大綱引の恋のレビュー・感想・評価
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名匠が最期に描いた家族の肖像
普段あまり自ら進んで鑑賞しないタイプの映画ではあるが、この新型コロナの影響でちょっとした国内旅行もままならない中、このご当地ムービーを覗いてみたい気持ちがどうしようもなく高まった。恥ずかしながら川内市の大綱引きという行事について初めて知り、そのクライマックスの迫力には「こうでなきゃ」という充実感が込み上げた。その前後は、とにかくシリアスからコミカルまで様々なドラマが起こるので、これを楽しめるかどうかはひとえに観客側の受け取り方次第。それにも増して私は、このご当地映画の裏テーマともいうべき「日の当たらないところで必死に踏ん張る人」という視点に心惹かれた。この世の中には人知れず地道に努力する人々が少なからず存在する。また彼らの頑張る姿を人は意外としっかり見つめているもの。思えば、佐々部清監督作品はいつもそういったところにきちんと視線を投げかけていたように思う。これが遺作となった事が惜しまれる。
いい人たちの、いい話。
鹿児島県の伝統行事、「川内大綱引」をテーマに、
兄と妹のそれぞれのラブストーリーが展開。
大綱引のシーンは、迫力があり、その熱気が伝わってきますが、
勝負?の決め方、太鼓と綱引きの関係など、その詳細が
描き切れていないので、なんとなく消化不良な感じでした。
そして、二つの恋の展開も、よくあるストーリー。
登場人物も、いい人ばかりすぎて、
もう少し、スパイスのようなものがいるんじゃないでしょうか。
佐々部清監督の遺作になってしまったんですね。残念です。
松本若菜が魅力的だった
2020年3月に心疾患のため滞在先のホテルで亡くなった佐々部清監督の遺作。
鹿児島で江戸時代初期から400年以上の伝統を誇る川内大綱引を柱に35歳独身の有馬武志(三浦貴大)を主人公に友人や同僚との人間関係、恋愛、家族愛を描くもの。武志は父・寛志から、早く嫁をもらって、しっかりとした跡継ぎになれとうるさく言われていた。ある日、武志の目の前で倒れた人を救おうとした時、韓国人研修医ジヒョン(知英)と出会い適切な救護を目撃し、また後日韓国からの観光客の通訳で参加した時ジヒョンと再会し、彼女の事が気になっていた。有馬家では、母の文子が60歳での定年退職を宣言し、家事を放棄したため、家族たちは家事を分担して対応した。年に一度の一大行事である大綱引が迫る中、一番太鼓が怪我をし、代わりに武志が選ばれ、好きなジヒョンからは韓国に帰国すると告げられる。さてどうなるという話。
大綱引きのシーンは凄い迫力有った。
武志の恋人役の知英、武志の妹役の比嘉愛未、武志の幼なじみの自衛官役の松本若菜と魅力的な女優が揃ってた。
知英より松本若菜の方を選べば良いのに、って思って観てた自分がいた。
いつかこの綱引きを現場で見てみたいと思った。
精一杯やった事には胸を張れる
綱引き祭りの話
祭りと恋愛を絡めた地域おこし映画といった感じかな。
タイトルがそのままストーリーになってます。
特に捻りもなく、言っちゃ悪いが古臭い展開で今どきこんな展開やる?って思えるシーンも多々。
でも、なんだか落ち着くし安心感が有る、低刺激だけど味わい深い。
川内大綱引って初めて知りましたが、機会があれば直に見てみたいと思いました。
祭りの熱量が素晴らしいのでそれだけでも楽しめる。恋愛要素とか家族問題とかで感動はできなかったけれど、大綱引きを知れてよかったです。
一番太鼓は一生に一度しかなれない、とても名誉な役だけれど、負けた時の精神的ダメージ大きそう。
もし自分の年に負けでもしたら一生悔しいだろうな~。
それも含めて祭りだし真剣勝負だし、これだけ熱狂できるのかもしれませんね。
日本にはまだまだいろんな祭りがあると思うけれど、面白い祭りもっと知りたいな~。
なんとなく鑑賞してみたが、エンドテロップを見て監督が亡くなってしまったことを理解。
佐々部清監督の映画は「八重子のハミング」しか見たことないけれど、ほっこりする優しい映画だった印象があります。
いい映画をありがとうございました。
ご冥福をおいのりします。
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劇中セリフより
「一生に一度がそう何回もあるか」
幼馴染のため自分の晴れ舞台を棒に振るなんて、男気が有りすぎる。
佐々部清監督を偲んで
2021年映画館鑑賞46作品目
