミに変える手腕はまさに粗末先生。映画を見逃してDVDで観ようと思ってる人は止めとけ。旧作100円でも損する駄作がこの世にはある。
三浦春馬のファンは必見!
映画館で見ました。
最後はスタンディングオベーションでした。
三浦春馬を見に行くには非常に良い映画でした。
ただ、作品だけを見ると、演出や演技、ストーリーなど違和感がある作品でした。
歴史ともどれだけ連動しているかというと謎でしたし。
ただ、最後は感動しました。
仕事早退、劇場直行。 2本立て1本目。五代友厚を描く。2時間ドラマ...
仕事早退、劇場直行。
2本立て1本目。五代友厚を描く。2時間ドラマ的、役者も若手ばかりで歴史物としての重厚感に欠ける。恋愛、その他のエピソードにも深みがなく、なぜ嫌われ、どこから慕われたのか全く分からず。簡単な幕末知識も必要。
三浦春馬の遺作ということだけの高評価かと。
上映終了後、4人くらいのおばはんが拍手喝采。キンコン西野と同じくもはや神格化された模様。嬉しくないだろうな。
永遠なれ
三浦春馬さんの最後の主演作品ということと、五代友厚ということで鑑賞しました。2時間ではなくもっとじっくりと五代友厚という人物を春馬さんで演じてるのをみたかった。三浦さんは明治の洋装がとても似合う。これからもっともっと色んな役を演じてほしかった。
本当に惜しい人を亡くしました。合掌。
なんか惜しい、、、
上映終了直前ギリギリに観れました。
地元は田舎なので大型のシネコンでも平日はガラガラなのですが、この作品は多くの観客が入ってました。
贔屓目を抜きにして、以前から三浦春馬さんは「単なるイケメン俳優」ではなく、実力派で重厚感のある俳優さんだと思っていました。
だからこそ、あくまで個人的なイメージですが、
「単なるイケメン俳優」としか感じられず演技力の弱い三浦翔平さん、
ビジュアル系の雰囲気から浮いた演技が隠しきれない西川貴教さん、
まだまだ稚拙な雰囲気が漂う森永悠希さん・森川葵さん、
この4名のキャスティングのせいで、作品の重みや深みが薄れ、作品が安っぽく感じてしまいました。
すみません。
プライベートや役者仲間として、三浦春馬さんと三浦翔平さんの絆が深いことはわかっていますが、あの4人のキャスティングをもう少し実力派の人に演じていただきたかった…
ちょいネタバレ。
映画そのものはかなりカットされた残りを繋いだものということで、大河ドラマの総集編といった様相。
女性脚本家が三浦春馬に当て書きした五代友厚のキャラクターは先進的すぎて周囲から理解されない孤高の人物。
武器商人グラバーが語り部となっているが史実でも五代らへのそれなりのリスペクトはあったもよう。三浦春馬自身も才能の理解者は日本人のみならずイギリス人演出家やデザイナー、アメリカ人舞台演出チームなど国際色豊かだ。何より外国人に与えられた仕事の方が才能相応だったりする。
諸々念頭に置いて映画を観るとさらに理解が深まるだろう。ただ、遊女はるとの恋愛はしっかり描かれているのに晩年まで五代を支え、子までなした奥さんがあっさりとしか描かれていないのが腑に落ちない。はるは空想の人物なのでエピソードはいらないと思ってしまうのだが。豊子だって没落を味わい夢が欲しかったのでは?夫と新しい国を夢見たのでは?
最後に故三浦春馬さんの演技だが100点満点だろう。「日本人の筋肉は植物性たんぱくで作る」ところからこだわる人なので、やや細身ながらバネのような強靭な肉体と陰影に富んだ表情は大変豊かでしかも自然だ。磁器のような白い肌に艶やかな黒髪がトレードマークだが、日焼けした青年期の風貌は子供の頃よりsoldierとして鍛え抜いた侍そのもの。舞台で鍛えた滑舌も良く時代劇のわざとらしいケレン味なしだ。
いや、この人本物じゃないか! 正直申し訳なく思うほど、この人は本物なのだ。
日本の俳優にはあまり見ない論理的にキャラクター作りをやっていく頭脳派なのだ。聞けば事務所の若手に特別講師として演技指導もしていたという。年を重ねればプロデュースや演出もやっていただろう。龍馬役の演技に迷っていた盟友三浦翔平さんと比較しても春馬さんの演技のバリエーションには驚くばかりだ。(翔平さんが演技下手なわけではないが)
三浦春馬さんの悲劇的な死から毎日情報を集めレビューをまとめた。知ってから観るのと知らずに観るのでは違うと思うがちょっと踏み込んで書きすぎてしまったかもしれない。
天外者はいつの時代にも
五代友厚という人物の成し得た事柄を全て描くには、あの時間ではとても困難で、この作品ではその人物像を描くことを大切にしていた様に思う。春馬さんが演じたことで、より一層、魅力的な五代友厚となり、今の時代でも確かに天外者は居たんだ・・・と思い知らされる。心ある人達の手で、精一杯協力して作り上げた作品に、春馬さんの思いも重なって、暖かく優しく、強い心と意志を感じる映画となっていたと思う。
キャストの皆さんの熱演に涙
元々映画はあまり観に行かないタイプですが、天外者は違いました。
三浦春馬さんのファンだから…という理由で観に行ったのが動機でしたが、観る度にキャストの皆さんの熱演に圧倒され、3回足を運びました。
1回目、2回目と回を重ねる毎に、理解がより深まり、歴史という背景に興味を持つまでになりました。
それから政治にも関心をより向けるように。
今の日本がよい国、夢を見られる国かは私には分かりません。
ですが、五代友厚ならびに歴史上の人物が築き上げたこの国が、よりよいものになってほしいと思いました。
涙が堪えきれないシーンがたくさんあり、周りからもすすり泣く声が聞こえ、エンドロール後に拍手が巻き起こりました。
それを含めてこの映画は、とても感動しました。
全584件中、61~80件目を表示