きまじめ楽隊のぼんやり戦争のレビュー・感想・評価
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好き嫌い分かれそう。
眉村卓さんのショートショートにありそうなストーリー。学芸会みたいな演出も好みでした。
無表情で感情や思考を露わにし、行動を起こすところが面白い。
わかりませんでした。
言いたいことはなんとなく分かるが、良さが全くわからずでした。
中国の脅威が増している今でもぼんやりしているというのならまだしも、随分と昔を勝手に想像して揶揄してるわけで、なんだかなあという感じ。
絵本のような戦争ファンタジー
時代設定は昭和初期かな。主人公は川向こうの町と戦争をしている町の兵隊さん。ある日、音楽隊に配属になる。
コメディというよりパロディなのかな。意味のない戦いを揶揄してる感じ。戦闘は毎日9時から5時まで、両方ともきっちり守ります。敵の情報は入ってこないので、市民が知ってる敵の情報は、おろそしい人達らしいって事だけ。毎日繰り返される型にはまった様な日常と、変だと分かっているけれど同調圧力に逆らわない人々。同じセリフを何度も繰り返す演出に同じ音楽の繰り返し。戦争の残酷な面も当たり前に捉える人々。ある意味現代社会をカリカチュア化してんじないかな?と思ったりして。
なんだよこれ〜って思いながらも最後まで楽しめた。ほんと戦争って愚かだよね。
不条理なキャラクター
戦時下の国家に暮らす人々をカリカチュアした、舞台劇のような映画でした。
不条理なキャラクターの存在と、世界を俯瞰した視点は面白いです。
・兵士が仕事だと思ってる
・町のためだから人を殺しても、殺されても仕方ないと思っている
・戦争の意味は一切考えず、命令を忠実に守ることが大事
という価値観のまま、一切の疑問も持たない人々の反応として、実力派の役者たちにわざと間延びした棒演技・棒セリフの応酬をさせるというスタイル。
私のように皮肉を好み、斜めから穿ったものの見方をすれば楽しめる可能性が高いですが……
ストレートに表現を受け止める、心の綺麗な方々にとってはシュールな前衛劇にしか見えず、まったく面白く思えないとも感じました。
観る人を選ぶというか、性格のねじれ具合が必要というか。
また、淡々と時間が流れていくので、眠気を誘発しやすいのが難ではあります。
演劇を観ているかのような作品
まるで演劇を観ているかのような作品である。登場人物の台詞の演出が二つに分かれていて、ひとつは兵隊や役人の台詞で、感情がこもらず抑揚が少ない。町という共同体の言いなりになっていることを表現している。もうひとつは庶民の台詞で、片桐はいりのせりふに代表されるように、戦争を肯定しなければ生きる意味を喪失してしまう危機感に満ちている。両方とも難しい演技が要求される演出だと思う。出演者に劇団出身の俳優が多いのも頷ける。
出来上がった作品は映画紹介サイトにあるようにコミカルでシニカルである。特に登場人物同士で繰り広げる会話の微妙な間(ま)が面白い。観て爆笑するという訳ではないが、その特異なキャラクターには思わずのけぞってしまうような部分がある。
石橋蓮司の町長といい、やたらに「なんだ」と言いながら相手の尻に見事な蹴りを入れる工場長?といい、やたらにキレる受付のおばさんといい、よくぞこんなキャラクターを思いついたと感心した。
比喩の意味は明らかで、戦争をしたい軍需産業(工場長)が政治(町長)を牛耳って、兵隊を使って無意味な戦争を続けさせる。国民(食堂と惣菜屋その他)は戦争のプロパガンダに精神的に支配されて盲目的に戦争を礼賛する。工場長の理不尽で問答無用の暴力が町を支配し、兵隊を含む国民は考える能力を失って、ただ生きるために戦争をする。軍需産業はとんでもなくエスカレートして、一発で広範囲を破壊する恐ろしい爆弾を作るが、商売だから敵にも売る。そして誰もいなくなる。
主人公のトランペット奏者は、かねてから戦争時間(就業時間)以外の時間に対岸から聞こえる音楽を耳にして、自分も戦争時間以外の時間にトランペットを吹く。曲はヨハン・シュトラウス二世の「美しく青きドナウ」である。人間のいない場所に音楽は必要がない。綺麗な旋律が濁流の前に虚しく流れるのみである。
ハイかイイエならイイエ
架空の年代架空の地域、本人達すら意図も目的も判らないけれど、川の対岸の町と戦争をしている町のお話。
生まれる前から毎日毎日何か判らない対岸の驚異に対抗すべく、朝9時から夕方5時まで、河原に集う兵士達が散発的に対岸へ発砲する戦争。
そんな町の兵士であった主人公が楽隊に配属された頃から町に変化が訪れる展開。
のらりくらりとしたテンポにすっとぼけたやり取りで進行していくけれど、キャラによって空気感が徹底されていなかったり、それでいて代わり映えのしないやり取りの繰り返し、と単調な感じ。
畳み掛ける訳でも、忘れかけた頃に来る訳でも無く、淡々と小エビが並べたてられた天丼なんて大して美味しくないし魅力的じゃあございません。
みえないものや噂への過剰な恐怖とか、不寛容な世の中や弱い者イジメ等々への風刺的意味合いは感じとれるけれど、コミカルさもシニカルさも物足りず。
塩気も毒気も薄味過ぎて正にぼんやりだった。
パッションの使い方
誰のために?仕事がないと困る?
同じ繰り返しの日常を、一生懸命にはりきって働く大切さも分かる!
一生に一度の人生だもの、きまじめもいいけど、忖度無しにはりきって自分の考えで突き進んで生きたいと思った
片桐はいりさんには星⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
【内部崩壊する戦争国家】
戦争をプロットして、戦争の悲劇というより、バカバカしさをよく伝えている。
(以下ネタバレ)
戦う理由を皆、実はよく知らない。
戦いは仕事だと思い込んでいる。
適宜弾薬を消化しなくてはならない。
思考に応じて配給が異なる。
偉い奴はバカなことしか言わない…というか、繰り返し言う。
バカは自分のことをバカだと思っていない。
息子は輪をかけてバカだ。
盗みも平気だ。
でも、優遇されている。
組織の中身など知る必要はない。
マニュアル通りにやれば良い。
余計なことを考えるのは罪だ。
人は使い捨てだ。
怪我をしたら、お役御免になるだけだ。
自由恋愛などご法度だ。
女は子供を産めなければ役立たずだ。
離縁は当然だ。
国威発揚のために楽隊だって使う。
最新兵器も開発するし、使ってみる。
でも、事実を知ってる奴は必ず潜んでいる。
最後の川のこっち側の大爆発は、戦争国家が内部崩壊した様を象徴的に表しているのだ。
よくも、これだけ盛り込んだものだ。
今でも戦争を美化しようとする輩は沢山いる。
本人は謝ってもいないくせに、日本はどれだけ戦争の謝罪をしなくてはならないのだと疑問だけぶつける輩も沢山いる。
あのリコール軍団も是非、バカな頭で、この作品を観て、バカを自覚すれば良いと思う😁
あっ、あと、あの失言の止まらない人もね。
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