6月7日(月)フォーラム仙台
「せんだい」といえば自分としては仙台なのだがこの映画の舞台は川内
風吹ジュン小林稔侍がゲスト出演した『釣りバカ日誌9』を思い出す
綱引きといっても運動会とか競技の綱引きとは規模とかいろいろ違う
井上真央が主演した『綱引いちゃった!』とは似ても似つかない内容
いろいろと詰め込みすぎな感あり
自分の頭では少々しんどい
感動はできなかった
主人公は鳶職の息子で韓国人の研修医と急速に恋仲になる
鳶職の娘は元鹿児島実業野球部のシェフとのあいだに身篭る
鳶職の嫁は62の誕生日に主婦業と鳶職の会社の女将さんを引退するという
鳶職の息子の従姉妹は自衛隊の小隊長でバツイチの子持ち
などなど
知英がとてもキュートだった
笑顔が可愛い
クライマックスは川内大綱引
川内市民がこの行事をとても大切にしているということは伝わった
勝ち負けに関してはよくわからなかった
調べたら薩摩川内になるまで紆余曲折があったんだな
仙台に気を使ったわけじゃなかったんだ
お疲れ様です
“ありき”な感は、否めませんね…。
鹿児島県の川内大綱引をテーマに、兄妹それぞれのラブストーリー、家族や同級生との人間模様を描いた作品。
ですが、大綱引ありきの映画であることは否めませんかね。
恋人同士になるには、ちょっと無理のあるストーリー。
その他の描き方も、背景は描かれず、薄い展開の上に、大綱引のメインストーリーが乗ってきます。
大綱引を一生懸命やる映画にするのか、大綱引を舞台にしながら、ラブストーリーを描く映画にするのか、もう少し決めないといけなかったんじゃないでしょうか。
大綱引も、ラブストーリーも希薄な映画になってしまった感があります。
とはいえ、佐々部監督の遺作ということですね。まだ、作りたい映画がお有りになったんじゃないでしょうか。ご冥福をお祈りします。
安らぎの映画ですね
登場人物も、ストーリーも、脚本も何も機を衒わず、真っすぐに描く安心感。悪く表現すると、「ベタ」。けれども、それが心地よく見終えました。
ただ、この祭りは是非間近で観たいと思わせるカメラワークには拍手!
優しさにつつまれたなら
映画館で、幸せな気持ちになれる、そんな作品です。
「よっこいしょういち」2連発からの笑える展開から、シリアスな展開へ。
大人の恋愛?ぎこちない演技がかえって新鮮。
自然と涙が出て大変でしたが、
佐々部清監督最後の作品とは思いたくないからの涙だったのかも。
一度訪れてみたい祭のひとつになった
薩摩川内市の川内原子力発電所には2021年3月現在、日本で稼働中の5ヶ所9基の原発のうちの2基が存在する。原発のない社会を作ろうというスローガンで2016年に県知事に当選した三反園訓は、その後立場を変えて、川内原子力発電所の再稼働を容認してしまった。鹿児島県の有権者がそんな裏切りを許す筈はなく、2020年の県知事選挙ではあっさりと落選し、鹿児島県で初めての1期だけの知事となった。
本作品は原子力発電所や県知事選とは無関係で、川内大綱引を舞台に、地方の人々の人間模様を生き生きと描いている。佐々部清監督は映画「この道」や「八重子のハミング」で人の優しさを上手に表現していて、それぞれにとても感動した記憶がある。本作品ではまた一段と優しい人ばかりの登場するあたたかいドラマを見事に完成させている。返す返すもその早すぎる死を惜しむばかりだ。
主人公の有馬武志を演じた三浦貴大は本作品のために体を鍛えたのだろうか。随分と逞しい体つきで、見た目からして地方の青年らしい。役作りは大したものだ。「八重子のハミング」で強くて優しい夫を演じた升毅が本作品では狂言回しの重要な役どころを担っていて、大綱引のアナウンスは見事の一言に尽きる。芸達者の石野真子、嫋やかな美人の比嘉愛未が脇を固めて、知英が武志の相手役ジ・ヒョンを務める。申し分のない配役である。
川内大綱引の一番太鼓の役割は、他所者から見たら何の意味もないが地元では大役である。郷に入れば郷に従えで、こういう文化や価値観は尊重すべきものだ。価値は人間が創造する。それが人々に鬱憤のはけ口や楽しみを与えてくれるものならその価値は大きい。川内大綱引にはその両方がある。コロナ禍が終息して旅行が解禁になったら、是非一度訪れてみたい祭のひとつになった。
川内原子力発電所はあと3、4年で稼働期間が40年になる。原発の寿命とされる歳だ。薩摩川内市の沖は中央構造線の西端に当たる。稼働中の原子力発電所を大地震や津波が襲わないことを祈るばかりである。
地方再生映画としては100点
演出が良い意味で昭和の良き時代。ベタベタなシナリオだがそれも最後の大綱引きの迫力ある画の伏線としては良いのかも。
なぜあんなに大綱引きに人々が惹かれるのかもう少し分かりやすく見せないと関係者にしか伝わらないし共感出来ないのでは。綱引きが終わるまで妊娠知らせないとか友のために骨折するとか少し行き過ぎのような気もするが。
升さんの司会ぶりも素晴らしい。
別に馬鹿にしている訳ではないが地方の映画を年に数回しか見ない人たちにはかなり響く作品だと思う。
画はかなりいい作品。
佐々部清監督遺作になったが惜しい監督だと改めて思う。
男と女の居場所は、綱引きの時空間
伝統行事を通して、行きかう人々の愛と絆を描いてます。そもそも綱引きというイベントが祭りとしては、珍しいと思ったら韓国とご縁があったとのこと。これをベースに物語は進むのですが、由来はともかく時間をかけて作られた行事は人の一生を左右する力がありますね。
人と人、男と男がぶつかり合う迫力はいいもんです。コロナによって、距離をとれなんて言われる世の中からは、愛と絆は生まれないのではと考えさせられました。
【故郷の伝統行事を誇りを持ち伝承する男達、支える女達の姿を幾つかの恋愛模様を絡めて描き出した作品。佐々部清監督、有難うございました。】
ー 伝統行事の継承が大変だろうことは、学生時代に世間で有名な祭りの下っ端の下っ端のそのまた下っ端をヤラサレタので、何となくは分っている積りである。
今作は、父親が”川内大綱引の花形、”一番太鼓”を叩いた”男タケシ(三浦貴大)が、父の姿に憧れつつも一度は町を離れ、祭りからも身を引いていた過去もあり、祭りの下っ端として祭りを支える裏方に徹しようとするところから、始まる。ー
■感想
・後半、長時間かけて、俯瞰も含めて撮影された大綱引の熱気が、大スクリーンから伝わって来るシーンが圧巻である。
”令和元年”と良く出てくるので、当時撮影されたのであろうが、半裸の男達が“上方”"下方”の別れて大綱を三千人が参加した、観ている側も力が入るシーンである。
そして、”上方”の”一番太鼓”を叩くタケシに声援を送る、韓国の研修医で恋仲になったジヒョン(知英)とタケシの病んだ母(石野真子)、そしてタケシの幼馴染の男勝りの”テンコ”(松本若菜)の姿と、
”下方”の”一番太鼓”を叩く漢気のあるゲンタロウ(中村優一)の恋人であり、タケシの妹アツコ(比嘉愛未)が応援する姿の対比。
ー 祭りのシーンを映画で撮るのは、費用的にも構図的にも大変だとよく言われるが、この映画はこのシーンを観るだけでも、価値があると思う。
実際の本番の6日後に再現したそうである・・。ー
・序盤は、奥手のタケシが父に引け目を感じながらも、ジヒョンと恋仲になって行く姿や、タケシの母の病が明らかになったり、カズコとゲンタロウの恋する姿が、散発的に描かれたり、韓国からの観光客がやってきたり、やや散漫な感じがあるが、
比嘉愛未さんと、松本若菜さんをうっとりと見ながら(おバカである・・。)中村優一さんの、男らしい佇まい、顔が印象的で、”この人、誰だろう・・”と思いながら、楽しく鑑賞。
・大綱引の準備のシーンや、三役を任命するステップなども興味深く鑑賞。
ー ”見ている人は、見ているんだよ”とタケシに声を掛ける大将の言葉。ー
・大役、”一番太鼓”に任命されながら、神社の階段から落ちるシーンは、”???”と思ったが、そういう事なのね。リュージ、漢気があるなあ・・。
<多少、ストーリー展開が粗い所もあるが、熱気あふれる”大綱引”のシーンが観れて満足した作品。
祭りが暫く出来ない現況、この映画で祭り気分を体感するのも良いのではないかと思う。女優陣も、素敵なくキャスティングだったし・・。(個人的嗜好・・)
そして、佐々部清監督へ。
「チルソクの夏」を始め、「半落ち」「日輪の遺産」「ツレがうつになりまして」を鑑賞させていただきました。
今作もそうですが、性善説に立った優しきトーンの映画が私は好きでした。
安らかに・・。そして、お疲れさまでした。>
【この綱引きのルールをもっと知りたい】
いや、難しかった。
川内大綱引きのルール‼️
あの、放送の説明だけだと分からないよ。
でも、なんか、勇壮な感じは出てたと思う。
僕の田舎にも勇壮なお祭りがあって、盆暮は帰らなくても、お祭りだけは帰省するってのもいます。
勇壮すぎて、ごくたまに人が亡くなります。
この作品、ストーリーはベタだけど、なんか知英、比嘉愛美、松本若菜、女優陣三人とも健気な感じを出しててグッときたから、加点します。
お母さんも長生きしてな‼️
全28件中、1~20件目を表示